基本情報
- 寿命
- 5〜10年(採卵鶏は短め、チャボは長め)
- 体重
- チャボ0.5〜1kg、烏骨鶏1〜1.5kg、大型3kg
- 性格
- 好奇心旺盛で人に慣れる。雄は縄張り意識強い
- 飼育難易度
- 中(鳴き声・鶏舎の衛生・野鳥対策)
- 法規制
- 家畜伝染病予防法の家禽。飼養者は定期報告義務
- 最重要ポイント
- 野鳥を入れない鶏舎と防鳥ネットが命を守る
生態と特徴
- 体の特徴
- 飛翔力は弱いが脚力が強い。歯がなく砂嚢で餌をすり潰す。鶏冠で体温調節し色は健康の目安
- 原産地・分布
- 東南アジアのセキショクヤケイを家畜化。烏骨鶏は中国原産
- 野生での生息環境
- 野生種は森林の林床や竹林。地上で採食し夜は樹上で眠る
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。日の出前に鳴き日没とともに止まり木で眠る
- 社会性・人との関係
- 群れで生活し順位(つつき順)が明確。人にもよく懐く
特徴的な行動・習性
- 砂浴びで羽の寄生虫を落とす。砂場が必須
- 地面を脚で掻いて餌を探す。放鳥で本能を満たせる
- メスは1〜2日に1個産卵。日照時間に左右される
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
マレック病
予兆若鶏の脚や翼の麻痺、片脚が前・片脚が後ろに伸びる、体重減少、目の色の変化
予防ワクチン接種済みのヒナを購入。新しい鶏は隔離。発症すれば治療法はなく同居鶏への感染防止を優先
卵詰まり(卵塞)
予兆巣に長く座り込んでいきむ、お腹が膨らむ、ペンギン姿勢、脚を引きずる、便が出ない
予防牡蠣殻でカルシウム補給。肥満と寒さを避ける。初産や高齢鶏、烏骨鶏は特に注意
鳥インフルエンザ
予兆急死、複数羽が同時に元気消失、とさかの紫変色、顔の腫れ、神経症状。疑ったら家畜保健衛生所へ
予防防鳥ネットで野鳥の侵入を防ぐ。飼育専用の靴・手洗い。餌や水を野鳥に触れさせない
コクシジウム症
予兆血便・水様便、羽を膨らませてうずくまる、食欲低下、ヒナでは急死
予防床の糞を毎日除去し湿らせない。給餌器・給水器を床に直置きせず糞が入らないよう高くする
ワクモ・鶏ダニ
予兆夜間に落ち着かない、貧血でとさかが白い、産卵低下、止まり木の隙間に小さな赤い虫
予防鶏舎の隙間を減らし定期的に熱湯や日光で消毒。砂浴び場を用意。異常があれば獣医師に相談
腹水症・卵管腹膜炎
予兆お腹が膨らみ垂れ下がる、呼吸が荒い、ペンギン姿勢、産卵が止まる、元気消失
予防採卵鶏の高齢期に多い。肥満を避け、産卵の異常があれば早めに受診。根治は難しく緩和が中心
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
卵詰まりが疑われる
30℃前後で保温し暗く静かな場所へ。お腹を押さない。数時間で産まなければ当日中に受診
脚や翼の麻痺
他の鶏から隔離し餌と水を近くに置く。マレック病の疑いがあるため早めに受診し同居鶏の対応を相談
血便・水様便
隔離して保温。便の写真を撮り当日中に受診。ヒナは脱水が早いので即受診
急死・複数羽が同時に異常
触らず手袋着用で隔離。鳥インフルエンザの疑いがあるため直ちに家畜保健衛生所に連絡
起こりやすい怪我と予防・応急処置
つつき合いによる外傷
予防過密飼育を避ける。新入りは仕切り越しに慣らす。出血した鶏はすぐ隔離
応急処置隔離してガーゼで圧迫止血。傷が深い・頭部の傷は当日中に受診
趾瘤症(足裏の腫れ)
予防止まり木は太く角のないものに。床は柔らかい敷料。肥満防止
応急処置足裏を洗い清潔に保ち柔らかい床へ。腫れや黒いかさぶたは受診
犬・イタチ・カラスの襲撃
予防夜は施錠した鶏舎へ。金網は目の細かいものにし地面にも埋める
応急処置出血を圧迫し暗い箱で保温。小さな傷でも感染や内臓損傷があり即受診
翼・脚の骨折
予防高すぎる止まり木を避ける。捕まえる時は翼を押さえ両手で胸と腹を支える
応急処置翼はタオルで体に沿わせ包む。脚は触らず箱に入れて当日中に受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
サルモネラ症
感染経路糞・卵殻・羽に触れた手からの経口感染
予防世話と卵の扱い後は石けんで手洗い。卵は洗って冷蔵。ひよこにキスしない
鳥インフルエンザ
感染経路感染鶏の糞・分泌物との濃厚接触
予防急死や異常は触らず家畜保健衛生所へ。作業時はマスク・手袋
カンピロバクター症
感染経路糞に汚染された器具・手からの経口感染
予防飼育器具は台所と分けて洗う。子どもが触った後は必ず手洗い
オウム病
感染経路乾燥した糞の粉じんの吸入
予防掃除は糞を湿らせマスク着用。換気を良くし糞をためない
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 配合飼料(成鶏用・ヒナ用)を朝夕2回
- 青菜・野菜くずを毎日少量
- 牡蠣殻・砂利(グリット)を別容器で常備
水
- 清潔な水を常時。夏は1日2回交換
- 給水器は糞が入らない高さに設置
与えてはいけないもの
- ネギ類・アボカド・チョコレート
- 生の豆・ジャガイモの芽・カビた餌
- 塩分の強い人間の食べ物・パンの与えすぎ
おもちゃ・遊び
- 砂浴び場(乾いた砂か土)を常設
- キャベツを吊るしてつつかせる
- 餌を敷料にまいて探させる
巣・寝床・隠れ家
- 暗く囲った産卵箱に乾いた藁
- 止まり木は太めで床から30〜50cm
床材・トイレ
- もみ殻・ウッドチップを厚く敷く
- 糞は毎日取り除き湿らせない
- 月1回は全交換し鶏舎を乾燥させる
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
木製鶏舎+金網。床は土か敷料。防鳥ネットで野鳥を遮断
大きさ・広さ
1羽あたり鶏舎0.5㎡以上+運動場1㎡以上
配置・レイアウト
- 産卵箱・止まり木・砂浴び場を分ける
- 餌・水は糞が入らない高さに
- 日陰と風除けを確保
設置場所の注意
- 雄の鳴き声に配慮し住宅密集地は避ける
- 野鳥・ネズミ・イタチが侵入できない構造
運動・部屋んぽ・散歩
- 毎日数時間は運動場で放す
- 放し飼いは柵内で野鳥の糞に注意
- 室内飼いはおむつを使い1日数回散歩
温湿度管理
適温10〜25℃。ヒナは32℃前後から徐々に下げる
適湿度50〜60%。鶏舎内は乾燥を保つ
夏・冬の対策
- 夏は日陰と冷水、鶏舎の換気を確保
- 冬は風除けと厚い敷料。水を凍らせない
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
土の上で自然に削れる。伸びすぎ・けづめは獣医師に切ってもらう
ブラッシング・皮膚被毛ケア
ブラシ不要。砂浴びで羽と皮膚を保つ。烏骨鶏は雨で濡れたら乾かす
その他のケア
とさか・足裏・肛門周りの汚れを毎日確認。換羽期は栄養強化
外敵からの保護
- 夜は必ず施錠した鶏舎へ
- 防鳥ネットで野鳥・カラスを遮断
- 金網は地中20cm以上埋めイタチを防ぐ
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
釘・針金・ビニール・輪ゴムをつつき飲み込む。地面の小物を片付ける。食欲低下・首を振る動作は受診
踏みつけ
足元に集まるため歩く時は位置を確認。踏んだら抱き上げず箱に入れ、歩けなければ受診
挟まれ
鶏舎の扉・産卵箱の蓋・柵の隙間に首や脚を挟む。扉はゆっくり閉め、隙間は3cm以下にする
落下・転落
高い止まり木や抱いた高さから落ちると脚を骨折。止まり木は50cm以下。落下後に立てなければ受診
逸走・脱走
羽切りや柵の高さ1.8m以上で防ぐ。逃げたら夕方に木の上や物陰を探し、餌と仲間の声で呼ぶ
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- つつかれても叩いたり投げたりしない
- 雄に背を向けて走らない
安全な引き離しの手順
- 動きを止め目を合わせず静かに立つ
- タオルや板で視線を遮る
- 後ろから翼ごと両手で押さえて持ち上げる
- 鶏舎に戻し落ち着くまで近づかない
引き離した後の処置
傷を流水で洗い消毒。けづめの深い傷や腫れ・化膿は人の病院へ
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- ぐったりして起き上がれない
- 動物に襲われた・出血が止まらない
- 開口呼吸で苦しそう
- 急死・複数羽が同時に異常
当日中に受診
- 卵詰まりで数時間いきんでいる
- 脚や翼の麻痺・立てない
- 血便・水様便が続く
受診時に伝えること・持ち物
産卵記録・便の写真・餌と床材・同居鶏の数と様子。鳥を診る病院へ事前連絡
意識・呼吸・心拍の確認
- 意識:呼びかけや接触に反応するか
- 呼吸:胸の上下を見る。安静時1分約20〜30回
- 心拍:胸に耳を当て確認。1分約250〜300回
蘇生の手順
- 胸部圧迫は骨折の危険があり推奨されない
- まず30℃前後で保温し暗い静かな箱へ
- 首を伸ばし気道を確保、口内の異物を除く
- 反応が弱ければ保温したまま即受診
止血
- 清潔なガーゼで5分以上圧迫
- とさか・爪の出血は止血剤か片栗粉で
- 止まらなければ圧迫したまま受診
搬送方法
- タオルを敷いた暗い箱かキャリーに
- カイロで保温し揺らさず静かに運ぶ
ケースメソッドで学ぶ
