基本情報
- 寿命
- 金魚10〜15年、メダカ2〜4年、小型熱帯魚2〜5年
- 体重
- 体長3cm(メダカ)〜30cm(大型金魚)
- 性格
- 種により温和〜縄張り性。ベタ雄は同種と闘う
- 飼育難易度
- 中(水質管理と水温管理が全て)
- 法規制
- 動物愛護法の対象外だが遺棄は生態系破壊。放流禁止
- 最重要ポイント
- 病気の9割は水質悪化。週1回1/3換水を守る
生態と特徴
- 体の特徴
- 側線で水流を感じる。鰓で呼吸するがベタは空気呼吸もできる。金魚は品種で体型が大きく異なる
- 原産地・分布
- 金魚はフナの改良種で中国原産。メダカは日本、熱帯魚は南米や東南アジアなど
- 野生での生息環境
- 止水や緩やかな流れの淡水域。水草の多い浅場を好む種が多い
- 活動時間・睡眠
- 昼行性が多い。夜は動きが鈍り体色が薄くなる。照明で昼夜を作る
- 社会性・人との関係
- 金魚・グッピーは群れを好む。ベタのオスは同種に激しく闘う
特徴的な行動・習性
- ベタのオスは泡巣を作り鰭を広げて威嚇する
- 金魚は底砂をつつき餌を探す。水草も食べる
- グッピー・メダカは繁殖力が強く、増えすぎに注意
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
白点病
予兆体やヒレに白い点が散らばる、体を物にこすりつける、ヒレをたたむ
予防水温の急変を避ける。新入りは別水槽で1〜2週間トリートメント
尾ぐされ病
予兆ヒレの先が白く濁り溶けるように短くなる、充血、元気がない
予防換水を怠らない。過密飼育を避け、ヒレを傷つける流木・魚を入れない
転覆病
予兆腹を上に浮く、沈んだまま起き上がれない、食後に浮きやすい
予防琉金など丸い金魚に多い。冬は水温を安定させ、餌はふやかして少量
水カビ病
予兆体表に綿のような白いふわふわが付く、傷口から広がる
予防傷をつくらない。低水温と汚れた水を避け、死骸はすぐ取り除く
エロモナス感染症
予兆腹が膨れ鱗が松かさ状に逆立つ、体表に赤い出血斑、目が飛び出す
予防水質悪化と過密が原因。餌の与えすぎを避け底の汚れを吸い出す
亜硝酸・アンモニア中毒
予兆水面で口をパクパク、じっと動かない、エラが赤黒い、突然の連続死
予防立ち上げ直後は魚を少なく。試験紙で週1回測定し、換水で下げる
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
白点が出た
ヒーターで1日1〜2℃ずつ28℃前後へ上げ、1/3換水。魚病薬は説明書どおり別容器で。全体に広がれば魚病に詳しい店・病院へ
水面で口パク
すぐ1/3〜半分を同温の水で換水しエアレーション追加。餌を止め原因(残餌・死骸・ろ過停止)を探す
転覆して浮く
絶食2〜3日、水温を25℃前後に安定。水深を浅くし体が乾かない位置に。改善なければ受診
ヒレが溶ける・出血斑
隔離容器に移し毎日1/3換水。塩水浴(0.5%)を試し、悪化・松かさなら魚を診る動物病院へ
起こりやすい怪我と予防・応急処置
水槽からの飛び出し
予防必ずフタをする。隙間はプラ板で塞ぐ。驚かせない、水位を高くしすぎない
応急処置濡れた手でそっと戻す。動かなくても水流の弱い場所で数時間待つ。粘膜保護剤を規定量入れる
ヒレ・体表の裂傷
予防尖った流木・岩を避ける。相性の悪い魚(ベタ同士・攻撃的な種)を同居させない
応急処置加害魚や原因を除去し隔離。清潔な水で0.5%塩水浴。白い綿が付き始めたら水カビ対策へ
ヒーター火傷
予防ヒーターカバーを付ける。魚が挟まる隙間をなくす。空焚き防止機能付きを使う
応急処置患部に白い変色や剥がれ。隔離して清潔な水を保ち、感染防止のため毎日少量換水
水温急変ショック
予防換水は必ず同温の水。導入時は袋ごと30分浮かべ、少しずつ水を混ぜる
応急処置横たわり動かない時は水温を元に戻し暗く静かに。エアレーションを強め触らず見守る
動物由来感染症(人にうつる病気)
非結核性抗酸菌症
感染経路水槽の水や魚に触れた手の傷から感染
予防手に傷がある時はゴム手袋。水槽作業後は石けんで洗う
サルモネラ症
感染経路水槽水・ろ材・砂利に触れた手から口へ
予防水槽の水を台所で流さない。作業後の手洗いを徹底
エロモナス感染症
感染経路汚れた水槽水が傷口・目・口に入る
予防換水時に水を口で吸わない。傷が腫れたら受診
アニサキス症
感染経路観賞魚を生食した場合(通常なし)
予防観賞魚は食べない。生餌の冷凍アカムシは素手で扱わない
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 専用の人工飼料を主食に。1日1〜2回、2〜3分で食べ切る量
- 冷凍アカムシ・ブラインシュリンプは週1〜2回のおやつ
- 旅行時は数日絶食で問題なし。自動給餌器は量を少なめに
水
- 水道水はカルキ抜きを使い、水温を合わせてから入れる
- 週1回1/3換水。全換水はろ過バクテリアが死ぬので避ける
与えてはいけないもの
- パン・米飯など人の食べ物(水を汚し消化不良)
- 餌の与えすぎ(残餌は最大の水質悪化原因)
- カルキ抜きしていない水道水・井戸水の直接投入
おもちゃ・遊び
- 水草や流木で泳ぎ回る空間と隠れ家を作る
- ベタには浮き草や葉型の休憩場所を水面近くに
- 鏡や指で追い回さない(強いストレス)
巣・寝床・隠れ家
- 土管・流木・密な水草など体を隠せる場所を魚数分
- 泡巣を作るベタは水流を弱くする
床材・トイレ
- 角のない砂利か砂を薄く敷き、換水時に汚れを吸い出す
- ベアタンク(底床なし)は掃除が容易で病魚の隔離に向く
- 底に沈む糞・残餌は毎日スポイトで除去
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
ガラスまたはアクリル水槽。フタ・ろ過器・ヒーター・水温計が必須
大きさ・広さ
金魚は1匹あたり10L以上、小型熱帯魚は30cm水槽に5〜10匹が目安
配置・レイアウト
- ろ過器の吐出口は水面を揺らし酸素を取り込む向きに
- ヒーターは水流のある場所に置き温度ムラを防ぐ
- 隠れ家と泳ぐ空間を両方確保する
設置場所の注意
- 直射日光の当たる窓際は水温上昇とコケの原因
- 水平で頑丈な台に置く。60cm水槽は総重量70kg超
運動・部屋んぽ・散歩
- 散歩は不要。水槽内で自然に泳げる広さを確保
- 1日1回は全員の泳ぎ方と体表を観察する
- 捕まえる・移す作業は最小限に。網で追い回さない
温湿度管理
適温熱帯魚25〜28℃、金魚・メダカ15〜28℃。急変は1日2℃以内
適湿度水中のため不要。フタで蒸発と飛び出しを防ぐ
夏・冬の対策
- 夏:冷却ファン・エアコンで30℃以下。酸欠防止にエアレーション
- 冬:ヒーター必須。屋外メダカは氷が張っても底で越冬できる
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
爪切りは不要。代わりに週1回の水質検査(亜硝酸・pH)と換水が最重要ケア
ブラッシング・皮膚被毛ケア
被毛ケアは不要。体表の粘膜を守るため触らず、網は目の細かい柔らかいものを
その他のケア
ろ材は飼育水でゆすぐ(水道水はバクテリアが死ぬ)。ガラス面のコケは換水時に落とす
外敵からの保護
- 猫が水槽に手を入れないよう重いフタをする
- 屋外飼育はネットでサギ・カラス・ヤゴ・猫を防ぐ
- 蚊の発生源にならないよう屋外容器は魚を入れ管理
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
小さい砂利や大きすぎる餌を飲み込み喉に詰まることがある。口に合う粒径の餌と角のない底床を選ぶ
踏みつけ
踏みつけの危険はないが、飛び出した魚を床で踏まないよう、床に落ちていないか作業のたびに確認
挟まれ
ヒーターやろ過器の吸い込み口、レイアウトの隙間に挟まる。スポンジカバーを付け、狭い隙間を作らない
落下・転落
水槽自体の転倒・落下が最大の事故。安定した専用台に置き、地震対策で耐震マットを敷く
逸走・脱走
飛び出し=脱走。必ずフタをし、コード穴も塞ぐ。床で見つけたら乾いていても水に戻し、数時間は様子を見る
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 人を噛む魚はほぼいないが、手を水槽内に長時間入れない
- ベタやグッピーを別の魚と一緒にして闘わせない
安全な引き離しの手順
- 魚同士の闘争は網ではなく仕切り板で分ける
- 追われている側をすぐ別容器に隔離する
- ベタ雄は生涯単独飼育。同居させない
- 闘争後は水を清潔に保ちヒレの再生を待つ
引き離した後の処置
裂けたヒレは清潔な水で自然に再生する。白い綿や赤い出血斑が出たら魚病対応へ
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 複数の魚が一斉に水面で口パク・横倒し
- 鱗が逆立ち腹が膨れ動けない
- 飛び出して乾き、戻しても動かない
- ヒーター故障で水温が35℃超や10℃以下
当日中に受診
- 白点・綿状の付着が全身に広がった
- 3日以上食べず底でじっとしている
- ヒレの溶けや出血斑が増えている
受診時に伝えること・持ち物
水槽サイズ・匹数・水温・換水頻度・水質検査値・使った薬。魚は飼育水入り袋で持参
意識・呼吸・心拍の確認
- エラが動いているか(正常は毎分60〜120回程度)
- 指を近づけて逃げる反応・目の動きがあるか
- 横倒しでもエラが動いていれば回復の可能性あり
蘇生の手順
- 心臓マッサージは不可。まず新しい同温の水へ移す
- エアレーションを強め酸素を最大限に供給
- エラに水が流れるよう口を水流に向けて支える
- 暗く静かにし、動き出すまで触らない
止血
- ヒレの出血は清潔な水中で自然に止まる
- 粘膜保護剤を規定量入れ、0.5%塩水浴で感染予防
- 体表からの出血が続く時は魚を診る病院へ
搬送方法
- 飼育水を入れた袋やタッパーに空気を多く入れる
- 発泡箱に入れ保温し暗くして揺らさず運ぶ
ケースメソッドで学ぶ
