基本情報
- 寿命
- 5〜8年
- 体重
- 700g〜1.2kg(オスはやや大きい)
- 性格
- 臆病だが社交的。鳴き声で感情を伝える
- 飼育難易度
- 中(ビタミンC・暑さ・群れ飼育の管理)
- 法規制
- 動物愛護管理法の対象。販売は登録業者のみ
- 最重要ポイント
- 体内でビタミンCを作れない。毎日の補給が必須
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長20〜30cm。ビタミンCを合成できない。歯は一生伸び続け、尾がない
- 原産地・分布
- 南米アンデス地方原産。数千年前に食用として家畜化され野生種は存在しない
- 野生での生息環境
- 祖先は草原や岩場。自分では穴を掘らず他の動物の穴や草むらに隠れる
- 活動時間・睡眠
- 薄明薄暮性で明け方と夕方に活発。短い睡眠を1日に何度も繰り返す
- 社会性・人との関係
- 群れで暮らす社会性が高く単独飼育はストレス。同性の複数飼いが望ましい
特徴的な行動・習性
- 餌の音や飼い主の足音に「キュイー」と鳴いて要求する。鳴き声が多彩
- うれしいと跳ね回る(ポップコーンジャンプ)。若い個体でよく見られる
- 警戒すると硬直して動かない。抱く時は両手で体全体を支えて低く持つ
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
ビタミンC欠乏症(壊血病)
予兆足を引きずる・関節の腫れ・毛づやの悪化・歯ぐきの出血・食欲低下・動きたがらない
予防ビタミンC入りペレットと新鮮なパプリカ・小松菜を毎日。水に溶かすタイプは分解が早く不確実
不正咬合
予兆よだれで顎が濡れる・牧草を落とす・口をもぐもぐするが飲み込めない・体重減少
予防チモシー牧草を主食にし常時給餌。ペレットや野菜偏重にしない。ビタミンC不足も歯を悪くする
尿路結石・膀胱炎
予兆排尿時にキーキー鳴く・血尿・尿が出ない・お尻を頻繁に舐める・背中を丸める
予防カルシウムの多いアルファルファや小松菜の過剰を避け、水を十分に。トイレを清潔に保ち観察
消化管うっ滞
予兆食べない・便が減る・小さい・お腹が張る・じっとして動かない・歯ぎしり
予防牧草中心で繊維を確保。急な食事変更・暑さ・ストレスを避ける。12時間食べなければ受診
皮膚病(ダニ・真菌)
予兆激しいかゆみ・脱毛・フケ・かさぶた・かゆさでけいれんのように暴れる
予防床材を乾燥・清潔に保つ。新しい個体は隔離して観察。かゆがれば早めに受診しダニ検査を
熱中症
予兆口を開けて速い呼吸・よだれ・ぐったり・耳が熱い・けいれん。夏に急増
予防室温28℃以上にしない。エアコンを24時間、涼しい場所と水を常に。直射日光と車内放置は厳禁
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
食欲がない・便が減った
牧草と水を近くに置き静かに保温。無理な強制給餌は自己判断で行わない。12時間食べなければ即受診、夜でも救急へ
排尿時に鳴く・血尿
尿をシートごと保存し撮影。尿が丸1日出なければ結石の閉塞の恐れがあり即受診。それ以外も当日中に受診
熱中症の疑い
涼しい部屋へ移し、濡らしたタオルで体を包み扇風機の風を当てる。氷水は禁止。少しずつ水を与え、回復しても当日中に受診
足を引きずる・関節が腫れる
落下や骨折がなければビタミンC不足の可能性。パプリカなど生野菜を与え、当日中に受診して血液検査や処置を
起こりやすい怪我と予防・応急処置
落下による骨折
予防抱くときは床に座り両手で胸とお尻を支える。高い場所に置かない。暴れたらすぐ床へ
応急処置足を引きずる、体を触ると鳴くなら固定せずキャリーにタオルを詰め安静に。当日中に受診
同居個体との咬傷
予防オス同士は成熟後に激しくケンカする。相性を見て、争えばすぐ分ける。餌場と隠れ家を数だけ用意
応急処置すぐ別居させ、傷を清潔なガーゼで押さえる。皮膚の下に膿がたまりやすいため当日受診
足裏の炎症(ソアホック)
予防金網床は不可。柔らかい床材を厚く敷く。肥満と爪の伸びすぎを防ぎ床を乾燥させる
応急処置足裏の赤み・出血はぬるま湯で洗い乾かす。かさぶた・腫れは自己処置せず受診
爪の折れ・出血
予防月1回の爪切り。布の敷物や網に爪が引っかからないようにする
応急処置清潔なガーゼで数分押さえ、止血剤や小麦粉を押し当てる。根元から折れたら受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
皮膚糸状菌症
感染経路感染個体の毛・皮膚との接触
予防脱毛・フケのある個体は手袋で扱い、触ったら手洗い
サルモネラ症
感染経路糞尿に触れた手からの経口感染
予防世話の後は石けんで手洗い。台所でケージを洗わない
ヒゼンダニ症
感染経路感染個体との接触、床材
予防強いかゆみがある個体は受診。人に発疹が出たら皮膚科へ
アレルギー(毛・牧草)
感染経路毛・フケ・尿・牧草の粉塵の吸入
予防掃除時はマスク。牧草は袋の外で粉を落とし換気する
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- チモシー牧草を常に食べ放題。主食の8割以上を牧草に
- モルモット専用ペレットを1日2回、体重の3〜5%程度
- ビタミンC源として赤パプリカ・小松菜などを毎日少量
水
- 給水ボトルで毎日交換。1日100〜300ml飲む
- 夏は減りを必ず確認。ボトルの飲み口の詰まりに注意
与えてはいけないもの
- ネギ類・じゃがいも・アボカド・チョコレート
- ウサギ用や他動物のペレット(ビタミンC不足)
- パン・米・菓子・乳製品・アルファルファの過剰
おもちゃ・遊び
- 紙袋・段ボールのトンネル・かじり木
- 牧草を詰めた紙筒。ボールは踏み外すため不要
- 同居個体がいれば追いかけっこが最高の遊び
巣・寝床・隠れ家
- 木製や布製のハウスを頭数分用意。隠れられる場所が安心の基本
- 低い台やスロープ。高さのある段は落下の危険
床材・トイレ
- ペーパーチップや広葉樹チップを厚く。針葉樹は避ける
- 布製マットは尿を吸うので毎日交換
- トイレは覚えにくいため床全体を毎日部分交換
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
底が深いプラスチック製トレーに金網柵。すのこは木製かプラ
大きさ・広さ
1頭で幅80×奥行50cm以上。2頭なら幅120cm以上
配置・レイアウト
- 隠れ家・餌場・水を離して置き、逃げ道を作る
- 床は平らに、段差は低く。金網床は不可
- 牧草入れは大きめに。常に牧草が残っている状態に
設置場所の注意
- 直射日光・エアコン直風・玄関の温度差を避け床から上げる
- 犬猫・大きな音から離す。夜間も少し明かりがあると安心する
運動・部屋んぽ・散歩
- 部屋んぽは毎日30分〜1時間。囲いを作りコードを排除
- 跳ばないが走る。滑らない床で追いかけっこができる広さを
- 屋外散歩は不要。日光浴は網戸越しか短時間で監視下で
温湿度管理
適温18〜24℃。28℃以上は熱中症、10℃以下は要保温
適湿度40〜60%。多湿は皮膚病と呼吸器病の原因
夏・冬の対策
- 夏はエアコン24時間。アルミ板と凍らせたペットボトルを
- 冬はケージを覆いパネルヒーターを一部に。温度差に注意
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
月1回、透明な部分を残し小動物用爪切りで。黒い爪は少しずつ。難しければ動物病院へ
ブラッシング・皮膚被毛ケア
短毛は週1回、長毛(ペルビアン等)は毎日。スキニーは皮膚を保湿し日焼けを避ける
その他のケア
水浴びは不要、汚れは部分洗い。オスは生殖器周りの脂分をぬるま湯で拭く。臼歯を定期確認
外敵からの保護
- 犬・猫・フェレットとは別室。ケージにはフタと鍵を
- カラス・野良猫・イタチが来るため屋外飼育はしない
- 夏は蚊やハエを網戸で防ぎ、床材の汚れをためない
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
布やタオルの糸くず、ゴム・ビニールをかじって飲み込む。部屋んぽ中は小物と観葉植物を片付ける
踏みつけ
足元にまとわりつく癖があり踏みつけ事故が多い。歩く時は下を見る。ソファ下やクッションを座る前に確認
挟まれ
ドアやケージの引き戸に体を挟む。部屋んぽ中はドアストッパーを。ケージ扉は閉める前に手足を確認
落下・転落
抱っこ中の落下で骨折・脊椎損傷。抱くのは床に座って短時間。ソファやベッドには乗せない
逸走・脱走
跳ばないが隙間に潜る。囲いは高さ40cm以上で隙間なく。逃げたら好物の匂いと暗い箱を置き、静かに待つ
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 手を振りほどく(歯が折れ顎を痛める)
- 叩く・怒鳴る・ケージに投げ入れる
安全な引き離しの手順
- 動きを止め、噛んだ手を床の上に静かに置く
- 空いた手で背中をなで落ち着かせる
- 口元に指を入れず、離れるのを数秒待つ
- 離れたらハウスへ戻し、しばらく構わずにおく
引き離した後の処置
流水と石けんで洗い消毒。深い傷・腫れ・化膿は人の医療機関へ。動物の異常も確認
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 12時間以上食べない・便が出ない
- 口を開けて速い呼吸・ぐったり・けいれん
- 丸1日尿が出ない・排尿で激しく鳴く
- 落下後に手足が動かない・引きずる
当日中に受診
- 便が小さい・少ない・軟便
- よだれ・牧草を落とす・体重減少
- 血尿・かゆみで暴れる・関節の腫れ
受診時に伝えること・持ち物
最後に食べた時刻・便と尿の状態・食事内容・室温・同居個体。便尿を持参し牧草をキャリーに
意識・呼吸・心拍の確認
- 名前を呼び体に触れて反応を見る。鳴く・動くなら意識あり
- 胸の上下で呼吸確認。正常は1分間に約40〜100回
- 胸に手を当て心拍確認。正常は1分間に約230〜300回
蘇生の手順
- 横向きに寝かせ、口の中の牧草や異物を取り除く
- 胸骨の上を親指と指で挟み1分約120回で圧迫
- 圧迫の深さは胸の厚み3分の1。強すぎは肋骨骨折
- 30回圧迫ごとに鼻を口で覆い軽く2回息を吹き込む
止血
- 清潔なガーゼで3〜5分強めに押さえる。めくらない
- 爪の出血は止血剤か小麦粉を押し当てる
- 止まらない・血が滴るなら押さえたまま即受診
搬送方法
- キャリーにタオルを敷き、牧草を少し入れて暗く覆う
- 夏は保冷剤をタオルで包んで隣に。冬はカイロを外側に
ケースメソッドで学ぶ
