猛禽類
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鳥類

猛禽類

フクロウ・ミミズク・ハリスホークなど

最重要:冷凍マウス・ヒヨコを解凍給餌。ペレット(吐き戻し)を毎日確認

基本情報

寿命
小型フクロウ10〜15年、大型フクロウ・ハリス20〜30年
体重
コノハズク100g〜ワシミミズク3kg、ハリス700g〜1.2kg
性格
警戒心が強く単独性。慣れても野生の本能が強い
飼育難易度
高(生餌・鋭い爪・専門病院が少ない・法規制)
法規制
種によりCITES附属書Ⅰ・Ⅱ。国内野生種は鳥獣保護法で飼育不可
最重要ポイント
冷凍マウス・ヒヨコを解凍給餌。ペレット(吐き戻し)を毎日確認

生態と特徴

体の特徴
鋭い鉤爪と嘴で獲物を捕らえる。フクロウは音のしない羽と広い首の可動域、ハリスは鋭い視力を持つ
原産地・分布
フクロウ類は世界各地、ハリスホークは南北アメリカの乾燥地帯
野生での生息環境
森林・草原・砂漠など種により多様。高い木や崖に止まる
活動時間・睡眠
フクロウは夜行性〜薄明薄暮性、ハリスホークは昼行性
社会性・人との関係
多くは単独性で縄張りを持つ。ハリスホークは例外的に群れで狩る

特徴的な行動・習性

かかりやすい病気と予兆の見方・予防

バンブルフット(趾瘤症)

予兆足裏が赤く腫れる、かさぶた・潰瘍、片足立ちや止まり木を嫌がる、跛行

予防止まり木は人工芝・ロープ巻き・コルクで太さを変える。肥満を防ぎ、爪と足裏を毎週点検

アスペルギルス症

予兆開口呼吸、呼吸音の異常、声の変化、体重減少、元気消失。ストレス後に発症しやすい

予防換気とカビの生えない清潔な環境。長距離移動・環境変化などストレスを避ける。早期発見が鍵

ペレット異常

予兆ペレット(未消化物の吐き戻し)が出ない、悪臭、粘液が多い、吐き戻しに時間がかかる

予防毎日ペレットの回数・形・臭いを記録。餌に骨・羽毛を含めて自然な形に。異常が2日続けば受診

代謝性骨疾患

予兆幼鳥に多い。骨の変形、翼や脚の骨折、飛べない、けいれん

予防むき身の肉だけを与えない。骨・内臓ごとの全体食(ホールプレイ)とカルシウム・紫外線

寄生虫症

予兆痩せる、下痢、口内の白い塊(トリコモナス)、呼吸音異常(気嚢ダニ)、羽艶低下

予防迎え入れ時と年1〜2回の糞便検査。生餌は信頼できる冷凍餌を使用、野鳥・野ネズミを与えない

熱中症

予兆開口呼吸、翼を広げて下げる、ふらつき、ぐったりして反応が鈍い

予防夏は日陰と風通し、25℃以上は空調。屋外係留は直射日光を避け、水浴び容器を常設

病気の予兆チェックリスト

毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。

病気の応急処置

ペレットが出ない

そのう(首元)が張っていれば絶食し保温。翌日も出ない・嘔吐・悪臭があれば当日中に受診。無理に押さない

足裏の腫れ・跛行

止まり木を柔らかい素材に交換し体重を減らす。自己判断で薬を塗らず、腫れ・傷があれば数日以内に受診

開口呼吸・呼吸音

刺激を避け静かな暗い場所で安静。アスペルギルスは進行が速いため当日中に受診。酸素室があれば使用

ぐったり・熱中症

涼しい場所に移し足と翼下を水で濡らして送風。意識が戻っても当日受診。氷水に浸けない

起こりやすい怪我と予防・応急処置

翼・脚の骨折

予防係留はリーシュの長さと絡まりを点検。飛行中の衝突を防ぎ、鎖でなく革製ジェスを使用

応急処置触らず頭を布で覆い落ち着かせ、箱に入れ暗く保温。自分で固定せず当日中に受診

爪・嘴の破損

予防爪と嘴の伸びすぎを定期チェック。硬い金属や網に絡む環境を避ける

応急処置出血はガーゼ圧迫、止血剤。嘴の欠け・爪の根元からの脱落は当日受診

ジェスによる擦過傷

予防ジェス・アンクレットは適正サイズで柔らかい革。定期的に足環部の皮膚を点検

応急処置傷は生理食塩水で洗い、ジェスを外して安静。赤み・腫れが広がれば受診

衝突・打撲

予防室内フリーフライトは窓・鏡に目印。フライトトレーニングは開けた安全な場所

応急処置暗く保温して安静。首の傾き・出血・翼の垂れがあれば即受診

動物由来感染症(人にうつる病気)

サルモネラ症

感染経路生餌・糞に触れた手からの経口感染

予防餌の準備と世話の後は手洗い。餌用まな板・器具を分け消毒

オウム病

感染経路乾燥糞・粉塵の吸入、口移し

予防掃除は霧吹きで湿らせマスク。発熱や肺炎は鳥飼育を医師に伝える

爪・咬傷による感染

感染経路鋭い爪(タロン)や嘴による傷

予防扱いは必ずグローブ。傷は流水で洗い、深い・腫れれば外科受診

鳥インフルエンザ

感染経路野鳥・野ネズミの餌や糞との接触

予防野生の獲物を与えない。屋外係留中の野鳥接触を避け、異常死は家畜保健所へ

飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材

  • 冷凍マウス・ヒヨコ・ウズラを完全解凍し、1日1回夕方に給餌
  • 体重の8〜15%を目安に、毎朝計量して増減を調整
  • 骨・羽・内臓を含めた全体食。肉だけは栄養失調

  • 水浴びと飲水用の浅く広い容器を毎日交換
  • 解凍餌から水分を摂るが夏は特に清潔な水を常設

与えてはいけないもの

  • 野生のネズミ・野鳥(寄生虫・毒物・鳥インフル)
  • 半解凍・再冷凍した餌、傷んだ餌、豚肉・脂身
  • 生のヒヨコ卵黄嚢の与えすぎ、加工肉・味付け肉

おもちゃ・遊び

  • 玩具は少なく、餌の隠し場所で探索させる
  • ジェス・リーシュ・グローブは訓練道具として日々点検
  • 水浴び容器で羽の手入れを促す

巣・寝床・隠れ家

  • 止まり木(パーチ)は人工芝・ロープ巻きで太さ違い
  • 巣箱は不要。落ち着けるカバー付きの隠れ場所を

床材・トイレ

  • 床には新聞紙やペットシーツを毎日交換
  • 糞(尿酸)で汚れた止まり木は毎日拭く
  • 屋外係留は砂利・人工芝で清掃しやすく

飼養環境:ケージ・運動・温湿度

ケージ・ハウスの素材

木製フレームに縦格子や網。翼を傷めない柔らかい網、金属網は不可

大きさ・広さ

翼を広げても壁に届かず、羽ばたける奥行き。大型は2m四方以上

配置・レイアウト

  • 止まり木は高さを変え、壁から翼が当たらない距離に
  • 水浴び容器と餌台は糞が落ちない位置
  • 出入口は二重扉で逸走を防ぐ

設置場所の注意

  • 直射日光・エアコン風・騒音・人の往来の激しい場所を避ける
  • 屋外は野鳥・猫・カラスが侵入しない構造にする

運動・部屋んぽ・散歩

  • フリーフライトは訓練済みの個体のみ、開けた場所で
  • 係留(ブロックパーチ)は1日数時間、必ず目の届く範囲で
  • 夕方の給餌を運動後に行うと訓練しやすい

温湿度管理

適温15〜25℃。多くは寒さに強く暑さに弱い

適湿度50〜60%。カビ(アスペルギルス)を防ぐ換気

夏・冬の対策

  • 夏:直射日光を避け25℃以下、水浴びと送風、屋外係留は日陰
  • 冬:北方種は寒さに強いが風雨と結露を防ぐ。熱帯種は保温

グルーミングと外敵からの保護

爪切り

爪(タロン)は伸びすぎると足裏を刺す。専用ニッパーで先端のみ、自信がなければ専門病院で

ブラッシング・皮膚被毛ケア

不要。羽は水浴びと自らの手入れで整う。羽の折れ・抜けは飛行に影響するため記録し受診

その他のケア

嘴は自然摩耗、伸びすぎはコーピングを獣医師に依頼。足裏・ジェス部の皮膚を毎週確認

外敵からの保護

  • 屋外係留中はカラス・猫・イタチ・トビの襲撃を防ぐ
  • 犬・猫と同じ空間に置かず、係留時は目を離さない
  • 蚊・ダニは網戸・清掃で防ぎ、野鳥との接触を遮断

飼養上の注意(事故防止)

異物誤飲

リーシュ・ゴム・糸・小さな金属を飲み込む。餌に異物が混じらないよう管理し、飲み込んだ・そのうが張れば至急受診

踏みつけ

床に降りることは少ないが、傷病時は床にいる。足元の確認と、扱いは必ずグローブと落ち着いた動作で

挟まれ

扉・網の隙間に足指や翼が挟まる。ジェス・リーシュの絡まりで宙吊りになる事故が多い。係留中は必ず見守る

落下・転落

リーシュ絡まりや骨折で止まり木から落ちる。床に柔らかい素材を敷き、落ちて動けなければ骨折を疑い即受診

逸走・脱走

ジェスの劣化・扉の二重化を点検。逃げたら餌で呼び戻し、テレメトリーがあれば追跡。警察・保健所へ届出し近隣に周知

噛みついた時の安全な引き離し方

やってはいけないこと

  • 爪をつかまれた手を引き抜く(深く食い込む)
  • 叩く・叫ぶ(さらに強く握る)

安全な引き離しの手順

  1. 動きを止め、鳥の足の位置を確認する
  2. 頭を布で覆い暗くして落ち着かせる
  3. 足指を1本ずつ後ろから開き、ゆっくり離す
  4. 止まり木や腕に乗せ、しばらく距離を置く

引き離した後の処置

爪傷は深く感染しやすい。流水で洗い圧迫止血、赤み・腫れ・熱感が出れば外科受診

救命救急マニュアル

今すぐ夜間救急へ(命に関わる)

  • 開口呼吸・翼を下げて呼吸が苦しそう
  • 骨折の疑い・翼が下がる
  • 出血が止まらない・けいれん
  • ぐったりして反応がない・熱中症

当日中に受診

  • ペレットが2日出ない・嘔吐
  • 食欲低下・体重5%以上減少
  • 足裏の腫れ・傷、跛行

受診時に伝えること・持ち物

体重・給餌・ペレットの記録、便の写真、餌の種類、CITES登録票。猛禽診療可か事前確認

意識・呼吸・心拍の確認

  • 呼吸:胸の上下、開口・翼の下がりを観察
  • 心拍:胸骨の横に手を当て速い拍動を感じるか
  • 意識:頭を覆い刺激に対する反応・瞳の動きを確認

蘇生の手順

  1. 鳥に心臓マッサージは危険。頭を覆い暗く静かに
  2. 適温(15〜25℃、幼鳥は暖かめ)で安静
  3. 嘴・鼻孔の汚れを拭き気道を確保、酸素室があれば使用
  4. 上記をしながら猛禽診療可の病院に電話し即搬送

止血

  • 清潔なガーゼで患部を数分圧迫
  • 爪・嘴の出血は止血剤か片栗粉を押し当てる
  • 翼や体幹の出血は圧迫しながら搬送

搬送方法

  • 頭を覆うフードまたは布で暗くし、キャリーは翼が広がらない大きさ
  • 床に滑らない敷物、静かに揺らさず、冷暖房を直接当てない

ケースメソッドで学ぶ

ケースメソッド(状況予測シナリオ 50問)

猛禽類に起こりうる病気・怪我・事故を想定した4択問題。解答・解説・課題と改善案付き。

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