基本情報
- 寿命
- 12〜18年
- 体重
- 成長後20〜60kg。「小さいまま」は期待しない
- 性格
- 賢く食欲旺盛。序列意識が強く頑固な面
- 飼育難易度
- 高(体重・法的届出・受診先が限られる)
- 法規制
- 家畜伝染病予防法で飼養届出・定期報告が必要
- 最重要ポイント
- 3〜4歳まで成長し続ける。届出と受診先確保
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長60〜100cm。汗腺がほぼなく暑さに弱い。嗅覚は犬並みに鋭く視力は弱い
- 原産地・分布
- 家畜ブタの小型品種。ベトナムなどの在来種が起源
- 野生での生息環境
- 家畜。原種のイノシシは森林や湿地で暮らす
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。朝夕に活発で日中はよく休む
- 社会性・人との関係
- 群れで序列を作る。飼い主も序列の対象になる
特徴的な行動・習性
- 鼻で地面を掘り返すルーティング本能が強い
- 汗をかけないため泥浴びや水で体を冷やす
- 決まった場所で排泄する。トイレ訓練ができる
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
豚熱(CSF)
予兆高熱・食欲廃絶・元気消失・耳や腹の紫斑・下痢・けいれん
予防野生イノシシと接触させない。都道府県の指示に従いワクチン接種を相談
肥満
予兆目が脂肪に埋まる・歩幅が狭い・呼吸が荒い・関節を痛がる
予防ミニブタ専用飼料を量って給餌。おやつは1日の量の1割以内
関節炎・跛行
予兆立ち上がりを嫌がる・足を引きずる・膝をついて歩く
予防体重管理と滑らない床。若齢期に急に太らせない
皮膚乾燥・疥癬
予兆フケ・強いかゆみ・皮膚のひび割れ・かさぶた・耳の黒いかす
予防保湿と定期的な皮膚チェック。かゆみが強いなら動物病院で検査
尿路結石(オス)
予兆排尿時にいきむ・尿が少ない・血尿・落ち着かない・腹痛
予防飲水量を確保。ミネラル過多の食事を避ける。排尿回数を毎日観察
子宮疾患(メス)
予兆陰部からの出血・膿・腹部膨満・食欲不振・発情周期の乱れ
予防繁殖しないなら若齢での避妊手術を経験のある動物病院で相談
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
高熱・食欲廃絶
他の動物と隔離し、涼しい場所で安静。豚熱の可能性もあるため即動物病院と家畜保健衛生所へ連絡
便が出ない・腹痛
食事を止め水は自由に。24時間便が出ない、嘔吐や腹部膨満があれば当日受診
排尿できない
オスは結石で命に関わる。いきんで尿が出ないなら数時間以内に受診
熱中症
汗をかけないため冷やす。日陰で水をかけ扇風機で送風。氷は不可。回復しても当日受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
転倒・骨折
予防フローリングにマットを敷く。階段・段差にはスロープを設置
応急処置無理に立たせず横臥させる。毛布に乗せて複数人で運び当日受診
日焼け
予防毛が薄く皮膚が直接日光に当たる。夏の屋外は日陰と泥浴び場を用意
応急処置赤くなったら冷たいタオルで冷やし日陰へ。水ぶくれがあれば受診
蹄の割れ・伸びすぎ
予防コンクリートなど硬い地面を歩かせ自然に摩耗させる。定期的に削蹄
応急処置出血は圧迫止血。足をかばう・腫れがあれば数日以内に受診
誤食による中毒
予防食べ物を探して戸棚・ゴミ箱を開ける。鍵付き収納に
応急処置食べた物と量を確認。チョコ・薬・観葉植物なら吐かせず即受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
サルモネラ症
感染経路糞に触れた手からの経口感染
予防世話の後は手洗い。糞は毎日回収し床を消毒
E型肝炎
感染経路糞尿・生肉の経口摂取
予防排泄物の処理は手袋。糞尿が付いた手で食事をしない
豚丹毒
感染経路皮膚の傷からの接触感染
予防手に傷がある時は手袋。ブタの皮膚病変は動物病院へ
疥癬(ヒゼンダニ)
感染経路皮膚の直接接触
予防強いかゆみ・フケがあれば検査。治療中は接触を減らす
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- ミニブタ専用飼料を体重に応じ1日2回量って給餌
- 副食に葉物野菜。果物は糖分が多く少量
- 食後30分は安静。急な食事変更は下痢の原因
水
- 重い容器で常に新鮮な水を。1日数L飲む
- 夏は複数箇所に置き、ひっくり返さない形に
与えてはいけないもの
- チョコ・ネギ類・アボカド・生のジャガイモ
- 肉・残飯(法律で加熱不十分な残飯は禁止)
- 塩分の多い人間の食べ物・犬猫フード
おもちゃ・遊び
- 鼻で転がすボールや掘れる砂場・土
- 知育トイに飼料を入れて探させる
- 鼻で押せる箱や毛布での宝探し
巣・寝床・隠れ家
- 屋内なら厚い毛布と犬用大型ベッド
- 屋外は風雨を防ぐ小屋とわら
床材・トイレ
- 屋内は滑らないマット・毛布
- 屋外はわら・おがくずを厚く
- トイレは決まった場所を覚える。ペットシーツか砂
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
屋内は柵で区画。屋外は頑丈な木製小屋と金網柵
大きさ・広さ
成長後に寝返り・歩き回れる3畳以上のスペース
配置・レイアウト
- 寝床・トイレ・食事場所を離して配置
- 床は滑り止め。鼻で掘れる場所を用意
- 屋外は日陰・泥浴び・雨よけを設置
設置場所の注意
- 近隣に鳴き声・臭いの配慮。マンションは飼育可か確認
- 野生イノシシが出る地域は接触を防ぐ柵と防疫
運動・部屋んぽ・散歩
- ハーネスとリードで1日30〜60分の散歩
- 他の家畜・イノシシとの接触を避ける
- アスファルトの熱・蹄の摩耗具合を確認
温湿度管理
適温18〜25℃。汗をかけないため28℃超は危険
適湿度50〜60%。乾燥は皮膚のひび割れの原因
夏・冬の対策
- 夏:泥浴び・水浴び・扇風機とエアコン
- 冬:厚い毛布・ヒーター。皮膚の保湿
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
蹄は数か月ごとに削蹄。慣らしておき難しければ動物病院へ
ブラッシング・皮膚被毛ケア
柔らかいブラシで週数回。乾燥肌には動物用保湿剤やオイル
その他のケア
牙(犬歯)はオスで伸び続ける。耳垢の掃除。歯の確認
外敵からの保護
- 犬に襲われることがある。散歩中は距離を
- 屋外では野犬・イノシシと接触させない
- 夏は蚊・アブ・ダニ対策。屋外飼育は防虫網
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
何でも食べる。ゴミ箱・戸棚は鍵付きに。薬・チョコ・ビニールを食べたら吐かせず即受診
踏みつけ
人より人がブタに押し倒される事故が多い。足元に来た時は立ち止まり、子どもだけで接触させない
挟まれ
ドアを鼻で開けるため、指や鼻を挟む。ドアストッパーで固定し、ゲートは鼻が入らない構造に
落下・転落
車の乗降や段差での転落で骨折。スロープを使い、階段は登らせない。転落後に立てなければ当日受診
逸走・脱走
柵を鼻で持ち上げ脱走。柵は下部を固定。逃げたら食べ物で誘導し、市町村・警察へ届け出る
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 殴る・蹴る。恐怖と攻撃性が増す
- 無理に引き抜く。裂傷が深くなる
安全な引き離しの手順
- 動きを止め落ち着いた声で低く話す
- 板やクッションを噛み口と体の間に差し込む
- 食べ物を見せて注意をそらし距離を取る
- 離れたら別室に移し、興奮が収まるまで待つ
引き離した後の処置
流水で5分洗い消毒。ブタの咬傷は深く感染しやすい。腫れれば人の病院へ
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 高熱で動けない・紫斑がある
- 呼吸困難・口を開けて呼吸
- 排尿できず苦しむ(オス)
- けいれん・意識がない
当日中に受診
- 1日食べない・便が出ない
- 足を着けない・立てない
- 陰部からの出血・膿(メス)
受診時に伝えること・持ち物
体重・食事内容・ワクチン歴・届出情報・便尿の写真。事前に電話で受け入れ可能か確認
意識・呼吸・心拍の確認
- 呼吸:胸の動き。正常は毎分15〜25回
- 心拍:左胸に手を当てる。毎分70〜110回
- 意識:呼びかけと耳・足先への刺激で反応
蘇生の手順
- 横臥させ、口を閉じ鼻から息を吹き込む
- 左胸に両手を重ね毎分100回程度圧迫
- 圧迫30回・呼吸2回を繰り返す
- 2分続けて反応なければ搬送しつつ継続
止血
- 清潔なタオルで強く5分間圧迫
- 四肢の出血は心臓側を包帯で圧迫
- 止まらなければ押さえたまま搬送
搬送方法
- 毛布に乗せ複数人で運ぶ。大型犬用クレート
- 受け入れ可能な動物病院に事前連絡して搬送
ケースメソッドで学ぶ
