基本情報
- 寿命
- 飼育下で8〜15年、適切な管理で20年近い例も
- 体重
- 体長2〜6cm、体重は数g程度の小型種
- 性格
- 昼行性で活発。人には慣れず触られるのを嫌う
- 飼育難易度
- 中〜高(温湿度と生餌の確保が必須)
- 法規制
- 多くの種がCITES付属書Ⅱ、輸入に許可が必要
- 最重要ポイント
- 30℃超と乾燥は致命的、飼育個体は無毒
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長2〜6cm。鮮やかな警告色。皮膚で呼吸と吸水をする。野生では餌由来の毒を持つ
- 原産地・分布
- 中南米の熱帯地域(コスタリカ〜ブラジル・ガイアナ)
- 野生での生息環境
- 熱帯雨林の湿った林床や倒木、落ち葉の下。高湿度の環境
- 活動時間・睡眠
- 昼行性で日中に動き回り採食。夜は葉陰や隠れ家で休む
- 社会性・人との関係
- 縄張り性が強く同性同士は争う。人には慣れず観賞向き
特徴的な行動・習性
- オスはブザーのような声で鳴き縄張りを主張する
- ショウジョウバエなど微小な虫を舌で素早く捕る
- 親がオタマジャクシを背中に乗せて水場へ運ぶ
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
カエルツボカビ症
予兆皮膚のくすみ・脱皮の増加、後肢を伸ばして座る、動きが鈍く急死
予防新入りは最低1か月隔離、器具は個体ごとに分け、飼育水を屋外に流さない
ビタミンA欠乏症
予兆舌が伸びず餌を捕れない、口の周りを拭う仕草、痩せる、目の腫れ
予防ビタミンA入りのサプリを週1回程度餌にまぶす、獣医と配合を相談
代謝性骨疾患(くる病)
予兆後肢の震え、跳べない、下顎の変形、体の反り、骨折
予防毎回の餌にカルシウム+D3をまぶす、紫外線は弱めに短時間照射
レッドレッグ(赤足病)
予兆腹や後肢が赤く充血、皮膚のただれ、食欲不振、動かない
予防水場と床材を清潔に、過密を避ける、カルキ抜きした水を使う
腹水・水腫
予兆体が風船のように膨れる、皮膚が張って透ける、動かない
予防水質悪化と塩素を避ける、純水やミネラル過多の水を使わない、早期受診
寄生虫症(線虫等)
予兆食べているのに痩せる、便がゆるい、腹部の腫れ、元気がない
予防新入りは糞便検査を受ける、糞を毎日除去、ピンセットや器具を共用しない
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
舌が伸びず餌を捕れない
ビタミンA欠乏の疑い、餌を動きの遅いトビムシに変えて食べさせ、数日以内に受診して補給方法を相談
皮膚のくすみ・急な衰弱
ツボカビを疑い直ちに別容器へ隔離、器具を分けて手を洗い、当日中に両生類対応の病院へ
体が膨れる・腹水
カルキ抜きの浅い清水に移し、純水やミネラル入りの水の単独使用をやめ、当日中に受診
後肢の震え・跳べない
飛び降りて骨折しないよう低い容器に移し、カルシウム不足を疑って数日以内に受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
乾燥・脱水
予防湿度70〜90%を保ち霧吹きを自動化、脱走対策、停電時の予備策を用意
応急処置カルキ抜きの常温の浅い水に腹まで浸け、暗所で安静、動けば回復、反応が鈍ければ受診
飛び降りによる骨折
予防ケージ内の高所を減らし、取り出す時は容器ごと移動して手から落とさない
応急処置動かさず湿らせたキッチンペーパーを敷いた小容器で安静、当日中に受診
鼻先・皮膚の擦り傷
予防ガラス面に鼻をこする個体は背景を貼る、尖った流木やコルクを避ける
応急処置傷を清潔な水で流し、床材を湿らせたペーパーに替えて細菌感染を防ぐ、化膿なら受診
溺水
予防水場は体高の半分以下の深さ、出入りできる斜面を作る、水換え時に注意
応急処置引き上げて頭を低くし口の水を出す、浅い容器で湿らせて安静、呼吸が戻らなければ受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
サルモネラ症
感染経路糞・飼育水・器具に触れた手から口へ
予防世話の後は石けんで手を洗う、台所で水換えや器具洗浄をしない
非定型抗酸菌症
感染経路飼育水が手の傷に触れて感染
予防手に傷がある時は手袋をする、水換え後に手を洗う
エロモナス感染症
感染経路汚れた飼育水や糞との接触
予防免疫が弱い人は世話を控える、器具は専用にして洗う
野生個体の皮膚毒
感染経路野生採集個体の皮膚に素手で触れる
予防飼育下繁殖個体は無毒、野生個体は素手で触らない
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 主食は飛べないショウジョウバエ、毎日〜隔日
- トビムシや極小コオロギ、シロアリで変化をつける
- 毎回カルシウム剤、週1〜2回ビタミン剤をまぶす
水
- カルキを抜いた水で毎日霧吹き、浅い水場を設置
- 純水の単独使用は避け、ミネラルを少し含む水を使う
与えてはいけないもの
- 口幅より大きい虫は窒息・腸閉塞の原因
- 野外採集の虫(農薬・寄生虫の恐れ)
- ミールワームなど硬い外骨格の虫、乾燥飼料
おもちゃ・遊び
- 観葉植物やブロメリアで登る場所を作る
- フィルムケースを置き産卵場所と隠れ家にする
- 落ち葉を厚めに敷き、虫を探す行動を引き出す
巣・寝床・隠れ家
- コルクやココナッツの殻の隠れ家を複数置く
- 昼行性でも隠れる場所は必須、個体数以上に用意
床材・トイレ
- 底に軽石などの排水層、上に土系床材と落ち葉
- 細かい砂や砂利は誤飲するので使わない
- 糞と食べ残しは毎日取り除く
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
ガラス製の前開きビバリウム、通気と保湿の両立
大きさ・広さ
1〜2匹に幅45×奥行45×高さ45cm以上
配置・レイアウト
- 前面に開けた地面、奥と側面に植物と隠れ家
- 浅い水場は出入りしやすい斜面付きで配置
- 霧吹きが届かない乾いた場所も一部残す
設置場所の注意
- 直射日光と暖房・冷房の風が当たる場所を避ける
- 小さな体はわずかな隙間から脱走、隙間を確認
運動・部屋んぽ・散歩
- 散歩や部屋んぽは不要、ケージ内で完結させる
- 触るのは最小限、手の油や汚れで皮膚が傷む
- ケージを広めにして登る・探す行動で運動させる
温湿度管理
適温昼22〜27℃、夜18℃以上、30℃を超えない
適湿度70〜90%、日に数回の霧吹きで保つ
夏・冬の対策
- 夏は30℃超が致命的、冷房で部屋ごと管理する
- 冬はパネルヒーターを側面に、乾燥に注意して加湿
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
爪切りは不要、代わりに体型を週1回記録し痩せや膨らみを早期に発見する
ブラッシング・皮膚被毛ケア
ブラッシングは不要、脱皮は自然に皮を食べる、皮が残る時は湿度不足を疑い霧吹きを増やす
その他のケア
水場の水は毎日交換、ガラス面と器具は週1回洗浄、ピンセットなどは個体ごとに分ける
外敵からの保護
- 猫・犬がケージに触れないよう蓋をロック
- ケージ内に紛れ込むクモ・ムカデ・アリを除去
- 蚊や小バエの侵入を防ぎ、網戸で換気する
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
餌と一緒に細かい床材や砂を飲み込むと腸閉塞、餌は落ち葉の上や餌皿で与える、便が出なければ受診
踏みつけ
取り出し時やケージ内作業中に踏まない、作業前に居場所を確認し、床に下ろさない
挟まれ
前面ガラスのスライド扉や蓋の縁に挟まれやすい、閉める前に扉周りに個体がいないか確認する
落下・転落
ケージを机から落とす・取り出した手から落ちる事故に注意、高さ30cm程度でも骨折しうる
逸走・脱走
扉の隙間や通気部から脱走する、逃げたら照明を消し湿った暗所や風呂場を探す、見つけたら浅い水に戻す
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 人を噛むことはない、無理に手で追いかけ回さない
- 乾いた素手で握る、脚を引っ張って持たない
安全な引き離しの手順
- 濡らした手袋か湿らせた容器で前から静かに覆う
- 逃げ場をふさぎ容器にそっと誘導して蓋をする
- 脚や胴を握らず、手のひら全体で包み込む
- 作業後は手を洗う、皮膚に毒はなくとも細菌対策
引き離した後の処置
長時間触った個体は浅い水に戻して保湿、体表の傷や出血があれば受診
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 口を開けて呼吸、喉が動かない
- 体が急に膨らんで動かない
- ひっくり返って起き上がれない
- 脱水で皮膚がしわになり反応がない
当日中に受診
- 皮膚のくすみ・ただれ・赤み
- 骨折や強打の疑い、跳べない
- 脱皮の皮が全身に残る
受診時に伝えること・持ち物
両生類対応か事前確認、個体は湿らせたペーパーを敷いた小容器で、飼育温湿度と餌・水の種類を伝える
意識・呼吸・心拍の確認
- 喉の脈打つ動きが呼吸、動いていれば呼吸あり
- 腹側の皮膚から心臓の拍動が透けて見える
- 腹を上にして戻す反射、刺激で脚を引く反応
蘇生の手順
- 胸部圧迫は小さすぎて不可能、代替で蘇生する
- カルキ抜きの常温の浅い水に腹まで浸ける
- 暗く静かな場所で過度に温めず冷やさず保つ
- 反応が戻らなければそのまま病院へ
止血
- 湿らせたガーゼで軽く押さえる、こすらない
- 消毒液やアルコールは皮膚から吸収され禁止
- 出血が止まらなければ容器ごと受診
搬送方法
- 湿らせたキッチンペーパーを敷いた小容器
- 温度は22〜27℃を保ち直射日光を避ける
ケースメソッドで学ぶ
