基本情報
- 寿命
- 10〜15年(20年近い例もある)
- 体重
- 400〜700g(メスの方が大きい)
- 性格
- 活発で好奇心旺盛。夜行性、人には慣れる
- 飼育難易度
- 高(暑さに極端に弱い・長寿・砂浴び必須)
- 法規制
- 動物愛護管理法の対象。野生種はCITES附属書Ⅰ
- 最重要ポイント
- 25℃超で熱中症。エアコン24時間管理が絶対条件
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長25〜35cm。1つの毛穴から数十本生える超高密度の被毛。歯は一生伸び続ける
- 原産地・分布
- 南米アンデス山脈(チリ・ペルー・ボリビア)の高地原産。野生は絶滅危惧
- 野生での生息環境
- 標高3000〜5000mの乾燥した岩場。冷涼で雨が少なく岩の隙間に隠れる
- 活動時間・睡眠
- 夜行性で夕方から明け方に活発。昼は暗く静かな場所で眠る
- 社会性・人との関係
- 野生では数十頭の群れで暮らす。人には慣れるが抱かれるのは苦手
特徴的な行動・習性
- 火山灰の砂で転がり皮脂と湿気を落とす。専用の砂で毎日砂浴びさせる
- 捕まると毛を抜け落とす(ファースリップ)。強くつかまず胴と尾の付け根を支える
- 跳躍力が高く1m以上跳ぶ。高さのあるケージと落下防止の棚配置が必要
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
熱中症
予兆耳が真っ赤で熱い・横になりぐったり・速い呼吸・よだれ・けいれん。数十分で命に関わる
予防室温を常に25℃以下、理想は18〜22℃。夏はエアコンを24時間稼働し、停電時の対策も用意する
不正咬合
予兆よだれで顎や前足が濡れる・牧草を食べなくなる・目やに・涙・体重減少・顔の腫れ
予防牧草主食で歯を摩耗させる。ペレットやおやつ偏重にしない。遺伝性もあり、定期的な歯の検診を
消化管うっ滞・鼓腸
予兆食べない・便が減る・小さい・お腹が張って太鼓のよう・じっと動かない
予防牧草を常時給餌。おやつや果物をほぼ与えない。急な食事変更・暑さ・ストレスを避ける
毛かじり(自咬症)
予兆体の一部の毛が短くまだらに切れている・同居個体の毛が抜ける
予防ストレス、退屈、狭さが原因。砂浴び・遊び場・隠れ家を充実させ、同居の相性を見直す
皮膚糸状菌症
予兆鼻・目の周り・足の毛が円形に抜けフケが出る・かさぶた
予防湿度を60%以下に保ち、砂浴び砂は毎週交換。新しい個体は隔離。脱毛を見たら早期受診
ペニスの毛輪(ファーリング)
予兆オスで陰茎の根元に毛が絡まりリング状になる・排尿困難・陰茎が出たまま戻らない
予防月1回、オスの陰茎を軽く引き出し毛の絡まりを確認する。異常があれば自分で外さず受診
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
熱中症の疑い
すぐ涼しい部屋へ。耳・足裏に湿らせたタオルを当て扇風機の風を。氷水や全身を濡らすのは禁止。回復しても当日中に受診
食欲がない・便が減った
牧草と水を近くに置き静かに。おやつで釣らない。12時間食べない・お腹が張るなら即受診、夜でも救急へ
よだれ・目やに
不正咬合の可能性。牧草を食べているか、体重を毎日記録。数日以内に受診し歯のレントゲン検査を相談
陰茎が戻らない
毛の絡まりが原因でも自分で外そうとしない。乾燥を防ぐため清潔な水で湿らせ、当日中に受診。放置すると壊死する
起こりやすい怪我と予防・応急処置
落下による骨折
予防ケージ内の高い段には落下防止の板を。抱くときは床に座り両手で。ジャンプ力が強く高所から飛び降りる
応急処置足を引きずる・変な向きなら固定せずキャリーにタオルを詰め安静に。当日中に受診
ファースリップ(脱毛)
予防驚くと毛が塊で抜ける防御反応。強くつかまず、尾の付け根を支えて抱く。追い回さない
応急処置皮膚に傷がなければ治療不要。数か月で生えそろう。傷や出血があれば受診
尾の損傷
予防尾を持って持ち上げない。ドアやケージ扉に挟まないよう閉める前に確認する
応急処置皮膚がむけたり骨が見える場合は清潔なガーゼで覆い当日受診。自分で切らない
ケージの金網での足の骨折
予防金網床は避け、ステップは板状に。目の粗い網は足を落として骨折する原因
応急処置足がぶら下がる・体重をかけないなら触らずキャリーへ。当日中に受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
皮膚糸状菌症
感染経路感染個体の毛・皮膚・砂浴び砂との接触
予防脱毛のある個体は手袋で扱い手洗い。砂は共有しない
サルモネラ症
感染経路糞尿に触れた手からの経口感染
予防世話の後は石けんで手洗い。台所でケージを洗わない
ジアルジア症
感染経路糞に汚染された水や手からの経口感染
予防下痢が続く個体は受診し便検査。掃除後は必ず手洗い
アレルギー(砂・毛)
感染経路砂浴びの粉塵・毛・牧草の吸入
予防砂浴びは換気した場所で。喘息のある人はマスク着用
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- チモシー牧草を常に食べ放題。主食の大半を牧草に
- チンチラ専用ペレットを1日1〜2回、大さじ1〜2杯程度
- おやつは乾燥野草やハーブをごく少量。果物は不要
水
- 給水ボトルで毎日交換。1日30〜100ml飲む
- 水皿は毛が濡れて皮膚病の原因になるためボトルを使う
与えてはいけないもの
- 生野菜・果物・ナッツ・種子(鼓腸・下痢・肥満)
- レーズン等の糖分の多いおやつ、人の菓子
- ウサギ・モルモット用など他動物のペレット
おもちゃ・遊び
- かじり木・軽石・木製ブランコ・ワラのボール
- 回し車は直径38cm以上の一枚板タイプ。網や車軸のあるものは不可
- 砂浴び容器は毎日15分程度出し、専用の細かい砂で
巣・寝床・隠れ家
- 木製の巣箱を1つ。陶器製の涼み用ハウスもあると良い
- 布製ハンモックはかじって誤飲するので木製の棚に
床材・トイレ
- 木製すのこや広葉樹チップ。針葉樹チップは避ける
- トイレは角にコーナー型を。木質ペレットで毎日交換
- 布製マットはかじるので基本は使わない
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
金属製の高さのあるケージ。プラスチックはかじって誤飲する
大きさ・広さ
幅60×奥行45×高さ80cm以上。上下運動が必要
配置・レイアウト
- ステップは20〜30cm間隔でジグザグに。落下防止の板を
- 巣箱は上段、砂浴び容器は下段の広い場所に
- 水・餌はかじって落とされないよう固定式に
設置場所の注意
- 直射日光・エアコン直風・窓際の温度上昇を避ける
- 夜行性で夜に騒ぐため寝室から離す。温度計を目の高さに
運動・部屋んぽ・散歩
- 部屋んぽは毎日30分〜1時間。夜の活動時間帯に
- ジャンプ力が非常に強く家具の上やカーテンに登る。落下と挟みに注意
- コード・観葉植物・小物を全て片付け、目を離さない
温湿度管理
適温18〜22℃。25℃超で熱中症の危険、10℃以下は要保温
適湿度40〜50%。多湿は皮膚病と熱中症のリスクを高める
夏・冬の対策
- 夏はエアコン24時間運転。アルミ板・大理石の涼み場を
- 冬は過度に暖めない。15℃以上を保ち、直風の暖房は避ける
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
砂浴びと木製ステップで自然に削れる。伸びたら小動物用爪切りで先端のみ。難しければ病院へ
ブラッシング・皮膚被毛ケア
砂浴びが最良のケア。専用砂で毎日15分。毛玉は目の細かいコームで優しくとかす
その他のケア
水浴びは厳禁(毛が乾かず皮膚病に)。汚れは乾いた布で。オスは月1回陰茎の毛輪を確認
外敵からの保護
- 犬・猫・フェレットとは別室。ケージにはロックを
- カラス・野良猫・イタチが来るため屋外に出さない
- 夏は蚊・ハエを網戸で防ぎ、部屋んぽ中も窓を開けない
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
プラスチック・ゴム・布・コード・壁紙をかじって飲み込む。部屋んぽ前に全て片付け、ケージ内も金属製と木製のみに
踏みつけ
足元を素早く動くため踏みつけ事故が多い。部屋んぽ中は歩く時に下を見る。ソファやクッションの下を確認
挟まれ
ケージの扉や引き戸に尾・足を挟む。閉める前に全身を確認。ドアの開閉時はストッパーを使う
落下・転落
高い所から飛び降りて骨折。ケージ内の段には落下防止板を。抱っこは床に座り、暴れたらすぐ下ろす
逸走・脱走
跳躍力があり狭い隙間から逃げる。囲いは高さ1m以上でフタを。逃げたら砂浴び容器と暗い箱を置き、部屋を暗くして待つ
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 手を振りほどく・引き抜く(歯が折れる)
- 叩く・怒鳴る・強くつかむ(毛が抜ける)
安全な引き離しの手順
- 動きを止め、噛んだ手をケージや床の上に静かに置く
- 空いた手で背中を撫で落ち着かせる
- 口元に指を入れず、離れるのを数秒待つ
- 離れたら巣箱へ戻し、しばらく構わずにおく
引き離した後の処置
流水と石けんで洗い消毒。深い傷・腫れ・化膿は人の医療機関へ。動物の異常も確認
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 耳が赤く横たわり呼吸が速い(熱中症)
- 12時間以上食べない・お腹が張る
- けいれん・意識がない・口を開けて呼吸
- 落下後に足が動かない・引きずる
当日中に受診
- 便が小さい・少ない・軟便
- よだれ・目やに・牧草を食べない
- 陰茎が出たまま・尿が出ない
受診時に伝えること・持ち物
最後に食べた時刻・便の状態・室温・食事内容。便を持参し、キャリーに牧草と保冷剤を
意識・呼吸・心拍の確認
- 名前を呼び体に触れて反応を見る。動く・鳴くなら意識あり
- 胸の上下で呼吸確認。正常は1分間に約40〜80回
- 胸に手を当て心拍確認。正常は1分間に約100〜150回
蘇生の手順
- 横向きに寝かせ、口の中の牧草や異物を取り除く
- 胸骨の上を親指と指で挟み1分約120回で圧迫
- 圧迫の深さは胸の厚み3分の1。骨は細く折れやすい
- 30回圧迫ごとに鼻を口で覆い軽く2回息を吹き込む
止血
- 清潔なガーゼで3〜5分強めに押さえる。めくらない
- 爪や尾の出血は止血剤か小麦粉を押し当てる
- 止まらない・血が滴るなら押さえたまま即受診
搬送方法
- キャリーにタオルを敷き暗く覆う。夏は保冷剤をタオルで包み隣に
- 冬はカイロをタオルで包み外側に。車内はエアコンで冷やす
ケースメソッドで学ぶ
