基本情報
- 寿命
- ヒメウズラ3〜5年、ニホンウズラ2〜5年
- 体重
- ヒメウズラ40〜50g、ニホンウズラ100〜150g
- 性格
- 臆病で驚くと垂直に飛び上がる。慣れれば穏やか
- 飼育難易度
- 中(頭部外傷・卵詰まり・衛生管理)
- 法規制
- 家畜伝染病予防法の家禽。飼養者は定期報告義務
- 最重要ポイント
- 天井を低く柔らかく。驚かせない飼育が命を守る
生態と特徴
- 体の特徴
- 丸い体に短い尾。飛ぶのは苦手だが驚くと真上に跳び上がる。産卵能力が高く雌は毎日産む
- 原産地・分布
- ニホンウズラは日本・東アジア、ヒメウズラは東南アジア〜豪州
- 野生での生息環境
- 草原・農耕地・湿地の地表。草むらに潜んで暮らす地上性の鳥
- 活動時間・睡眠
- 昼行性で薄明薄暮に活発。夜は地面にうずくまって眠る
- 社会性・人との関係
- 小さな群れで生活。繁殖期の雄は縄張り争いで激しくつつく
特徴的な行動・習性
- 砂浴びで羽を清潔に保つ。砂場がないとストレス
- 草むらに潜む習性があり隠れ家と薄暗さで落ち着く
- 雄は「グッグルルル」と大声で鳴く。早朝の鳴き声に注意
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
卵詰まり(卵塞)
予兆雌が床でうずくまり力む、尾を上下に振る、下腹部が膨らむ、脚のふらつき、排便がない
予防カルシウムとビタミンD3を含む餌を常備。日照14時間超を避け産卵過多を防ぐ
産卵過多・低カルシウム
予兆殻の薄い卵や軟卵、産卵後の脱力、脚の震え、骨折しやすい、羽のパサつき
予防日照を10〜12時間に抑えて発情を抑制。ボレー粉・カトルボーンを常設し受診で相談
コクシジウム症
予兆水様便や血便、羽を膨らませてうずくまる、食欲低下、急激な体重減少、若鳥で死亡
予防床材を毎日交換し湿った床を放置しない。新入りは2週間隔離し便検査を受ける
鳥インフルエンザ
予兆元気消失、急死、神経症状、脚や顔の腫れ・変色、呼吸困難、複数羽が同時に発症
予防野鳥との接触を遮断し防鳥ネット設置。複数羽の急死は家畜保健衛生所に連絡
脚の変形・ペローシス
予兆脚が外側に開く、歩行困難、関節の腫れ、うずくまったまま動かない、片脚を浮かせる
予防滑る床を避け滑り止めマットを敷く。ヒナ期から栄養バランスのよい専用飼料を使う
眼・気道の感染症
予兆目の腫れや涙、まぶたの癒着、くしゃみ、鼻水、開口呼吸、鼻孔のかさぶた
予防換気を良くしアンモニア臭を防ぐ。床材の粉塵を避け湿度を保つ。早期受診
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
卵詰まりの疑い
28〜30℃に保温し暗く静かに。腹部を押さない。2〜3時間産めなければ当日受診、ぐったりなら即受診
血便・水様便
床材を全交換し他個体と隔離。便を写真に撮り乾かないよう袋に入れて当日受診。保温を忘れず
羽を膨らませ動かない
28〜30℃で保温し餌と水を近くに置く。1時間で改善しなければ当日受診。急死の可能性あり
脚を引きずる・開く
滑らない床に移し動きを制限。無理に脚を伸ばさない。ヒナは数日以内、成鳥の急な跛行は当日受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
頭部外傷(跳び上がり)
予防天井を30cm以下にし柔らかいネットや布を張る。急な物音や上からの手を避ける
応急処置暗く静かな箱に入れ保温。出血は清潔なガーゼで軽く押さえる。ふらつきや痙攣は即受診
つつき傷・頭皮剥離
予防雄は1羽ずつ飼う。隠れ家を複数置き過密を避ける。出血個体はすぐ隔離
応急処置単独ケージに隔離し傷を生理食塩水で洗う。他の個体がつつくので戻さない。当日受診
脚の骨折・捻挫
予防脚が挟まる金網床を避ける。床材を平らに敷き段差をなくす。カルシウムを十分に
応急処置狭い箱で動きを制限し自分で添え木をしない。保温して当日受診。ぐったりなら即受診
爪・くちばしの折れ
予防爪は定期的に切る。ケージの網目に引っ掛けないよう目の細かいものを選ぶ
応急処置出血は止血剤か片栗粉で押さえ5分圧迫。くちばしの折れは食事不能なので当日受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
サルモネラ症
感染経路糞便・卵殻・ケージに触れた手から経口
予防世話の後と卵を扱った後は石けんで手洗い。卵は洗わず冷蔵し十分加熱
鳥インフルエンザ
感染経路感染鳥の糞便・分泌物の吸入・接触
予防野鳥を近づけない。複数羽の急死時は素手で触らず家畜保健衛生所へ連絡
カンピロバクター症
感染経路糞便で汚れた手・器具から経口
予防ケージの掃除は専用手袋で。飼育器具を台所で洗わない
オウム病(クラミジア)
感染経路乾いた糞の粉塵吸入
予防掃除は霧吹きで湿らせてから。発熱や咳が続けば鳥の飼育を医師に伝える
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- ウズラ・ニワトリ用配合飼料を主食に常時給餌
- ボレー粉・カトルボーンを別容器で常設
- 小松菜・豆苗などの青菜を少量毎日
水
- 浅い容器か給水器で毎日交換。ヒナは溺れない深さに
- 夏は1日2回交換し緑のぬめりを洗い落とす
与えてはいけないもの
- アボカド・チョコレート・ネギ類・果物の種
- 塩分の多い人の食べ物・パン・菓子
- 湿ってカビた餌・古い配合飼料
おもちゃ・遊び
- 砂浴び用の容器(焼き砂・鳥用の砂)
- 青菜を吊るして探餌行動を引き出す
- 干し草や藁を敷いて潜れる場所を作る
巣・寝床・隠れ家
- 暗く入れる隠れ家(木箱・ウズラ用シェルター)
- 複数羽なら隠れ家を羽数以上設置
床材・トイレ
- ペットシーツの上に牧草・パインチップ
- 金網床は脚を痛めるので平らな床にする
- 糞で湿った部分は毎日交換
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
プラケース・衣装ケース・低い木製ケージ。金網天井は不可
大きさ・広さ
1羽60×40cm以上、高さ30cm以下か柔らかい天井
配置・レイアウト
- 天井にネット・布・スポンジを張る
- 隠れ家と砂場を離して配置
- 餌・水は入口近くで交換しやすく
設置場所の注意
- 人の足音や上からの影が見えない静かな場所
- 直射日光と冷房の風が当たらない場所
運動・部屋んぽ・散歩
- 部屋んぽは柵で囲った床で20〜30分
- 大きな音や犬猫の接近は厳禁
- ジャンプで机や棚に激突しない高さを確認
温湿度管理
適温成鳥20〜28℃、ヒナは生後1週35℃から徐々に下げる
適湿度40〜60%。結露とカビに注意
夏・冬の対策
- 夏は30℃超で保冷剤・エアコンで熱中症予防
- 冬はヒーターで15℃以上。温度計を設置
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
伸びたら先端のみ爪切りで。血管を切ったら止血剤で圧迫。不安なら病院で
ブラッシング・皮膚被毛ケア
ブラシ不要。砂浴び容器を常設し羽毛と皮膚を清潔に保つ
その他のケア
くちばしの過長や変形は受診。週1回体重測定で変化を把握
外敵からの保護
- 犬猫・フェレットから隔離、同室にしない
- 野鳥・ネズミを防ぐ網と隙間の封鎖
- 蚊・ハエを防ぎ夏は防虫ネット
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
床材の細かい砂や糸くず、ビニール片を拾い食いする。細かすぎる砂と糸状の床材を避け、吐き戻しや食欲低下は受診
踏みつけ
足元に寄ってくるので踏みつけに注意。部屋んぽ中は歩かず座って接し、床に物を置かない
挟まれ
引き戸・ケージの扉・衣装ケースの蓋に挟まれやすい。扉はゆっくり閉め、閉める前に必ず位置を確認
落下・転落
机や棚からの転落や跳び上がりによる激突。高所に置かず、抱くときは両手で胸と脚を包み低い位置で
逸走・脱走
小さな隙間から飛び出す。窓を閉めて部屋んぽ。逃げたら追わず暗くし、タオルで静かに覆って捕まえる
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 手を振り払う・引き抜く
- 大声を出す・叩く
安全な引き離しの手順
- 動かず、くちばしが離れるのを待つ
- もう一方の手で視界を暗く覆う
- 離れたら両手で包み静かにケージへ
- 雄同士のつつき合いは布で視界を遮り分ける
引き離した後の処置
傷は流水で洗い消毒。ウズラの噛み傷は軽いが、腫れや痛みが続けば医療機関へ
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 痙攣・首が曲がる・ふらつき
- 頭からの出血が止まらない
- 開口呼吸・呼吸が苦しそう
- 横倒しでぐったり・反応がない
当日中に受診
- 卵が出ない・床で力む
- 血便・水様便が続く
- 脚を引きずる・片脚を浮かせる
受診時に伝えること・持ち物
体重・産卵の有無・便の写真・飼料名。保温したキャリーで運ぶ
意識・呼吸・心拍の確認
- 名前を呼び目が開くか反応を見る
- 胸の上下で呼吸を確認(正常は毎分30〜50回)
- 胸に指を当て心拍を確認(毎分300回前後)
蘇生の手順
- 圧迫は骨折させるので行わない
- 暗い箱に入れ28〜30℃に保温
- 気道確保のため首を伸ばし口内の異物を除く
- 呼吸が浅ければ酸素ボックスのある病院へ
止血
- 清潔なガーゼで5分圧迫、こすらない
- 爪・くちばしは止血剤か片栗粉で
- 頭部出血は圧迫後に暗く静かに保ち受診
搬送方法
- 小さな箱に布を敷き暗くして搬送
- カイロをタオルで包み保温。直接触れさせない
ケースメソッドで学ぶ
