ハト
Photo by 卡晨 on Unsplash

鳥類

ハト

飼養レース鳩・ドバトの保護個体

最重要:糞の粉じんを吸わない衛生管理が最重要

基本情報

寿命
10〜15年(飼育下)
体重
300〜500g
性格
穏やかで人に慣れやすい。つがいの絆が強い
飼育難易度
中(衛生管理・オウム病・脱走)
法規制
ドバトは非狩猟鳥獣。野生個体の捕獲は原則禁止
最重要ポイント
糞の粉じんを吸わない衛生管理が最重要

生態と特徴

体の特徴
全長30cm前後。そのうから分泌するピジョンミルクで雛を育てる。磁気や太陽で方向を知る
原産地・分布
カワラバトが原種。ドバトは家禽化した個体の野生化。レース鳩も同種
野生での生息環境
原種は海岸や山地の岩壁。都市の建物を崖として利用する
活動時間・睡眠
昼行性。日中に採食と飛翔をし夜は巣や高所で眠る
社会性・人との関係
群れで生活しつがいの絆が強い。帰巣本能が非常に強い

特徴的な行動・習性

かかりやすい病気と予兆の見方・予防

トリコモナス症

予兆口の中や喉に黄白色のチーズ状の塊、飲み込みにくい、口臭、若鳥で急速に衰弱

予防飲み水を毎日交換し容器を洗う。新しい鳩は隔離。親から雛への口移しで感染するため繁殖前に検査

オウム病

予兆元気消失、緑色の水様便、目や鼻の分泌物、呼吸困難。無症状の保菌も多い

予防糞をためず湿らせて掃除。換気を良くする。新しい鳩は隔離して検査。人にもうつるためマスク着用

ハトポックス

予兆くちばし・目の周り・足に黄色いいぼ状のかさぶた、口内の白い膜、食べにくい

予防蚊を防ぐ網を鳩舎に。感染鳩は隔離。かさぶたは無理に剥がさない

パラミクソウイルス感染症

予兆首をねじる、ふらつき、旋回、水様便、多飲。神経症状が特徴

予防レース鳩はワクチン接種を獣医師と相談。野鳩との接触を避け、新しい鳩は隔離

サルモネラ症

予兆関節が腫れ翼が下がる、緑色の下痢、体重減少、雛の死亡

予防給餌器・給水器を糞から守り毎日洗う。ネズミの侵入を防ぐ。発症鳩は隔離して受診

回虫・コクシジウム

予兆痩せる、羽の艶がない、下痢、食べているのに体重が減る

予防床の糞を毎日除去。定期的に糞便検査を受け、獣医師の指示で駆虫

病気の予兆チェックリスト

毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。

病気の応急処置

口内に黄白色の塊

無理に取らない。柔らかい餌と水を近くに置き保温。トリコモナスは急速に悪化するため当日中に受診

首をねじる・ふらつく

低い箱に入れて壁にぶつからないよう保護。餌と水は深めの容器で。神経症状は感染症の疑いで当日中に受診

緑色の水様便

隔離して30℃前後で保温。掃除はマスクと手袋で。便の写真を撮り当日中に受診

保護したドバトが弱っている

暗い箱で保温し水と餌を置く。無理に給餌しない。都道府県の鳥獣担当窓口に連絡し指示を仰ぐ

起こりやすい怪我と予防・応急処置

翼の骨折・脱臼

予防驚かせて暴れさせない。鳩舎内の突起や金網の隙間をなくす

応急処置翼を体に沿わせタオルで軽く包む。出血はガーゼで圧迫。当日中に受診

糸・髪の毛の足絡み

予防床の糸・釣り糸・髪の毛をこまめに除去。保護個体は足を必ず確認

応急処置足を温めてから小さなハサミで糸を切る。食い込みや壊死があれば受診

猫・猛禽による外傷

予防鳩舎は猫が入れない構造に。放鳩は猛禽の活動時間を避ける

応急処置出血を圧迫し暗い箱で保温。傷が小さくても感染や内臓損傷があり即受診

窓・電線への衝突

予防室内放鳥時はカーテンを閉め窓に印を付ける。放鳩は天候の良い日に

応急処置暗い箱で安静・保温。ふらつき・出血・目の異常があれば当日中に受診

動物由来感染症(人にうつる病気)

オウム病

感染経路乾燥した糞の粉じん・分泌物の吸入

予防掃除はマスク着用で糞を湿らせてから。妊婦・高齢者は世話を避ける

クリプトコッカス症

感染経路糞で汚れた土や粉じんの吸入

予防古い糞をためない。掃除時はマスク。免疫が低い人は鳩舎に入らない

サルモネラ症

感染経路糞に触れた手からの経口感染

予防世話の後は石けんで手洗い。飼育器具を台所で洗わない

トリサシダニ(皮膚炎)

感染経路鳩や巣から人の皮膚へ移る

予防巣や古い敷料を放置しない。かゆみが出たら鳩舎を清掃し受診

飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材

  • 鳩用配合穀物(トウモロコシ・豆類)を朝夕2回
  • グリット(小石)とミネラル塩を常備
  • 青菜を少量。保護ドバトも同じ餌でよい

  • くちばしが入る深さの飲み水を常時
  • 水は毎日交換し容器をよく洗う

与えてはいけないもの

  • パン・ご飯だけの給餌(栄養失調)
  • アボカド・チョコレート・ネギ類
  • カビた穀物・塩分の強い食品

おもちゃ・遊び

  • 浅い皿での水浴び(週2〜3回)
  • 床に穀物をまいて探させる
  • つがいや仲間との交流が最大の刺激

巣・寝床・隠れ家

  • 巣皿(ネストボウル)に藁か麻ひも
  • 止まり木は1羽ずつ座れる仕切り付き

床材・トイレ

  • 新聞紙・ペットシーツを毎日交換
  • 床材は湿らせず乾燥を保つ
  • 糞は粉じん化する前に除去する

飼養環境:ケージ・運動・温湿度

ケージ・ハウスの素材

木製鳩舎+金網。室内は大型鳥かご。掃除しやすい構造

大きさ・広さ

1羽あたり幅60cm以上。鳩舎は1羽0.3㎡以上

配置・レイアウト

  • 止まり木・餌・水を糞の落ちない位置に
  • 巣皿は静かな高所に配置
  • 水浴び皿は取り外せる場所に

設置場所の注意

  • 換気が良く直射日光と雨を避ける場所
  • 猫・ネズミ・野鳥が入れない構造

運動・部屋んぽ・散歩

  • レース鳩は訓練した放鳩を毎日
  • 室内飼いは窓を閉め1日1時間放鳥
  • 保護ドバトは放鳥せず室内で運動

温湿度管理

適温10〜28℃。病鳥は30℃前後で保温

適湿度40〜60%。湿気とカビを避ける

夏・冬の対策

  • 夏は日陰・換気と新鮮な水を確保
  • 冬は風除けと隙間風の防止、水を凍らせない

グルーミングと外敵からの保護

爪切り

伸びたら血管を避けて先端を少し切る。不安なら獣医師へ

ブラッシング・皮膚被毛ケア

ブラシ不要。水浴び皿を週2〜3回用意し羽を清潔に保つ

その他のケア

くちばしの伸びすぎ・足のかさぶた・鼻こぶの汚れを確認

外敵からの保護

  • 鳩舎に猫・イタチが入れない金網
  • 放鳩は猛禽の多い時間と場所を避ける
  • 蚊よけの網でポックスを防ぐ

飼養上の注意(事故防止)

異物誤飲

小石は必要だがガラス・ビニール片・釣り糸は危険。床の小物を片付ける。食欲低下や吐き戻しは受診

踏みつけ

床を歩き回るため足元を確認。踏んだら翼や脚を触らず暗い箱で安静、歩けなければ受診

挟まれ

扉やかごの引き戸に翼や脚を挟む。開閉はゆっくり、鳩の位置を確認してから閉める

落下・転落

飛べるため落下は少ないが、翼を切った鳩や病鳥は高所から落ちる。低い場所で安静にさせる

逸走・脱走

窓・扉を二重に。レース鳩は帰巣するが、保護ドバトは帰らない。逃げたら餌場に仲間と餌を置き待つ

噛みついた時の安全な引き離し方

やってはいけないこと

  • 翼で叩かれても振り払わない
  • くちばしをつままれても引っ張らない

安全な引き離しの手順

  1. 動きを止め静かにする
  2. 空いた手で背中から翼ごと包む
  3. 力が抜けたらくちばしを軽く持ち外す
  4. かごに戻して落ち着かせる

引き離した後の処置

鳩の噛みつきは軽い。傷があれば流水で洗い消毒。腫れれば人の病院へ

救命救急マニュアル

今すぐ夜間救急へ(命に関わる)

  • ぐったりして起き上がれない
  • 猫や猛禽に襲われた・出血が止まらない
  • 開口呼吸で苦しそう
  • けいれん・激しい神経症状

当日中に受診

  • 口内の塊で食べられない
  • 首をねじる・ふらつく
  • 緑色の水様便が続く

受診時に伝えること・持ち物

便の写真・餌・同居鳩の様子・保護個体なら保護場所と日時。鳥を診る病院へ事前連絡

意識・呼吸・心拍の確認

  • 意識:接触や音に反応するか
  • 呼吸:胸の上下を見る。安静時1分約30〜40回
  • 心拍:胸に耳を当て確認。1分約200回前後

蘇生の手順

  1. 胸部圧迫は骨折の危険があり推奨されない
  2. まず30℃前後で保温し暗い静かな箱へ
  3. 首を伸ばし気道を確保、口内の塊は触らない
  4. 反応が弱ければ保温したまま即受診

止血

  • 清潔なガーゼで5分以上圧迫
  • 羽軸の出血は根元から抜かず圧迫し受診
  • 止まらなければ圧迫したまま受診

搬送方法

  • タオルを敷いた暗い箱かキャリーに
  • カイロで保温し揺らさず静かに運ぶ

ケースメソッドで学ぶ

ケースメソッド(状況予測シナリオ 50問)

ハトに起こりうる病気・怪我・事故を想定した4択問題。解答・解説・課題と改善案付き。

問題を解く
QRコード
エキゾチックアニマルの救命救急法講座 開催地&日程
https://exoticpetsaver.com
実技で学びたい方は講座へ。QRコードをスマホで読み取ってください。