大型犬
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犬・猫

大型犬

ゴールデン・ラブラドール・シェパードなど

最重要:胃捻転と関節病の予防が命を左右する

基本情報

寿命
10〜13年(小型犬より短く老化が早い)
体重
25〜45kg(成犬。1歳半まで成長)
性格
穏やかで人懐こい。運動量と力が非常に強い
飼育難易度
中〜高(運動量・食費・介護時の体格)
法規制
登録・狂犬病予防注射が義務(狂犬病予防法)
最重要ポイント
胃捻転と関節病の予防が命を左右する

生態と特徴

体の特徴
体高55〜70cm。嗅覚は人の数千倍以上。深い胸が胃捻転リスクに関わる
原産地・分布
オオカミを家畜化。大型種は欧州の狩猟犬・牧羊犬・作業犬が起源
野生での生息環境
野生の祖先オオカミは森林〜草原に生息。犬は人の生活圏で暮らす
活動時間・睡眠
昼行性寄りだが人の生活に同調。1日12〜14時間眠り、若い犬は多い
社会性・人との関係
群れで暮らす社会性が高い。家族を群れとみなし長時間の孤独に弱い

特徴的な行動・習性

かかりやすい病気と予兆の見方・予防

胃拡張・胃捻転

予兆食後に落ち着かず吐きたいのに吐けない、お腹が膨らむ、よだれ、ぐったり。数時間で死に至る

予防食後1〜2時間は激しい運動を避ける。1日2〜3回に分けて給餌。早食い防止皿を使う

股関節形成不全

予兆腰を振って歩く、後ろ足を揃えてウサギ跳び、立ち上がりが遅い、運動を嫌がる

予防成長期に肥満させない。滑る床にマットを敷く。子犬期の階段・ジャンプを控える

前十字靭帯断裂

予兆急に後ろ足を上げる、座る時に片足を横に投げ出す、膝の腫れ

予防体重管理。急停止・急旋回の遊びを控える。滑る床対策

拡張型心筋症

予兆運動を嫌がる、咳、呼吸が速い、失神、お腹が膨らむ(腹水)

予防中高齢から年1回の心臓検診(聴診・エコー)。疲れやすさの変化を記録

骨肉腫

予兆前足の手首や肩付近の硬い腫れ、治らない跛行、触ると痛がる

予防早期発見が鍵。跛行が2週間以上続けばレントゲンを依頼

変性性脊髄症

予兆後ろ足の爪を引きずる、ふらつき、後ろ足の力が徐々に抜ける。痛みはない

予防根本予防法はない。シェパード等は遺伝子検査可。リハビリで進行を緩やかに

病気の予兆チェックリスト

毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。

病気の応急処置

お腹が張り吐けない

胃捻転を疑い何もせず即夜間救急へ。水も食事も与えない。到着前に電話し、体を揺らさず搬送

急に足を上げて歩けない

無理に歩かせず安静に。患部を触らず冷やしすぎない。当日中に受診し、歩かせる時は胸と腰を支える

散歩中にふらつき倒れる

日陰に移し首輪を緩める。歯ぐきの色を確認、白・紫なら心臓発作か熱中症を疑い即救急へ電話

嘔吐・下痢が続く

水は少量ずつ与える。吐物・便を写真に撮り受診。血が混じる、元気がない、2回以上続くなら即受診

起こりやすい怪我と予防・応急処置

前十字靭帯断裂

予防滑る床にマットを敷く。急な方向転換を伴うボール遊びを控える。体重管理

応急処置患肢を触らず安静に。抱き上げる時は胸と腰を両手で支える。当日中に受診

肉球・爪の裂傷

予防夏の熱いアスファルト、雪道の凍結防止剤、ガラス片のある場所を避ける

応急処置流水で洗い清潔なガーゼで5分圧迫。出血が止まらない、深い傷は当日受診

熱中症

予防夏は早朝・夜に散歩。車内放置厳禁。冷房と水を常時用意

応急処置涼しい場所で首・脇・内股に水をかけ扇風機で冷やす。氷は使わない。即受診

交通事故

予防リードは2本(首輪+ハーネス)で二重に。玄関の飛び出し防止ゲート

応急処置毛布や板に乗せ水平に運ぶ。外傷がなくても内出血の恐れがあるので即救急へ

動物由来感染症(人にうつる病気)

パスツレラ症

感染経路咬傷・ひっかき傷・口移し

予防傷はすぐ流水で洗う。口移し・キスをしない。傷が腫れたら受診

狂犬病

感染経路感染犬の咬傷(日本は清浄国だが輸入例あり)

予防年1回の予防注射は法的義務。海外で犬に咬まれたら即受診

レプトスピラ症

感染経路感染動物の尿・汚染された水や土

予防川・水たまりの水を飲ませない。地域によりワクチン接種

イヌ回虫症

感染経路便中の卵が手や土から口に入る

予防便はすぐ処理。定期駆虫。子どもが遊ぶ場所での排便を避ける

飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材

  • 大型犬用総合栄養食を1日2〜3回に分ける
  • 子犬期は大型犬用子犬フードで急成長を防ぐ
  • 肋骨が薄く触れる体型を維持(肥満は関節病)

  • 常に新鮮な水を複数か所に置く
  • 食後・運動後の一気飲みはさせない

与えてはいけないもの

  • ぶどう・レーズン・玉ねぎ・チョコレート
  • キシリトール入り菓子・ガム
  • 鶏の骨・大量の生肉(骨は喉・腸を傷つける)

おもちゃ・遊び

  • 大型犬用の頑丈なロープ・ゴム製おもちゃ
  • 知育トイで頭を使わせ退屈を防ぐ
  • 壊れたら即回収(破片誤飲防止)

巣・寝床・隠れ家

  • 体を伸ばして寝られる大型ベッド
  • 静かで家族が見える場所にクレート(安心の巣)

床材・トイレ

  • 関節を守る厚手の低反発マット
  • 滑らない床材(コルク・ラバーマット)
  • トイレは屋外派でも室内シートで練習

飼養環境:ケージ・運動・温湿度

ケージ・ハウスの素材

スチール製の大型クレート(噛んでも壊れない)

大きさ・広さ

伏せ・立ち・回転が楽にできる(奥行120cm程度)

配置・レイアウト

  • クレートは壁際、扉は部屋側に
  • 水皿はこぼれにくい重い容器
  • 床にマットを敷き足を滑らせない

設置場所の注意

  • 直射日光・エアコン直風を避ける
  • 玄関横は避け、脱走・興奮を防ぐ

運動・部屋んぽ・散歩

  • 1日2回・各45〜60分以上。走る時間も確保
  • 子犬は関節が固まる1歳半まで長距離走を控える
  • 夏は地面を手で触り熱ければ散歩しない

温湿度管理

適温22〜25℃。28℃超で熱中症リスク急上昇

適湿度40〜60%。多湿は熱中症・皮膚病の原因

夏・冬の対策

  • 夏:早朝・夜間散歩、冷却マット、冷房24時間
  • 冬:短毛種は服、老犬は暖房で関節痛を防ぐ

グルーミングと外敵からの保護

爪切り

2〜3週に1回。黒い爪は少しずつ切る。床で音がしたら伸びすぎ

ブラッシング・皮膚被毛ケア

週2〜3回、換毛期は毎日。皮膚の赤み・しこりを同時に確認

その他のケア

歯磨きは毎日。垂れ耳は週1回耳のにおい・汚れを確認

外敵からの保護

  • 散歩中のマダニ(草むら後は全身チェック)
  • 蚊によるフィラリア(毎月予防薬)
  • 他犬との喧嘩・咬傷(ノーリード禁止)

飼養上の注意(事故防止)

異物誤飲

靴下・タオル・トウモロコシの芯・骨の丸飲みが多い。飲み込みが大きく腸閉塞になりやすい。吐かせず即受診

踏みつけ

大型犬が子どもや小型ペットを踏む事故に注意。子犬期は関節が弱く、人が踏むと骨折するため足元を常に確認

挟まれ

しっぽがドアに挟まれる事故が多い。ドアストッパーを使う。車のドア・トランクの閉め忘れにも注意

落下・転落

ソファ・階段からの着地で関節を痛める。子犬・老犬は階段にゲート。車の乗降はスロープを使う

逸走・脱走

力が強く門を押し開ける。二重扉と鑑札・マイクロチップを装着。逃げたら追いかけず名前を呼びしゃがんで待つ

噛みついた時の安全な引き離し方

やってはいけないこと

  • 引っ張って引き離す(傷が裂ける)
  • 殴る・大声で叫ぶ(さらに興奮する)

安全な引き離しの手順

  1. 動きを止め、静かに低い声で「離せ」と言う
  2. 犬の後ろ足を持ち上げるか首輪を後ろへ引く
  3. 水をかける・大きな物を口元に差し込み気をそらす
  4. 離れたら犬を別室に隔離し落ち着かせる

引き離した後の処置

傷を流水で10分洗い圧迫止血。深い傷・腫れは当日中に人の病院へ

救命救急マニュアル

今すぐ夜間救急へ(命に関わる)

  • お腹が張り吐こうとして吐けない
  • 呼吸困難・歯ぐきが白い・紫
  • けいれん・意識がない
  • 交通事故・高所からの落下

当日中に受診

  • 足を引きずり体重をかけない
  • 1日に3回以上の嘔吐・下痢
  • 急に水を大量に飲み尿が増えた

受診時に伝えること・持ち物

発症時刻・食事内容と時刻・吐物や便の写真・服用中の薬。大型犬は2人で搬送

意識・呼吸・心拍の確認

  • 呼びかけ・耳をつまんで反応を見る
  • 胸の動きで呼吸確認(正常15〜30回/分)
  • 内股の付け根で脈確認(正常60〜100回/分)

蘇生の手順

  1. 右を下に寝かせ、胸の一番高い位置に両手を重ねる
  2. 胸の厚みの1/3沈む強さで1分100〜120回
  3. 30回押したら鼻から2回息を吹き込む
  4. 2分ごとに脈を確認し、受診まで続ける

止血

  • 清潔なタオルで5分以上強く圧迫
  • 四肢は心臓より高く上げる
  • 止まらない時は圧迫したまま即受診

搬送方法

  • 毛布や板に乗せ2人で水平に運ぶ
  • 意識がなければ首を伸ばし舌を出して気道確保

ケースメソッドで学ぶ

ケースメソッド(状況予測シナリオ 50問)

大型犬に起こりうる病気・怪我・事故を想定した4択問題。解答・解説・課題と改善案付き。

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