基本情報
- 寿命
- マドジョウ5〜10年、シマドジョウ3〜5年
- 体重
- 体長マドジョウ10〜20cm、シマドジョウ8〜12cm
- 性格
- 温和で臆病。夜行性で砂に潜る。混泳向き
- 飼育難易度
- 易〜中(丈夫だが飛び出しと高水温に弱い)
- 法規制
- 愛護法対象外。アユモドキ等は種の保存法で採集禁止
- 最重要ポイント
- フタの隙間を全て塞ぐ。飛び出しが最多の死因
生態と特徴
- 体の特徴
- 口のヒゲ(マドジョウ5対・シマ3対)で餌を探す。鱗は微小で粘液に覆われ、腸でも呼吸する
- 原産地・分布
- 日本各地・東アジアの水田・小川・用水路
- 野生での生息環境
- 泥や砂の底がある浅い止水・緩流。水田や湿地に多い
- 活動時間・睡眠
- 夜行性。昼は砂に潜り、暗くなると底をヒゲで探って採餌
- 社会性・人との関係
- 群れずに底で単独行動。縄張り意識は弱く同種・他種と混泳可
特徴的な行動・習性
- 腸呼吸:水面で空気を飲み肛門から泡を出す。正常だが頻発は酸欠の合図
- 気圧低下や雷雨前に落ち着きなく泳ぎ回る。昔は天気の予報に使われた
- 驚くと砂に潜る・水面へ飛び跳ねる。低水温では砂の中でじっとする
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
白点病
予兆体やヒレに塩粒のような白点。体を砂や流木にこすりつける。水温低下後に多い
予防水温変化は1日2℃以内。新しい魚は別容器で1〜2週間様子を見てから合流
水カビ病
予兆傷や口元に白い綿状のものが付く。飛び出し後や粗い砂利での擦り傷から発生
予防底砂は角のない細かい砂にする。傷ができたら清潔な水で早めに隔離
エロモナス症
予兆体表の赤い斑・出血・腹部の膨らみ・鱗の逆立ち。穴あき状の潰瘍になる
予防週1回1/3換水で水質を維持。餌の食べ残しを毎日取り除き過密を避ける
カラムナリス病
予兆口・ヒレ・尾が白く溶けてぼろぼろになる。高水温の夏に急速に進行
予防夏は水温28℃以下を保つ。病魚は即隔離し、網や器具は水槽ごとに分ける
酸欠・高水温障害
予兆腸呼吸が数分おきに頻発。水面で口をパクパクし底に戻らない。動きが鈍い
予防夏はエアレーション追加と冷却ファン。水温計を毎日確認し30℃を超えさせない
消化不良・腹部膨満
予兆腹がふくらみ浮いたり沈めなくなる。便が出ず餌を食べない
予防沈下性の餌を数分で食べ切る量に。低水温時は給餌を減らし古い餌は使わない
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
白点・体こすり
水温を1日1〜2℃ずつ26〜28℃へ上げ1/3換水。鱗が微小なため薬は店や病院に相談し規定量より慎重に
腸呼吸が頻発
まず水温を測りエアレーションを最大に。30℃近ければ冷却ファンと少量ずつの換水で下げ、過密なら分ける
赤い斑・穴あき
別容器に隔離し同温の新しい水へ。0.3〜0.5%塩水浴で経過を見て、潰瘍が広がれば当日中に相談
腹部膨満・浮く
給餌を2〜3日止め水温を安定させる。水深を浅くして腸呼吸しやすくし、改善なければ受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
飛び出し乾燥
予防フタと配線・配管の隙間を全て塞ぐ。驚かせない。水位をフチから5cm以上下げる
応急処置体が動くか確認し飼育水で粘液ごと優しく濡らして水槽へ。エアレーション強め暗くして安静
体表の擦り傷
予防底砂は細かい砂のみ。角のある石・流木は避け、網で追い回さない
応急処置清潔な同温水に隔離し0.3%塩水浴。白い綿が出たら水カビ対応。深い傷は病院へ
ヒゲの損傷
予防粗い砂利・角のある底床を使わない。水質悪化でヒゲが溶けるため換水を守る
応急処置清潔な水で自然に再生する。溶けている場合は換水頻度を上げ餌を減らし細菌感染を防ぐ
吸水口の吸込み
予防フィルター吸水口にスポンジを付ける。ヒーターはカバー付きにし隙間を作らない
応急処置電源を切ってから静かに外す。火傷や出血はエアレーションを強めた別容器で安静に
動物由来感染症(人にうつる病気)
非定型抗酸菌症
感染経路手の傷から水槽水・病魚に触れて感染
予防傷がある時は水槽に手を入れない。作業後は石けんで洗う
エロモナス症
感染経路水槽水や病魚に触れた傷口から
予防病魚の処置は手袋をする。傷が赤く腫れたら医療機関へ
顎口虫症
感染経路ドジョウの生食(踊り食い)で幼虫が侵入
予防飼育魚・野生魚を生で食べない。加熱したもののみ
サルモネラ症
感染経路水槽水・底砂・器具を触った手から口へ
予防台所で水槽器具を洗わない。子どもは作業後に必ず手洗い
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 沈下性のタブレット・ドジョウ用の餌を1日1〜2回
- 消灯後に与え、数分で食べ切る量にする
- 週1〜2回冷凍アカムシやイトミミズをおやつに
水
- カルキ抜きした水道水。pH6.5〜7.5の中性付近
- 週1回1/3を同温の水と交換。全換水はしない
与えてはいけないもの
- 浮上性の餌のみ(食べられず残って水を汚す)
- 人の食べ物・パン・ご飯(水質悪化と消化不良)
- 大量の餌(食べ残しがエロモナスの温床)
おもちゃ・遊び
- 潜れる深さ3〜5cmの細かい砂
- 土管・素焼きの筒・流木の下の隠れ家
- アナカリスなど丈夫な水草(根は抜かれやすい)
巣・寝床・隠れ家
- 1匹に1つ以上の隠れ家を用意する
- 昼は暗く落ち着ける場所。砂に潜るのが寝床
床材・トイレ
- 田砂・ボトムサンドなど角のない細かい砂
- 粗い砂利・大磯砂はヒゲと体表を傷つける
- 底砂は換水時にプロホースで糞を吸い出す
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
ガラスまたはアクリル水槽。隙間のないフタ必須
大きさ・広さ
5匹程度なら45〜60cm水槽。水深は20cm程度で十分
配置・レイアウト
- 底面積を広く取り隠れ家を複数置く
- フィルターは水流が弱いスポンジ式か底面式
- 配線・配管の穴はウールやカバーで塞ぐ
設置場所の注意
- 直射日光と夏の西日が当たらない場所
- 足音や振動の少ない安定した台に置く
運動・部屋んぽ・散歩
- 散歩は不要。夜に水槽内を泳ぐのが運動
- 手で触らず、移動は水ごと容器に入れる
- 昼に明るすぎると隠れたまま出ない
温湿度管理
適温15〜25℃が適温。5〜28℃まで耐えるが急変は不可
適湿度湿度は無関係。フタで蒸発と飛び出しを防ぐ
夏・冬の対策
- 夏:冷却ファン・エアレーション追加で28℃以下に
- 冬:ヒーター不要だが室内で凍結防止。餌を減らす
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
爪切り不要。代わりに週1回の換水と底砂の掃除、フィルターのスポンジを飼育水でもみ洗い
ブラッシング・皮膚被毛ケア
体表に触らない。粘液は防御層で、網で掬うだけでも傷つく。移動は容器で水ごと掬う
その他のケア
ヒゲは健康の指標。短い・溶けるは水質悪化のサイン。月1回フタ・配線の隙間を点検
外敵からの保護
- 猫や鳥がフタを開けないよう重しをする
- 大型魚・ザリガニとの混泳は捕食される
- 屋外飼育はサギ・アライグマ対策の網を張る
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
粗い砂利を餌と一緒に飲み込み詰まることがある。底砂は細かい砂に限り、網やウールの繊維を水槽内に残さない
踏みつけ
飛び出した個体を暗い床で踏んでしまう事故が多い。床で見つけたら踏む前に手で水槽へ。床に落ちてもすぐ諦めない
挟まれ
フィルター吸水口・ヒーターと壁の隙間・流木の割れ目に挟まる。吸水口にスポンジを付け、狭い隙間は作らない
落下・転落
飛び出しは夜間・驚いた時・水質悪化時に多い。フタに重しをし、水位をフチから5cm以上下げ、乾燥個体は水で戻す
逸走・脱走
フタの隙間・オーバーフロー・排水口から逃げる。水槽周囲をまず探し、床の個体は乾いていても水に戻して反応を見る
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- ドジョウは噛まない。素手で握って暴れさせない
- 大型魚やザリガニに追われていても手で掴まない
安全な引き離しの手順
- 捕食魚との混泳は即中止。ドジョウを容器で掬う
- ヒレを食べる魚に追われたら仕切り板か別水槽へ
- 手に乗せる時は濡れた手で短時間、水面の上で
- 暴れて落ちそうなら水面に近づけて自ら放す
引き離した後の処置
裂けたヒレ・ヒゲは清潔な水で再生する。白い綿や赤斑が出たら隔離し魚病対応へ
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 飛び出して乾いていたが体が動く
- 横倒しでエラだけ動いている
- 全個体が水面で口をパクパクしている
- 体表が赤くただれ潰瘍が広がっている
当日中に受診
- 白点・白い綿が複数個体に広がる
- 腹が膨らみ2日以上餌を食べない
- ヒゲが溶けて口元が白くなった
受診時に伝えること・持ち物
水温・pH・換水日・餌・同居魚・症状の写真。魚は飼育水と一緒に袋へ。魚を診る病院か専門店に事前連絡
意識・呼吸・心拍の確認
- エラ蓋が動くか(正常は毎分60〜100回程度)
- 体に触れた時やライトを当てた時に逃げるか
- 乾いた個体も体表が湿り体が曲がれば回復可能
蘇生の手順
- 心臓マッサージは不可。同温の清潔な水へ移す
- 乾燥個体は飼育水で粘液ごと静かに濡らして戻す
- エアレーションを最大にし、口を水流に向け支える
- 水深を浅くして腸呼吸しやすくし暗く静かに
止血
- ヒレ・ヒゲの出血は清潔な水中で自然に止まる
- 0.3〜0.5%塩水浴で粘液を守り感染を防ぐ
- 体表の出血が続く・潰瘍なら魚を診る病院へ
搬送方法
- 飼育水と空気を多く入れた袋を発泡箱で保温
- 暗くして揺らさず運ぶ。夏は保冷剤で高温防止
ケースメソッドで学ぶ
