基本情報
- 寿命
- 20〜30年
- 体重
- 90〜140g(体長約29cm)
- 性格
- 活発で遊び好き、よく喋る。縄張り意識が強い
- 飼育難易度
- 中〜高(食事管理・咬傷・騒音・長寿)
- 法規制
- 動物愛護管理法。海外では侵略的外来種で放鳥厳禁
- 最重要ポイント
- 種子偏重をやめペレット中心に。絶対に放さない
生態と特徴
- 体の特徴
- 灰緑色の体に胸の灰色、太く力強い嘴。インコで唯一、樹洞でなく小枝で巣を自作する
- 原産地・分布
- 南米原産(アルゼンチン・ブラジル南部・パラグアイなど)
- 野生での生息環境
- 温帯の草原・疎林・農地・都市部。寒さに比較的強い
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。朝夕に群れで採食し、夜は巣で10〜12時間眠る
- 社会性・人との関係
- 大群で暮らし共同の巨大な巣を作る。巣を守る縄張り意識が強い
特徴的な行動・習性
- 小枝や紙を集めて巣を作る本能が強く、ケージ内に物を運び込む
- 巣(ケージ)に近づく手を侵入者とみなし防衛のため咬む
- 人の言葉や生活音を覚えてよく喋り、朝夕は特に声が大きい
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
脂肪肝・高脂血症
予兆肥満で腹が膨らむ、嘴や爪が異常に伸びて脆い、羽色の変化、元気消失、突然の発作
予防ヒマワリ・麻の実など高脂肪種子をやめペレットと野菜中心に。毎朝の体重測定と年1回の血液検査
痛風(内臓・関節)
予兆足の関節が腫れ白い結節ができる、足を上げて止まれない、多飲多尿、元気消失
予防高たんぱく・高脂肪の偏食を避け、常に新鮮な水を。腎臓への負担を減らし定期的な血液検査
毛引き・自咬症
予兆胸や脇の羽が抜け皮膚が露出、頭だけ羽が残る、皮膚を噛み出血
予防退屈と孤独を減らす採食玩具と交流。巣材を与えすぎない。皮膚病や内臓病を検査で除外
PBFD・PDD
予兆羽の変形や脱落、嘴の異常、吐き戻し・未消化便と体重減少(PDD)
予防迎え入れ時にPCR検査。感染鳥と接触させず新入りは隔離。治療法がなく予防が全て
卵詰まり・慢性産卵
予兆雌が床でいきむ、腹が膨らむ、ふらつき、便が出ない、足の麻痺
予防巣材・巣箱を与えず発情を抑える。日照を10時間程度に。カルシウムと紫外線を確保
クラミジア症
予兆緑色の下痢、目や鼻の分泌物、呼吸が苦しい、羽を膨らませ元気がない
予防迎え入れ時に検査。糞の乾燥粉じんを吸わないよう毎日掃除し換気。人にもうつる
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
羽を膨らませ動かない
ケージを28〜30℃に保温し静かな場所へ。食べているか・便を確認し、体重記録と便を持って当日中に鳥専門病院へ
けいれん・発作
止まり木を外し床に柔らかいタオルを敷く。暗く静かにし触らず保温。脂肪肝や低カルシウムの疑い、今すぐ受診
足の腫れ・止まれない
止まり木を低くし床にタオル。痛風や骨折の可能性があり自己判断で温めず、当日中に受診して血液検査
産卵姿勢でいきむ
30℃に保温し湿度を上げ、暗く静かにして腹を押さない。2〜3時間出なければ卵詰まりとして今すぐ受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
巣材による絞扼
予防糸・紐・布の繊維・ティッシュを巣材にさせない。足に巻き付く物をケージに入れない
応急処置足指に糸が巻き付いたら無理に引かず、はさみで慎重に切る。指が紫や腫れなら当日中に受診
翼・足の骨折
予防窓や鏡に衝突しない部屋づくり。扇風機・調理中は放鳥しない。夜間のパニックに備え薄明かり
応急処置翼を自分で固定せず、小さい箱やキャリーに入れ暗くして安静・保温。今すぐ受診
出血(爪・羽軸)
予防爪切りは血管の手前まで。新しい血の通った羽(筆毛)を折らないよう扱う
応急処置爪は止血剤か片栗粉を押し当て数分圧迫。筆毛の出血は羽の根元を圧迫、止まらなければ今すぐ受診
火傷・熱傷
予防放鳥中は台所に入れない。鍋・ストーブ・電気ポットを覆う。テフロン加工の過熱は中毒も起こす
応急処置患部を常温の水で数分冷やす。氷や薬を塗らない。小さく見えても今すぐ受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
オウム病(クラミジア)
感染経路乾いた糞や羽の粉じんを吸い込む・口移し
予防掃除は毎日、糞を湿らせてから拭く。発熱や肺炎症状が出たら鳥を飼うと医師に伝える
サルモネラ症
感染経路糞に触れた手から口へ
予防世話の後は必ず手洗い。食器を台所の食器と分けて洗う
鳥関連過敏性肺炎
感染経路羽の脂粉・乾いた糞の粉じんの吸入
予防換気と空気清浄機。咳や息切れが続いたら受診。掃除時はマスク
咬傷の細菌感染
感染経路咬まれた傷からパスツレラなどの細菌
予防傷は流水で洗い消毒。腫れ・発熱が出たら受診
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- ペレットを主食(食事の7割以上)。朝夕2回、1日に体重の約10%が目安
- 小松菜・パプリカ・にんじんなど野菜を毎日少量
- 種子(シード)はおやつ程度。ヒマワリ・麻の実は特に控える
水
- 毎日新鮮な水に交換。痛風予防に水切れを起こさない
- 水入れは2つ設置し、餌や糞が入ったら即交換
与えてはいけないもの
- アボカド・チョコレート・ネギ類・カフェイン・アルコール
- 塩分・脂肪の多い人の食べ物、果物の種(りんご・桃など)
- 高脂肪種子の与えすぎ(脂肪肝・高脂血症の原因)
おもちゃ・遊び
- かじれる木製・紙製の玩具。破壊欲が強いので頻繁に交換
- ペレットを隠す採食玩具で退屈と毛引きを防ぐ
- ステンレス製ベルやロープは繊維が絡まらない物を選ぶ
巣・寝床・隠れ家
- 巣箱・巣材は発情と巣作り本能を強めるため基本的に与えない
- 夜は止まり木で休ませ、ケージにカバーをかけて安心させる
床材・トイレ
- 底は新聞紙やキッチンペーパーを毎日交換し便を観察
- 床に紙を細く裂いて敷くと巣材として運ぶので避ける
- グリットや砂は不要。敷材の誤飲に注意
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
ステンレスか安全な塗装の金属製。嘴が強いので木製や樹脂製は不可
大きさ・広さ
幅60×奥行45×高さ60cm以上。放鳥時間が短ければさらに広く
配置・レイアウト
- 太さの違う天然木の止まり木を2本以上、高低差をつけて設置
- 餌入れと水入れは糞が落ちない位置に。止まり木の真下を避ける
- 玩具は1〜3個をローテーションし、巣になる隠れ場所は作らない
設置場所の注意
- 家族の気配がある静かな壁際に置き、ケージを頻繁に動かさない
- 台所・直射日光・エアコンの風が当たる場所は避ける
運動・部屋んぽ・散歩
- 1日2〜3時間の放鳥。窓・鏡を覆い、扉と換気扇を閉めて事前点検
- ケージの外では手を乗せると咬まれにくく、ケージ内に手を入れない
- 床を歩いて物を拾い集める習性があるので足元に注意
温湿度管理
適温20〜28℃。寒さに比較的強いが病鳥や幼鳥は28〜30℃
適湿度50〜60%。乾燥しすぎると羽や呼吸器に負担
夏・冬の対策
- 夏:直射日光と締め切った部屋の熱中症に注意、エアコンで28℃以下
- 冬:15℃を下回る夜はカバーとヒーター。急な温度変化を避ける
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
伸びすぎは月1回程度、血管の手前まで。自信がなければ病院で。止血剤を常備
ブラッシング・皮膚被毛ケア
ブラッシング不要。週2〜3回の水浴びか霧吹きで羽と皮膚を清潔に保つ
その他のケア
嘴は自然に削れる。異常に伸びる・変形は肝疾患のサインなので受診。日光浴を週数回
外敵からの保護
- 犬・猫・フェレットと同じ部屋で放鳥しない。ケージも手の届かない場所に
- ベランダに出さない。カラス・猛禽が狙う。逃げれば回収困難
- 蚊帳やネットで蚊を防ぐ(鳥ポックスの媒介)。網戸は必ず閉める
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
巣作り本能で糸・輪ゴム・ビーズ・紙片・金属片を口に運ぶ。放鳥前に床と机を片付け、誤飲が疑われたら吐かせず今すぐ受診
踏みつけ
床を歩いて巣材を集めるので足元を見て歩く。ドアを開ける時、ソファに座る時は居場所を確認する
挟まれ
ドアの蝶番側・引き出し・ケージ扉に挟まれやすい。放鳥中はドアを固定し、ケージ扉の開閉は鳥の位置を確認してから
落下・転落
羽を切っていると落下で胸骨を打つ。高所から落ちたら保温し、足の動きや呼吸を確認して当日中に受診
逸走・脱走
海外で侵略的外来種になった種で放鳥は厳禁。二重扉で防ぎ、逃げたら名前を呼びケージを外に置き、早朝夕方に呼び戻す。警察と保健所に届け出
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 手を振り払う・引っ張る(嘴が裂け、噛みが深くなる)
- 叩く・怒鳴る・ケージに戻して罰する
安全な引き離しの手順
- 動きを止めて声を出さず、嘴の力が緩むのを待つ
- もう片方の手で鳥の胸をそっと押し、体を後ろに傾ける
- 離れたら静かに止まり木へ戻し、しばらく構わない
- ケージ内に手を入れて噛まれた場合は入れない方法に変える
引き離した後の処置
傷は流水で洗い消毒。深い傷・腫れ・発熱があれば皮膚科・外科を受診。噛んだ状況を記録し環境を見直す
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- けいれん・発作、ぐったりして床に落ちている
- 開口呼吸、呼吸のたびに尾が上下する
- 出血が止まらない、翼や足が垂れている
- 産卵姿勢でいきんで数時間出ない、腹が張る
当日中に受診
- 丸一日食べない、体重が5%以上減った
- 足の関節が腫れて止まれない
- 緑色の下痢・未消化便が続く
受診時に伝えること・持ち物
体重記録、便のついた紙、食事内容(種子の割合)、最後に食べた時刻、発情・産卵歴、同居の鳥
意識・呼吸・心拍の確認
- 呼びかけと軽い刺激への反応、目を開けるか
- 胸の動きで呼吸確認。安静時は1分に約40〜60回
- 心拍は非常に速く手では測れない。胸に耳を当て鼓動を感じる
蘇生の手順
- 心臓マッサージは胸骨を痛めるため推奨されない
- 暗く静かな小箱に入れ、28〜30℃に保温し刺激を避ける
- 気道を確保するため首を伸ばし、口の中の餌や粘液をそっと除く
- 酸素が必要なら病院で。搬送しながら電話で状況を伝える
止血
- 爪・嘴の出血は止血剤か片栗粉を押し当て圧迫
- 筆毛の出血は羽の根元をガーゼで数分圧迫
- 体幹の出血はガーゼで圧迫し保温しながら今すぐ受診
搬送方法
- 小さいキャリーかプラケースに布を敷き、暗くしてカイロで保温(直接触れさせない)
- 止まり木は外し、揺らさず水平に持って運ぶ。移動中は話しかけすぎない
ケースメソッドで学ぶ
