基本情報
- 寿命
- 10〜16年
- 体重
- 300〜500g
- 性格
- 社会性が強く単独は不可。甲高い声で鳴く
- 飼育難易度
- 極高(法規制・群れ飼育・栄養管理)
- 法規制
- 感染症法で輸入禁止(2005年〜)・CITES附属書II
- 最重要ポイント
- 1頭飼いは不可。ペア以上で飼い、樹液を主食に
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長20cm前後・尾約30cm。白い耳の房毛が特徴。鋭い下顎の切歯で樹皮に穴を開け樹液を得る
- 原産地・分布
- ブラジル北東部の大西洋岸の森林が原産
- 野生での生息環境
- 森林の縁や二次林・農園周辺。樹上で暮らす
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。夜明けに活動を始め、日没前に樹洞や茂みで眠る
- 社会性・人との関係
- 3〜15頭の家族群で暮らし、双子の子を群れ全員で世話する
特徴的な行動・習性
- 樹皮をかじって穴を開け、にじみ出る樹液(ガム)をなめる
- 高い声と匂い付けで群れ内や隣の群れと連絡を取る
- 父親や兄姉が子を背負って運び、群れ全体で育児する
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
消耗症候群
予兆慢性下痢・痩せる・毛が粗い・貧血・後肢の麻痺
予防原因不明の慢性腸炎。ストレスを減らし、専用ペレットと樹液中心の食事に
代謝性骨疾患
予兆足を引きずる・枝から落ちる・骨折・背が曲がる・後肢麻痺
予防ビタミンD3入り専用ペレットとCa剤。UVB灯を設置。果物偏重を避ける
歯周病・歯の摩耗
予兆口臭・よだれ・硬い餌を避ける・顔の腫れ・歯が短い
予防樹液を木に塗り、かじって出す行動をさせる。年1回口腔検査
腸内寄生虫・原虫
予兆下痢・粘液便・血便・痩せる・肛門周囲の汚れ
予防導入時と年2回の糞便検査。ケージを毎日清掃し、床では給餌しない
肥満・糖尿病
予兆体重増加・多飲多尿・毛づや低下・白内障
予防果物・蜂蜜を控え、ペレット・樹液・虫・野菜に。体重を週1回記録
ストレス性自傷
予兆尾や腕を噛む・脱毛・常同行動・叫び続ける
予防必ず同種の仲間と飼う。隠れ家と高い枝、採食行動を毎日用意する
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
下痢が続く
小型で脱水が早い。便を袋に入れ写真も撮り、保温して当日受診。血便・ぐったりは即受診
後ろ足が動かない
代謝性骨疾患や脊椎損傷。枝を外し低いケージで安静にし、当日中に受診してレントゲン
ぐったり・体が冷たい
低体温・低血糖。タオルと布で包んだカイロで温め、意識があれば砂糖水を口の端に。即受診
顔が腫れている
歯根膿瘍が多い。触らず柔らかい餌にし当日受診。無理に口を開けない
起こりやすい怪我と予防・応急処置
落下による骨折
予防枝はしっかり固定し落下地点に厚い床材。骨が弱いので栄養管理を徹底
応急処置触らず暗い箱で保温安静。添え木は不要。当日中に受診
同居個体の咬傷
予防群れの序列争いに注意。隠れ家と餌場を複数に分け、新入りは段階的に紹介
応急処置傷を流水で洗い、加害個体と隔離。出血・腫れは当日受診
尾の損傷
予防ケージ扉やドアの開閉時に尾の位置を確認。網目に挟まらない大きさに
応急処置出血はガーゼで圧迫。尾が垂れて動かない・折れ曲がりは当日受診
熱傷
予防保温球・ヒーターにカバーを付け、跳んで触れられない位置に
応急処置冷たい濡れタオルで冷やす。薬は塗らず受診。水ぶくれは触らない
動物由来感染症(人にうつる病気)
Bウイルス感染症
感染経路サル類の咬傷・引っかき・唾液(主にマカク)
予防咬まれたら15分以上流水洗浄し直ちに受診。素手で扱わない
結核
感染経路咳・飛沫・濃厚接触
予防咳・痩せは即受診。飼育者の健康診断を年1回受ける
ヘルペス(人から)
感染経路人の口唇ヘルペスから唾液・口移し
予防人のヘルペスはマーモセットに致死的。口移し・キス厳禁
サルモネラ症
感染経路便・汚れた手・ケージ器具
予防世話の後は必ず石けんで手洗い。台所で器具を洗わない
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 主食は霊長類用ペレットとアカシアガム
- 朝夕2回。虫・ゆで卵・野菜・少量の果物を副食
- ガムは木の穴に塗り、かじり出す行動を作る
水
- 給水ボトルと皿の両方を毎日交換
- 飲水量の変化は病気のサイン。目視で確認
与えてはいけないもの
- 甘い果物・蜂蜜の大量給餌(糖尿・肥満)
- 人の菓子・チョコ・乳製品・アボカド
- 生肉・生卵・野外で採った虫
おもちゃ・遊び
- 枝の穴にガムを詰めたフォレイジングトイ
- 生きたコオロギを放して追わせる採食遊び
- ロープ・ハンモック・鈴など動く玩具を交代で
巣・寝床・隠れ家
- 木製巣箱を最上部に。群れで一緒に眠れる広さ
- 巣箱内にフリースを敷き、週1回洗う
床材・トイレ
- 床はペットシーツか広葉樹チップを厚めに
- 床の排泄物は毎日除去。枝は週1回洗う
- 針葉樹チップ・猫砂・砂は使わない
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
金属製の縦長ケージ(網目1cm以下)
大きさ・広さ
高さ150cm以上・幅90cm以上。頭数が増えれば拡張
配置・レイアウト
- 上部に巣箱、中段に枝を網目状に固定
- 餌場と水場は枝の上に2か所以上。床では食べない
- 床に厚い床材。落下時のクッションに
設置場所の注意
- 日中明るく夜は暗い場所。UVB灯を設置
- エアコン直風と窓際を避ける。鳴き声は近隣に配慮
運動・部屋んぽ・散歩
- 散歩不要。ケージ内の枝で毎日運動
- 部屋んぽは窓・扇風機を止め、常に目を離さない
- 運動不足は肥満・骨疾患に直結。枝の配置を変える
温湿度管理
適温24〜28℃。20℃以下は危険
適湿度50〜70%
夏・冬の対策
- 夏はエアコンで28℃以下。直射日光を避ける
- 冬はパネルヒーターで24℃以上を24時間維持
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
爪ではなく鉤爪状で枝で削れる。伸びすぎて布に引っかかる時は獣医師に依頼
ブラッシング・皮膚被毛ケア
不要。仲間同士で毛づくろいする。毛の乱れ・脱毛は体調不良か社会的ストレスのサイン
その他のケア
歯の摩耗と歯周病に注意。硬い虫やガムを与え、年1回口腔検査。耳は汚れ・臭いを確認
外敵からの保護
- 犬・猫・フェレットとは同じ部屋にしない
- 部屋んぽ中は窓を閉め蚊対策。屋外には出さない
- カラス・猛禽が来るベランダに近づけない
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
床材・布の糸・小さな玩具の破片を口にする。部屋んぽ前に床の小物を片付ける。嘔吐・食欲不振なら受診
踏みつけ
床を素早く移動し足元に来る。歩く時は床を確認し、家事や来客時はケージに戻す
挟まれ
ドアやケージ扉に尾や指を挟む。部屋んぽ中はドアストッパーで固定。扉を閉める前に位置を確認
落下・転落
骨が弱く落下骨折が多い。1m以上の枝や棚の下にクッション。落ちて動けなければ即受診
逸走・脱走
小さく素早く窓の隙間から逃げる。ケージは南京錠付き、窓は必ず閉める。逃げたら仲間の声で呼び戻す
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 引き離そうと手を引く(傷が深くなる)
- 叩く・投げる(小型で骨折し信頼を失う)
安全な引き離しの手順
- 動かず落ち着く。厚手のタオルを用意
- タオルで体と顔を覆い暗くする
- 離したらタオルごとケージに戻す
- 傷を15分以上流水で洗い消毒する
引き離した後の処置
深い傷・腫れ・発熱は当日受診。サル類の咬傷は必ず医師に伝える
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- けいれん・意識がない・体が冷たい
- 口を開けて呼吸・呼吸が速い
- 落下後に動けない・後肢が麻痺
- 血便・水様便でぐったり
当日中に受診
- 24時間食べていない
- 下痢が2日以上続く
- 顔や口の腫れ・よだれ
受診時に伝えること・持ち物
体重推移・食事内容・便の写真・同居個体の状況。事前に霊長類を診る病院を確認
意識・呼吸・心拍の確認
- 名前を呼び反応を見る。正常体温は37〜39℃
- 胸の動きで呼吸数を数える。1分約30〜50回
- 胸に指を当て心拍を確認。1分200回前後
蘇生の手順
- 呼吸がなければ口の中の異物を除く
- 胸を親指と人差し指で挟み毎分120回圧迫
- 5回圧迫ごとに鼻から小さく息を吹き込む
- 続けながら病院へ電話し指示に従う
止血
- 清潔なガーゼで5分以上圧迫。途中で外さない
- 尾・四肢は心臓側を軽く押さえる
- 出血が多い・止まらない時は即受診
搬送方法
- 小箱にタオルを敷き、カイロは布で包む
- 可能なら仲間と一緒に運ぶ。車内は24℃以上
ケースメソッドで学ぶ
