基本情報
- 寿命
- アカハライモリ20年以上、ウーパールーパー10〜15年
- 体重
- イモリ数g、ウーパールーパー成体100〜200g
- 性格
- おとなしいが動く物に食いつく、共食いあり
- 飼育難易度
- 中(水温・水質管理が最重要)
- 法規制
- メキシコサラマンダーはCITES附属書II、野生イモリ採集は条例に注意
- 最重要ポイント
- 水温25℃超と水質悪化が最大の死因、夏は冷却必須
生態と特徴
- 体の特徴
- イモリは腹の赤で警告し皮膚に毒。ウーパールーパーは外鰓のまま成熟(幼形成熟)し再生力が高い
- 原産地・分布
- アカハライモリは日本固有種。ウーパールーパーはメキシコの湖に生息する絶滅危惧種
- 野生での生息環境
- アカハライモリは水田や池。ウーパールーパーは冷涼な湖底で一生水中
- 活動時間・睡眠
- 夜行性で日中は物陰に隠れる。低温を好み高水温に弱い
- 社会性・人との関係
- 単独性。共食いをするので同サイズ以外は同居不可。人には慣れにくい
特徴的な行動・習性
- 失った手足や尾を再生できる。共食いで欠損しやすい
- イモリは陸にも上がる。飼育下でも上陸できる場所を作る
- ウーパールーパーは餌を丸のみし砂利も飲み込む
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
浮上病(ぷかぷか病)
予兆体が浮いて沈めない、腹が膨らむ、逆さになる、食べない
予防水温を低く安定させ、空気の飲み込みや消化不良を防ぐ、餌を与えすぎない
水カビ病・皮膚感染
予兆エラや皮膚に白い綿状のもの、エラが縮む、皮膚のただれ
予防水替えを週1〜2回、傷を作らない、水温を20℃以下に保つ
エラの萎縮・退縮
予兆外エラが短く細くなる、エラの色が悪い、水面で口を開ける
予防水質悪化(アンモニア)と高水温を避け、フィルターとエアレーション
腸閉塞(砂利誤食)
予兆食べない、便が出ない、腹が張る、浮く
予防底砂は敷かないか口に入らない大きさ、餌はピンセットで与える
腹水・水腫
予兆体全体や腹部が膨れる、皮膚が張って透ける、動かない
予防水質を清浄に保ち、冷たすぎ・熱すぎを避ける、腎臓や感染の問題は受診
共食い・咬傷欠損
予兆手足・エラ・尾が欠けている、傷口が白くなる
予防体格差のある同居を避ける、単独飼育が基本、餌の量を十分に
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
浮いて沈めない
水深を体高程度まで浅くし、水温を18〜20℃に。餌を止めて数日観察、腹が張る・動かない時は受診
白い綿状のもの
水カビ。すぐ全換水し水温を下げ、単独隔離。自己判断で薬を使わず両生類対応の病院を受診
エラが縮む
アンモニア中毒の疑い。すぐ半分以上換水し、エアレーション。改善しなければ受診
砂利を飲み込む
無理に吐かせない。餌を止め、底砂を撤去。数日便が出ない・浮く・腹が張れば受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
手足・エラの欠損
予防単独飼育、同居は同サイズで餌を十分に、生餌の魚と同居しない
応急処置隔離して清浄な低水温で飼育。再生するが化膿すれば受診
皮膚の裂傷・擦り傷
予防尖った流木や砂利を入れない、網で掬わず容器で移す
応急処置清浄な水で飼育、傷が広がる・白くなれば受診
飛び出し・乾燥
予防蓋を必ず設置、驚かせない、水位を上まで入れない
応急処置濡れた手で拾い、すぐ水に戻す。皮膚が乾いていれば受診
高水温による衰弱
予防水温計を常設、夏は冷却ファンや冷房、水槽用クーラー
応急処置凍らせたペットボトルで急がず1〜2℃ずつ冷やす。動かなければ受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
テトロドトキシン中毒
感染経路アカハライモリの皮膚毒が口や目、傷に入る
予防素手で触らない、触れたら手を洗う、子供やペットが口にしないよう管理
サルモネラ症
感染経路飼育水や糞に触れた手からの経口感染
予防水替え後は石けんで手洗い、台所で水槽を洗わない、乳幼児は触らせない
エロモナス感染症
感染経路汚れた飼育水が傷口に触れる
予防手に傷があれば手袋、傷が赤く腫れれば受診
寄生虫(線虫等)
感染経路糞や飼育水からの経口感染
予防手袋で掃除、器具を共用しない、購入後の検便
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- ウーパールーパー用人工飼料を主食、幼体は毎日
- 成体は2〜3日に1回、腹が膨れない量
- 冷凍赤虫・イトミミズ、イモリは冷凍赤虫主体
水
- カルキ抜きした水を週1〜2回、1/3〜1/2換水
- 水温は18〜22℃、アンモニア0を維持
与えてはいけないもの
- 生きた魚(傷・寄生虫・共食い誘発)
- 塩素の残った水道水・冷水を直接入れる
- 人間の食べ物、乾燥エビばかり(栄養偏り)
おもちゃ・遊び
- 刺激は不要、ピンセット給餌で餌を追わせる
- 水流は弱く、フィルターの流れを遮る
- イモリは水辺の陸場と水草で自然に近く
巣・寝床・隠れ家
- 土管やシェルターで暗く隠れられる場所
- イモリは陸に上がれる浮島や流木
床材・トイレ
- ウーパールーパー:底砂なし(ベアタンク)が安全
- 入れるなら口より大きい石か、逆に細かい砂
- イモリ:陸場は湿らせた砂利やコケ
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
ガラス水槽、プラケース、蓋つきのもの
大きさ・広さ
ウーパールーパー1匹に45cm以上、イモリは30cm以上
配置・レイアウト
- エアレーションと弱い流れのフィルター
- 隠れ家を複数、複数飼育は仕切りを
- イモリは水場と陸場を分け、必ず蓋を
設置場所の注意
- 直射日光や暖房の風が当たらない涼しい場所
- 振動や大きな音、猫の手が届く場所を避ける
運動・部屋んぽ・散歩
- 散歩は不要、水槽から出さない
- 触るのは移動時のみ、網より容器で掬う
- 手で触ると体温で皮膚が傷む、必ず濡れた手
温湿度管理
適温水温18〜22℃、25℃超は危険、10℃以下も避ける
適湿度イモリの陸場は常に湿らせる、水槽は蓋で乾燥防止
夏・冬の対策
- 夏:冷却ファン・冷房・水槽用クーラーで25℃以下
- 冬:室温管理、加温は不要だが10℃を下回らない
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
爪切りは不要。指先の欠損や白濁があれば受診
ブラッシング・皮膚被毛ケア
皮膚は触らない。水替えとフィルター掃除で水質を保つのがケア
その他のケア
食べ残しは毎回回収、水温計と水質チェックを毎日、脱皮殻は取り除く
外敵からの保護
- 猫:水槽に手を入れる、蓋を固定する
- 犬・鳥:イモリの毒で中毒、触れさせない
- ボウフラや蚊:屋外飼育は避ける
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
動く物に食いつき、砂利・小石・同居個体の手足を飲み込む。底砂を敷かず、餌はピンセットで、同居は避ける
踏みつけ
水槽外に出さないのが原則。掃除で取り出す時は容器に入れ、床に置かない
挟まれ
蓋やフィルターの隙間に体やエラが挟まる。吸水口にスポンジを付け、隙間は塞ぐ
落下・転落
水槽から飛び出して床に落ちる。蓋を固定し、移動時は容器ごと両手で持つ。落ちたら濡れた手で拾いすぐ水へ
逸走・脱走
イモリは壁を登り隙間から脱走し乾燥死する。蓋と重石を必ず。逃げたら床の隙間や水回り、暗い場所を探す
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 引っ張って手を引き抜く(口が裂ける)
- イモリを触った手で目や口に触れる
安全な引き離しの手順
- ウーパールーパーは餌と間違えて噛む、痛みは軽い
- 動かず数秒待つと自ら離す
- 離さなければ水中に手を入れ静かに待つ
- イモリは噛まないが触ったら必ず手を洗う
引き離した後の処置
流水で洗う。傷は浅いが化膿すれば受診、イモリの毒は目に入れば洗眼し受診
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 水面で口を開けたまま動かない
- 皮膚が広く剥がれる・出血
- 乾燥して皮膚が固まっている
- 体を反らせてけいれん
当日中に受診
- 浮いて沈めない・腹が膨れる
- エラや皮膚に白い綿状のもの
- 手足・エラの欠損が広がる
受診時に伝えること・持ち物
種類・体長、水温と水質、餌の内容、同居の有無、症状の写真、両生類対応の病院か事前確認
意識・呼吸・心拍の確認
- 刺激反応:尾や足先を触って動くか
- エラの動き、喉の動きで呼吸を確認
- 心拍:胸の動きで確認、水温で大きく変わる
蘇生の手順
- 清浄な低温(18〜20℃)の水に入れ皮膚呼吸確保
- エアレーションで酸素を十分に
- 水深を浅くし、口が水面に届くように
- 動かなくても回復する例あり、すぐ搬送
止血
- 清浄な水中で安静、圧迫は皮膚を傷める
- 水を清浄に保ち、出血部を触らない
- 止まらなければ濡れガーゼで軽く押さえ受診
搬送方法
- 水を少量入れた密閉容器、水温を保つ
- 夏は保冷剤を外側に当て、直接当てない
ケースメソッドで学ぶ
