カメ
Photo by Wexor Tmg on Unsplash

爬虫類・両生類

カメ

リクガメ(ヘルマン等)・ミズガメ(クサガメ・アカミミガメ等)

最重要:紫外線灯と保温を欠かすと甲羅とくる病に直結

基本情報

寿命
リクガメ30〜50年以上、ミズガメ20〜40年
体重
種で大差。ヘルマン1〜3kg、アカミミガメ1〜2kg
性格
穏やかで人に慣れる。オス同士は闘争しやすい
飼育難易度
中〜高(紫外線・温度管理、寿命が長い)
法規制
アカミミガメは条件付特定外来生物、放流・譲渡禁止
最重要ポイント
紫外線灯と保温を欠かすと甲羅とくる病に直結

生態と特徴

体の特徴
甲羅は背骨と肋骨が変化したもので痛覚がある。歯はなく嘴で噛む。リクガメは寿命30年超
原産地・分布
ヘルマンは地中海沿岸、クサガメは東アジア、アカミミガメは北米原産の外来種
野生での生息環境
リクガメは乾燥した草原や低木林。ミズガメは池や川で日光浴する
活動時間・睡眠
昼行性。日光浴で体温を上げる。冬は冬眠する種が多い
社会性・人との関係
単独性。縄張りは弱いが同居で噛み合う。人を餌の合図で覚える

特徴的な行動・習性

かかりやすい病気と予兆の見方・予防

代謝性骨疾患(くる病)

予兆甲羅が柔らかい・ピラミッド状に盛り上がる・手足の震え・歩けない

予防UVB灯を半年ごと交換、カルシウム粉を餌にかける、リクガメは日光浴

甲羅の腐れ・甲羅剥離

予兆甲羅に白斑や穴、悪臭、甲板がめくれる、出血や膿

予防水替えと乾燥できる陸場を用意、汚れた水で飼わない、甲羅の傷は受診

呼吸器感染症(肺炎)

予兆口を開けて呼吸、鼻水・泡、水面で体が傾く、首を伸ばして呼吸

予防低温と急な温度変化を避ける、換気しつつ適温を維持、早期受診

結膜炎・ビタミンA欠乏

予兆まぶたが腫れて開かない、目やに、食欲低下、皮膚のただれ

予防ミズガメは配合飼料主体に、リクガメは緑黄色野菜を与える

卵詰まり(卵塞)

予兆メスが落ち着かず穴を掘る、食欲不振、力む、後肢の麻痺

予防産卵床(湿った土や砂)を常設、カルシウム不足を防ぐ、単独でも産卵する

腸閉塞・寄生虫

予兆便が出ない、下痢、便に虫、食欲低下、体重減少

予防床材の誤食を防ぐ、野外採集の餌を避ける、購入後に検便を受ける

病気の予兆チェックリスト

毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。

病気の応急処置

開口呼吸・鼻水

肺炎の疑い。ケージを30℃前後に保温し、ミズガメは浅い水に移して溺れを防ぎ、当日中に受診

甲羅が柔らかい

くる病の疑い。転倒や落下を避け、UVB灯とカルシウムを確認。自己判断で治らないので早期受診

目が開かない

目を無理に開けない。清潔な温水で飼育環境を洗い、ビタミンA不足や感染の可能性があるため数日以内に受診

便が出ない・拒食

30℃前後のぬるま湯に10〜15分温浴し排泄を促す。床材誤食や卵詰まりの恐れ、2日続けば受診

起こりやすい怪我と予防・応急処置

甲羅の割れ・ひび

予防高所に置かない、机や棚から落とさない、犬や他のカメと同居させない

応急処置破片を外さず清潔なガーゼで覆い、水に入れず乾いた箱で保温、当日中に受診

ひっくり返り

予防傾斜や段差を減らす、転倒しても戻れるよう障害物を配置、留守中は平坦に

応急処置すぐ元に戻す。長時間放置は窒息・熱死の恐れ、ぐったりなら保温して受診

咬傷・闘争傷

予防オス同士や体格差のある個体を同居させない、餌は別々に与える

応急処置流水で洗い出血は圧迫、しっぽや手足の欠損・骨の露出は当日中に受診

熱傷(ヒーター)

予防保温球やヒーターに直接触れない距離と保護カバー、温度計で管理

応急処置冷たすぎない水で冷やし、患部に何も塗らず乾いた清潔な容器で受診

動物由来感染症(人にうつる病気)

サルモネラ症

感染経路カメの体表・糞・飼育水に触れた手からの経口感染

予防触った後は石けんで手洗い、台所で水槽を洗わない、乳幼児は触らせない

皮膚糸状菌症

感染経路カメの皮膚・甲羅との接触

予防傷のある手で扱わない、飼育用具を共用しない、皮膚に赤い輪ができたら受診

レプトスピラ症

感染経路汚れた飼育水・尿との接触(傷口・粘膜)

予防水替えは手袋着用、飛沫を口に入れない、発熱や筋肉痛があれば受診

エロモナス感染症

感染経路飼育水を介した傷口からの感染

予防手に傷があれば手袋、水槽の水を屋外排水で処理、傷が腫れれば受診

飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材

  • リクガメ:小松菜・チンゲン菜など葉野菜を毎日、成体は週5〜6日
  • ミズガメ:カメ用配合飼料を主食、幼体は毎日、成体は2〜3日に1回
  • カルシウム粉を週2〜3回、リクガメは牧草・野草も

  • リクガメ:浅い水入れと週2〜3回の温浴で水分補給
  • ミズガメ:飼育水が飲み水、毎日〜2日に1回全換水

与えてはいけないもの

  • ほうれん草・キャベツばかり(シュウ酸・甲状腺腫)
  • ドッグフード・肉や果物の与えすぎ(肥満・腎障害)
  • 冷たい餌や野外採集の虫(寄生虫・農薬)

おもちゃ・遊び

  • ゆるい起伏やスロープで歩き回れる地形
  • 餌を隠して探させる、餌を少し高い岩に置く
  • リクガメは屋外散歩、ミズガメは広い泳ぎ場

巣・寝床・隠れ家

  • リクガメ:温度勾配のある薄暗いシェルター
  • ミズガメ:完全に体が乾く陸場と水中の隠れ場所

床材・トイレ

  • リクガメ:ヤシガラ・土系、誤食しやすい砂や細かいウッドチップは不可
  • ミズガメ:底砂なし(ベアタンク)が清潔で管理しやすい
  • 産卵床として湿った土を深さ体高の2倍以上に

飼養環境:ケージ・運動・温湿度

ケージ・ハウスの素材

衣装ケース・木製ケージ、ミズガメは水槽(ガラス・プラ)

大きさ・広さ

甲長の5倍×3倍以上、成体は90cm以上を目安に

配置・レイアウト

  • ホットスポット(バスキング)と涼しい側で温度勾配
  • UVB灯はカメから30cm前後、ガラス越し不可
  • ミズガメは全身が乾く陸場と甲羅の高さ以上の水深

設置場所の注意

  • 直射日光で密閉ケージを置かない(過熱死)
  • 床の振動や大型犬の届く場所を避ける

運動・部屋んぽ・散歩

  • リクガメは晴れた日に庭やベランダで日光浴、目を離さない
  • 屋外は脱走・カラス・農薬に注意、必ず囲いの中で
  • ミズガメも週数回の陸上運動と日光浴が有効

温湿度管理

適温昼28〜32℃、バスキング35℃前後、夜24〜26℃

適湿度ヘルマン50〜60%、ホシガメ70%以上、種で異なる

夏・冬の対策

  • 夏:室温30℃超で熱中症、水温上昇に注意、扇風機で換気
  • 冬:ヒーターで24℃以上、屋内飼育なら冬眠はさせない

グルーミングと外敵からの保護

爪切り

伸びすぎは犬用爪切りで先端のみ。血管に注意、不安なら動物病院で

ブラッシング・皮膚被毛ケア

甲羅は柔らかいブラシとぬるま湯で洗う。ワックスやオイルは塗らない

その他のケア

くちばしの伸びすぎは動物病院で削る、温浴で排泄と脱皮を促す

外敵からの保護

  • カラス・タヌキ・アライグマ:屋外飼育は金網の蓋
  • 犬・猫:甲羅を噛み割ることがある、同室で放さない
  • 蚊・ハエ:傷にウジが湧く、屋外の傷は特に注意

飼養上の注意(事故防止)

異物誤飲

砂利・細かい床材・小石を誤食して腸閉塞になる。餌は皿の上に、床材は誤食しにくい種類を選ぶ

踏みつけ

部屋に放している時に踏んで甲羅が割れる。歩き回る時は足元に注意し、人の出入りが多い所で放さない

挟まれ

ドアやケージの蓋、家具の隙間に頭や手足が挟まる。蓋は固定し、隙間に入り込める場所を塞ぐ

落下・転落

机・棚・階段・ベランダからの落下で甲羅骨折。床の上でのみ運動させ、抱いて歩く時は両手で腹甲を支える

逸走・脱走

意外に速く隙間から出る。屋外は囲いと蓋を必ず。逃げたら日陰・草むら・水辺を探し、マイクロチップ登録で発見率向上

噛みついた時の安全な引き離し方

やってはいけないこと

  • 引っ張って引き抜く(皮膚が裂ける)
  • カメを叩く・振り回す・水に沈める

安全な引き離しの手順

  1. 動かず落ち着く。多くは驚いて数秒で口を開ける
  2. カメの後脚を持ち上げて宙に浮かせ、下向きにする
  3. 口の端にぬるま湯をかけるか、鼻先に濡らした布を当てる
  4. 外れない時は木片を奥歯側にそっと差し込む

引き離した後の処置

流水で5分洗い消毒。大型種の咬傷は深いため、腫れや出血が続けば受診

救命救急マニュアル

今すぐ夜間救急へ(命に関わる)

  • 甲羅の割れ・出血・内臓の露出
  • 口を開けたまま動かず、ぐったり
  • 溺れて水中で動かない・水を吐く
  • ヒーターの熱傷、手足を引きずる

当日中に受診

  • 鼻水・泡・呼吸音、体が斜めに浮く
  • 産卵しそうで力んでも出ない
  • 3日以上食べない(幼体は1日)

受診時に伝えること・持ち物

種類・甲長・体重、温度と紫外線の設備、餌の内容、便の写真、発症日、爬虫類対応の病院か事前確認

意識・呼吸・心拍の確認

  • 刺激反応:手足や頭を触ると引っ込めるか
  • 呼吸:喉の動きを観察、正常は1分に数回
  • 心拍:首の付け根の脈、種と体温で大きく変動

蘇生の手順

  1. 体を保温(28〜30℃)して代謝を回復
  2. 溺れたら頭を下げて後脚を持ち、水を出す
  3. 首を伸ばし、前脚を出し入れして胸を動かす
  4. 数分続けたら搬送、爬虫類は仮死状態からの回復もある

止血

  • 清潔なガーゼで5分以上圧迫
  • 甲羅の傷は水に入れず乾いた状態を保つ
  • 止血剤や消毒液の使いすぎは避け受診

搬送方法

  • 布を敷いたプラケース、カイロは布で包み直接当てない
  • ミズガメは水を入れない、濡れタオルで保湿

ケースメソッドで学ぶ

ケースメソッド(状況予測シナリオ 50問)

カメに起こりうる病気・怪我・事故を想定した4択問題。解答・解説・課題と改善案付き。

問題を解く
QRコード
エキゾチックアニマルの救命救急法講座 開催地&日程
https://exoticpetsaver.com
実技で学びたい方は講座へ。QRコードをスマホで読み取ってください。