基本情報
- 寿命
- 10〜15年(飼育下)
- 体重
- 600〜900g
- 性格
- 好奇心旺盛で群れ意識が強い。単独飼育は強いストレス
- 飼育難易度
- 高(日光浴・穴掘り・複数飼育・臭腺臭)
- 法規制
- 動物愛護管理法の対象。特定動物指定外。販売は登録業者のみ
- 最重要ポイント
- 毎日の日光浴と掘れる床材がないと骨と心が壊れる
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長25〜35cm。後肢で直立し、腹部の黒い皮膚で日光を吸収。目の周りが黒い
- 原産地・分布
- アフリカ南部(カラハリ砂漠・ナミブ砂漠周辺)
- 野生での生息環境
- 乾燥したサバンナ・半砂漠。地中に巣穴を掘る
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。朝は巣穴の前で日光浴し体を温める
- 社会性・人との関係
- 20〜50頭の群れで暮らす。見張り役が交代で立つ
特徴的な行動・習性
- 後肢で立ち周囲を警戒する見張り行動をとる
- 昆虫やサソリを掘り出して食べる。掘る力が強い
- 群れで毛づくろいや添い寝をして絆を保つ
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
代謝性骨疾患(くる病)
予兆後肢のふらつき・立ち上がれない・骨の変形・骨折しやすい
予防毎日直射日光かUVBライト、カルシウム剤は獣医指示で。骨付き餌も併用
肥満・糖尿病
予兆腹が垂れる・多飲多尿・体重増加・毛づやが落ちる
予防果物・おやつを控え、昆虫や低脂肪の肉主体に。体重を毎週量る
歯周病・歯の破折
予兆口臭・よだれ・片側で噛む・食欲低下・顔の腫れ
予防硬すぎる骨を避け、定期的に口の中を確認。年1回歯科検診
消化管内寄生虫
予兆下痢・軟便・体重減少・毛づや不良・肛門を気にする
予防導入時と年1〜2回の糞便検査。床材は定期的に全交換
熱中症・低体温症
予兆口を開けて速い呼吸・ぐったり/震え・体を丸めて動かない
予防室温を管理し、暑い日の日光浴は朝夕短時間。冬は保温球で保温
皮膚炎・脱毛
予兆尾の付け根や背中の脱毛・かゆがる・皮膚のフケや赤み
予防床材を清潔に保ち、ストレス(単独飼育・狭い環境)を減らす
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
後肢がふらつく
骨折の疑いがある。高い所へ登らせず床を平らにし、キャリーで安静。当日中に受診し骨の検査を受ける
下痢が続く
水分を切らさず便を密閉袋に入れて受診。半日以上食べない・血便・ぐったりは即受診
口を開けて速い呼吸
熱中症の疑い。涼しい部屋に移し濡れタオルで体を包み扇風機で冷やす。冷やしながら即受診
震えて動かない
低体温の疑い。タオルで包み湯たんぽを添えてゆっくり温める。反応が鈍ければ温めながら即受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
落下による骨折
予防登れる高さは30cm以内にし、家具の上に登れる足場を作らない
応急処置触らずタオルで包みキャリーに入れて安静。当日中に受診、痛がる部位は固定しない
仲間との咬傷
予防新入り導入は柵越しで慣らす。餌場と隠れ家を頭数分以上用意
応急処置出血は清潔なガーゼで圧迫。傷が深い・化膿・腫れは当日受診。加害個体は一時隔離
爪・指の挟まれ
予防金網の目は指が入らない細かさに。ワイヤー床は使わない
応急処置無理に引かず金網側を切るか外す。出血は圧迫、爪が剥がれたら受診
熱源によるやけど
予防保温球・パネルヒーターはカバーで覆い、直接触れない距離に設置
応急処置流水や冷たいタオルで10分冷やす。皮膚が赤い・水ぶくれは当日受診。薬は塗らない
動物由来感染症(人にうつる病気)
サルモネラ症
感染経路糞・生肉の取り扱い・口移し
予防世話の後は必ず手洗い。生肉は別のまな板で扱う
寄生虫症(回虫など)
感染経路糞便・汚れた床材
予防糞は毎日撤去、床材交換時は手袋。定期の糞便検査
咬傷による細菌感染
感染経路咬傷・ひっかき傷
予防傷は流水で洗い、腫れや発熱があれば人の病院へ
皮膚糸状菌症
感染経路皮膚の接触・抜け毛
予防脱毛があれば受診。抱いた後は手洗い、皮膚の異常は人も受診
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 昆虫(コオロギ・ミルワーム)を主体に1日2回
- 低脂肪の鶏肉・ゆで卵・専用フードを少量
- 野菜・果物はごく少量。成体は体重の5〜7%が目安
水
- 新鮮な水を常時。重い陶器の器で倒れないように
- 掘って土が入るので1日2回は交換
与えてはいけないもの
- ドッグフード・猫用おやつの常用(脂肪過多)
- 玉ねぎ・チョコ・ぶどう・アボカド
- 野外で捕った虫(農薬・寄生虫のおそれ)
おもちゃ・遊び
- 餌を隠せるフォージングトイ(探して食べる)
- 掘れる深い土・砂の箱(深さ30cm以上)
- 登って見張りができる岩や切り株
巣・寝床・隠れ家
- 暗くて狭いトンネル型の巣箱(複数個体が入る)
- 土管・塩ビ管を埋めた模擬巣穴
床材・トイレ
- 掘れる土・砂・ヤシ殻。厚さ30cm以上
- トイレは決まった隅に砂を敷いた箱
- 糞尿は毎日撤去、床材は月1回全交換
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
金属フレーム+細かい金網。木製は掘られ噛まれる
大きさ・広さ
2頭で幅2m×奥行1m×高さ1m以上。底は土を入れられる箱型
配置・レイアウト
- 深い掘れる床材エリアを面積の半分以上
- 見張り台(高さ30cm以内)と巣穴を対角に配置
- 日光浴できる窓際かUVBライトを設置
設置場所の注意
- 直射日光が入り風通しの良い場所。冬は保温
- 床を掘り抜くので底板は丈夫に。脱走口を毎日点検
運動・部屋んぽ・散歩
- 室内放し飼いは1日1〜2時間、必ず監視下で
- 掘る・登る行動を満たせば散歩は不要。屋外は脱走リスク大
- 日光浴は毎日30分以上。ガラス越しではUVBが届かない
温湿度管理
適温22〜28℃。15℃以下は保温必須
適湿度40〜60%。乾燥気味が良い
夏・冬の対策
- 夏:直射日光下で放置しない。日陰と風通し、日光浴は朝夕
- 冬:保温球・パネルヒーターで巣箱を25℃前後に
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
土を掘れば自然に削れる。伸びすぎたら2人がかりで先端のみ、難しければ動物病院で
ブラッシング・皮膚被毛ケア
換毛期は柔らかいブラシで軽く。皮膚の赤み・脱毛・フケをこの時に点検
その他のケア
臭腺のにおいは正常。歯石は年1回歯科検診、目やに・耳の汚れは湿らせたガーゼで拭く
外敵からの保護
- 犬・猫と同じ部屋に放さない。捕食対象になる
- 屋外ではカラス・猛禽が上から狙う。屋外放置禁止
- 蚊:フィラリア予防を獣医に相談。防虫網を設置
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
床材・ビニール・輪ゴム・小さな玩具を飲み込みやすい。嘔吐・便が出ない・腹の張りは即受診。無理に吐かせない
踏みつけ
足元にまとわりつく習性がある。歩く時は足元を見て、放し飼い中は室内でスリッパを履かない
挟まれ
ドアや引き出しの隙間に入り込む。放し飼い中はドアを固定し、引き出しは閉め切る。挟まれたらすぐ受診
落下・転落
肩やテーブルに登りたがるが着地が下手。高い所に登らせない。落ちて足を引きずれば当日受診
逸走・脱走
掘って柵下から逃げる。底板と網の隙間を毎日点検。逃げたら好物の虫と巣箱を置き、静かに周囲を探す。自治体にも連絡
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 手を振り払う・引き抜く(歯が裂けて傷が深くなる)
- 叩く・大声を出す(群れ全体がパニックになる)
安全な引き離しの手順
- 動きを止めて腕を体に近づけ、噛んだ個体を床に着地させる
- タオルを頭にかぶせて視界を遮る
- 鼻先に息を強く吹きかけるか、口元に水を少量かける
- 口が緩んだ瞬間に手を上ではなく前方へ抜く
引き離した後の処置
流水で5分洗い消毒。深い傷・腫れ・発熱は人の病院へ。個体は隔離し、原因(餌・縄張り)を見直す
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 口を開けて呼吸・ぐったりして反応が鈍い
- けいれん・意識がない
- 落下後に立てない・後肢が動かない
- 大量出血・腹が急に膨らむ
当日中に受診
- 半日以上食べない・水も飲まない
- 下痢が続く・便に血が混じる
- 足を引きずる・歩き方がおかしい
受診時に伝えること・持ち物
エキゾチック対応の病院を事前に確保。体重・餌・日光浴時間・同居頭数・便の写真を持参
意識・呼吸・心拍の確認
- 名前を呼び体を触って反応を見る。目の動きも確認
- 胸の上下で呼吸を確認。正常は1分に20〜40回
- 胸の左側に指を当て心拍を確認。正常は1分に150〜250回
蘇生の手順
- 横向きに寝かせ口の中の異物・よだれを除く
- 胸の左側を親指と人差し指で挟み1秒に2回圧迫
- 30回圧迫ごとに鼻から小さく2回息を吹き込む
- 続けながら病院へ電話し指示を仰ぐ。最長10分を目安に
止血
- 清潔なガーゼで5分間、離さず圧迫する
- 爪の出血は止血剤か片栗粉を押し当てる
- しみ出す出血が10分止まらなければ圧迫しながら受診
搬送方法
- タオルで包み暗いキャリーへ。冬はカイロを外側に貼る
- 同居個体は連れて行かず、車内は静かに揺らさない
ケースメソッドで学ぶ
