基本情報
- 寿命
- 10〜15年(飼育下)
- 体重
- 300〜500g
- 性格
- 穏やかで人に慣れやすい。つがいの絆が強い
- 飼育難易度
- 中(衛生管理・オウム病・脱走)
- 法規制
- ドバトは非狩猟鳥獣。野生個体の捕獲は原則禁止
- 最重要ポイント
- 糞の粉じんを吸わない衛生管理が最重要
生態と特徴
- 体の特徴
- 全長30cm前後。そのうから分泌するピジョンミルクで雛を育てる。磁気や太陽で方向を知る
- 原産地・分布
- カワラバトが原種。ドバトは家禽化した個体の野生化。レース鳩も同種
- 野生での生息環境
- 原種は海岸や山地の岩壁。都市の建物を崖として利用する
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。日中に採食と飛翔をし夜は巣や高所で眠る
- 社会性・人との関係
- 群れで生活しつがいの絆が強い。帰巣本能が非常に強い
特徴的な行動・習性
- 水を嘴に付けたまま吸い上げて飲む(鳥では珍しい)
- オスは胸を膨らませ回りながらクークーと求愛する
- 雌雄が交代で抱卵し2卵を産む。年に数回繁殖
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
トリコモナス症
予兆口の中や喉に黄白色のチーズ状の塊、飲み込みにくい、口臭、若鳥で急速に衰弱
予防飲み水を毎日交換し容器を洗う。新しい鳩は隔離。親から雛への口移しで感染するため繁殖前に検査
オウム病
予兆元気消失、緑色の水様便、目や鼻の分泌物、呼吸困難。無症状の保菌も多い
予防糞をためず湿らせて掃除。換気を良くする。新しい鳩は隔離して検査。人にもうつるためマスク着用
ハトポックス
予兆くちばし・目の周り・足に黄色いいぼ状のかさぶた、口内の白い膜、食べにくい
予防蚊を防ぐ網を鳩舎に。感染鳩は隔離。かさぶたは無理に剥がさない
パラミクソウイルス感染症
予兆首をねじる、ふらつき、旋回、水様便、多飲。神経症状が特徴
予防レース鳩はワクチン接種を獣医師と相談。野鳩との接触を避け、新しい鳩は隔離
サルモネラ症
予兆関節が腫れ翼が下がる、緑色の下痢、体重減少、雛の死亡
予防給餌器・給水器を糞から守り毎日洗う。ネズミの侵入を防ぐ。発症鳩は隔離して受診
回虫・コクシジウム
予兆痩せる、羽の艶がない、下痢、食べているのに体重が減る
予防床の糞を毎日除去。定期的に糞便検査を受け、獣医師の指示で駆虫
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
口内に黄白色の塊
無理に取らない。柔らかい餌と水を近くに置き保温。トリコモナスは急速に悪化するため当日中に受診
首をねじる・ふらつく
低い箱に入れて壁にぶつからないよう保護。餌と水は深めの容器で。神経症状は感染症の疑いで当日中に受診
緑色の水様便
隔離して30℃前後で保温。掃除はマスクと手袋で。便の写真を撮り当日中に受診
保護したドバトが弱っている
暗い箱で保温し水と餌を置く。無理に給餌しない。都道府県の鳥獣担当窓口に連絡し指示を仰ぐ
起こりやすい怪我と予防・応急処置
翼の骨折・脱臼
予防驚かせて暴れさせない。鳩舎内の突起や金網の隙間をなくす
応急処置翼を体に沿わせタオルで軽く包む。出血はガーゼで圧迫。当日中に受診
糸・髪の毛の足絡み
予防床の糸・釣り糸・髪の毛をこまめに除去。保護個体は足を必ず確認
応急処置足を温めてから小さなハサミで糸を切る。食い込みや壊死があれば受診
猫・猛禽による外傷
予防鳩舎は猫が入れない構造に。放鳩は猛禽の活動時間を避ける
応急処置出血を圧迫し暗い箱で保温。傷が小さくても感染や内臓損傷があり即受診
窓・電線への衝突
予防室内放鳥時はカーテンを閉め窓に印を付ける。放鳩は天候の良い日に
応急処置暗い箱で安静・保温。ふらつき・出血・目の異常があれば当日中に受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
オウム病
感染経路乾燥した糞の粉じん・分泌物の吸入
予防掃除はマスク着用で糞を湿らせてから。妊婦・高齢者は世話を避ける
クリプトコッカス症
感染経路糞で汚れた土や粉じんの吸入
予防古い糞をためない。掃除時はマスク。免疫が低い人は鳩舎に入らない
サルモネラ症
感染経路糞に触れた手からの経口感染
予防世話の後は石けんで手洗い。飼育器具を台所で洗わない
トリサシダニ(皮膚炎)
感染経路鳩や巣から人の皮膚へ移る
予防巣や古い敷料を放置しない。かゆみが出たら鳩舎を清掃し受診
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 鳩用配合穀物(トウモロコシ・豆類)を朝夕2回
- グリット(小石)とミネラル塩を常備
- 青菜を少量。保護ドバトも同じ餌でよい
水
- くちばしが入る深さの飲み水を常時
- 水は毎日交換し容器をよく洗う
与えてはいけないもの
- パン・ご飯だけの給餌(栄養失調)
- アボカド・チョコレート・ネギ類
- カビた穀物・塩分の強い食品
おもちゃ・遊び
- 浅い皿での水浴び(週2〜3回)
- 床に穀物をまいて探させる
- つがいや仲間との交流が最大の刺激
巣・寝床・隠れ家
- 巣皿(ネストボウル)に藁か麻ひも
- 止まり木は1羽ずつ座れる仕切り付き
床材・トイレ
- 新聞紙・ペットシーツを毎日交換
- 床材は湿らせず乾燥を保つ
- 糞は粉じん化する前に除去する
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
木製鳩舎+金網。室内は大型鳥かご。掃除しやすい構造
大きさ・広さ
1羽あたり幅60cm以上。鳩舎は1羽0.3㎡以上
配置・レイアウト
- 止まり木・餌・水を糞の落ちない位置に
- 巣皿は静かな高所に配置
- 水浴び皿は取り外せる場所に
設置場所の注意
- 換気が良く直射日光と雨を避ける場所
- 猫・ネズミ・野鳥が入れない構造
運動・部屋んぽ・散歩
- レース鳩は訓練した放鳩を毎日
- 室内飼いは窓を閉め1日1時間放鳥
- 保護ドバトは放鳥せず室内で運動
温湿度管理
適温10〜28℃。病鳥は30℃前後で保温
適湿度40〜60%。湿気とカビを避ける
夏・冬の対策
- 夏は日陰・換気と新鮮な水を確保
- 冬は風除けと隙間風の防止、水を凍らせない
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
伸びたら血管を避けて先端を少し切る。不安なら獣医師へ
ブラッシング・皮膚被毛ケア
ブラシ不要。水浴び皿を週2〜3回用意し羽を清潔に保つ
その他のケア
くちばしの伸びすぎ・足のかさぶた・鼻こぶの汚れを確認
外敵からの保護
- 鳩舎に猫・イタチが入れない金網
- 放鳩は猛禽の多い時間と場所を避ける
- 蚊よけの網でポックスを防ぐ
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
小石は必要だがガラス・ビニール片・釣り糸は危険。床の小物を片付ける。食欲低下や吐き戻しは受診
踏みつけ
床を歩き回るため足元を確認。踏んだら翼や脚を触らず暗い箱で安静、歩けなければ受診
挟まれ
扉やかごの引き戸に翼や脚を挟む。開閉はゆっくり、鳩の位置を確認してから閉める
落下・転落
飛べるため落下は少ないが、翼を切った鳩や病鳥は高所から落ちる。低い場所で安静にさせる
逸走・脱走
窓・扉を二重に。レース鳩は帰巣するが、保護ドバトは帰らない。逃げたら餌場に仲間と餌を置き待つ
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 翼で叩かれても振り払わない
- くちばしをつままれても引っ張らない
安全な引き離しの手順
- 動きを止め静かにする
- 空いた手で背中から翼ごと包む
- 力が抜けたらくちばしを軽く持ち外す
- かごに戻して落ち着かせる
引き離した後の処置
鳩の噛みつきは軽い。傷があれば流水で洗い消毒。腫れれば人の病院へ
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- ぐったりして起き上がれない
- 猫や猛禽に襲われた・出血が止まらない
- 開口呼吸で苦しそう
- けいれん・激しい神経症状
当日中に受診
- 口内の塊で食べられない
- 首をねじる・ふらつく
- 緑色の水様便が続く
受診時に伝えること・持ち物
便の写真・餌・同居鳩の様子・保護個体なら保護場所と日時。鳥を診る病院へ事前連絡
意識・呼吸・心拍の確認
- 意識:接触や音に反応するか
- 呼吸:胸の上下を見る。安静時1分約30〜40回
- 心拍:胸に耳を当て確認。1分約200回前後
蘇生の手順
- 胸部圧迫は骨折の危険があり推奨されない
- まず30℃前後で保温し暗い静かな箱へ
- 首を伸ばし気道を確保、口内の塊は触らない
- 反応が弱ければ保温したまま即受診
止血
- 清潔なガーゼで5分以上圧迫
- 羽軸の出血は根元から抜かず圧迫し受診
- 止まらなければ圧迫したまま受診
搬送方法
- タオルを敷いた暗い箱かキャリーに
- カイロで保温し揺らさず静かに運ぶ
ケースメソッドで学ぶ
