基本情報
- 寿命
- 3〜5年
- 体重
- 300〜600g
- 性格
- 夜行性で臆病、単独行動を好む
- 飼育難易度
- 中〜高(温度管理・皮膚病・腫瘍)
- 法規制
- 動物愛護管理法の愛護動物。他種は特定外来生物
- 最重要ポイント
- 24〜29℃を保つ。低温で擬似冬眠し命に関わる
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長15〜25cm。背中に約5000本の針。嗅覚と聴覚が鋭く視力は弱い
- 原産地・分布
- アフリカ中部〜東部のサバンナ・草原地帯
- 野生での生息環境
- 乾燥した草原や低木地。岩陰や巣穴に潜む
- 活動時間・睡眠
- 夜行性。昼は丸くなって眠り夜に歩き回り採食
- 社会性・人との関係
- 単独性で縄張りを持つ。繁殖期以外は同居しない
特徴的な行動・習性
- 新しい匂いに泡状の唾液を針に塗るアンティング
- 驚くと丸まり針を立てて防御する
- 夜間に数kmを歩く。回し車が運動に必要
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
ダニ症(疥癬)
予兆針が抜ける、フケが多い、皮膚のかさぶた、かゆがって耳や足をかく
予防新しい個体は受診して駆虫。床材を清潔に保つ。針の抜けが増えたら受診
腫瘍
予兆口の中のしこり、体の腫れ、食欲低下、体重減少。3歳以降に多く口腔内腫瘍が目立つ
予防予防法なし。月1回体重測定と口・体のしこりチェック。半年ごとの健診
ふらつき症候群
予兆後ろ足から始まるふらつき、転倒、進行性の麻痺。丸まれなくなる
予防予防法は不明。遺伝が関与するため発症個体の繁殖を避ける。似た症状は他の病気も疑う
擬似冬眠・低体温
予兆体が冷たく丸まったまま動かない、呼吸が遅い。20℃以下で起こる
予防室温を24℃以上に保つ。冬はヒーター・保温電球を常時使用。温度計を設置
歯周病・口腔内疾患
予兆口臭、よだれ、食べにくそう、歯茎の赤み・出血、片側で噛む
予防ドライフード主体で歯に汚れをためない。口の中を月1回確認。異常は早めに受診
子宮疾患(メス)
予兆血尿・陰部からの出血、お腹の膨らみ、元気消失。中高齢のメスに多い
予防早期発見が重要。ペットシーツで尿の色を毎日確認。赤い尿は当日受診
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
体が冷たく動かない
擬似冬眠。急に温めず、手のひらやタオルで包み1〜2時間かけて徐々に温め、動き出さなければ即受診
ふらつき・転倒
床を平らにし落下する物を除く。食べられるかを確認し、当日中に受診して原因を調べる
赤い尿・陰部出血
子宮疾患の疑い。ペットシーツごと写真に撮り当日中に受診。ぐったりしていれば即受診
食べない・緑の便
半日以上食べなければ危険。ふやかしフードを差し出し、便を持って当日受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
落下・骨折
予防高い所に登れないケージにする。抱く時は床の近くで、丸まると転がるので両手で支える
応急処置足を引きずる・動かない時は狭い箱に入れ安静。触らず当日中に受診
回し車での指のケガ
予防隙間のない滑らかな回し車を使う。針金製・網状の物は指が挟まる
応急処置出血は清潔なガーゼで押さえる。指が変形・腫れていれば当日中に受診
糸・毛の絡まり
予防布・タオルのほつれた糸、髪の毛が足に巻きつき壊死する。ケージ内の布は毎日確認
応急処置引っ張らず、糸を小さなハサミで慎重に切る。腫れ・変色があれば当日受診
眼球の突出
予防目が浅く飛び出しやすい。顔を強く押さえない。落下・狭い所への挟まりを防ぐ
応急処置目が出ていれば触らず、乾かないよう湿らせたガーゼをそっと当て30分以内に受診連絡
動物由来感染症(人にうつる病気)
サルモネラ症
感染経路便・尿に汚染された針や手から経口
予防触れた後・掃除後は必ず手洗い。小児は特に注意
皮膚糸状菌症
感染経路感染個体の針・皮膚への接触
予防フケ・脱針があれば手袋で扱う。治療するまで抱かない
疥癬(ダニ)
感染経路感染個体との接触で一時的に皮膚炎
予防駆虫治療をする。触れた後の手洗い、寝具の洗濯
針による刺し傷
感染経路針が皮膚に刺さり細菌が入る
予防刺さったら流水で洗い消毒。腫れ・熱があれば受診
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- ハリネズミ専用フードを夕方に1日1回
- 1日15〜25gを目安、体重を見て調整
- ミルワーム・コオロギはおやつ程度に
水
- 給水ボトルと器の両方に新鮮な水を毎日
- ボトルから飲めない個体は器を必ず置く
与えてはいけないもの
- 牛乳・チョコ・ネギ類・アボカド・ブドウ
- ナッツ・種子(歯に詰まる)
- 生肉・生卵・猫用ウェットの多用(肥満)
おもちゃ・遊び
- 隙間のない滑らかな回し車(直径30cm)
- トンネル・トイレットペーパーの芯
- 夜に安全な部屋で探索させる
巣・寝床・隠れ家
- 布製の寝袋または陶器・木製の巣箱
- 薄暗く体が隠れる大きさの物
床材・トイレ
- ペットシーツ・紙製の床材を厚めに
- 針葉樹チップ・綿・砂は避ける
- 汚れは毎日、全交換は週1回
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
衣装ケース改造やプラ製の水槽型で保温しやすく
大きさ・広さ
幅60×奥行45cm以上の平面、高さ30cm以上
配置・レイアウト
- 巣箱と食器を離し、回し車は壁際に
- ヒーターは半面に設置し温度差を作る
- 底は平らにして登れる物を置かない
設置場所の注意
- 温度計・湿度計を設置し毎日確認
- 夜行性なので昼間は静かで暗めの場所
運動・部屋んぽ・散歩
- 夜間30分〜1時間、囲いのある場所で
- 回し車で毎日運動。肥満は病気の元
- 屋外散歩は不要、脱走・寄生虫の危険
温湿度管理
適温24〜29℃、20℃以下は擬似冬眠の危険
適湿度40〜60%
夏・冬の対策
- 夏はエアコン、30℃以上で熱中症
- 冬はパネルヒーター+保温電球で24℃以上
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
月1〜2回、丸まらない入浴時や膝上で1本ずつ。血管の手前まで。難しければ病院で
ブラッシング・皮膚被毛ケア
針の間のフケや汚れは古い歯ブラシで軽く。針が抜けフケが多ければダニを疑い受診
その他のケア
汚れた時のみぬるま湯で足浴。全身浴は月1回以下、湯冷めに注意。歯と耳の縁を月1回確認
外敵からの保護
- 犬猫・フェレットとは別室で飼う
- 屋外に出さない(カラス・猫・野生動物)
- 夏は網戸を閉め、蚊・ハエの侵入を防ぐ
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
床材・綿・糸・小さな異物を口にする。綿や砂の床材は使わない。便が出ない・嘔吐は当日受診
踏みつけ
夜間、暗い部屋を歩く時はライトで足元を確認。踏んだら触らず狭い箱に入れ受診
挟まれ
ドア・引き出し・家具の隙間に入り込む。開閉前に居場所を確認。挟んだら骨折・眼球突出を疑い受診
落下・転落
机やソファから落ちて骨折。抱くのは床の上で。落ちて動かない・目が出ていれば触らず受診
逸走・脱走
夜間に隙間から逃げる。ケージにふたをし部屋のドアを閉める。逃げたら家具の裏、暗い場所を探し寝袋で誘う
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 手を振り払う・引き抜く(傷が深くなる)
- 叩く・大声・鼻を弾く(恐怖で噛み癖に)
安全な引き離しの手順
- 動かず力を抜き、落ち着いて待つ
- もう片方の手で体を下から支え安定させる
- 口元に少量の水を垂らすか好物を差し出す
- 離れたらそっとケージに戻ししばらく触らない
引き離した後の処置
傷は流水で洗い消毒。腫れ・熱・化膿は人の病院へ。噛む原因(恐怖・匂い・痛み)を確認
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 冷たく丸まったまま反応がない
- けいれん・呼吸が速い・ぐったり
- 目が飛び出している
- 糸が絡まり足が変色している
当日中に受診
- 半日以上食べない・体重減少
- 赤い尿・緑色の便が続く
- ふらつき・転倒・足を引きずる
受診時に伝えること・持ち物
室温・保温の状況、食事内容と量、体重の推移、尿や便の写真、しこりに気づいた時期
意識・呼吸・心拍の確認
- 呼びかけ・鼻先への刺激で反応するか
- 胸の動きを見る。正常呼吸は毎分約25〜50回
- 胸に指を当てる。正常心拍は毎分約180〜280回
蘇生の手順
- 丸まっていれば無理に開かず保温を優先
- 口の異物を綿棒で除き、頭を軽く伸ばす
- 呼吸が浅ければ胸を指1本で毎分約100回軽く圧迫
- 処置と同時に電話し即搬送する
止血
- 清潔なガーゼで傷を数分間そっと押さえる
- 爪の出血は止血粉か小麦粉を押し当てる
- 止血後もタオルで保温して受診
搬送方法
- 寝袋ごと小型キャリーに入れ暗くする
- カイロはタオルで包み直接触れさせない
ケースメソッドで学ぶ
