基本情報
- 寿命
- マウス1.5〜2年、ラット2〜3年
- 体重
- マウス25〜50g、ラット250〜600g
- 性格
- ラットは賢く人懐こい。マウスは臆病で俊敏
- 飼育難易度
- 低〜中(寿命が短く腫瘍・呼吸器病が多い)
- 法規制
- 動物愛護管理法の対象。野生ネズミの放逐は禁止
- 最重要ポイント
- 腫瘍と呼吸器病が非常に多い。週1回体を触診
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長マウス6〜10cm、ラット20〜27cm。嗅覚とヒゲの触覚が鋭く視力は弱い
- 原産地・分布
- ハツカネズミ・ドブネズミを家畜化。原産はアジア
- 野生での生息環境
- 野生種は農地や人家周辺、地中や隙間に巣を作る
- 活動時間・睡眠
- 夜行性。夕方から夜に活発で昼は巣で眠る
- 社会性・人との関係
- 群れで暮らす。ラットは同性複数が向く。雄マウスは闘争
特徴的な行動・習性
- ラットは名前を覚え、くすぐると超音波で笑う
- 巣材を集めて巣作りをする。紙や布を好む
- 尾は体温調節と平衡に使う。掴んで持ち上げない
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
マイコプラズマ肺炎
予兆くしゃみ・鼻や目の周りの赤い分泌物・ゼーゼーという呼吸音・体重減少
予防床材のホコリとアンモニアを減らす。掃除を週2回以上。温度変化を避ける
乳腺腫瘍
予兆脇・腹・鼠径部のしこりが急に大きくなる。メスに多いがオスにも
予防早期発見が全て。週1回全身を触診し、小さいうちに動物病院で相談
下垂体腫瘍
予兆首が傾く・歩行がぎこちない・餌を手で持てない・元気消失
予防高齢ラットのメスに多い。体重・動作を毎日観察し異変は早期受診
足底皮膚炎
予兆足裏の赤み・かさぶた・腫れ・足を着けたがらない
予防金網床を避け柔らかい床材にする。肥満予防。床を清潔に
腎不全(高齢)
予兆多飲多尿・体重減少・毛づやが悪い・食欲低下
予防高たんぱくの食事を避け専用ペレットに。1歳半以降は健診
皮膚寄生虫症
予兆強いかゆみ・首や肩のひっかき傷・かさぶた・脱毛
予防新しい個体は2週間隔離。床材は信頼できる製品を使う
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
呼吸が苦しそう
室温を22〜26℃にし、ホコリの立つ床材を紙に替える。口を開けて呼吸するなら即受診
しこりを見つけた
大きさを定規で測り写真に撮る。触って嫌がる・急に大きくなるなら1週間以内に受診
首が傾き回転する
落下防止のため足場を外し床を平らに。餌と水を手元に置き、当日〜翌日受診
下痢・食欲不振
野菜・果物を中止しペレットと水のみ。1日食べなければ翌日受診。血便なら当日
起こりやすい怪我と予防・応急処置
尾の脱皮・断裂
予防尾をつかんで持ち上げない。捕まえる時は手で体を包む
応急処置尾の皮膚が剥けたら清潔にして受診。壊死部分は動物病院で処置が必要
骨折
予防回し車の隙間・金網床に足が挟まらない構造にする。高所を減らす
応急処置触らず小箱に入れ、足場と回し車を撤去。当日中に受診
同居個体の咬傷
予防オス同士の同居を避ける。成熟後の新規導入は慎重に
応急処置傷を洗い、ケージを分ける。腫れ・膿が出れば受診し膿瘍の処置を
熱傷・感電
予防電気コードを噛むためカバーをする。ヒーターは直接触れない位置に
応急処置コードから離す前に電源を切る。口の火傷は当日受診。呼吸異常なら即受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
鼠咬症
感染経路咬傷・ひっかき傷
予防傷はすぐ流水で洗う。発熱・発疹が出たら人の病院へ
レプトスピラ症
感染経路尿や汚染された床材との接触
予防掃除は手袋。傷のある手で触らない。手洗い徹底
ハンタウイルス感染症
感染経路野生ネズミの排泄物の吸入
予防野生個体を捕まえて飼わない。輸入個体は検疫済みを
サルモネラ症
感染経路糞に触れた手からの経口感染
予防世話の後は手洗い。ケージの掃除後に食事をしない
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- マウス・ラット専用ペレットを主食に1日1回
- 副食に少量の野菜・ゆで卵など週2〜3回
- ラットは体重の5%、マウスは3〜5gが1日の目安
水
- 給水ボトルで毎日交換。詰まりを毎日確認
- 多頭飼いはボトルを2本以上設置
与えてはいけないもの
- チョコ・ネギ類・アボカド・生の豆
- 青いバナナ・ドライフルーツの与えすぎ
- ひまわりの種・ナッツの与えすぎ(肥満)
おもちゃ・遊び
- 回し車は面状で直径ラット30cm・マウス15cm以上
- トンネル・ロープ・ハンモックで探索遊び
- 紙を丸めた中におやつを隠す知育遊び
巣・寝床・隠れ家
- 暗い巣箱を1個体につき1つ以上
- 布製ハンモックはラットが好む。糸のほつれを確認
床材・トイレ
- 紙製床材やアスペンチップを厚めに
- 針葉樹チップ・綿の巣材は使わない
- トイレは角に砂または紙製。ラットは覚える
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
金網ケージか高さのある水槽。網目はマウス1cm以下
大きさ・広さ
ラット2匹で幅60cm以上。マウスは幅40cm以上
配置・レイアウト
- 巣箱・回し車・給水を離して配置
- ラットは多段で上下運動。落下面に布を
- 床は金網にせず床材を敷く
設置場所の注意
- 直射日光・冷暖房の風が直接当たらない場所
- 犬猫の届かない静かな場所。振動を避ける
運動・部屋んぽ・散歩
- ラットは毎日30分以上の部屋んぽが理想
- コード・隙間・毒性のある観葉植物を片付ける
- マウスは俊敏で捕まえにくいため囲いの中で
温湿度管理
適温20〜26℃。30℃超で熱中症のリスク
適湿度40〜60%。多湿は皮膚病・呼吸器病の原因
夏・冬の対策
- 夏:エアコン管理と冷却プレート。直射日光厳禁
- 冬:ヒーターと巣材追加。18℃未満は要保温
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
月1回、先端のみ。暴れる場合は動物病院へ。高齢ラットは伸びやすい
ブラッシング・皮膚被毛ケア
不要。ラットは自分で毛づくろい。汚れは温かい濡れタオルで
その他のケア
前歯の長さ確認。かじり木を常設。尾の汚れは優しく拭く
外敵からの保護
- 猫・フェレット・ヘビとは同じ部屋に置かない
- ベランダ・屋外に出さない。カラスが狙う
- 蚊・ノミ・ダニ対策。犬猫の寄生虫に注意
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
綿・輪ゴム・ビニールをかじって飲み込む。巣材は紙製に限定し、部屋んぽ中は小物を片付ける
踏みつけ
足元に寄ってくるため、部屋んぽ中はすり足で歩く。座る前にクッションや布団の下を確認
挟まれ
ドア・引き出し・ケージの扉に挟まれる。部屋んぽ中はドアを固定し、扉を閉める時は指で確認
落下・転落
机やケージ上段からの落下。落下後に動かない・足を引きずる・鼻血があれば当日受診
逸走・脱走
網目・扉の隙間から脱走。逃げたら部屋を閉め、好物を置いた開放ケージを暗くして夜に回収
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 引き抜く、振り払う。裂傷が深くなる
- 大声を出す、叩く。恐怖で噛み直す
安全な引き離しの手順
- 動きを止め、相手が離すのを数秒待つ
- 離さなければケージや布に向けて体を下ろす
- 口元に息を吹きかけるか床に足を着かせる
- 離れたら巣箱へ戻し、しばらくそっとする
引き離した後の処置
流水で5分洗い消毒。腫れ・発熱・発疹があれば人の病院へ。破傷風も相談
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 口を開けて呼吸・唇が青い
- けいれん・意識がない
- 出血が止まらない・足がぶら下がる
- 熱中症でぐったり・体が熱い
当日中に受診
- 1日食べない・便が出ない
- 首が傾く・回転する・ふらつく
- しこりが破れた・出血している
受診時に伝えること・持ち物
種類・年齢・性別・食事内容・便の写真・呼吸音の動画・しこりの写真
意識・呼吸・心拍の確認
- 呼吸:胸の動き。ラット毎分70〜110回
- 心拍:胸に指を当て確認。毎分250〜450回
- 意識:名前を呼び体に触れ反応を見る
蘇生の手順
- 小さな体は損傷リスクが高く搬送優先
- 呼吸停止なら鼻と口を布で覆い軽く息を
- 心停止なら胸を親指で毎分200回以上圧迫
- 1分続けて反応なければ搬送しつつ継続
止血
- 清潔なガーゼで5分間押さえる
- 尾の出血は付け根を軽く圧迫
- 止まらなければ押さえたまま搬送
搬送方法
- 小箱に布を敷きカイロは箱の外側に貼る
- 暗く静かにし、揺らさず車で搬送
ケースメソッドで学ぶ
