基本情報
- 寿命
- オカメ15〜25年、ヨウム・コンゴウ40〜60年
- 体重
- オカメ80〜110g、ヨウム400〜550g、コンゴウ1kg前後
- 性格
- 知能が高く感情豊か。飼い主に強く依存する
- 飼育難易度
- 高(寿命・騒音・咬傷・毛引きなど精神面のケア)
- 法規制
- ヨウム・コンゴウはCITES附属書Ⅰ。譲渡に登録票が必要
- 最重要ポイント
- 一生付き合う覚悟と、退屈させない環境が必須
生態と特徴
- 体の特徴
- 太く強い嘴で堅果を割る。足指は前後2本ずつで物をつかめる。ヨウムは幼児並みの認知能力を示す
- 原産地・分布
- オカメはオーストラリア、ヨウムは中央アフリカ、コンゴウは中南米
- 野生での生息環境
- 熱帯雨林から乾燥林・サバンナまで種で異なる。樹洞に営巣
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。朝夕に採食し日中は木陰で休む。夜は10〜12時間眠る
- 社会性・人との関係
- 群れやつがいで暮らし絆が強い。飼い主を伴侶とみなし依存しやすい
特徴的な行動・習性
- 一生同じ相手とつがいになり、鳴き声で仲間と連絡する
- 嘴と足を使って登り、木の実を器用に割って食べる
- 高い知能ゆえ退屈すると毛引きや問題行動が出やすい
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
毛引き・自咬症
予兆胸や脇の羽を自分で抜き皮膚が露出、皮膚を噛んで出血、頭だけ羽が残る
予防退屈・不安・孤独を減らす。1日数時間の交流と採食玩具。皮膚病など体の原因を検査で除外
PBFD(嘴羽病)
予兆羽の変形や脱落・新しい羽が育たない、嘴が軟らかく伸びる、免疫低下で感染を繰り返す
予防迎え入れ時と数か月後にPCR検査。感染鳥との接触を避け新入り鳥は隔離。治療法はなく予防が全て
アスペルギルス症
予兆呼吸音が変わる、開口呼吸、声が変わる・出ない、元気消失、体重減少
予防換気とカビの生えない清潔な環境。古いシードや湿った餌を与えない。ストレスを減らす
低カルシウム血症
予兆ヨウムに多い。ふらつき、けいれん、止まり木から落ちる、震え、骨折しやすい
予防ペレット主食+カルシウム源。紫外線(日光浴・専用ライト)でビタミンD合成を促す
オカメパニック
予兆夜間に突然暴れ、翼や顔を打ち出血。地震・物音・光が引き金
予防夜は薄明かりを残し、ケージ内の障害物を減らす。パニック時は静かに声をかけ照明をつける
腹水・肝疾患
予兆腹部が膨らむ、呼吸が苦しそう、嘴や爪が伸びて脆い、羽の色が変わる、過食に見える
予防肥満と高脂肪シードを避け、ペレットと野菜中心。年1回以上の健康診断で血液検査
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
けいれん・ふらつき
止まり木を外し床にタオル、暗く静かに保温。低カルシウムや中毒が疑われるため夜間でも受診
毛引きで出血
出血部をガーゼで圧迫、エリザベスカラーは自己判断で付けない。出血が止まっても当日中に受診し原因検査
呼吸が苦しそう
刺激せず暗く静かに、28℃前後に保温。加湿し、酸素室があれば使用。開口呼吸は至急受診
卵詰まり(メス)
30℃に保温して湿度を上げ暗く安静。腹を押さない。数時間出なければ夜間でも受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
夜間パニック外傷
予防夜は常夜灯、ケージを壁際に、翼先端がぶつかる玩具を減らす。地震や物音に備える
応急処置照明をつけ静かに声かけ。出血箇所を確認し圧迫止血。翼が下がる・血が続く場合は当日受診
翼・脚の骨折
予防放鳥時は窓を閉め、ケージ内の隙間に足が挟まる網目・玩具を点検。カルシウム補給
応急処置触らず狭い箱に入れ暗く保温。自分で固定しない。当日中に鳥専門の病院へ
嘴の破損・出血
予防硬すぎる金属玩具や噛みちぎれる網を避ける。落下防止のため爪を適切に管理
応急処置ガーゼで圧迫止血、餌は柔らかくして与える。嘴の欠け・ぐらつきは当日受診
熱傷・感電
予防放鳥中は調理・アイロン禁止。コードはカバーし、噛める位置に電線を置かない
応急処置感電はまず電源を切る。熱傷は室温の水で冷やし薬を塗らず保温して当日受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
オウム病
感染経路乾燥糞や羽の粉の吸入、口移し
予防掃除は霧吹きで湿らせマスク着用。口移し禁止。人の発熱や肺炎は鳥飼育を医師に伝える
クリプトコックス症
感染経路糞に生えたカビ胞子の吸入
予防糞を毎日除去、湿気を溜めない。免疫の低い人・妊婦は掃除を避ける
過敏性肺炎
感染経路脂粉(ヨウム・オカメに多い)の吸入
予防空気清浄機・換気・こまめな掃除。長引く咳・息切れは早めに医師へ
咬傷による細菌感染
感染経路大型鳥の強い噛みつきによる傷
予防傷は流水でよく洗い消毒。深い傷や腫れは外科・皮膚科受診
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- ペレットを主食(体重の5〜10%)、朝夕2回
- 野菜・果物は1日1〜2回、種は少量のおやつ
- ナッツ類はコンゴウ以外は控えめに(脂肪過多)
水
- 毎日朝夕交換、重い陶器製の器で転倒防止
- ボトルは詰まりやすいので器と併用し飲水量を確認
与えてはいけないもの
- アボカド・チョコ・ネギ類・果物の種は中毒
- 塩分・人の食べ物・カフェイン・アルコール
- テフロン加熱の煙は数分で死亡する
おもちゃ・遊び
- 採食玩具(フォージングトイ)で餌探しをさせる
- かじり木・紙・ロープ玩具を毎週入れ替え
- 金属は鉛・亜鉛を含まないステンレス製に限定
巣・寝床・隠れ家
- 巣箱は繁殖時以外は入れない。隙間や暗所への潜り込みを止める
- 自然木の止まり木を太さ違いで2〜3本、上下2段
床材・トイレ
- 底網の下に新聞紙・キッチンペーパーを毎日交換
- 底網は週1回洗浄、糞と落とした餌を毎日確認
- 砂や猫砂は誤食するため使わない
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
ステンレスかメッキの鉄製。塗装はがれ・亜鉛・鉛を避ける
大きさ・広さ
翼を広げても壁に届かない幅。中型60cm、大型90cm以上
配置・レイアウト
- 止まり木は糞が餌に落ちない高さ違いに配置
- 餌・水は止まり木の近くで糞が入らない位置
- 夜はカバーをかけ10〜12時間の暗い休息を確保
設置場所の注意
- 台所(調理煙)・直射日光・エアコン風を避ける
- 家族の気配がある部屋で、壁を背に安心できる場所
運動・部屋んぽ・散歩
- 1日2〜3時間以上の放鳥と交流。窓・扉を閉め在室で見守る
- 放鳥前に鍋・水・観葉植物・電源コードを片付ける
- 大型はプレイジムやスタンドで飛行・登り運動をさせる
温湿度管理
適温22〜28℃。幼鳥・病鳥・老鳥は28〜30℃
適湿度50〜60%。乾燥は羽と気道を傷める
夏・冬の対策
- 夏:直射日光を避け28℃以下、水を1日2回交換
- 冬:ヒーター+温度計、カバー。エアコン風を直接当てない
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
月1回程度、血管手前で先端だけ切る。大型は保定が難しく動物病院で切るのが安全
ブラッシング・皮膚被毛ケア
不要。羽の脂粉は週数回の霧吹き・水浴びで落とす。羽の変形・抜けはPBFD検査を
その他のケア
嘴は自然摩耗、伸びすぎは肝臓病サイン。翼のクリッピングは獣医師と相談して判断
外敵からの保護
- 猫・犬・フェレットと同室で放鳥しない
- ベランダ・屋外はカラス・猛禽・逸走の危険。必ずハーネス
- 蚊・ダニは網戸と清掃で防ぐ
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
アクセサリー・電池・金属片・電源コードの被覆は誤飲や重金属中毒。放鳥前に片付け、飲み込んだら至急受診
踏みつけ
床で遊ぶ・後ろをついて歩く習性がある。歩く時はすり足、座る前・立つ前に必ず鳥の位置を確認
挟まれ
ドア・引き戸・折りたたみ椅子・ソファの隙間で圧死事故が起こる。放鳥中はドアを開閉せず、常に鳥の位置を把握
落下・転落
クリッピング直後や肥満鳥は落下で胸や嘴を打つ。床にラグを敷き高所から飛ばせない。落ちて動かなければ即受診
逸走・脱走
窓・玄関を必ず閉め、屋外はハーネス。逃げたら名前を呼びケージを外に置く。マイクロチップ・足環番号で警察・保健所へ届出
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 手を振り払う・叩く(骨折や信頼関係の崩壊)
- 大声で叫ぶ(反応が報酬になり噛みが強化される)
安全な引き離しの手順
- 動きを止め、息を吐き手の力を抜く
- 反対の手で嘴の付け根を押すか鼻先に息を吹く
- 止まり木や腕にそっと乗せ、静かにケージへ戻す
- 原因(発情・恐怖・縄張り・注目要求)を見直す
引き離した後の処置
大型の咬傷は深い。流水で洗い圧迫止血、出血が止まらない・腫れる・骨に達すれば外科受診
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 開口呼吸・尾を大きく振る呼吸
- けいれん・止まり木から落ちて動けない
- 出血が止まらない・骨折の疑い
- 卵詰まりが疑われ数時間出ない
当日中に受診
- 食欲低下・体重5%以上減少
- 声の変化・呼吸音の異常
- 羽を抜き皮膚が露出・自咬で出血
受診時に伝えること・持ち物
体重記録、便のついた新聞紙、餌の種類、CITES登録票のコピー。大型鳥診療可か事前確認
意識・呼吸・心拍の確認
- 呼吸:胸の上下、開口・尾振りの有無を観察
- 心拍:胸に手を当て非常に速い拍動を感じるか
- 意識:名前を呼び反応、瞳や嘴の動きを確認
蘇生の手順
- 鳥に心臓マッサージは危険。まず28〜30℃に保温
- 暗く静かな箱に入れ、酸素室があれば使用
- 嘴・鼻孔の汚れをそっと拭き気道を確保
- 上記をしながら夜間救急に電話し即搬送
止血
- 清潔なガーゼで患部を数分圧迫
- 爪・羽根軸の出血は止血剤や片栗粉を押し当てる
- 止まらない、羽が血で広く汚れたら圧迫しながら搬送
搬送方法
- キャリーにタオルを敷き、カイロを直接触れない位置に
- 布で覆い暗く静かに、揺らさず、冷暖房を直接当てない
ケースメソッドで学ぶ
