基本情報
- 寿命
- キンカチョウ5〜8年、コキンチョウ5〜8年、ゴシキヒワ8〜12年
- 体重
- キンカチョウ10〜15g、コキンチョウ12〜16g、ゴシキヒワ14〜19g
- 性格
- 観賞向きで手乗りにはなりにくい。ペア・群れで落ち着く
- 飼育難易度
- 中(コキンチョウは寒さと環境変化に弱い)
- 法規制
- 動物愛護管理法。国産野鳥は捕獲・飼育禁止、外来種の放鳥禁止
- 最重要ポイント
- 10g台の体は数時間で急変。20℃以下にしない
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長10〜13cm・10〜19g。キンカチョウは赤い嘴、コキンチョウは頭色が3型。ゴシキヒワは細い嘴
- 原産地・分布
- キンカチョウ・コキンチョウは豪州北部、ゴシキヒワはヨーロッパ〜西アジア
- 野生での生息環境
- 乾燥した草原・疎林。コキンチョウは熱帯の高温地帯、ゴシキヒワは農地や林縁
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。朝夕に採食し日中は羽づくろい。夜は群れで寄り添い眠る
- 社会性・人との関係
- 群れで暮らしペアの絆が強い。飼育下でも単独より複数で落ち着く
特徴的な行動・習性
- キンカチョウは一年中繁殖でき、巣があるとすぐ産卵する
- コキンチョウは換羽期に体力を使い切り、換羽が止まると衰弱しやすい
- ゴシキヒワは豆苗・アザミ種子などを好み、嘴で殻を細かくむく
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
寒さによる衰弱
予兆コキンチョウに多い。羽を膨らませ床でじっと、震え、食べない、数時間で急変する
予防年間を通じ25〜30℃を保ち、20℃以下にしない。温度計を設置し、秋の冷え込みは早めにヒーターを稼働
気嚢ダニ症
予兆コキンチョウに多い。カチカチ・プチプチという呼吸音、開口呼吸、尾振り、くしゃみ、声がかすれる
予防新しい鳥は検診を受けてから合流。呼吸音に気づいたら受診し駆虫。同居鳥も同時に治療
慢性産卵・卵詰まり
予兆キンカチョウに多い。月に何度も産卵、痩せる、腹が膨らみいきむ、脚のふらつき、床でうずくまる
予防巣・巣材を撤去し、日照は12時間以内。ボレー粉・ペレットでカルシウム補給。雌雄を分ける
換羽停滞・羽毛異常
予兆換羽が何か月も終わらない、頭が禿げる、羽が伸びない・曲がる、羽艶の低下、飛べない
予防換羽期は28℃前後に保温し栄養を強化。移動・同居替えなどの環境変化を避け、12時間の暗期を守る
マクロラブダス症
予兆吐く、未消化の種子が便に混じる、黒い便、食べるのに痩せる、嘴の先を床にこすりつける
予防迎え入れ時の糞便検査で早期発見。体重を毎朝計測し、減り続けたら受診。水・餌入れを毎日洗浄
疥癬(トリヒゼンダニ)
予兆ゴシキヒワ・輸入鳥に多い。足の鱗が白く厚くなる、嘴の付け根がカサカサ、足指の変形
予防輸入個体は迎え入れ時に検診。足の鱗が盛り上がったら早期に受診し駆虫。止まり木を洗浄・交換
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
膨らんで震える
すぐ28〜30℃に保温し餌と水を床に置く。コキンチョウは数時間で急変するため、改善しても当日中に受診
呼吸音が変
刺激せず暗く静かに保温し加湿。気嚢ダニが疑われるので当日受診。開口呼吸・尾振りは今すぐ受診
何度も産卵し衰弱
巣を撤去し30℃に保温。腹を押さない。卵が出ずいきむなら2〜3時間以内に受診、痩せていれば当日中に受診
吐く・黒い便
保温し吐物・便の付いた紙を持参。マクロラブダスなど消化器疾患が疑われるため当日中に受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
糸・ネットの絡まり
予防巣材は短い草だけ。綿・毛糸・麻ひも・ネット製品をケージに入れない。つぼ巣のほつれを毎日点検
応急処置鳥を布で包み、糸だけを小さなハサミで切る。引っ張らない。足が腫れ・変色していれば当日受診
脚の骨折
予防止まり木の隙間、金網の継ぎ目を点検。夜間パニックに備え常夜灯。複数飼いの追いかけ合いに注意
応急処置触らず小箱にタオルを敷き、止まり木を外し保温。自分で固定しない。当日中に受診
同居鳥からの攻撃
予防狭いケージに雄を複数入れない。繁殖期は巣の取り合いで激しく争う。弱い個体の逃げ場を作る
応急処置すぐ別ケージに隔離し保温。頭・目の傷、出血が止まらない、ぐったりしていれば即受診
衝突・打撲
予防放鳥はしない前提で広いケージを用意。放鳥するなら窓・鏡に目印を付け水の容器を片付ける
応急処置暗く保温した箱で30分安静。ふらつき・首の傾き・出血・片翼が下がるなら当日受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
オウム病
感染経路乾燥した糞・羽の粉塵の吸入、口移し
予防掃除は霧吹きで湿らせマスク着用。輸入鳥は検診。発熱・咳が続けば鳥の飼育を医師に伝える
サルモネラ症
感染経路糞・食器に触れた手からの経口感染
予防世話の後は石けんで手洗い。餌・水入れを台所で洗う時はシンクを消毒
カンピロバクター症
感染経路糞・水入れの汚れからの経口感染
予防水入れを毎日洗浄・乾燥。糞の付いた手で食事をしない。下痢便の鳥は隔離
鳥関連過敏性肺炎
感染経路羽の粉・乾燥した糞の長期吸入
予防換気と空気清浄機、ケージ周りを毎日湿らせて掃除。息切れ・空咳が続けば医師に相談
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- フィンチ用混合シードかペレットを1日2回、殻の除去と補充
- ボレー粉・豆苗・小松菜を毎日少量
- 換羽期・繁殖期はエッグフードやペレットで栄養強化
水
- 毎朝交換、夏は2回。水浴び用とは別の飲み水入れ
- 水入れは糞が入らない止まり木の下を避けた位置
与えてはいけないもの
- アボカド・チョコ・ネギ類・果物の種は中毒
- 塩分・アルコール・カフェイン・人の食べ物
- 傷んだ青菜、カビた種子、テフロンの煙
おもちゃ・遊び
- ブランコや小さな鈴は少数、ほつれた玩具は撤去
- 水浴び容器は浅く毎日交換
- 毛糸・綿・ネット状の玩具は足に絡むので不可
巣・寝床・隠れ家
- つぼ巣・巣箱は繁殖させる時だけ入れる
- 止まり木は太さ違いの自然木を複数、両端を固定
床材・トイレ
- 底網の下に新聞紙・紙を毎日交換
- 巣材は短く切った乾草のみ。綿・糸は不可
- 砂・ペットシーツ(かじる)は使わない
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
金属メッキ製で塗装はがれ・錆なし。目の細かい網で足が抜けないもの
大きさ・広さ
ペアで幅45cm以上の横長。群れ飼いは禽舎や大型ケージ
配置・レイアウト
- 止まり木を高さ違いに配置し飛ぶ空間を確保
- 餌・水は糞が落ちない位置に複数設置
- 夜はカバーで12時間暗く静かに休ませる
設置場所の注意
- 台所の煙・直射日光・エアコン風・すきま風を避ける
- ヒーターと温度計を必ず設置し目線の高さに置く
運動・部屋んぽ・散歩
- 手乗りでない鳥は放鳥せず、ケージ内で飛べる広さを確保
- 放鳥する場合は窓・扉を閉め、捕まえる時は暗くして布で包む
- 群れ飼いは広い禽舎で飛ばせる。追いかけ合いを観察
温湿度管理
適温25〜30℃。コキンチョウ・幼鳥・病鳥は28〜30℃
適湿度50〜60%。コキンチョウはやや高めの湿度を好む
夏・冬の対策
- 夏:直射日光を避け30℃以下、水浴び水を清潔に
- 冬:ヒーター+温度計+カバー。秋から早めに保温開始
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
血管を透かし先端のみ1〜2か月に1回。伸びた爪はネット・糸に絡まる原因
ブラッシング・皮膚被毛ケア
不要。水浴びで羽を清潔に。換羽期は保温と栄養強化で乗り切らせる
その他のケア
足の鱗のカサつき・白い厚みはダニの可能性。嘴の伸びすぎ・ずれは受診
外敵からの保護
- 猫・犬・フェレットとは同室にしない
- ベランダ・窓際はカラス・ヘビ・逸走の危険
- 蚊・ワクモ(吸血ダニ)は網戸と巣の清掃で防ぐ
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
巣材用の綿・糸くず・小さなビーズを飲み込む。巣材は乾草だけにし、糸が口から出ていたら引かずに当日受診
踏みつけ
床に降りる習性がある。ケージ外に出た時は足元を見てすり足で歩き、座る前に鳥の位置を確認
挟まれ
ケージの扉・引き戸・金網の継ぎ目に頭や足を挟む事故が多い。扉は開け放しにせず、金網のゆがみを点検
落下・転落
軽い鳥だが打撲で急変する。ケージは落ちない台に置き、落ちた場合は暗く保温して30分観察、異常があれば即受診
逸走・脱走
警戒心が強く捕まえにくい。窓・玄関を閉め、逃げたら名前を呼びケージを外に置く。警察・保健所・SNSで捜索
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 手を振り払う・叩く(骨折の危険)
- 追い回して捕まえる(パニックで急変)
安全な引き離しの手順
- 噛む力は弱い。動きを止め、息を吐いて待つ
- 反対の手で嘴の付け根をそっと押し口を開く
- 布で軽く包んでケージに戻し静かに距離を置く
- 繁殖期の防衛・恐怖など原因を見直す
引き離した後の処置
傷は流水で洗い消毒。腫れや発熱があれば皮膚科。鳥がぐったりしていれば受診
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 開口呼吸・尾を大きく振る呼吸
- 床に落ちて動かない・目を閉じている
- 卵が出ずいきみ、2〜3時間経過
- 出血が止まらない・けいれん・片足が黒い
当日中に受診
- 食欲低下・体重が1g以上減少
- 吐く、未消化便・黒い便・水様便
- 呼吸音の異常、糸が絡んだ足の腫れ
受診時に伝えること・持ち物
体重の記録、便の付いた紙、餌の種類、ケージの温度、同居鳥の有無。小鳥診療可の病院か事前確認
意識・呼吸・心拍の確認
- 呼吸:胸の上下、開口・尾振り・呼吸音を観察
- 心拍:胸に指を当て速い振動を感じるか
- 意識:声をかけ反応、目を開けるか確認
蘇生の手順
- 10g台の小鳥に心臓マッサージは不可。まず28〜30℃に保温
- 小箱に入れ暗く静かに、酸素室があれば使用
- 嘴の先だけを軽く拭き気道を確保
- 上記をしながら夜間救急に電話し即搬送
止血
- 清潔なガーゼで患部を数分圧迫
- 爪・羽根軸は止血剤か片栗粉を押し当てる
- 止まらない、体全体に血が広がれば圧迫しながら搬送
搬送方法
- 小さなプラケースにタオルを敷きカイロで保温
- 暗く静かに、揺らさず、車内の冷暖房を直接当てない
ケースメソッドで学ぶ
