基本情報
- 寿命
- 7〜10年(室内飼育では10年超も)
- 体重
- 1〜2.5kg(小型種)。大型種は5kg超
- 性格
- 警戒心が強く繊細。慣れると人懐こい
- 飼育難易度
- 中〜高(暑さに弱い・牧草管理・病気が急変)
- 法規制
- 動物愛護管理法の対象。終生飼養と適正飼育が義務
- 最重要ポイント
- 12時間食べない・便が出ないは救急。うっ滞は命に関わる
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長30〜50cm。歯は一生伸び続ける。360度近い視野、大きな耳で放熱する
- 原産地・分布
- 欧州南西部原産のアナウサギを家畜化。日本の野ウサギとは別種
- 野生での生息環境
- 草原や低木地。地中に複雑な巣穴を掘り、天敵から身を隠して暮らす
- 活動時間・睡眠
- 薄明薄暮性で明け方と夕方に活発。昼は目を開けたまま浅く眠る
- 社会性・人との関係
- 群れで暮らす社会性が高いが縄張り意識も強い。人には慣れると甘える
特徴的な行動・習性
- 盲腸便を直接口で食べて栄養を再吸収する。床に残るなら肥満や病気の合図
- 被捕食動物のため痛みや不調を隠す。食欲と便の観察が命綱になる
- 驚くと後ろ足で床を叩く(スタンピング)。強い恐怖で背骨を折ることもある
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
消化管うっ滞
予兆食欲が落ちる・便が小さく少ない・出ない・お腹が張る・じっと動かない・歯ぎしり
予防牧草を主食にし常に食べ放題。換毛期はブラッシングを増やす。ストレスと急な食事変更を避ける
不正咬合
予兆よだれで顎が濡れる・硬い牧草を残しペレットだけ食べる・目やに・顎のしこり
予防牧草中心の食事で臼歯を摩耗させる。ペレットや野菜偏重にしない。定期的に歯を診てもらう
スナッフル
予兆くしゃみ・白い鼻水・前足の内側が鼻水で固まる・呼吸音がする
予防温度差とほこりを避け、換気する。発症すると再発しやすいので早期に受診し治療を続ける
子宮疾患
予兆メスで血尿・乳腺の腫れ・お腹のしこり・食欲低下。3歳以降の未避妊で多い
予防若いうちに避妊手術を検討する。血尿は早期受診。メスの高齢期は定期健診を
斜頸
予兆首が傾いたまま戻らない・回転して転ぶ・眼が揺れる・立てない
予防予防は難しい。原因は内耳炎や寄生虫など。首が傾いたら当日中に受診し、転倒しない環境に
ソアホック(足底皮膚炎)
予兆かかとの毛が抜け赤い・かさぶた・出血・足を気にして歩き方が変
予防金網床を避け柔らかい床材に。肥満と爪の伸びすぎを防ぐ。トイレを清潔に保ち足を乾燥させる
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
食欲がない・便が出ない
牧草・水を目の前に置き、静かに保温。マッサージや強制給餌は自己判断で行わない。12時間食べなければ即受診、夜でも救急へ
下痢・軟便
牧草のみにし、野菜・果物・ペレットを止める。水は自由に。子ウサギの下痢は数時間で命に関わるため即受診。便を持参
血尿が出た
尿をトイレシートごと保存し撮影。食欲・元気の有無を確認。当日中に受診。にんじん等で赤くなる場合もあるため食事も伝える
首が傾き回転する
転倒で目や体を傷つけるため、狭いキャリーにタオルを詰めて体を支える。暗く静かにし、当日中に受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
背骨・後肢の骨折
予防抱き上げは胸とお尻を必ず支え、後ろ足を蹴らせない。高い場所から落とさない。暴れたら床に下ろす
応急処置後ろ足が動かない・引きずるなら触らず、体を平らに保ちキャリーへ。揺らさず即受診。排尿の有無も確認
爪の折れ・出血
予防月1回の爪切り。カーペットや布に爪が引っかからないよう毛足の短い敷物にする
応急処置清潔なガーゼで数分押さえる。止血剤か小麦粉を押し当てる。爪が根元から取れたら受診
電気コードの感電
予防コードは配線カバーに入れるか床から離す。部屋んぽは囲いを作りコードのない場所で
応急処置口の火傷・けいれん・呼吸が変なら即受診。感電後は数時間後に肺水腫が出ることがあり必ず受診
同居ウサギとの咬傷
予防成熟後の同居は相性次第。オス同士は不可。初対面は柵越しから。去勢避妊で減る
応急処置すぐ別居させる。傷を洗い出血はガーゼで押さえる。皮下膿瘍になりやすいため当日受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
パスツレラ症
感染経路咬傷・ひっかき・鼻水や唾液の接触
予防傷は流水で洗う。顔を近づけて口移ししない。腫れたら受診
皮膚糸状菌症
感染経路感染ウサギの毛・皮膚との接触
予防脱毛・フケがある個体を触ったら手洗い。手袋で世話する
ウサギツメダニ症
感染経路感染ウサギとの接触、寝具の共有
予防フケが多い・かゆがるなら受診。人に赤い発疹が出たら皮膚科へ
アレルギー(毛・牧草)
感染経路毛・フケ・牧草の粉塵の吸入
予防換毛期はマスク着用。牧草の粉をふるい落とし換気する
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 主食はチモシー牧草を常に食べ放題。体の大きさ以上の量を
- ペレットは体重の1〜3%を1日1〜2回に分けて
- 野菜は小松菜・大根の葉など少量。果物はごく少量
水
- 給水ボトルまたは重い陶器皿で毎日新しい水を
- 1日に体重1kgあたり100ml前後飲む。減れば要注意
与えてはいけないもの
- ネギ類・じゃがいもの芽・アボカド・チョコレート
- パン・米・穀類・人の菓子(うっ滞・肥満)
- 観葉植物・アルファルファの与えすぎ(成体)
おもちゃ・遊び
- かじり木・ワラのマット・わらボール
- 紙袋や段ボールのトンネル(印刷面は避ける)
- 牧草を詰めた紙筒。掘れる布や麻マット
巣・寝床・隠れ家
- 木製や布製のハウスで身を隠せる場所を1つ
- 床に足がつく低い台やステップで昇り降りの運動を
床材・トイレ
- すのこは足に優しい木製かプラスチック製。金網床は避ける
- トイレはコーナー型に木質ペレットやパルプ砂
- トイレは毎日交換。ケージ床の尿汚れも毎日拭く
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
金属製ワイヤーケージに引き出しトレー。かじれない素材
大きさ・広さ
幅80×奥行60×高さ60cm以上。伸び上がれる高さ
配置・レイアウト
- トイレは角、牧草入れをトイレの上に置くと食べながら排泄
- 水・餌・ハウスをトイレから離す
- すのこの上に足に優しいマットを部分的に
設置場所の注意
- 直射日光・エアコン直風・玄関や窓際の温度差を避ける
- 犬猫や大きな音から離れた静かな場所。床から少し上げる
運動・部屋んぽ・散歩
- 部屋んぽを毎日1〜2時間。囲いで範囲を決めコードと隙間をふさぐ
- 屋外散歩は必須ではない。行くならハーネスと寄生虫予防を
- 跳んだり走ったり体を伸ばせる広さを。滑る床にはマット
温湿度管理
適温18〜24℃。28℃以上は熱中症の危険、5℃以下は要保温
適湿度40〜60%。多湿は皮膚病と牧草のカビの原因
夏・冬の対策
- 夏はエアコン24時間運転、アルミ板や凍らせたペットボトルを
- 冬はケージを毛布で覆いヒーターを一部に。暖かすぎも避ける
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
月1回、血管の手前で小動物用爪切りで切る。暴れる場合は動物病院やトリマーに
ブラッシング・皮膚被毛ケア
換毛期は毎日、通常は週2回。ラバーブラシで抜け毛を除去し毛球によるうっ滞を防ぐ
その他のケア
水浴びは厳禁。汚れは濡れタオルで拭く。臼歯・耳の中・かかとを週1回確認。垂れ耳は耳の掃除
外敵からの保護
- 犬・猫・フェレットとは同じ部屋にしない。ケージには鍵を
- カラス・野良猫・イタチが来るため屋外飼育は避ける
- 夏は蚊やハエによるウジ症の危険があり網戸と清潔を
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
毛球や布・カーペットの繊維を飲み込みうっ滞の原因に。ゴム・ビニール・電気コード・観葉植物は届く場所に置かない
踏みつけ
足元に来る癖があるため歩く時は下を確認。部屋を暗くしない。ソファの下に潜るので座る前に確認
挟まれ
ドアに手足を挟む事故が多い。部屋んぽ中はドアを閉め切るかストッパーを。ケージ扉の閉め忘れも要注意
落下・転落
抱っこ中に暴れて落下し背骨骨折が多い。抱くのは床に座って短時間。ソファやベッドからの飛び降りも危険
逸走・脱走
囲いを跳び越えるため高さ80cm以上に。ベランダ・玄関は開けない。逃げたら好物と自分の匂いのついたハウスを置き夜間に待つ
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 手を振りほどく・引き抜く(歯が折れ傷が広がる)
- 叩く・怒鳴る・鼻を弾く
安全な引き離しの手順
- 動きを止め、手を無理に引かず静止する
- 空いた手でウサギの背中を撫で落ち着かせる
- 口の脇に指を差し込まず、体を床に下ろして離れるのを待つ
- 離れたらそのままハウスへ入れ、しばらく構わない
引き離した後の処置
流水と石けんで洗い消毒。深い傷・腫れ・熱はパスツレラの危険があり人の医療機関へ
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 12時間以上食べない・便が出ない
- ぐったり・呼吸が速い・口を開けて呼吸
- 後ろ足が動かない・引きずる
- けいれん・首が傾いて転がり続ける
当日中に受診
- 便が小さい・少ない・軟便
- よだれ・鼻水・くしゃみが続く
- 血尿・お尻が汚れる・かかとの赤み
受診時に伝えること・持ち物
最後に食べた時刻・便の状態・食事内容・室温。便と尿を持参し、キャリーに牧草を入れる
意識・呼吸・心拍の確認
- 名前を呼び、耳や体に触れて反応を見る
- 胸の上下で呼吸確認。正常は1分間に約30〜60回
- 胸に手を当て心拍確認。正常は1分間に約130〜325回
蘇生の手順
- 横向きに寝かせ、口の中の異物を指で取り除く
- 胸骨の上を親指と指で挟み1分100〜120回のリズムで圧迫
- 圧迫は胸の厚み3分の1まで。背骨は非常に折れやすい
- 鼻を口で覆い軽く2回息を吹き込む。30回圧迫ごとに
止血
- 清潔なガーゼで3〜5分強めに押さえる。途中でめくらない
- 爪の出血は止血剤か小麦粉を押し当てる
- 耳の出血は多く見えるが圧迫で止まる。止まらねば受診
搬送方法
- キャリーにタオルを敷き体を支える。暗く覆う
- 夏は保冷剤をタオルで包み隣に、冬はカイロを外側に
ケースメソッドで学ぶ
