カラス
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鳥類

カラス

傷病個体の一時保護・許可飼養(ハシブト・ハシボソ)

最重要:傷病個体は触る前に都道府県窓口へ連絡

基本情報

寿命
野生10年前後、飼育下は20年以上
体重
500〜800g
性格
非常に高知能で警戒心が強い。人を個体識別
飼育難易度
極めて高(許可・知能・力の強さ)
法規制
鳥獣保護管理法。無許可の捕獲・飼養は禁止
最重要ポイント
傷病個体は触る前に都道府県窓口へ連絡

生態と特徴

体の特徴
全長50cm前後。ハシブトは太い嘴と丸い額、ハシボソは細い嘴。知能が高く道具を使う
原産地・分布
ハシブトは日本全土・アジア東部、ハシボソはユーラシア広域に分布
野生での生息環境
ハシブトは森林と都市、ハシボソは農地や河川敷など開けた場所
活動時間・睡眠
昼行性。朝に採食へ出て夕方に集団ねぐらへ戻る
社会性・人との関係
つがいで縄張りを持ち、若鳥は群れで生活。人の顔を識別し記憶する

特徴的な行動・習性

かかりやすい病気と予兆の見方・予防

アスペルギルス症

予兆開口呼吸、呼吸音、元気消失、体重減少。保護直後のストレスや湿った環境で発症

予防湿った敷料・カビた餌を使わない。換気を良くし、保護直後は静かな環境で安静に

衰弱・低栄養(保護個体)

予兆胸の骨が尖る、羽を膨らませる、立てない、目を閉じる、脱水で皮膚の弾力がない

予防保護後すぐ大量給餌をしない。まず保温と少量の水分、獣医師の指示で段階的に給餌

鉛中毒

予兆緑色の便、ふらつき、翼が下がる、けいれん、食欲不振。釣り具や散弾を飲み込んで発症

予防飼育スペースに鉛製品・釣り具を置かない。保護個体は受診時に金属異物の確認を依頼

ウエストナイル熱・鳥マラリア

予兆ふらつき、けいれん、首の傾き、急死。蚊が媒介し野鳥に多い

予防蚊の侵入を防ぐ網。神経症状があれば直ちに受診し都道府県に報告

外部・内部寄生虫

予兆羽の周りに動く虫、かゆがる、下痢、痩せる。保護個体はほぼ寄生されている

予防保護個体は手袋で扱い、獣医師の糞便検査と駆虫を受ける。飼育器具を他の鳥と共用しない

趾瘤症・止まり木の傷

予兆足裏の赤み・腫れ・かさぶた、片足立ち、握力低下

予防太さの違う自然木の止まり木を複数用意。床は柔らかく。肥満を防ぐ

病気の予兆チェックリスト

毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。

病気の応急処置

衰弱して動けない

暗い段ボールにタオルを敷き30℃前後で保温。無理に餌を与えない。すぐ都道府県の鳥獣担当窓口と獣医師に連絡

けいれん・首の傾き

壁にぶつからないよう低い箱に入れ暗く静かに。感染症や中毒の疑いがあるため当日中に受診し窓口に報告

開口呼吸

湿った環境から離し換気の良い暗い箱で安静・保温。ストレスを与えず当日中に受診

緑色の便・翼が下がる

鉛中毒の可能性があり自然回復しない。餌と水を置き保温し当日中に受診してレントゲンを依頼

起こりやすい怪我と予防・応急処置

翼の骨折(交通事故・衝突)

予防保護個体は飛ぼうとして悪化するため暗い箱で安静に。飼育舎の突起をなくす

応急処置翼を体に沿わせ厚手タオルで包み保定。素手で触らない。当日中に受診

釣り糸・ネットの絡み

予防飼育舎に糸・網状の物を置かない。保護時は足と翼の絡みを確認

応急処置頭をタオルで覆い落ち着かせ、ハサミで糸を切る。食い込んでいれば無理せず受診

猫・犬・他のカラスの攻撃

予防保護個体は他のペットと完全に隔離。屋外飼育舎は屋根と細かい金網

応急処置出血をガーゼで圧迫。傷が小さくても感染の危険が高いため即受診

人側の咬傷・引っかき

予防扱う時は厚手の革手袋と保護メガネ。目を狙われるため顔を近づけない

応急処置傷を流水で洗い消毒。深い傷・目の傷は直ちに人の病院へ

動物由来感染症(人にうつる病気)

サルモネラ症

感染経路糞に触れた手からの経口感染

予防手袋で扱い世話の後は石けんで手洗い。器具を台所で洗わない

鳥インフルエンザ

感染経路感染野鳥の糞・分泌物との接触

予防衰弱・死亡した野鳥は素手で触らず都道府県に連絡。マスク・手袋を着用

オウム病・クラミジア

感染経路乾燥した糞の粉じん吸入

予防糞を湿らせて掃除、換気とマスク。免疫の弱い人は世話をしない

外部寄生虫・皮膚炎

感染経路羽や敷料からダニ類が人へ移る

予防保護個体は速やかに獣医師で駆虫。敷料は密封して処分

飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材

  • 猛禽・雑食鳥用フードを主食に朝夕2回
  • ゆで卵・ささみ・果物・昆虫で変化をつける
  • 保護直後は獣医師の指示で少量から

  • 深めの重い容器に清潔な水を常時
  • 水浴び用と飲用を分け毎日交換

与えてはいけないもの

  • 塩分・油分の強い人の食べ物・パンの与えすぎ
  • アボカド・チョコレート・ネギ類
  • 生肉の与えすぎ・釣り餌など出所不明の物

おもちゃ・遊び

  • 餌を隠すパズルや箱で頭を使わせる
  • 小枝・松ぼっくり・光る安全な物を入れ替える
  • 毎日人と関わる時間が最大の刺激

巣・寝床・隠れ家

  • 高い位置に太い自然木の止まり木
  • 身を隠せる箱や葉の茂み

床材・トイレ

  • 新聞紙・ペットシーツを毎日交換
  • 床の一部に土や落ち葉で探餌させる
  • 湿った敷料はすぐ交換しカビを防ぐ

飼養環境:ケージ・運動・温湿度

ケージ・ハウスの素材

金属製の大型飛行舎。木は破壊される。鍵は二重

大きさ・広さ

許可飼養は飛べる広さ(幅3m以上)が望ましい

配置・レイアウト

  • 高低差のある止まり木を複数
  • 餌・水は糞の落ちない位置に
  • 隠れ場所と日光浴の場所を両方

設置場所の注意

  • カラスの鳴き声と周辺の野生カラスへの配慮
  • 扉は前室付きにし脱走を防ぐ

運動・部屋んぽ・散歩

  • 飛行舎内で毎日自由に飛ばせる
  • 室内に出す場合は窓・鏡を覆い監視
  • 屋外の放鳥はしない(許可条件を守る)

温湿度管理

適温5〜28℃。保護直後の衰弱個体は30℃前後

適湿度40〜60%。乾燥した換気の良い環境

夏・冬の対策

  • 夏は日陰・水浴び・換気で熱中症を防ぐ
  • 冬は風除けと隠れ場所、水を凍らせない

グルーミングと外敵からの保護

爪切り

自然木で削れる。伸びすぎは獣医師に。保定は2人で革手袋

ブラッシング・皮膚被毛ケア

ブラシ不要。水浴び容器を毎日用意し羽を保つ

その他のケア

くちばしの伸びや欠け、足裏、目の傷を毎日確認

外敵からの保護

  • 犬・猫・他のペットと完全に隔離
  • 野生カラスや猛禽が近づけない屋根
  • 蚊の侵入を防ぐ網で感染症予防

飼養上の注意(事故防止)

異物誤飲

光る物・小さな金属・ゴムを飲み込む。鉛は特に危険。飼育場所の小物を全て片付ける。緑便やふらつきは受診

踏みつけ

床で探餌するため足元を確認。踏んだら翼や脚を触らず暗い箱に入れ、歩けなければ受診

挟まれ

扉の開閉時に翼・脚を挟む。前室で扉を閉めてから内扉を開け、鳥の位置を確認する

落下・転落

飛べる個体は少ないが、翼を負傷した個体は高所から落ちる。負傷中は止まり木を低くする

逸走・脱走

鍵を自分で開けるため南京錠を二重に。逃げたら窓口に報告し、餌場と鳴き声で誘導。追いかけない

噛みついた時の安全な引き離し方

やってはいけないこと

  • くちばしを引き剥がすように引っ張らない
  • 叩く・投げる、顔や目を近づけない

安全な引き離しの手順

  1. 動きを止め目を守り静かにする
  2. タオルで頭を覆い視界を遮る
  3. 力が抜けたらくちばしの根元を持ち外す
  4. 飛行舎に戻し落ち着くまで近づかない

引き離した後の処置

傷を流水で洗い消毒。深い傷・出血が続く・目の傷は直ちに人の病院へ

救命救急マニュアル

今すぐ夜間救急へ(命に関わる)

  • ぐったりして起き上がれない
  • けいれん・首の傾き・激しいふらつき
  • 出血が止まらない・骨が見える
  • 開口呼吸で苦しそう

当日中に受診

  • 翼が下がる・飛べなくなった
  • 緑色の便・食べない
  • 足を引きずる・止まり木に乗れない

受診時に伝えること・持ち物

保護場所・日時・許可証、便の写真、餌の内容。野鳥を診る病院へ事前連絡

意識・呼吸・心拍の確認

  • 意識:接触や音への反応、瞬膜の動き
  • 呼吸:胸の上下を見る。安静時1分約20〜30回
  • 心拍:胸に耳を当て確認。1分約200〜300回

蘇生の手順

  1. 胸部圧迫は骨折の危険があり推奨されない
  2. まず30℃前後で保温し暗い静かな箱へ
  3. 首を伸ばし気道を確保、口内の異物を除く
  4. 反応が弱ければ保温したまま即受診

止血

  • 清潔なガーゼで5分以上圧迫
  • 羽軸の出血は根元から抜かず圧迫し受診
  • 止まらなければ圧迫したまま受診

搬送方法

  • 空気穴を開けた段ボールにタオルを敷く
  • 暗く保温し揺らさず静かに運ぶ。革手袋持参

ケースメソッドで学ぶ

ケースメソッド(状況予測シナリオ 50問)

カラスに起こりうる病気・怪我・事故を想定した4択問題。解答・解説・課題と改善案付き。

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