基本情報
- 寿命
- ジュズカケバト10〜15年、ウスユキバト8〜12年
- 体重
- ジュズカケバト130〜180g、ウスユキバト30〜45g
- 性格
- 極めて穏やか。驚くと垂直に飛び上がる
- 飼育難易度
- 中(産卵過多・寒さ・飛び立ち事故)
- 法規制
- キジバト等の野鳥は鳥獣保護管理法で飼育不可
- 最重要ポイント
- 驚かせない環境と産卵抑制が健康の鍵
生態と特徴
- 体の特徴
- 全長20〜28cm。ギンバトは白変種で視力が弱いとされる。ウスユキバトは赤いアイリングが特徴
- 原産地・分布
- ジュズカケバトはアフリカ原産種の家禽化品種。ウスユキバトはオーストラリア原産
- 野生での生息環境
- 乾燥した疎林や草原。水場の近くに集まり地上で採食する
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。朝夕に採食し日中は羽づくろいと休息、夜は高い止まり木で眠る
- 社会性・人との関係
- つがいの絆が強く小さな群れで暮らす。人にもよく慣れ手乗りになる個体も
特徴的な行動・習性
- 驚くと真上に飛び上がる習性があり天井に頭をぶつけやすい
- オスは低い声で鳴きながらお辞儀を繰り返して求愛する
- 条件がそろえば年中繁殖し2卵を産む。雌雄交代で抱卵
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
トリコモナス症
予兆口内や喉に黄白色の塊、飲み込みにくそう、口臭、嘴を開けたまま、雛や若鳥が急に痩せる
予防飲み水と水容器を毎日洗って交換。新しい鳥は2週間以上隔離。親鳥は繁殖前に検査を受ける
ハトポックス
予兆嘴の付け根・目のふち・脚に黄色いいぼ状のかさぶた、口内の白い膜、まぶたが腫れて開かない
予防蚊の季節は網戸やケージカバーで蚊を防ぐ。かさぶたは剥がさない。感染鳥は隔離して受診
産卵過多・低カルシウム
予兆月に何度も産卵、脚のふるえ・ふらつき、軟らかい殻や殻のない卵、羽の艶がなく痩せる
予防巣材と巣皿を与えすぎない。日照を12時間以内に。ボレー粉と青菜を常備。偽卵への交換は獣医師と相談
卵詰まり(卵塞)
予兆床でうずくまり尾を上下に振る、いきむ、お腹が膨らむ、便が出ない、脚が動かない
予防カルシウム不足と寒さが引き金。冬の産卵期は保温。産卵歴のある雌は体重と腹部を毎日確認
そのう炎・カンジダ症
予兆そのうが膨らんだまま減らない、酸っぱい臭いの吐き戻し、口内の白いかす、食欲低下
予防餌と水の容器を毎日洗浄し古い餌を捨てない。湿った床材を放置しない。抗生剤後は特に注意
肥満・脂肪肝
予兆胸や腹が丸く脂肪で黄色い、動きが鈍い、くちばしや爪が伸びすぎる、呼吸が早い
予防ヒマワリや麻の実などの脂肪種子を控え、小粒穀物中心に。毎日の放鳥で飛ばせ、体重を週1回量る
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
床でうずくまり尾を振る
卵詰まりの疑い。30℃前後に保温し暗く静かにする。腹を押さない。2〜3時間で産まなければ即受診、ぐったりなら直ちに受診
脚がふるえ止まり木から落ちる
低カルシウムの疑い。止まり木を外し床に餌と水を置いて保温。産卵歴を伝えて当日中に受診
口内に黄白色の塊
塊は取らない。柔らかくした餌と水を近くに置き保温。トリコモナスは数日で重症化するため当日中に受診
吐き戻しとそのうの膨らみ
求愛の吐き戻しと区別。酸臭・首振り嘔吐・食欲低下なら餌を替えず保温し、吐物の写真を持って当日中に受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
飛び立ちパニック頭部外傷
予防ケージは高さより幅を優先し天井を柔らかい布で覆う。夜間は布をかけ急な物音や光を避ける
応急処置暗い箱で安静・保温し触らない。出血・ふらつき・瞳孔の左右差・片目を閉じるなら当日中に受診
血羽の折れ・出血
予防狭いケージや突起で羽を折らないよう内部を点検。換羽期は放鳥時に驚かせない
応急処置羽の根元をガーゼで5分圧迫。抜かない。止まらない・ぐったりなら圧迫したまま受診
脚の骨折・ねんざ
予防ウスユキバトは脚が細い。糸や髪の毛を床に残さない。金網の目は脚が抜けない大きさに
応急処置止まり木を外し床に餌と水を置く。脚を触らず添え木をしない。当日中に受診
同居鳥によるつつき傷
予防繁殖期は巣の周りで攻撃が増える。鳥種ごとに逃げ場を作り過密にしない
応急処置出血は圧迫して止める。傷のある鳥を別ケージで保温。頭部や目の傷は当日中に受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
オウム病
感染経路乾いた糞の粉じん・鼻水や羽の粉の吸入
予防掃除は糞を湿らせマスクを着ける。人の発熱や咳が続けば鳥の飼育を医師に伝える
鳥関連過敏性肺炎
感染経路羽の粉や糞の微粒子を長期間吸い込む
予防寝室で飼わない。換気と空気清浄機。家族に咳や息切れが続けば受診
カンピロバクター症
感染経路糞に触れた手や器具からの経口感染
予防世話の後は石けんで手洗い。餌入れや水入れを台所で洗わない
ワクモ・トリサシダニ
感染経路巣や敷料から夜間に人の皮膚へ移る
予防巣皿と敷料を定期交換。ケージの隙間に赤黒い点を見つけたら駆除し獣医師に相談
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 小粒の鳩用またはフィンチ用混合穀物を朝夕2回
- ボレー粉かカルシウム粉と小粒グリットを常備
- 小松菜・豆苗など青菜を少量毎日
水
- 嘴が入る浅めの皿に新鮮な水を常時
- 毎日交換し容器はブラシで洗う
与えてはいけないもの
- アボカド・チョコレート・ネギ類・カフェイン
- 脂肪種子の与えすぎ(ヒマワリ・麻の実)
- 塩分のある人の食べ物・カビた穀物
おもちゃ・遊び
- 浅い皿での水浴び(週2〜3回)
- 床に穀物をまき歩きながら探させる
- つがいや相性の良い同居鳥との交流
巣・寝床・隠れ家
- 繁殖させない時は巣皿と巣材を置かない
- 夜は幅広の止まり木を高い位置に1本
床材・トイレ
- 新聞紙かペットシーツを毎日交換
- 床に砂やチップを厚く敷かない
- 糞が乾いて粉になる前に取り除く
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
金網の横長ケージ。天井は柔らかい布やネットで覆う
大きさ・広さ
幅60cm以上の横長。ウスユキバトも幅45cm以上
配置・レイアウト
- 止まり木は上段に1本、床を広く空ける
- 餌と水は糞の落ちない壁側に
- 巣皿は繁殖を望む時だけ静かな高所に
設置場所の注意
- 人の動線や玄関から離れ急な物音の少ない場所
- 窓際の直射日光と冬の冷気を避ける
運動・部屋んぽ・散歩
- 1日1時間前後、窓とカーテンを閉めて放鳥
- ギンバトは視力が弱いため低い位置で遊ばせる
- 放鳥中は大きな音や急な動きを避ける
温湿度管理
適温18〜28℃。15℃以下は保温、病鳥は30℃前後
適湿度40〜60%。乾燥しすぎと結露を避ける
夏・冬の対策
- 夏はエアコンで28℃以下、直射日光を避ける
- 冬はヒーターとカバーで夜間も18℃以上に
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
止まり木に引っかかる長さなら先端を少し切る。出血したら圧迫し受診
ブラッシング・皮膚被毛ケア
ブラシ不要。水浴び皿を週2〜3回用意し羽と羽の粉を清潔に保つ
その他のケア
嘴の伸びすぎ・目のふちの腫れ・脚のかさぶたを週1回確認
外敵からの保護
- 猫・フェレットと同室で放鳥しない
- ベランダに出さない。カラスや猛禽が狙う
- 夏は蚊を防ぐ網やカバーでポックスを予防
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
床の糸くず・髪の毛・ビーズ・ビニール片をついばむ。放鳥前に床を片付ける。吐き戻しや食欲低下は受診
踏みつけ
床を歩き足元に寄ってくる。歩く前に鳥の位置を確認。踏んだら触らず暗い箱で安静、歩けなければ即受診
挟まれ
ケージの引き戸や扉に脚や翼を挟む。開閉は鳥の位置を見てゆっくり。挟んだ脚を触らず当日中に受診
落下・転落
ギンバトは視力が弱く家具や窓に衝突しやすい。放鳥はカーテンを閉め低い高さで。衝突後は暗い箱で安静
逸走・脱走
窓と玄関は二重に閉める。帰巣性は弱く外では生きられない。逃げたらケージと餌を外に出し名前を呼んで待つ
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 翼で叩かれても振り払わない
- 嘴をつままれても引っ張らない
安全な引き離しの手順
- 動きを止めて静かにする
- 空いた手で背中から翼ごと包む
- 力が抜けたら嘴を軽く持って外す
- ケージに戻し暗くして落ち着かせる
引き離した後の処置
小型ハトの噛みつきは軽い。傷は流水で洗う。鳥側に出血や外傷がないか確認
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 床でぐったりし起き上がれない
- 尾を振っていきみ卵が出ない
- 口を開けたまま苦しそうに呼吸
- 頭を打った後にけいれん・旋回
当日中に受診
- 口内の黄白色の塊で食べにくい
- 脚がふるえ止まり木から落ちる
- 殻の軟らかい卵を産んだ
受診時に伝えること・持ち物
産卵の日付と回数・餌の内容・便の写真・同居鳥の有無。小鳥を診る病院へ事前連絡
意識・呼吸・心拍の確認
- 意識:音や接触で目や頭が動くか
- 呼吸:胸の上下。安静時1分約30〜60回
- 心拍:胸に指を軽く当てる。1分200回以上
蘇生の手順
- 小型で胸部圧迫は骨折の危険があり行わない
- 暗い箱で30℃前後に保温し刺激を避ける
- 首を軽く伸ばし口内の餌や塊を取らず気道を確保
- 反応が弱ければ保温したまま直ちに受診
止血
- 清潔なガーゼで5分以上圧迫
- 爪の出血は圧迫して止血、羽は抜かない
- 止まらなければ圧迫したまま受診
搬送方法
- タオルを敷いた小箱かキャリーを布で覆う
- カイロは箱の外側に貼り揺らさず運ぶ
ケースメソッドで学ぶ
