ウズラ
Photo by Patrick Mayor on Unsplash

鳥類

ウズラ

ヒメウズラ・ニホンウズラ

最重要:天井を低く柔らかく。驚かせない飼育が命を守る

基本情報

寿命
ヒメウズラ3〜5年、ニホンウズラ2〜5年
体重
ヒメウズラ40〜50g、ニホンウズラ100〜150g
性格
臆病で驚くと垂直に飛び上がる。慣れれば穏やか
飼育難易度
中(頭部外傷・卵詰まり・衛生管理)
法規制
家畜伝染病予防法の家禽。飼養者は定期報告義務
最重要ポイント
天井を低く柔らかく。驚かせない飼育が命を守る

生態と特徴

体の特徴
丸い体に短い尾。飛ぶのは苦手だが驚くと真上に跳び上がる。産卵能力が高く雌は毎日産む
原産地・分布
ニホンウズラは日本・東アジア、ヒメウズラは東南アジア〜豪州
野生での生息環境
草原・農耕地・湿地の地表。草むらに潜んで暮らす地上性の鳥
活動時間・睡眠
昼行性で薄明薄暮に活発。夜は地面にうずくまって眠る
社会性・人との関係
小さな群れで生活。繁殖期の雄は縄張り争いで激しくつつく

特徴的な行動・習性

かかりやすい病気と予兆の見方・予防

卵詰まり(卵塞)

予兆雌が床でうずくまり力む、尾を上下に振る、下腹部が膨らむ、脚のふらつき、排便がない

予防カルシウムとビタミンD3を含む餌を常備。日照14時間超を避け産卵過多を防ぐ

産卵過多・低カルシウム

予兆殻の薄い卵や軟卵、産卵後の脱力、脚の震え、骨折しやすい、羽のパサつき

予防日照を10〜12時間に抑えて発情を抑制。ボレー粉・カトルボーンを常設し受診で相談

コクシジウム症

予兆水様便や血便、羽を膨らませてうずくまる、食欲低下、急激な体重減少、若鳥で死亡

予防床材を毎日交換し湿った床を放置しない。新入りは2週間隔離し便検査を受ける

鳥インフルエンザ

予兆元気消失、急死、神経症状、脚や顔の腫れ・変色、呼吸困難、複数羽が同時に発症

予防野鳥との接触を遮断し防鳥ネット設置。複数羽の急死は家畜保健衛生所に連絡

脚の変形・ペローシス

予兆脚が外側に開く、歩行困難、関節の腫れ、うずくまったまま動かない、片脚を浮かせる

予防滑る床を避け滑り止めマットを敷く。ヒナ期から栄養バランスのよい専用飼料を使う

眼・気道の感染症

予兆目の腫れや涙、まぶたの癒着、くしゃみ、鼻水、開口呼吸、鼻孔のかさぶた

予防換気を良くしアンモニア臭を防ぐ。床材の粉塵を避け湿度を保つ。早期受診

病気の予兆チェックリスト

毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。

病気の応急処置

卵詰まりの疑い

28〜30℃に保温し暗く静かに。腹部を押さない。2〜3時間産めなければ当日受診、ぐったりなら即受診

血便・水様便

床材を全交換し他個体と隔離。便を写真に撮り乾かないよう袋に入れて当日受診。保温を忘れず

羽を膨らませ動かない

28〜30℃で保温し餌と水を近くに置く。1時間で改善しなければ当日受診。急死の可能性あり

脚を引きずる・開く

滑らない床に移し動きを制限。無理に脚を伸ばさない。ヒナは数日以内、成鳥の急な跛行は当日受診

起こりやすい怪我と予防・応急処置

頭部外傷(跳び上がり)

予防天井を30cm以下にし柔らかいネットや布を張る。急な物音や上からの手を避ける

応急処置暗く静かな箱に入れ保温。出血は清潔なガーゼで軽く押さえる。ふらつきや痙攣は即受診

つつき傷・頭皮剥離

予防雄は1羽ずつ飼う。隠れ家を複数置き過密を避ける。出血個体はすぐ隔離

応急処置単独ケージに隔離し傷を生理食塩水で洗う。他の個体がつつくので戻さない。当日受診

脚の骨折・捻挫

予防脚が挟まる金網床を避ける。床材を平らに敷き段差をなくす。カルシウムを十分に

応急処置狭い箱で動きを制限し自分で添え木をしない。保温して当日受診。ぐったりなら即受診

爪・くちばしの折れ

予防爪は定期的に切る。ケージの網目に引っ掛けないよう目の細かいものを選ぶ

応急処置出血は止血剤か片栗粉で押さえ5分圧迫。くちばしの折れは食事不能なので当日受診

動物由来感染症(人にうつる病気)

サルモネラ症

感染経路糞便・卵殻・ケージに触れた手から経口

予防世話の後と卵を扱った後は石けんで手洗い。卵は洗わず冷蔵し十分加熱

鳥インフルエンザ

感染経路感染鳥の糞便・分泌物の吸入・接触

予防野鳥を近づけない。複数羽の急死時は素手で触らず家畜保健衛生所へ連絡

カンピロバクター症

感染経路糞便で汚れた手・器具から経口

予防ケージの掃除は専用手袋で。飼育器具を台所で洗わない

オウム病(クラミジア)

感染経路乾いた糞の粉塵吸入

予防掃除は霧吹きで湿らせてから。発熱や咳が続けば鳥の飼育を医師に伝える

飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材

餌

  • ウズラ・ニワトリ用配合飼料を主食に常時給餌
  • ボレー粉・カトルボーンを別容器で常設
  • 小松菜・豆苗などの青菜を少量毎日

水

  • 浅い容器か給水器で毎日交換。ヒナは溺れない深さに
  • 夏は1日2回交換し緑のぬめりを洗い落とす

与えてはいけないもの

  • アボカド・チョコレート・ネギ類・果物の種
  • 塩分の多い人の食べ物・パン・菓子
  • 湿ってカビた餌・古い配合飼料

おもちゃ・遊び

  • 砂浴び用の容器(焼き砂・鳥用の砂)
  • 青菜を吊るして探餌行動を引き出す
  • 干し草や藁を敷いて潜れる場所を作る

巣・寝床・隠れ家

  • 暗く入れる隠れ家(木箱・ウズラ用シェルター)
  • 複数羽なら隠れ家を羽数以上設置

床材・トイレ

  • ペットシーツの上に牧草・パインチップ
  • 金網床は脚を痛めるので平らな床にする
  • 糞で湿った部分は毎日交換

飼養環境:ケージ・運動・温湿度

ケージ・ハウスの素材

プラケース・衣装ケース・低い木製ケージ。金網天井は不可

大きさ・広さ

1羽60×40cm以上、高さ30cm以下か柔らかい天井

配置・レイアウト

  • 天井にネット・布・スポンジを張る
  • 隠れ家と砂場を離して配置
  • 餌・水は入口近くで交換しやすく

設置場所の注意

  • 人の足音や上からの影が見えない静かな場所
  • 直射日光と冷房の風が当たらない場所

運動・部屋んぽ・散歩

  • 部屋んぽは柵で囲った床で20〜30分
  • 大きな音や犬猫の接近は厳禁
  • ジャンプで机や棚に激突しない高さを確認

温湿度管理

適温成鳥20〜28℃、ヒナは生後1週35℃から徐々に下げる

適湿度40〜60%。結露とカビに注意

夏・冬の対策

  • 夏は30℃超で保冷剤・エアコンで熱中症予防
  • 冬はヒーターで15℃以上。温度計を設置

グルーミングと外敵からの保護

爪切り

伸びたら先端のみ爪切りで。血管を切ったら止血剤で圧迫。不安なら病院で

ブラッシング・皮膚被毛ケア

ブラシ不要。砂浴び容器を常設し羽毛と皮膚を清潔に保つ

その他のケア

くちばしの過長や変形は受診。週1回体重測定で変化を把握

外敵からの保護

  • 犬猫・フェレットから隔離、同室にしない
  • 野鳥・ネズミを防ぐ網と隙間の封鎖
  • 蚊・ハエを防ぎ夏は防虫ネット

飼養上の注意(事故防止)

異物誤飲

床材の細かい砂や糸くず、ビニール片を拾い食いする。細かすぎる砂と糸状の床材を避け、吐き戻しや食欲低下は受診

踏みつけ

足元に寄ってくるので踏みつけに注意。部屋んぽ中は歩かず座って接し、床に物を置かない

挟まれ

引き戸・ケージの扉・衣装ケースの蓋に挟まれやすい。扉はゆっくり閉め、閉める前に必ず位置を確認

落下・転落

机や棚からの転落や跳び上がりによる激突。高所に置かず、抱くときは両手で胸と脚を包み低い位置で

逸走・脱走

小さな隙間から飛び出す。窓を閉めて部屋んぽ。逃げたら追わず暗くし、タオルで静かに覆って捕まえる

噛みついた時の安全な引き離し方

やってはいけないこと

  • 手を振り払う・引き抜く
  • 大声を出す・叩く

安全な引き離しの手順

  1. 動かず、くちばしが離れるのを待つ
  2. もう一方の手で視界を暗く覆う
  3. 離れたら両手で包み静かにケージへ
  4. 雄同士のつつき合いは布で視界を遮り分ける

引き離した後の処置

傷は流水で洗い消毒。ウズラの噛み傷は軽いが、腫れや痛みが続けば医療機関へ

救命救急マニュアル

今すぐ夜間救急へ(命に関わる)

  • 痙攣・首が曲がる・ふらつき
  • 頭からの出血が止まらない
  • 開口呼吸・呼吸が苦しそう
  • 横倒しでぐったり・反応がない

当日中に受診

  • 卵が出ない・床で力む
  • 血便・水様便が続く
  • 脚を引きずる・片脚を浮かせる

受診時に伝えること・持ち物

体重・産卵の有無・便の写真・飼料名。保温したキャリーで運ぶ

意識・呼吸・心拍の確認

  • 名前を呼び目が開くか反応を見る
  • 胸の上下で呼吸を確認(正常は毎分30〜50回)
  • 胸に指を当て心拍を確認(毎分300回前後)

蘇生の手順

  1. 圧迫は骨折させるので行わない
  2. 暗い箱に入れ28〜30℃に保温
  3. 気道確保のため首を伸ばし口内の異物を除く
  4. 呼吸が浅ければ酸素ボックスのある病院へ

止血

  • 清潔なガーゼで5分圧迫、こすらない
  • 爪・くちばしは止血剤か片栗粉で
  • 頭部出血は圧迫後に暗く静かに保ち受診

搬送方法

  • 小さな箱に布を敷き暗くして搬送
  • カイロをタオルで包み保温。直接触れさせない

ケースメソッドで学ぶ

ケースメソッド(状況予測シナリオ 50問)

ウズラに起こりうる病気・怪我・事故を想定した4択問題。解答・解説・課題と改善案付き。

問題を解く
QRコード
エキゾチックアニマルの救命救急法講座 開催地&日程
https://exoticpetsaver.com
実技で学びたい方は講座へ。QRコードをスマホで読み取ってください。