ハムスター
Photo by Ricky Kharawala on Unsplash

小動物(哺乳類)

ハムスター

ゴールデン・ジャンガリアン・ロボロフスキーなど

最重要:気温10℃以下で擬似冬眠。冬の保温が生死を分ける

基本情報

寿命
2〜3年(ゴールデンは3年前後)
体重
ジャンガリアン30〜50g、ゴールデン100〜150g
性格
夜行性で単独性。臆病で急な動きに驚く
飼育難易度
中(温度管理・短命・夜間に活動)
法規制
動物愛護管理法の対象。販売は登録業者のみ
最重要ポイント
気温10℃以下で擬似冬眠。冬の保温が生死を分ける

生態と特徴

体の特徴
体長7〜18cm。頬袋に食料を詰めて運ぶ。視力は弱く嗅覚と髭で周囲を把握
原産地・分布
ゴールデンはシリア、ジャンガリアンはシベリア〜カザフスタンの草原が原産
野生での生息環境
乾燥した草原や半砂漠。地中に深い巣穴を掘り、暑さ寒さを避けて暮らす
活動時間・睡眠
夜行性。昼は巣穴で眠り夕方から活動。夜に回し車で数km走る
社会性・人との関係
ゴールデンは完全な単独性で同居させると殺し合う。人には個体ごとに慣れる

特徴的な行動・習性

かかりやすい病気と予兆の見方・予防

擬似冬眠

予兆冬に体が冷たく動かない・呼吸がごく浅い・触ってもぐったり。死んだように見える

予防室温を常に20℃以上に保つ。夜間や留守中もヒーターを切らず、温度計で確認する

ウェットテイル

予兆お尻周りが下痢で濡れて汚れる・悪臭・急な食欲不振。若い個体で急速に悪化する

予防お迎え直後のストレスを減らし静かに過ごさせる。ケージを清潔に保ち、環境変化を最小限に

腫瘍

予兆皮膚の下や乳腺・お腹にしこり、日に日に大きくなる。1歳半以降に多い

予防予防は難しい。週1回の全身触診で早期発見し、小さいうちに動物病院で相談する

頬袋の脱出・詰まり

予兆口から赤い袋状の組織が出ている・頬が膨らんだまま戻らない・よだれ

予防ベタつく餌や鋭い餌、綿の巣材を与えない。頬袋の中身をためたまま放置しない

皮膚病(ダニ・真菌)

予兆激しいかゆみ・フケ・脱毛・かさぶた。耳や背中から始まることが多い

予防床材を週1回以上交換し湿気を避ける。新しい個体や床材から持ち込まれるため観察を

不正咬合

予兆前歯が伸びすぎて口が閉じない・硬い餌を残す・よだれ・体重減少

予防かじり木や硬めのペレットを常備し歯を摩耗させる。金網かじりの癖は柵をふさいで防ぐ

病気の予兆チェックリスト

毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。

病気の応急処置

擬似冬眠らしい

手のひらや懐で包み1〜2時間かけてゆっくり温める。ドライヤーや急激な加熱は禁止。目覚めたら砂糖水を少量、当日受診

下痢・お尻が濡れている

ペレット以外の生野菜・果物を止め、保温して静かに。脱水は数時間で進むため当日中に受診。便は捨てず持参

頬袋が出ている

自分で押し戻さない。乾燥しないよう湿らせたガーゼで軽く覆い、そのまま動物病院へ。数時間以内に受診

しこりを見つけた

場所・大きさをスマホで撮影し日付を記録。1週間で大きくなる、出血する、歩き方が変なら早めに受診

起こりやすい怪我と予防・応急処置

落下による骨折

予防抱くときは床の上か座った状態で。ケージ内の高い段・金網登りを避け、高さを20cm以下に

応急処置足を引きずる、手足が変な向きなら固定せずそのまま小さな箱に入れ安静にし、当日中に受診

回し車での足の挟み

予防ハシゴ状や隙間のある回し車は使わず、面が一枚板のタイプを選ぶ。直径は体長に合わせる

応急処置無理に引き抜かず回し車ごと分解して外す。出血は清潔なガーゼで押さえ、腫れや跛行があれば受診

同居個体との咬傷

予防ゴールデンは必ず単独飼育。ジャンガリアンも成長後は分ける。ケンカを見たら即別居

応急処置すぐ別のケージに分ける。傷は清潔なガーゼで押さえ、化膿・腫れ・食欲低下が出れば受診

ケージ金網での歯の損傷

予防金網をかじる癖は水槽型やアクリルケージに替える。かじり木を複数置き、隙間をふさぐ

応急処置前歯が折れたら硬い餌をやわらかいペレットに替え、当日中に受診。出血はガーゼで軽く押さえる

動物由来感染症(人にうつる病気)

サルモネラ症

感染経路糞尿に触れた手からの経口感染

予防世話の後は必ず石けんで手洗い。ケージ掃除は台所以外で行う

皮膚糸状菌症

感染経路感染個体との接触、床材や毛

予防脱毛やフケがある個体は素手で触らず受診。触ったら手洗い

LCM(リンパ球性脈絡髄膜炎)

感染経路尿・唾液・糞の接触や乾燥粉塵の吸入

予防妊婦・免疫低下者は世話を代わってもらう。掃除は換気して行う

アレルギー(毛・尿)

感染経路毛・フケ・尿・床材の粉塵の吸入

予防掃除時はマスク着用。咳・かゆみ・鼻炎が続けば医師に相談

飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材

  • 主食はハムスター専用ペレットを1日1回、夕方に給餌
  • 量は体重の5〜10%。ジャンガリアンで小さじ1杯程度
  • 副食は小松菜・にんじんなどを爪の先ほど少量

  • 給水ボトルで毎日交換。飲み口の詰まりを毎日確認
  • 水入れ皿は溺れや汚れの原因になるためボトル推奨

与えてはいけないもの

  • ネギ類・チョコレート・アボカド・じゃがいもの芽
  • ヒマワリの種やナッツの与えすぎ(肥満・栄養失調)
  • 人の菓子・味付けした食品・観葉植物

おもちゃ・遊び

  • 一枚板の回し車(ジャンガリアン15cm以上、ゴールデン20cm以上)
  • トンネル・かじり木・ティッシュ紙の丸めた物
  • 砂浴び用の細かい砂(ジャンガリアン・ロボロフスキー)

巣・寝床・隠れ家

  • 暗く狭い巣箱を1つ。木製や陶器が理想
  • 巣材はキッチンペーパーを細く裂いたもの。綿は絡まるので不可

床材・トイレ

  • ペーパーチップや広葉樹チップを厚さ5cm以上
  • 針葉樹チップは皮膚炎・肝臓への影響があるため避ける
  • トイレは決めた角に砂入りの容器を置き毎日交換

飼養環境:ケージ・運動・温湿度

ケージ・ハウスの素材

水槽型やアクリルケージ。金網は歯や足の怪我の原因

大きさ・広さ

底面60×40cm以上。ゴールデンはさらに広く

配置・レイアウト

  • 巣箱と回し車は離し、トイレは巣の対角に
  • 床材を掘れるよう深く敷き、隠れ場所を2か所以上
  • 高低差をつけず、落ちても安全な低い構造にする

設置場所の注意

  • 直射日光・エアコン風・テレビの音が直撃する場所を避ける
  • 犬猫の届かない静かな部屋。床置きは冷えるので台の上に

運動・部屋んぽ・散歩

  • 部屋んぽは必須ではない。出すなら夜の活動時間帯に15〜30分
  • 囲いを作り、コード・隙間・他のペットを排除して目を離さない
  • 散歩用ボールは酸欠・ぶつかり事故の危険があり長時間は不可

温湿度管理

適温20〜26℃。15℃以下は擬似冬眠、30℃以上は熱中症の危険

適湿度40〜60%。多湿は皮膚病と食べ物のカビの原因

夏・冬の対策

  • 夏はエアコンで室温を保ち、陶器やアルミ板の涼み場を
  • 冬はパネルヒーターを底面の半分に敷き、温度計で常時確認

グルーミングと外敵からの保護

爪切り

床材で自然に削れる。伸びすぎたら爪先の透明部分のみ小動物用爪切りで。無理なら病院へ

ブラッシング・皮膚被毛ケア

自分で毛づくろいするためブラシは不要。長毛ゴールデンは柔らかい歯ブラシでもつれをほぐす

その他のケア

水浴びは厳禁。汚れは湿らせた布で拭く。砂浴びで皮脂を落とす。前歯の長さは週1回確認

外敵からの保護

  • 犬・猫・フェレットとは同じ部屋に置かない。ケージにはフタと鍵を
  • カラスや野良猫が来るためベランダや屋外に出さない
  • ゴキブリ・アリ・ダニ対策にケージ周りを清潔に保つ

飼養上の注意(事故防止)

異物誤飲

綿や布の繊維は頬袋や腸に詰まる。巣材は紙製に。ゴム・発泡スチロール・ビニールをかじらせない

踏みつけ

部屋んぽ中は足元を必ず見て歩く。座布団やクッションの下に潜るので座る前に確認

挟まれ

ケージのフタや引き戸に手足や体を挟む事故が多い。閉める前に全身を確認。ドアの隙間に入り込ませない

落下・転落

机や手の上からの落下で骨折・内臓損傷。抱くのは床に座って。ケージ内は高さ20cm以下に

逸走・脱走

金網の隙間1cmでも脱走する。夜間、部屋を暗くし床にヒマワリの種を置いた小箱を置くと戻る。家具の裏と靴を確認

噛みついた時の安全な引き離し方

やってはいけないこと

  • 手を振り払う・引き抜く(歯が折れ顎が外れる)
  • 大声を出す・叩く・水をかける

安全な引き離しの手順

  1. 動きを止め、噛んだ手をケージや床の上に静かに置く
  2. 反対の手で口元に指を近づけず、そっと息を吹きかける
  3. 離れたら追わず、ケージや巣箱へ自分で戻らせる
  4. 手を洗い、噛まれた理由(匂い・驚き・妊娠)を考えて次回に活かす

引き離した後の処置

流水と石けんで洗い消毒。腫れ・熱感・化膿があれば人の医療機関へ。動物も再度異常がないか確認

救命救急マニュアル

今すぐ夜間救急へ(命に関わる)

  • 体が冷たく動かない・呼吸がごく浅い
  • 頬袋や腸が体外に出ている
  • けいれん・意識がない・口を開けて呼吸
  • 落下後に手足が変な向き・動かない

当日中に受診

  • 下痢でお尻が濡れている・急な食欲不振
  • 目が飛び出る・目やにで開かない
  • 前歯が折れた・伸びて口が閉じない

受診時に伝えること・持ち物

種類・年齢・体重・食事内容・室温・症状の開始時期。便と食べている餌を袋に入れ持参

意識・呼吸・心拍の確認

  • 名前を呼び軽く体に触れて反応を見る。正常なら動く
  • 胸の上下で呼吸確認。正常は1分間に約70〜150回
  • 胸に指を軽く当て心拍を感じる。正常は1分間に約300〜500回

蘇生の手順

  1. 小さすぎて胸骨圧迫は臓器損傷の危険が大きい
  2. 呼吸が弱い時は手のひらで包み体温を保ち気道を伸ばす
  3. 口や鼻の分泌物を綿棒で優しく除き、横向きに寝かせる
  4. 自己判断より1分でも早く動物病院へ電話し指示を仰ぐ

止血

  • 清潔なガーゼで出血部を1〜2分そっと押さえる
  • 爪や尾の出血は小麦粉やコーンスターチを押し当てる
  • 止まらない、血が滴る量なら押さえたまま即受診

搬送方法

  • 小さなプラケースに巣材を入れ、暗くして揺らさない
  • 冬はカイロをタオルで包み容器の外側に。直接当てない

ケースメソッドで学ぶ

ケースメソッド(状況予測シナリオ 50問)

ハムスターに起こりうる病気・怪我・事故を想定した4択問題。解答・解説・課題と改善案付き。

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