基本情報
- 寿命
- フトアゴ8〜12年、レオパ10〜20年
- 体重
- レオパ50〜90g、フトアゴ300〜600g
- 性格
- 温和で人に慣れやすい。単独飼育が基本
- 飼育難易度
- 中(温度・紫外線・カルシウム管理)
- 法規制
- 動物愛護管理法の対象。CITES種は輸入書類要
- 最重要ポイント
- 温度勾配とUVB・カルシウムが命綱
生態と特徴
- 体の特徴
- レオパは尾に脂肪を蓄える。フトアゴは喉を膨らませ威嚇。クレステッドは尾が再生しない
- 原産地・分布
- フトアゴはオーストラリア、レオパは西アジア乾燥地、クレステッドはニューカレドニア
- 野生での生息環境
- 砂漠・岩場・乾燥林から熱帯林まで種で異なる。原産地を調べる
- 活動時間・睡眠
- フトアゴは昼行性で日光浴が必須。レオパ・クレステッドは夜行性
- 社会性・人との関係
- 単独性で縄張り意識が強い。オス同士は同居不可。人には慣れる
特徴的な行動・習性
- 危険を感じると尾を自切する。尾を掴まない
- フトアゴは腕を回すアームウェービングで服従を示す
- 成長に応じて脱皮する。指先や尾の脱皮残りに注意
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
代謝性骨疾患
予兆あごが柔らかく変形、四肢のふるえ・けいれん、背骨や尾の曲がり、歩けない
予防毎回の餌にカルシウム粉をまぶす。昼行性種はUVBライトを半年ごとに交換して照射
脱皮不全
予兆指先・尾先・まぶたに古い皮が残る、指が黒く細くなる、目が開かない
予防湿度を種に合わせ保つ。ウェットシェルターを常設。指先を毎回確認
腸閉塞(誤飲)
予兆排便がない、腹部の膨らみ、食欲不振、後肢のふらつき、吐き戻し
予防細かい砂・砂利床材を避け、キッチンペーパーやタイルにする。餌皿で給餌
クリプトスポリジウム
予兆レオパで慢性の下痢・急激な痩せ、尾が棒のように細くなる、吐き戻し
予防新入り個体は別室で検疫し便検査。器具は個体ごとに分けて洗う
口内炎(マウスロット)
予兆口の周りに黄白色のチーズ状の膿、口が閉じない、よだれ、食欲低下
予防適温を保ち免疫を落とさない。ケージの角に口をぶつける行動があれば環境を見直す
卵詰まり(卵塞)
予兆メスが産卵せず腹が膨らみ続ける、食欲不振、力んで動かない、ぐったり
予防産卵床(湿らせた土の容器)を用意。産卵期はカルシウムと保温を強化
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
けいれん・ふるえ
代謝性骨疾患の疑い。落下防止のため低い容器へ移し保温。触らず刺激せず当日中に受診
目が開かない
ぬるま湯で湿らせた綿棒で目の周りを軽く湿らす。無理にこじ開けず、翌日までに受診
排便がない
30℃前後のぬるま湯で15分温浴し腹部を刺激しない程度に泳がせる。数日出なければ受診
口周りの膿
自分で膿を取ろうとしない。餌を止めて保温し、当日中に受診。抗生剤治療が必要
起こりやすい怪我と予防・応急処置
低温火傷(ヒーター)
予防パネルヒーターは床面の半分以下に。ライト類は金網カバーをつけ触れない距離に設置
応急処置腹や背に白・黒い変色部があれば火傷。冷やさず清潔なガーゼで覆い当日中に受診
自切(尾切れ)
予防尾をつかまない。両手で胴を下から支える。同居・同居種を避ける
応急処置出血は少量で自然に止まる。床材をキッチンペーパーに替え清潔に。化膿すれば受診
指先の壊死
予防脱皮のたび指先に皮が残っていないか確認。湿度不足を放置しない
応急処置残った皮は温浴で柔らかくして綿棒でやさしく除去。黒く変色していれば受診
落下による骨折
予防ハンドリングは床の近くで座って行う。ケージ内の高い枝は登り降りしやすい角度に
応急処置動かさず小さな容器に移し保温。四肢の変形や動けなければ当日中に受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
サルモネラ症
感染経路糞便・皮膚・飼育水に触れた手や器具から経口
予防触った後は石けんで手洗い。器具は台所で洗わない。5歳以下・高齢者は接触に注意
ダニ(爬虫類ダニ)
感染経路個体の体表・ケージから人の皮膚へ
予防新入り個体は検疫。皮膚のふちや脇の黒い点を確認し、見つけたら受診
皮膚糸状菌症
感染経路感染個体との接触・汚れた器具
予防皮膚に異常のある個体を素手で触らない。手袋着用と手洗い
アメーバ症
感染経路糞便で汚れた手からの経口
予防ケージ掃除後の手洗い徹底。掃除中は飲食しない
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- レオパ:コオロギ・デュビア等を週2〜3回
- フトアゴ:幼体は虫中心、成体は野菜中心
- 毎回カルシウム粉をまぶす。ビタミンは週1
水
- 浅い水皿を常設し毎日交換
- クレス等は霧吹きで壁面の水滴を飲ませる
与えてはいけないもの
- 野外採取の虫(農薬・寄生虫)
- アボカド・ホウレンソウ・ネギ類
- 大きすぎる餌(頭幅より大きい虫)
おもちゃ・遊び
- 登れる流木・コルク樹皮
- 餌を追わせる生き餌の給餌
- ケージ外での短時間の探索(監視下)
巣・寝床・隠れ家
- 暖かい側と涼しい側に各1つの隠れ家
- 湿らせた水苔入りウェットシェルター
床材・トイレ
- キッチンペーパー・ペットシーツが安全
- 細かい砂・砂利・ウォールナットは誤飲注意
- 糞は毎日除去、床材は週1で全交換
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
ガラスまたはアクリルの前開き爬虫類ケージ
大きさ・広さ
レオパ幅45cm以上、フトアゴ幅90cm以上
配置・レイアウト
- 片側にヒーター・バスキングライト
- 反対側は涼しく、水皿と隠れ家を設置
- 昼行性種は登り木の上にUVBを照射
設置場所の注意
- 直射日光の当たる窓際は高温になり危険
- 振動・大音量のテレビや他のペットから離す
運動・部屋んぽ・散歩
- ハンドリングは1回10〜15分、餌の直後は避ける
- 部屋に出す時は他のペットを隔離し目を離さない
- 屋外散歩は不要。日光浴も逸走・カラスに注意
温湿度管理
適温暖かい側30〜35℃、涼しい側24〜27℃、夜間20℃以上
適湿度レオパ40〜60%、クレス60〜80%(シェルター内は高め)
夏・冬の対策
- 夏:室温28℃超なら冷房。ケージ内温度を実測
- 冬:保温球・パネルヒーターとサーモスタット必須
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
流木や石で自然に削れる。伸びすぎて絡むなら先端のみ小動物用爪切りでカット
ブラッシング・皮膚被毛ケア
脱皮ケア:残った皮は温浴後に綿棒で除去。まぶた・指先・尾先を毎回確認
その他のケア
月1の体重測定と記録。口周り・総排泄孔の汚れをチェック。温浴は30℃で10分程度
外敵からの保護
- 犬・猫は同室に入れない。ケージは鍵付き
- 屋外に出さない。カラス・猫に襲われる
- 小さな子どもが強く握らないよう見守る
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
細かい床材・コオロギの脚・小石を誤飲しやすい。餌皿で給餌し、腹の膨らみと排便を毎日確認。便秘が続けば受診
踏みつけ
部屋に出す時は動線を決め、家族全員に知らせる。床の色に紛れやすいので足元を常に確認
挟まれ
前開き扉の縁で尾や指を挟みやすい。閉める前に体の位置を確認。ケージ内の重い石は固定する
落下・転落
机上のハンドリングは厳禁。床に座って扱い、驚いて跳ねても落ちない高さで。落下後は歩き方を観察
逸走・脱走
扉の閉め忘れが最多。逃げたら暖かい家電の裏・カーテン・ソファ下を探し、温めたシェルターと餌で誘導
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 力ずくで引き抜く(歯が折れ口が裂ける)
- 尾をつかんで引きはがす(自切する)
安全な引き離しの手順
- 動かず落ち着き、噛んだ側を持ち上げない
- 個体の口元に水を垂らすか、ぬるま湯につける
- 口の後ろの隙間に薄いカードを当て静かに外す
- 外れたら個体をケージに戻し暗くして休ませる
引き離した後の処置
傷を流水で5分洗い消毒。サルモネラの危険があるので深い傷・腫れは病院へ
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- けいれん・意識がない
- 口を開けて呼吸・ぐったり動かない
- 腹が異常に膨らみ力んでいる
- 出血が止まらない・骨の露出
当日中に受診
- 火傷の変色・水ぶくれ
- 口周りの膿・口が閉じない
- 数日排便なし・急な痩せ
受診時に伝えること・持ち物
種名・年齢・温度湿度の設定・照明の種類・餌内容・便の写真・体重の推移。ケージの写真も有用
意識・呼吸・心拍の確認
- 刺激への反応:足先を軽くつまむ、まぶたの動き
- 呼吸:脇腹の上下、健康時は数秒に1回程度
- 変温動物のため体が冷たいのは正常。舌の色を確認
蘇生の手順
- 心臓マッサージは推奨されない。まず適温に戻す
- 28〜30℃の暖かい容器へ移し、直接熱源に当てない
- 口・鼻の分泌物を綿棒で除き気道を確保
- 上記を行いながら救急対応の病院へ連絡
止血
- 清潔なガーゼで5分、軽く押さえる
- 尾の自切は少量で止まる。押さえすぎない
- 止まらない出血・爪の根元の出血は受診
搬送方法
- 穴を開けたプラケースに紙タオルを敷く
- カイロはタオルで包み直接触れないように、暗くして運ぶ
ケースメソッドで学ぶ
