ウサギ ケースメソッド 50問
状況を読み、飼い主として「最初に取るべき行動」を4択から選んでください。回答後に解説・課題・改善案が表示されます。マニュアルを見る
解答と解説・課題と改善案(全50問)
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Q1朝の牧草が減っていない病気
平日の朝7時、3歳のネザーランドドワーフのケージを見ると、昨夜たっぷり入れたチモシーがほとんど減っていない。トイレの便はいつもより小さく数も少なく、本人はケージの隅でじっとしている。呼ぶと顔を上げるが、好物の小松菜を差し出しても口をつけない。昨夜10時にはペレットを完食していた。今日は仕事で夕方まで帰れない。
この時点で取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 元気そうなので仕事に行き、夕方の様子で受診を決める
- お腹を強めにマッサージし、シリンジで野菜ジュースを流し込む
- ペレットを増やしてカロリーを補い、明日まで食べるか観察する
- 牧草と水を目の前に置いて保温し、かかりつけに連絡して午前中に受診する
正解D.牧草と水を目の前に置いて保温し、かかりつけに連絡して午前中に受診する
解説ウサギは被捕食動物で不調を隠すため、牧草が減らない・便が小さいという変化は消化管うっ滞の初期サインである。うっ滞は数時間から半日で悪化し命に関わるので、目の前に牧草と水を置いて静かに保温し、当日中、できれば午前中に受診する。夕方まで放置すると最後に食べてから12時間を超え救急案件になる。自己判断のマッサージや強制給餌は、腸閉塞や誤嚥を招く危険があり獣医師の指示なしに行わない。ペレット増量は繊維不足を悪化させ、明日まで待つのは致命的な遅れになる。
課題出勤前の忙しさから「元気そうだから」と判断を先送りしやすい状況だった。牧草の減り方や便の大きさを毎日比較する習慣がなく、うっ滞が半日で急変する病気だという知識も不足していた。
改善案毎朝、牧草の残量と便の数・大きさを確認し記録する。少しでも減れば当日中に受診する基準を家族で共有し、かかりつけと夜間救急の連絡先を冷蔵庫に貼る。換毛期はブラッシングを増やし急な食事変更を避ける。
Q2深夜、12時間何も食べていない病気
日曜の深夜0時。5歳のホーランドロップが夕方から牧草にもペレットにも口をつけず、朝以降便が一つも出ていない。お腹がぱんぱんに張り、歯をギリギリと鳴らして前かがみでうずくまる。抱こうとすると嫌がる。かかりつけは明日朝9時まで閉まっている。ネットで「うっ滞は温めて様子見」という書き込みを見つけた。
最も適切な行動はどれか
- ネットの情報通り保温して朝のかかりつけ開院まで待つ
- 家にある人間用の整腸剤を少量与えて経過を見る
- 夜間救急に電話し、キャリーに牧草を入れて今すぐ連れて行く
- お腹を温めながら強くもみ、ガスを出させる
正解C.夜間救急に電話し、キャリーに牧草を入れて今すぐ連れて行く
解説12時間以上食べず便も出ない、腹部膨満と歯ぎしりという痛みのサインは「今すぐ受診」に分類される救急状態である。うっ滞は腸内でガスが溜まり、肝リピドーシスやショックに進むと数時間で死亡することがあるため、夜間でも救急を受診する。朝まで待つのは最も危険な選択で、ネット情報は個々の状態を見ていない。人間用の薬は用量も成分も不適切で、腸閉塞があれば逆効果になる。強い腹部マッサージは腸損傷や閉塞悪化の恐れがあり、専門家の指示なしに行わない。
課題夜間救急の連絡先を事前に調べておらず、閉まっているかかりつけしか頭になかった。「12時間食べない・便が出ないは救急」という基準を知らず、ネット情報を根拠に様子見を選びかけた。
改善案ウサギを診られる夜間救急を2か所以上調べ、電話番号と道順を控えておく。最後に食べた時刻と便の状態を記録する習慣をつけ、12時間の壁を超える前に動く。キャリーに牧草とタオルを常備し即出発できる状態にする。
Q3顎と前足がよだれで濡れている病気
4歳のミニレッキス。最近ペレットは完食するのに硬めのチモシーを残す日が増えた。今朝抱き上げると顎の下の毛がよだれで湿って固まり、前足の内側も濡れている。左目に目やにも出ている。体重を量ると1か月前より150g減っていた。食欲そのものはあるように見える。
飼い主が取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 不正咬合を疑い、当日から数日以内に歯を診られる病院を受診する
- ペレットを食べているので問題なく、濡れた毛を拭いて様子を見る
- 柔らかい野菜を増やして食べやすくし、牧草はやめる
- 自宅で口を開けて前歯を爪切りで削る
正解A.不正咬合を疑い、当日から数日以内に歯を診られる病院を受診する
解説よだれ・硬い牧草を避ける・目やに・体重減少は、臼歯の伸びすぎや咬合異常による不正咬合の典型的なサインである。臼歯の棘が舌や頬を傷つけ、痛みで牧草を避けるようになり、放置すると膿瘍やうっ滞に進むため当日〜数日以内に受診し、歯の処置を受ける。ペレットだけ食べられているのは牧草より噛む回数が少ないためで、健康の証拠にはならない。牧草をやめて野菜中心にすると臼歯がさらに摩耗せず悪化する。自宅で歯を削る行為は歯根の損傷や骨折を招くので絶対に行わない。
課題牧草を残しペレットを好む変化を「好み」と受け取り、歯のトラブルの初期サインと結びつけられなかった。体重を定期的に測っていなかったため減少に気づくのが遅れた。
改善案週1回の体重測定と、顎の下・前足内側の湿り、臼歯のチェックを習慣にする。食事は牧草食べ放題を軸にし、ペレットは体重の1〜3%に抑える。年1〜2回、歯を診られる獣医師で定期健診を受ける。
Q4くしゃみと白い鼻水が続く病気
11月、暖房を入れ始めた頃から2歳のオスがくしゃみを繰り返すようになった。1週間たった今朝は鼻から白い鼻水が出て、前足の内側が乾いた鼻水で固まっている。呼吸のたびにズーズーと音がする。食欲と便は普段通り。ケージは玄関近くの窓際に置いてあり、朝晩は冷える。
最も適切な対応はどれか
- 人間の鼻炎用点鼻薬を薄めて鼻に垂らす
- 食欲があるので放置し、春になれば自然に治ると考える
- 加湿器の蒸気を直接ケージに当てて鼻を潤す
- ケージを温度差の少ない場所へ移し、当日中に受診して治療を始める
正解D.ケージを温度差の少ない場所へ移し、当日中に受診して治療を始める
解説くしゃみ・白い鼻水・前足の汚れ・呼吸音はスナッフル(パスツレラ菌などによる上部気道感染)の典型で、放置すると肺炎や慢性化・再発を繰り返す。食欲があるうちに当日中に受診し、抗菌薬などの治療を継続することが重要である。同時に、玄関や窓際の温度差とほこりが誘因になるため、ケージを安定した場所へ移す。人間の点鼻薬は成分や濃度が不適切で危険。自然治癒を期待して放置すると悪化して呼吸困難に至ることがある。蒸気を直接当てるとケージが濡れて冷えや皮膚トラブルを招く。
課題暖房開始による室内の温度差と、玄関・窓際という設置場所の問題を見落としていた。くしゃみが1週間続いても食欲を根拠に受診を先送りしていた。
改善案ケージは直射日光・エアコン直風・玄関や窓際を避け、温度18〜24℃が安定する場所へ置く。くしゃみが2〜3日続いたら受診する基準を決める。牧草の粉塵を落として換気を保ち、鼻水が出た個体は他のウサギと分ける。
Q5トイレシートに赤い尿病気
4歳の未避妊のメス。朝トイレを掃除すると、シートに赤みがかった尿がにじんでいた。昨日はにんじんを少し与えた。本人は牧草を食べているが、最近お腹を触ると嫌がり、乳腺が少し膨らんで見える。ここ数週間、ケージの隅でじっとしている時間も増えた気がする。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- にんじんの色素だと判断してトイレを交換し、次に赤くなったら考える
- 尿をシートごと保存・撮影し、食事内容と合わせて当日中に受診する
- 水を多めに飲ませて尿を薄め、数日様子を見る
- お腹のしこりを強く押して確認し、痛がらなければ問題ないと判断する
正解B.尿をシートごと保存・撮影し、食事内容と合わせて当日中に受診する
解説にんじんなどで尿が赤くなる場合もあるが、3歳以降の未避妊メスで血尿・乳腺の腫れ・腹部を嫌がるといった所見が重なる場合は、子宮腺癌や子宮内膜過形成など子宮疾患の可能性が高い。尿をシートごと保存して撮影し、食事内容と食欲・元気の有無を伝えて当日中に受診する。色素と決めつけて放置すると、腫瘍が進行し手術のリスクが上がる。水を増やして薄めても原因は変わらない。しこりを強く押すのは出血や痛みを招くので自己判断で行わない。
課題未避妊のメスは高齢期に子宮疾患が非常に多いという知識がなく、ケージの隅でじっとする変化を性格の問題と捉えていた。血尿を野菜の色素と結びつけて安心しようとする心理があった。
改善案メスは若いうちに避妊手術を獣医師と相談する。3歳以降は半年ごとの健診で腹部と乳腺を診てもらう。尿の色は毎日確認し、赤みがあれば写真と現物を持って当日受診する基準を決めておく。
Q6首が傾いて転がり続ける病気
夜9時、6歳のロップイヤーがケージの中で突然首を右に傾け、立とうとしては横に転がる。目が左右に細かく揺れている。パニックで壁に体をぶつけ、給水ボトルも倒した。呼吸は速いが、けがは見当たらない。家族は「脳卒中ではないか」と騒いでいる。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 狭いキャリーにタオルを詰めて体を支え、暗く静かにして当日中に受診する
- 首をまっすぐに戻すように手で固定して落ち着かせる
- 広いケージのままにして自由に動かせ、朝まで様子を見る
- 動画を撮ってSNSで原因を尋ね、回答を待つ
正解A.狭いキャリーにタオルを詰めて体を支え、暗く静かにして当日中に受診する
解説首が傾いたまま戻らず回転する斜頸は、内耳炎やエンセファリトゾーン(寄生虫)などが原因で、転倒によって目や体を傷つける二次被害が最大の危険である。狭いキャリーにタオルを詰めて体が転がらないよう支え、暗く静かにして当日中(夜間なら救急)に受診する。首を手で無理に戻す固定はストレスと骨折の危険がある。広いケージで自由にさせると転がり続けて外傷や衰弱が進む。SNSでの原因探しは診断にならず、治療の開始を遅らせる。
課題斜頸を知らず、脳卒中と混同して動転した。転倒による二次被害を防ぐ環境作りの発想がなく、ケージ内の給水ボトルなど硬い物がそのままだった。夜間にどこへ連れて行くか決めていなかった。
改善案首が傾いたら当日受診という基準を家族で共有する。転倒時に備え、小さめのキャリーとタオルをすぐ出せる場所に置く。夜間救急の連絡先を調べておき、原因となる寄生虫の検査を健診時に相談する。
Q7かかとの毛が抜けて赤い病気
体重2.8kgのやや太り気味の5歳オス。金網床のケージで飼育している。最近後ろ足を頻繁に舐め、歩き方がぎこちない。ひっくり返して見ると両方のかかとの毛が抜けて皮膚が赤く、右側にはかさぶたがあり少し血がにじんでいる。トイレの掃除は2〜3日に1回。
最も適切な対応はどれか
- かさぶたを剥がして人用の消毒液をたっぷり塗る
- 金網床のまま包帯を巻き、傷が治るまで動かさない
- 柔らかい床材に変えトイレを清潔にし、当日〜数日以内に受診する
- 毛が生えるまで放置し、体重は変えずに様子を見る
正解C.柔らかい床材に変えトイレを清潔にし、当日〜数日以内に受診する
解説かかとの脱毛・赤み・かさぶた・出血はソアホック(足底皮膚炎)で、金網床・肥満・不衛生な床・爪の伸びすぎが主因である。放置すると感染が骨に及び治療が長期化するため、当日〜数日以内に受診し、同時に床を柔らかいマットや木製すのこに変え、トイレとケージ床を毎日掃除して足を乾燥させる。かさぶたを剥がして刺激の強い消毒液を使うと悪化する。金網床のままの包帯は原因を除去しておらず、ウサギは包帯を噛んで飲み込む恐れもある。肥満を放置すれば足への負担が続く。
課題金網床と2〜3日に1回の掃除という飼育環境の問題が根本原因で、肥満も足の負担を増やしていた。足裏を定期的に確認する習慣がなく、出血するまで気づかなかった。
改善案床は木製かプラスチックすのこに柔らかいマットを敷き、トイレは毎日交換する。ペレットを体重の1〜3%に減らし牧草中心にして減量する。月1回の爪切りと週1回のかかと確認を習慣にする。
Q8床に盲腸便が残っている病気
3歳のメス。ここ1週間、ケージの床にブドウの房のような柔らかい便が毎日残り、お尻の周りの毛が汚れてベタついている。ペレットは規定量の倍ほど与え、おやつのドライフルーツも毎日。体重は増えている。普通の便はいつも通り出ていて、元気に部屋んぽもする。
最も適切な対応はどれか
- 下痢と判断し、牧草も含め食事を全て止めて絶食させる
- お尻をお湯につけて丸洗いし、ドライヤーで乾かす
- 便が柔らかいので人間の下痢止めを少量与える
- 盲腸便の食べ残しと考え、ペレットとおやつを減らして牧草中心にし、続くなら受診する
正解D.盲腸便の食べ残しと考え、ペレットとおやつを減らして牧草中心にし、続くなら受診する
解説ブドウの房状の柔らかい便は盲腸便で、本来ウサギが直接肛門から食べて栄養を再吸収するものである。床に残るのは、ペレットやおやつの過剰で栄養が足りて食べなくなった、肥満で口が届かない、歯や関節の痛みがあるなどのサインである。本例は高カロリー食と体重増加が原因の可能性が高く、ペレットを体重の1〜3%に減らし牧草中心にする。改善しなければ数日以内に受診する。絶食はうっ滞を招き厳禁。水浴びは体温低下と皮膚炎の原因で禁忌、汚れは濡れタオルで拭く。人の下痢止めは危険で、そもそも下痢ではない。
課題盲腸便の役割を知らず、下痢と混同する危険があった。ペレットとおやつの与えすぎで肥満が進み、お尻の汚れが皮膚炎やハエによるウジ症のリスクになっていた。
改善案ペレットは計量して体重の1〜3%、おやつは週数回ごく少量に。牧草食べ放題と部屋んぽで体重管理する。お尻の汚れは濡れタオルで拭き、床に盲腸便が残る日が続いたら歯や関節も含め受診する。
Q9生後2か月の子ウサギが下痢病気
ペットショップから迎えて5日目、生後2か月のネザーランドドワーフ。かわいいので昨日から小松菜とりんごを多めに与えた。今朝ケージの中に水っぽい便が広がり、お尻が濡れて汚れている。動きが鈍く、体が少し冷たい気がする。ショップは「環境に慣れれば治る」と言っていた。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 環境の変化が原因と考え、静かにして2〜3日様子を見る
- 野菜と果物を止めて牧草だけにし、保温しながら便を持って今すぐ受診する
- お腹を冷やさないよう温かいお湯で下半身を洗う
- ペレットを増やして栄養をつけ、体力回復を待つ
正解B.野菜と果物を止めて牧草だけにし、保温しながら便を持って今すぐ受診する
解説子ウサギの水様性下痢は、脱水と低体温、腸内細菌の急激な乱れにより数時間で命に関わる救急状態である。野菜・果物・ペレットを止めて牧草のみにし、水は自由に飲ませ、タオルで保温しながら便を持参して今すぐ受診する。ショップの「慣れれば治る」は一般論で、環境変化に加え、急な野菜・果物の給与が下痢の引き金になった可能性が高い。2〜3日の様子見は致命的な遅れになる。お湯で洗うのは体温をさらに奪い、ペレット増量は腸内環境を悪化させる。
課題迎えて間もない幼体に、急に野菜や果物を与えるという食事管理の誤りがあった。子ウサギの下痢が短時間で命に関わることを知らず、ショップの言葉を根拠に受診を遅らせる危険があった。
改善案迎えて最初の数週間はショップと同じ牧草とペレットのみを与え、野菜は3か月以降に少量ずつ試す。迎えたら数日以内に健診を受け、かかりつけを決めておく。幼体の下痢は即受診と家族で共有する。
Q10換毛期に便が毛でつながる病気
5月の換毛期。2歳のホーランドロップの便が数珠のように毛でつながっていて、いつもより小さい。触ると背中から毛がふわっと抜ける。ブラッシングはたまにしかしていない。牧草は食べているがペレットの残りが少し多い。水は飲んでいる。夕方まで在宅している。
最も適切な対応はどれか
- ブラッシングで抜け毛を減らし、牧草と水を十分に与えて便と食欲を観察、悪化すれば当日受診する
- パイナップルジュースを大量に飲ませて毛を溶かす
- うっ滞と判断して絶食させ、腸を休ませる
- 毛を吐かせるため猫用の毛玉除去剤を与える
正解A.ブラッシングで抜け毛を減らし、牧草と水を十分に与えて便と食欲を観察、悪化すれば当日受診する
解説毛でつながった便は換毛期に毛を飲み込んでいるサインで、まだ牧草を食べ便も出ているので、この段階ではブラッシングで抜け毛を減らし、牧草をたっぷり食べさせ水分を十分に取らせて腸の動きを保つ。便がさらに小さくなる・数が減る・食欲が落ちる場合はうっ滞へ進むため当日中に受診する。パイナップルの酵素で毛を溶かす説は根拠が乏しく、糖分が腸内環境を乱す。ウサギは吐けないため猫用毛玉除去剤は不適切で、絶食はうっ滞を確実に悪化させる。
課題換毛期にブラッシングを増やす必要性を理解しておらず、毛球によるうっ滞のリスクに無防備だった。ペレットの残りという小さな食欲低下のサインも見過ごしていた。
改善案換毛期は毎日、通常は週2回ラバーブラシでブラッシングする。牧草は体の大きさ以上の量を常に食べ放題にし、便の大きさと数を毎日記録する。便が小さくなる日が続いたら当日受診する。
Q11口を開けて速い呼吸をしている病気
8歳の高齢メス。夕方から動かず、腹部が呼吸のたびに大きく動き、口を少し開けて呼吸している。鼻の穴が大きく広がり、胸の上下を数えると1分間に90回近い。室温は22℃。牧草は少し食べたが、ここ数日食が細くなっていた。かかりつけは20分、夜間救急は40分の距離。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 苦しそうなので抱いて撫でながら落ち着くのを待つ
- 涼しい風をあてるためエアコンの風を直接当てる
- 刺激を最小限にキャリーへ入れ、電話で状況を伝えてから今すぐ受診する
- 朝まで待ち、かかりつけの開院時に連れて行く
正解C.刺激を最小限にキャリーへ入れ、電話で状況を伝えてから今すぐ受診する
解説ウサギは鼻呼吸の動物で、口を開けた呼吸や1分90回近い呼吸数(正常は約30〜60回)は重度の呼吸困難を示し、心不全・肺炎・胸腔内腫瘍などが疑われる今すぐ受診の状態である。刺激を減らすためタオルを敷いたキャリーに静かに入れ、暗く覆い、電話で状況を伝えて受け入れ可能な病院へ直行する。抱いて撫でるのは呼吸を妨げストレスで急変を招く。22℃で熱中症の可能性は低く、エアコンの風を直接当てても改善しない。朝まで待つのは呼吸停止のリスクが高すぎる。
課題数日前からの食欲低下を高齢のせいと考え、呼吸の変化に気づくのが遅れた。呼吸数の正常範囲を知らず、症状の重さを判断できなかった。高齢個体の急変に備えた受診先の準備も不十分だった。
改善案高齢期は半年ごとに健診と胸部の検査を受ける。呼吸数(正常30〜60回)を安静時に測る習慣をつけ、口を開けた呼吸は即受診と覚える。夜間救急の電話番号と道順、キャリーを常に準備しておく。
Q12食べているのにお腹が張り歯ぎしり病気
3歳オス。朝は普通に牧草を食べたが、昼過ぎから急にじっとして目を細め、時々ギリギリと歯ぎしりをする。お腹を軽く触ると太鼓のように張っていて、ゴロゴロという音が聞こえない。便は午前中に数個出たきり。呼吸はやや速い。まだ食べてから4時間ほどしかたっていない。
最も適切な判断はどれか
- まだ12時間たっていないので基準に達しておらず、夜まで待つ
- 冷やしたキャベツを大量に与えてガスを抜く
- お腹を温めてから背中を強く叩き、ガスを出す
- 12時間の目安を待たず、痛みと腹部膨満を理由に今すぐ受診する
正解D.12時間の目安を待たず、痛みと腹部膨満を理由に今すぐ受診する
解説「12時間食べない」は受診の目安であって、痛みのサインが出ていればそれを待つ必要はない。歯ぎしり・目を細める・太鼓のように張った腹部・腸音の消失は、急性の胃拡張やガス貯留、腸閉塞など急激に進む病態を示し、数時間で循環不全に至ることがある。したがって直ちに受診する。生野菜の大量給与はガスをさらに増やす。背中を叩く行為は骨折や内臓損傷の危険があり、温めるだけでは閉塞は解除されない。
課題「12時間」という数字だけを覚え、痛みや腹部膨満といった重症サインの意味を理解していなかった。腸音や腹部の張りなど普段の状態を知らず比較ができなかった。
改善案普段から元気な時にお腹の柔らかさや腸のゴロゴロ音を確認し、正常を知っておく。歯ぎしり・うずくまり・腹部膨満は時間に関わらず即受診と覚える。受診時は最後に食べた時刻・便の状態・食事内容・室温を伝えられるよう記録する。
Q13抱っこ中に暴れて床に落ちた怪我
立ったまま2歳のネザーランドドワーフを抱いていたところ、急に後ろ足で強く蹴って腕から飛び出し、フローリングに落ちた。着地後、前足で這うように進み後ろ足を引きずっている。鳴き声はなく、しばらくして動かなくなった。自分でおしっこをする様子はない。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 抱き上げて背中を撫で、落ち着いたら歩けるか試す
- 後ろ足を曲げ伸ばししてどこが痛いか確かめる
- 触らず体を平らに保ってキャリーに移し、揺らさず今すぐ受診する
- 一晩ケージで安静にさせ、翌朝歩けなければ受診する
正解C.触らず体を平らに保ってキャリーに移し、揺らさず今すぐ受診する
解説ウサギは骨が軽く、後ろ足の蹴りの力で背骨(腰椎)が折れやすい。落下後に後ろ足が動かない・引きずるのは脊髄損傷を強く疑う状態で、動かすほど損傷が広がる。体を平らに保ったまま滑らせるようにタオルへ乗せキャリーに移し、揺らさず今すぐ受診する。排尿の有無も伝える。抱き上げて歩かせたり足を曲げ伸ばししたりするのは損傷を悪化させる。一晩の安静は神経損傷の治療機会を失い、膀胱麻痺による尿毒症も進む。
課題立ったまま抱いたことで落下の高さが大きくなり、後ろ足を蹴らせない支え方をしていなかった。ウサギの背骨の折れやすさと、落下事故が多いことを知らなかった。
改善案抱くのは床に座って短時間、胸とお尻を必ず支え後ろ足を体に密着させる。暴れたらすぐ床に下ろす。ケージ掃除や爪切りで持ち上げる場面を減らし、タオルで包んで運ぶ。後ろ足の異常は即受診と覚える。
Q14爪が折れて血が止まらない怪我
部屋んぽ中、5歳のオスが毛足の長いラグに前足の爪を引っかけ、ぱきっと音がした。見ると爪が途中で折れ、ラグに血の点々が続いている。本人は足を気にして舐めている。出血はじわじわ続いている。爪切りは半年以上していない。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 清潔なガーゼで数分押さえ、止血剤か小麦粉を押し当てて止血する
- 血を洗い流すため足を流水に長くつける
- 折れ残った爪を爪切りで根元から切り落とす
- 出血が多く見えるので足に強くひもを巻いて縛る
正解A.清潔なガーゼで数分押さえ、止血剤か小麦粉を押し当てて止血する
解説爪の出血は、清潔なガーゼで数分しっかり押さえ、止血剤や小麦粉を押し当てれば通常止まる。押さえている途中でめくって確認すると血餅が剥がれるので、3〜5分は動かさない。爪が根元から取れた場合や止血後も出血が続く場合は受診する。流水に長くつけると血が固まらず、濡れて冷える。折れ残った爪を自宅で根元から切ると血管と神経を傷つけ、さらに出血する。足をひもで縛ると血流を止めて組織を壊死させる恐れがあり不適切。
課題半年以上爪を切っておらず、伸びた爪が毛足の長いラグに引っかかる環境だった。止血剤など応急処置の用品も準備していなかった。
改善案月1回の爪切りを習慣にし、暴れる場合は動物病院やトリマーに頼む。部屋んぽの床は毛足の短い敷物にし、布やカーペットの繊維に爪が引っかからないようにする。ガーゼと小動物用止血剤を救急箱に常備する。
Q15コードをかじった後、元気そうに見える怪我
部屋んぽ中に目を離した数分の間に、1歳のオスがテレビの延長コードをかじった。バチッという音がして駆け寄ると、コードの被覆が破れ、ウサギは口元をぺろぺろしている。口の端が少し赤いが、その後は普通に牧草を食べ、跳ねて遊んでいる。時刻は午後3時。
最も適切な対応はどれか
- 元気で食べているので受診は不要と判断し、コードを片付けて終わりにする
- 口元を冷やすため氷を直接口に押し当てる
- 動画を撮りながら数日間観察し、咳が出たら受診する
- 元気でも感電後は数時間後に肺水腫が出ることがあるため、当日中に受診する
正解D.元気でも感電後は数時間後に肺水腫が出ることがあるため、当日中に受診する
解説感電は口の火傷だけでなく、電流によって肺の血管が傷つき、数時間後に肺水腫(肺に水が溜まり呼吸困難になる状態)を起こすことがある。直後に元気でも安心できないため、感電後は必ず当日中に受診し、呼吸状態と口腔内の火傷を診てもらう。けいれん・呼吸の異常があれば即救急。氷を口に直接当てるのは組織を傷め、ウサギが暴れて危険。数日間の観察は肺水腫の発症に間に合わない。コードを片付けるだけで終わらせると、症状が遅れて出た時に対処できない。
課題コードが露出した部屋で目を離して部屋んぽをさせていた。感電の症状が遅れて出ること、口の火傷が数日後に食べられなくなる原因になることを知らず、元気な様子だけで判断しかけた。
改善案コード類は配線カバーに入れるか床から離し、部屋んぽは囲いを作ってコードのない範囲に限定する。かじり木やわらボールで噛む欲求を満たす。感電・落下など見た目に軽い事故でも当日受診というルールを家族で共有する。
Q16同居ウサギに噛まれて耳から出血怪我
同じケージで飼っている1歳のオス2頭。夜中にドタバタと激しい音がして見に行くと、片方の耳が裂けて血が滴り、背中にも噛み跡がある。もう一頭は興奮して追い回している。2頭は子どもの頃からずっと仲が良かった。血は多いがウサギは動いている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 仲直りさせるため2頭を一緒のケージに残し、様子を見る
- すぐに別居させ、耳をガーゼで圧迫止血して傷を洗い、当日受診する
- 噛んだ方を叱ってケージから出し、傷の方だけ消毒して終わる
- 出血が多いので耳をひもできつく縛る
正解B.すぐに別居させ、耳をガーゼで圧迫止血して傷を洗い、当日受診する
解説オス同士は性成熟すると縄張り争いで激しく噛み合い、子どもの頃の相性は当てにならない。まず2頭を別のケージに分け、耳の出血は清潔なガーゼで3〜5分圧迫する。耳は血が多く見えるが圧迫で止まることが多い。噛み傷は皮下に膿瘍を作りやすいので、傷を洗い当日中に受診する。一緒に残せば再び噛み合い、致命傷や背骨骨折の危険がある。叱っても行動は変わらず、傷の消毒だけでは膿瘍を防げない。耳を縛ると血流が止まり組織が壊死する。
課題成熟したオス同士を同居させるという飼育の誤りが根本にあり、去勢も行っていなかった。喧嘩の前兆(追いかけ・マウンティング・毛の散乱)を見逃していた。
改善案成熟後のオス同士の同居はしない。相性が良くても別ケージを基本にし、初対面は柵越しから行う。去勢・避妊で攻撃性を減らす。予備のケージとガーゼを備え、噛み傷は膿瘍になりやすいため必ず受診する。
Q17驚いて跳ね上がり後ろ足を引きずる怪我
大掃除で掃除機を近くでかけた瞬間、4歳のメスがケージ内で激しく後ろ足で床を叩き、跳ね上がって天井に体をぶつけた。その後ケージの隅で動かず、後ろ足が横に投げ出されたまま前足だけで体を引きずる。出血はない。目が大きく見開かれ、体が小刻みに震えている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 掃除機を止めて静かにし、体を平らに保ってキャリーに移し今すぐ受診する
- 落ち着かせるため抱き上げて撫で続ける
- 骨折なら動かせないので、ケージのまま翌日の診察まで待つ
- 足を引っ張ってまっすぐにし、添え木を当てる
正解A.掃除機を止めて静かにし、体を平らに保ってキャリーに移し今すぐ受診する
解説強い恐怖によるスタンピングや跳躍で、ウサギは自分の筋力で背骨を折ることがある。後ろ足が動かず引きずる状態は脊髄損傷の疑いが強く、今すぐ受診が必要である。まず掃除機など恐怖の原因を止め、ケージを暗く覆って落ち着かせてから、体を平らに保ってタオルごとキャリーへ移し、揺らさず搬送する。抱き上げて撫でるのは損傷を広げる。翌日まで待てば神経回復の機会を失い、排尿障害も進む。足を引っ張って添え木を当てるのは脊椎損傷ではむしろ有害である。
課題ウサギが大きな音に極端に弱く、恐怖だけで骨折し得ることを知らなかった。ケージを掃除機など騒音源の近くに置いたまま作業した環境設定の問題があった。
改善案掃除機や工事など大きな音が出る時は、事前にケージを別室へ移すか布で覆う。ケージは犬猫や騒音から離れた静かな場所に置く。パニック時は暗くして静かに待ち、動けない・後ろ足の異常は即受診と覚える。
Q18手を噛まれて離してくれない怪我
発情期の1歳オスのケージ掃除中、手を入れた瞬間に手の甲に噛みつかれ、そのまま離さない。痛みで思わず手を引きそうになる。ウサギは体を硬くしてうなり声を上げている。子どもが横で見ていて「叩いて離させて」と言う。
最も適切な対応はどれか
- 手を勢いよく振りほどいて引き抜く
- 鼻を指で弾いて驚かせ、離させる
- 動きを止めて手を引かず、空いた手で背中を撫で、離れたら静かにハウスへ戻す
- 口の脇に指を差し込んで顎をこじ開ける
正解C.動きを止めて手を引かず、空いた手で背中を撫で、離れたら静かにハウスへ戻す
解説噛まれた時に手を振りほどくと、ウサギの前歯が折れたり傷が大きく裂けたりする。まず動きを止めて手を引かず、空いた手で背中を撫でて落ち着かせ、体を床に下ろして離れるのを待つ。離れたらそのままハウスへ入れ、しばらく構わない。鼻を弾く・叩くのは恐怖と攻撃性を強め、信頼関係を壊す。口の脇に指を差し込むと別の指を噛まれる。噛まれた後は流水と石けんで洗って消毒し、深い傷・腫れ・熱があればパスツレラ症の危険があるため人の医療機関へ行く。
課題発情期のオスが縄張りであるケージに手を入れられると攻撃的になることを理解せず、無防備に手を入れた。噛まれた時の対処法を家族で共有しておらず、子どもが叩く発想を持っていた。
改善案ケージ掃除は部屋んぽ中など本人が外にいる時に行い、手を入れる前に声をかける。攻撃性が強い場合は去勢を獣医師と相談する。噛まれた時の「動かない・撫でる・待つ」を家族で共有し、咬傷後の手洗いと受診の基準を決めておく。
Q19ヒーターの前で皮膚が赤くただれた怪我
1月の寒い夜、7歳のメスのケージ全面にペット用ヒーターを敷き、毛布で完全に覆って寝た。翌朝、ウサギがヒーターの上でぐったりして、お腹側の毛が薄い部分の皮膚が赤くただれている。ケージ内は蒸し暑く、水も減っていない。体を触ると熱く、呼吸が速い。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 火傷に人間用の軟膏を厚く塗り、そのまま毛布で保温を続ける
- ヒーターを止めて涼しい場所に移し、患部を濡れタオルで冷やして当日中に受診する
- 皮膚の赤みは乾燥だと考え、保湿クリームを塗る
- 冷たい水を全身にかけて急いで体温を下げる
正解B.ヒーターを止めて涼しい場所に移し、患部を濡れタオルで冷やして当日中に受診する
解説ヒーターを全面に敷き逃げ場をなくした上に毛布で密閉したことで、低温火傷と熱中症を同時に起こしている。まずヒーターを止め、18〜24℃の場所へ移し、患部は濡れタオルで冷やす。体が熱く呼吸が速い状態は当日中、ぐったりが強ければ今すぐ受診する。人間用軟膏は舐めて摂取する上に成分も不適切で、保温の継続は熱中症を悪化させる。乾燥と誤認して保湿するのは火傷を放置することになる。全身に冷水をかけると急激な体温低下とショックを招き、ウサギは水浴び自体が禁忌である。
課題ヒーターを一部ではなく全面に敷き、毛布で覆って温度を逃がせない環境を作った。高齢で動きが鈍い個体は熱源から離れられないことを考慮していなかった。温度計をケージに置いていなかった。
改善案ヒーターはケージの一部にだけ設置し、必ず離れられる場所を作る。毛布は片側のみ覆い、温湿度計をケージ内に置いて18〜24℃を確認する。高齢個体は朝晩皮膚と呼吸を確認し、腹側の皮膚の赤みは早めに受診する。
Q20片目を閉じて涙を流している怪我
夕方、牧草入れに顔を突っ込んで食べた後、3歳のオスが左目を閉じたまま開けようとしない。涙で目の周りが濡れ、前足で顔をしきりにこする。無理に開けると白目が赤く、角膜に白っぽい小さな点が見える。もう片方の目は正常で、食欲はある。
最も適切な対応はどれか
- 人間用の目薬を差して様子を見る
- 目を水道水で強く洗い流し、綿棒で異物を探る
- 涙は自然に止まるので数日放置し、開かなければ受診する
- 顔をこすらないよう見守り、目を触らせず当日中に眼科診療のできる病院を受診する
正解D.顔をこすらないよう見守り、目を触らせず当日中に眼科診療のできる病院を受診する
解説牧草の先端やほこりが目に入り角膜を傷つけた可能性が高く、角膜の白い点は潰瘍の始まりである。ウサギは前足でこすって傷を広げやすいため、こすらないよう見守り、当日中に受診して角膜染色検査と点眼治療を受ける。人間用目薬は成分によっては角膜潰瘍を悪化させ、自己判断で使わない。強い流水や綿棒は角膜をさらに傷つける。数日の放置で潰瘍が深くなると穿孔し、失明や眼球摘出に至ることがある。
課題牧草入れの形状によって顔を深く突っ込む必要があり、目に牧草が刺さりやすい環境だった。目の異常は進行が速いという認識がなく、涙を軽視しかけた。
改善案牧草入れは顔を突っ込まなくても引き出せる浅いタイプやトイレの上の設置にし、粉塵を落としてから入れる。目やに・涙・片目を閉じるは当日受診と決め、眼科診療が可能な病院を調べておく。
Q21ワイヤーに引っかけて皮膚が裂けた怪我
古いケージの金網が一部ほつれていた。2歳のメスが跳ねた拍子に脇腹を引っかけ、5cmほど皮膚が裂けて皮下組織が見えている。出血は少なめだが、傷口に牧草のくずが付いている。本人は驚いて隅にうずくまり、時々傷を舐めようとする。時刻は日曜の午後4時。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 傷口を舐めさせて自然治癒に任せ、翌週の平日に受診する
- 傷を清潔なガーゼで覆って押さえ、当日中に受診して縫合の要否を診てもらう
- 傷口に人間用の消毒液を流し込み、瞬間接着剤で閉じる
- 傷口に絆創膏を貼ってケージに戻す
正解B.傷を清潔なガーゼで覆って押さえ、当日中に受診して縫合の要否を診てもらう
解説皮下組織が見える裂傷は、ウサギの皮膚が薄く伸びやすいため縫合が必要なことが多く、汚れが入ると膿瘍になりやすい。清潔なガーゼで覆って軽く押さえ、舐めさせないようにして当日中に受診する。休日でも診療可能な病院を探す。舐めさせると細菌が入り、翌週まで待つと感染が広がる。刺激の強い消毒液や瞬間接着剤は組織を傷め、正しい治療を妨げる。絆創膏はすぐ剥がれて噛んで飲み込む危険がある。
課題ケージの金網のほつれという明らかな危険を放置していた。休日の受診先を調べておらず、傷を軽く見て翌週に延ばす判断をしかけた。
改善案ケージのワイヤーや扉の金具を月1回点検し、ほつれや突起はすぐ修理か買い替えをする。休日や夜間に診てくれる病院を確認しておく。皮下が見える傷・膿瘍化しやすい咬傷は当日受診と決めておく。
Q22部屋んぽ後、足裏から出血怪我
夜、割れたコップの破片を拾い残した部屋で4歳のオスが部屋んぽをした。ケージに戻った後、床に血の足跡が点々と付いている。右前足の肉球周りに1cmほどの切り傷があり、じわじわと血が出ている。破片が残っているかはよく見えない。本人は足を舐めている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 流水で軽く洗いガーゼで3〜5分押さえ、破片の疑いや出血が続けば受診する
- 血がついた足をぬるま湯にしばらく浸けて汚れを取る
- 傷口を指でぎゅっと開いて破片を探し、ピンセットで取り出す
- 舐めて治るので放置し、翌朝血が止まっていれば問題ないと考える
正解A.流水で軽く洗いガーゼで3〜5分押さえ、破片の疑いや出血が続けば受診する
解説小さな切り傷は流水で軽く洗って汚れを落とし、清潔なガーゼで3〜5分強めに押さえて止血する。途中でめくると血が固まらない。ガラス片が残っている可能性がある場合や、5分押さえても出血が続く場合は当日中に受診する。足を長く浸けると血が固まらず冷える。傷口を開いて破片を探すのは組織を傷つけ出血が増える。舐めさせて放置すると感染し、ソアホックのように足底の炎症が長引く。
課題ガラスの破片を拾い残した部屋で部屋んぽをさせた、環境確認の不足があった。ウサギは足元の危険を避けられないため、飼い主が床の安全を確認する責任があった。
改善案部屋んぽ前に床を目線を下げて点検し、破片・輪ゴム・コードなどを取り除く。囲いで範囲を限定する。ガーゼ・止血剤を常備し、足裏は部屋んぽ後に確認する習慣をつける。
Q23ドアに後ろ足を挟んだ事故
部屋んぽ中、家族が気づかず部屋のドアを閉めた瞬間、5歳のメスの後ろ足が挟まれてキーッと悲鳴を上げた。すぐドアを開けると、右後ろ足を浮かせたまま三本足で跳ね、足先が腫れて変な方向に曲がって見える。出血はない。本人は興奮してケージへ逃げ込んだ。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 足を触って曲がりを元に戻し、割り箸で添え木をする
- 腫れが引くまで氷水で足を冷やし続ける
- 三本足で動けているので、翌日も腫れていたら受診する
- ケージ内で興奮が収まるのを待ち、キャリーに移して今すぐ受診する
正解D.ケージ内で興奮が収まるのを待ち、キャリーに移して今すぐ受診する
解説足が変な方向に曲がり腫れているのは骨折や脱臼の可能性が高い。まず追いかけ回さず、興奮が収まるのを待ってから体を支えてキャリーへ移し、揺らさず今すぐ受診する。自宅で曲がりを戻す整復や添え木は、骨片が神経や血管を傷つけ、ウサギが暴れて背骨まで折る危険がある。氷水で長時間冷やすのは低体温を招く。三本足で動けても骨折は治らず、放置すると変形治癒や壊死で断脚に至ることがある。
課題部屋んぽ中にドアを開閉できる状態で、家族間で「ウサギが出ている」ことを共有していなかった。ドアストッパーなど挟み込み防止策がなかった。
改善案部屋んぽ中はドアを閉め切るか、ドアストッパーで固定し、家族に声をかけて共有する。ケージ扉の閉め忘れも毎回確認する。足の腫れ・変形・浮かせる仕草は即受診と決め、キャリーをすぐ出せる場所に置く。
Q24暗い廊下で足元のウサギを踏んだ事故
夜11時、部屋の電気を消して廊下を歩いていたところ、足元に来ていた2歳のオスの胴体を思い切り踏んでしまった。ウサギは短く鳴いて逃げ、ケージの隅でうずくまっている。見た目の外傷はなく、呼吸は速い。30分後、牧草に口をつけたが、その後は動かず横腹が大きく波打っている。
最も適切な対応はどれか
- 牧草を食べたので内臓は無事と判断し、朝まで様子を見る
- 痛み止めとして人間用の鎮痛薬を小さく割って与える
- 見た目に傷がなくても内臓損傷や骨折の恐れがあるため、今すぐ受診する
- 全身を強く触って痛がる場所を特定してから受診を決める
正解C.見た目に傷がなくても内臓損傷や骨折の恐れがあるため、今すぐ受診する
解説人の体重で胴体を踏まれた場合、外傷がなくても肋骨骨折・肺の損傷・肝臓や脾臓の内出血・膀胱破裂などが起こり得る。牧草を少し食べたのは安心材料にならず、呼吸が速く横腹が波打つのは胸腹部の損傷や痛みを示唆する。今すぐ受診してレントゲンやエコーで確認する。朝まで待つと内出血で急変する。人の鎮痛薬は消化管や腎臓に毒性があり与えない。全身を強く触るのは骨折を悪化させ、痛みで暴れてさらなる損傷を招く。
課題足元に来る習性のあるウサギを、部屋を暗くした状態で自由にさせていた。「見た目に傷がない・食べた」という表面的な情報で重症度を判断しようとした。
改善案ウサギが出ている間は部屋を暗くせず、歩く時は必ず足元を確認する。夜間はケージに戻してから消灯する。ソファやベッドの下に潜るため座る前にも確認する。踏みつけ・落下は外傷がなくても当日受診というルールを決める。
Q25ベランダの隙間から逃げ出した事故
夏の夕方、洗濯物を取り込むためベランダの窓を開けたままにしたところ、3歳のメスが外へ出て、ベランダの柵の隙間から1階の庭へ降りてしまった。庭は生け垣に囲まれているが道路に通じる隙間がある。すでに暗くなり始め、カラスが電線にとまっている。呼んでも出てこない。
最も適切な行動はどれか
- 大声で名前を呼びながら庭中を走り回って追い立てる
- 好物と自分の匂いのついたハウスを庭に置き、静かに近くで待ち夜間を中心に探す
- 明るくなってから探すことにして、今夜は家に入る
- 近所の人にも協力を求め大勢で一斉に探し回る
正解B.好物と自分の匂いのついたハウスを庭に置き、静かに近くで待ち夜間を中心に探す
解説逃げたウサギは恐怖で物陰に隠れ、追い立てるほど遠くへ逃げるため、走り回って追うのは逆効果である。好物と飼い主やケージの匂いがついたハウスを近くに置き、静かに待つ。薄明薄暮性で夕方から夜に動くので、夜間を中心に懐中電灯で低い位置を探す。屋外にはカラス・野良猫・イタチなど天敵がおり、夏は熱中症や寄生虫の危険もあるため、朝まで放置するのは危険度が高い。大勢で騒いで探すとパニックで道路へ飛び出す恐れがある。
課題ベランダの窓を開けたままにする、柵の隙間を確認していないなど、逸走対策が不十分だった。夏の屋外の危険(天敵・暑さ・寄生虫)を軽視していた。
改善案ベランダ・玄関はウサギが出ている間は開けない。囲いは80cm以上にし、ケージ扉の閉め忘れも確認する。迷子に備え、写真を撮っておき、ハウスや好物を使った捕まえ方を家族で共有する。保護後は熱中症や寄生虫の確認のため受診する。
Q26ソファから飛び降りて動かない事故
4歳のオスを膝に乗せてソファで撫でていたところ、突然ソファの背もたれから床へ飛び降りた。高さは約80cm。着地でドスンと音がし、その後ケージの前で前足を突っ張ったまま動かない。触ると体が硬直し、後ろ足を少し引きずるように見える。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 体を平らに保ってキャリーに移し、揺らさず今すぐ受診する
- 元気を出させるためおやつで誘って歩かせる
- 抱っこして体をさすり、痛みが引くのを待つ
- 数時間ケージで休ませ、夜になっても動かなければ受診する
正解A.体を平らに保ってキャリーに移し、揺らさず今すぐ受診する
解説ウサギは骨密度が低く、ソファなど80cm程度の高さからの着地でも背骨や後肢を骨折することがある。着地後に動かず後ろ足を引きずる場合は脊椎損傷を疑い、触らず体を平らに保ってキャリーへ移し、揺らさず今すぐ受診する。おやつで歩かせたり抱いてさすったりするのは損傷を広げる。数時間の様子見は神経損傷の治療機会を逃し、膀胱麻痺も進む。落下事故の中でもソファ・ベッドからの飛び降りは非常に多い。
課題ソファの上で抱くことで落下の高さを作っていた。落ち着いて見えても突然飛び降りる被捕食動物の行動特性を理解していなかった。
改善案抱っこやスキンシップは床に座って行い、ソファやベッドに乗せない。部屋んぽの範囲は囲いで区切り、高い家具に登れない配置にする。落下・飛び降り後の後ろ足の異常は即受診と覚える。
Q27猫が同じ部屋に入ってしまった事故
来客が玄関を開けた隙に、隣家の猫が家に入り、部屋んぽ中の1歳のメスを追い回した。猫を追い出した後、ウサギは家具の下から出てこない。引き出すと外傷は見当たらないが、体が激しく震え、呼吸が非常に速く、心臓が触ってわかるほど激しく打っている。ケージに戻しても隅で固まったまま。
最も適切な対応はどれか
- 傷がないので安心し、いつも通り部屋んぽを続けさせる
- 落ち着かせるため家族全員で抱いて撫で回す
- 猫のひっかき傷がないか今すぐ全身の毛をかき分けて念入りに調べる
- ケージを暗く覆って静かにし、呼吸や食欲を観察、食べない・異常があれば当日受診する
正解D.ケージを暗く覆って静かにし、呼吸や食欲を観察、食べない・異常があれば当日受診する
解説猫に追い回されたウサギは、外傷がなくても極度のストレスでショック状態に陥り、心停止や、その後のうっ滞を起こすことがある。まずケージを暗く覆い、静かで天敵のいない場所に置いて刺激を減らす。呼吸が落ち着き牧草を食べ始めれば回復傾向だが、数時間たっても震えが続く、食べない、便が出ない場合は当日中に受診する。猫の牙による小さな傷は毛に隠れて膿瘍化しやすいので、落ち着いてから体表を確認し、傷があれば受診する。部屋んぽの継続や大勢で触るのはストレスを重ね、震えている最中に全身をかき分けるのも今は避ける。
課題玄関開放時のウサギの所在を把握せず、天敵となる猫の侵入を想定していなかった。恐怖だけで命に関わるショックやうっ滞を起こすウサギの特性を知らなかった。
改善案来客時や玄関を開ける時は事前にケージへ戻す。犬・猫・フェレットとは同じ部屋にしない。ケージには鍵をかける。ストレス後は食欲と便を12時間注意深く観察し、減れば受診するルールを決める。
Q28風呂の残り湯に落ちた事故
部屋んぽ中、開いていた浴室のドアから入り込み、2歳のオスが残り湯の張った浴槽に落ちた。数分後に気づいて引き上げると、全身びしょ濡れで動きが鈍く、咳のような音を出し、口から水が垂れる。体は冷たく震えている。季節は2月で室温は15℃。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- ドライヤーの熱風を最大にして至近距離で乾かす
- タオルで水気を拭き取り、暖かい部屋で徐々に保温しながら呼吸を観察し、今すぐ受診する
- 元気になるまで浴室で自然乾燥させる
- 逆さに持って口から水を出させる
正解B.タオルで水気を拭き取り、暖かい部屋で徐々に保温しながら呼吸を観察し、今すぐ受診する
解説ウサギは水に浸かると急速に体温を奪われ、低体温とショックに陥る。まず乾いたタオルで水気を吸い取り(強くこすらない)、18〜24℃の部屋でタオルに包んで徐々に保温する。咳や口からの水は誤嚥を示し、後から肺炎や肺水腫が出るため今すぐ受診する。ドライヤーの熱風を至近距離で当てると火傷とパニックを招く。浴室での自然乾燥は低体温を進める。逆さに持つ処置は背骨骨折の危険が高く、ウサギには行わない。
課題浴室のドアを開けたまま部屋んぽをさせ、水場という危険を想定していなかった。ウサギは水浴び自体が禁忌であり、濡れると体温を保てないことを知らなかった。
改善案部屋んぽの範囲は囲いで区切り、浴室・キッチン・ベランダには入れないようドアを閉める。浴槽の残り湯は抜くか蓋をする。濡れた時の保温手順と、誤嚥後は受診が必要なことを家族で共有する。
Q29ケージの扉が開いたまま外出した事故
夕方帰宅すると、朝閉め忘れたケージの扉が開いており、5歳のメスが部屋を自由に歩き回っていた。部屋には観葉植物、スマホの充電コード、輪ゴムが床に落ちている。コードの被覆にかじった跡があり、輪ゴムは1本見当たらない。ウサギは元気そうで牧草も食べている。
最も適切な対応はどれか
- 元気で食べているので問題ないと判断し、扉を閉めて普段通り過ごす
- 輪ゴムを吐かせるため塩水を飲ませる
- かじった跡・輪ゴムの紛失・植物の状態を確認し、便と食欲を数日観察、異常があれば当日受診する
- 部屋中を追い回して口の中を無理やり調べる
正解C.かじった跡・輪ゴムの紛失・植物の状態を確認し、便と食欲を数日観察、異常があれば当日受診する
解説ウサギは吐くことができないため、輪ゴムなど異物を飲み込んでいると腸閉塞を起こす。コードをかじった跡があれば感電の可能性もあり、後から肺水腫が出ることがある。元気に見えても、かじった物・紛失した物・観葉植物の減りを確認し、便の大きさと数、食欲を数日間注意深く観察する。便が小さくなる・出ない・食欲が落ちる・呼吸の異常があれば当日中に受診し、状況を伝える。不安が強ければ受診して相談してもよい。塩水で吐かせる処置はウサギには不可能で危険。追い回して口を調べるのはストレスと骨折の危険がある。
課題ケージの扉の閉め忘れという基本的な確認不足と、部屋にコード・輪ゴム・観葉植物など危険物が放置された環境の問題があった。ウサギが吐けない動物であることの理解も不足していた。
改善案外出前に扉のロックを指差し確認する習慣をつける。ケージ周辺と部屋んぽの範囲からコード・ゴム・ビニール・観葉植物を排除し、コードは配線カバーに入れる。異物を飲み込んだ疑いがある時の観察項目と受診基準を決めておく。
Q30車内でキャリーが倒れた事故
通院のため車で移動中、急ブレーキでシートに置いたキャリーが床に転がり落ちた。中の3歳のオスが激しく暴れ、車を止めて開けると鼻から少量の血が出て、キャリーの中に牧草と便が散乱している。目は見開き、呼吸が速い。病院まではあと15分。
最も適切な対応はどれか
- キャリーをシートベルトで固定し暗く覆って、そのまま病院へ向かい落下も伝える
- その場で外に出して落ち着かせ、歩かせて異常がないか確認する
- 鼻血を止めるため鼻にティッシュを詰める
- 落ち着かせるため助手席で抱っこして病院へ向かう
正解A.キャリーをシートベルトで固定し暗く覆って、そのまま病院へ向かい落下も伝える
解説移動中に出して歩かせると逃走や再落下の危険があり、暴れた直後の状態で骨折を見落とす。キャリーをシートベルトで固定し、タオルで暗く覆って刺激を減らし、そのまま病院へ向かう。到着後、落下の事実と鼻血・暴れたことを必ず伝え、骨折や頭部外傷の確認を受ける。鼻にティッシュを詰めるとウサギは鼻呼吸のため呼吸困難に陥る。抱っこでの移動は次の急ブレーキで落下や圧迫を招き、暴れて背骨を折る危険がある。
課題キャリーをシートに置くだけで固定しておらず、急ブレーキで転落する状況を作った。移動中の暴れで骨折することの認識と、搬送時の暗く覆う工夫が不足していた。
改善案キャリーは床か、シートベルトで固定して置き、タオルを敷いて体を支える。移動中は暗く覆い、夏は保冷剤、冬はカイロを外側に添える。車内で扉を開けない。落下や強い衝撃があった時は必ず獣医師に伝える。
Q31玉ねぎの切れ端を食べた中毒・誤飲
夕食の支度中、床に落ちた玉ねぎの切れ端(2cm角ほど)を、部屋んぽ中の2歳のメスが食べてしまった。その場では特に変わった様子はなく、牧草も食べている。飼い主は「少しなら大丈夫」と思ったが、ネギ類は犬猫に危険と聞いた記憶がある。時刻は夜7時。
最も適切な対応はどれか
- 少量なので問題ないと考え、特に何もせず通常通り過ごす
- 指を喉に入れて吐かせようとする
- 牛乳を飲ませて毒を薄める
- 食べた量と時刻を記録し、動物病院に電話して指示を仰ぎ、数日間尿の色と元気を観察する
正解D.食べた量と時刻を記録し、動物病院に電話して指示を仰ぎ、数日間尿の色と元気を観察する
解説玉ねぎなどネギ類はウサギにも溶血性貧血を起こす中毒物質で、症状は数日遅れて赤い尿・元気消失・呼吸が速いなどとして現れる。少量でも体重1〜2kgの小さな体には影響が出やすいため、食べた量と時刻を記録し、動物病院に電話して受診の要否を相談する。その後数日間は尿の色、食欲、呼吸を観察し、赤い尿やぐったりが出れば即受診する。ウサギは解剖学的に嘔吐できないため、吐かせる行為は無意味で口や喉を傷つける。牛乳は乳糖で下痢を起こし、毒を薄める効果はない。
課題調理中に部屋んぽをさせ、床に落ちた食材にウサギが届く状況だった。ネギ類がウサギにも有害であること、症状が遅れて出ることを知らず、少量だからと軽視した。
改善案調理中や食事中はウサギをケージに戻す。キッチンには囲いで入れないようにする。ネギ類・じゃがいもの芽・アボカド・チョコレートなど危険食材を冷蔵庫に貼っておき、誤食したら量と時刻を記録して病院に電話する手順を決める。
Q32観葉植物の葉がかじられている中毒・誤飲
日曜の昼、リビングのポトスの鉢の周りに葉の切れ端が散らばり、部屋んぽ中の1歳のオスの口の周りが緑色に汚れている。30分後、口から泡状のよだれが出て、しきりに口をパクパクさせ、前足で顔をこする。牧草には口をつけない。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 口の中を水道水で強く洗い流し、落ち着くまで待つ
- 植物名と食べた量、時刻を控え、植物の一部を持って今すぐ受診する
- よだれは自然に止まるので、夜まで様子を見る
- 毒を中和するため炭酸水を飲ませる
正解B.植物名と食べた量、時刻を控え、植物の一部を持って今すぐ受診する
解説ポトスやディフェンバキアなどの観葉植物はシュウ酸カルシウムを含み、口内の激しい刺激と腫れ、よだれ、呼吸困難を起こす。泡状のよだれと口をこする仕草は既に中毒症状が出ている状態で、今すぐ受診する。植物の名前・食べた量・時刻を控え、実物の葉を持参すると治療が早い。口を強く洗うとパニックで誤嚥し、口の腫れで気道が狭くなることもある。夜まで待つと腫れが進み呼吸困難や食欲不振からうっ滞に至る。炭酸水などで中和する効果はなく、飲ませる行為自体が誤嚥の危険を伴う。
課題観葉植物を部屋んぽの範囲に置いていた環境の問題があった。植物の多くがウサギに有毒であることを知らず、自然の草と同じ感覚で捉えていた。
改善案部屋んぽの範囲から観葉植物を全て撤去するか、届かない高さと囲いで完全に隔離する。家にある植物の名前と毒性を調べておく。かじる欲求はかじり木や牧草で満たす。誤食後は植物の実物を持参して受診する手順を決める。
Q33布の敷物をかじって繊維が便に混じる中毒・誤飲
ケージに布製のマットを敷いて1か月。3歳のメスがマットの端をかじって穴が開いている。今朝の便に糸くずのような繊維が混じり、便の大きさが普段の半分ほどになった。牧草は食べているが、量が少し減った気がする。お腹を触ると少しふくらんでいる。
最も適切な対応はどれか
- 便に繊維が出ているので排出できていると判断し、そのまま使い続ける
- 繊維を絡め取るため、油を飲ませる
- 布マットを撤去し、牧草と水を十分に与えて便と食欲を厳重に観察、当日中に受診して相談する
- マットの端をテープで補修して続ける
正解C.布マットを撤去し、牧草と水を十分に与えて便と食欲を厳重に観察、当日中に受診して相談する
解説布やカーペットの繊維は消化されず、胃や腸で毛と絡んで塊になり、うっ滞や腸閉塞の原因になる。便が半分の大きさになり、牧草の量が減り、腹部がふくらんでいるのは既にうっ滞の初期サインである。まず布マットを撤去し、牧草と水を十分に与えて腸を動かし、当日中に受診してレントゲンなどで閉塞の有無を確認してもらう。繊維が便に出ていても、残りが胃に溜まっている可能性がある。油を飲ませる処置は誤嚥と下痢を招き効果がない。テープで補修すると今度はテープを食べる。
課題かじる習性のあるウサギに布製マットを使い、穴が開いても撤去しなかった。便の大きさ変化を早期の異常サインとして捉える意識が弱かった。
改善案床材はかじっても安全なワラのマット・木製すのこ・麻マットに変える。布や毛足の長い敷物はケージにも部屋んぽにも使わない。便の大きさ・数を毎日確認し、半分以下になったら当日受診と決める。かじり木やわらボールでかじる欲求を満たす。
Q34子どものチョコレートを食べた中毒・誤飲
子どもがテーブルに置いた板チョコを、部屋んぽ中の1歳のオスが半分(約25g)食べてしまった。1時間後、いつもより落ち着きがなく、ケージ内を行ったり来たりし、呼吸が速く、耳を触ると熱い。水は飲んでいる。まだ牧草は食べる。時刻は夜8時、かかりつけは閉まっている。
最も適切な対応はどれか
- 食べた量と時刻を伝え、夜間救急に電話して今すぐ受診する
- まだ食べているので朝のかかりつけ開院まで待つ
- 興奮を抑えるためケージを暗くして、飲み水を減らす
- 大量の牧草を食べさせて薄める
正解A.食べた量と時刻を伝え、夜間救急に電話して今すぐ受診する
解説チョコレートに含まれるテオブロミンとカフェインは、ウサギのような小さな体では少量でも興奮・頻脈・高体温・けいれんを起こす。25gは体重1〜2kgには危険量であり、既に落ち着きのなさ・速い呼吸・耳の熱感という症状が出ているため、夜間救急に電話して今すぐ受診する。ウサギは吐けないので摂取後の対応は輸液や対症療法が中心となり、早いほど良い。朝まで待つと不整脈やけいれんに進む恐れがある。水を減らすと脱水と高体温が悪化する。牧草を食べさせても毒は薄まらない。
課題子どもの食べ物が置かれたテーブルに届く状況で部屋んぽをさせていた。チョコレートがウサギにも有毒だと知らず、初期症状を「元気」と誤解しかけた。夜間救急の連絡先を把握していなかった。
改善案人の食べ物は部屋んぽの範囲に置かない。テーブルは囲いの外にする。子どもに「ウサギに人の食べ物をあげない・置かない」を教える。危険食材リストと夜間救急の番号を貼っておき、誤食したら量と時刻を記録して電話する。
Q35ビニール袋の切れ端がなくなった中毒・誤飲
買い物袋を床に置いたまま出かけ、帰宅すると4歳のメスがビニール袋をかじって穴が開いており、手のひら大の切れ端が見当たらない。本人は牧草を食べ便も出ている。ただ、翌日の朝には便が小さく数も減り、時々お腹を床に押し付けるような姿勢をとる。呼吸は普通。
最も適切な対応はどれか
- まだ食べているので、繊維の多い牧草だけで様子を見て自然排出を待つ
- 腸を動かすため人間用の便秘薬を飲ませる
- 大量のキャベツを与えて便を柔らかくして排出させる
- ビニール誤飲の経緯と便の変化を伝え、当日中に受診してレントゲン等で閉塞の有無を確認する
正解D.ビニール誤飲の経緯と便の変化を伝え、当日中に受診してレントゲン等で閉塞の有無を確認する
解説ビニールは消化されず、腸で詰まると完全閉塞を起こし、数時間から1日で致命的になる。誤飲の翌日に便が小さく減り、お腹を床に押し付ける痛みの姿勢が出ているのは、閉塞や部分閉塞の疑いが強い状態である。当日中に受診し、レントゲンや超音波で閉塞の有無を確認する。牧草だけで待つと閉塞が進み手術のタイミングを逃す。人間用便秘薬は用量も作用も不適切で、閉塞があれば腸破裂の危険がある。生野菜を大量に与えるとガスが増え悪化する。
課題ビニール袋を床に置いたまま外出し、ウサギが届く環境を放置した。「食べている」ことを根拠に危険性を過小評価し、翌日の痛みのサインを見過ごしそうになった。
改善案ゴム・ビニール・電気コード・布は必ずウサギの届かない場所へ片づけ、外出前に床を点検する。異物誤飲の疑いがあれば当日のうちに病院へ電話し、便の大きさと数の変化を24時間記録する。痛みの姿勢(お腹を押し付ける・うずくまる)は即受診と覚える。
Q36真夏の停電で室温が上がる環境・災害
8月の午後2時、落雷で停電しエアコンが止まった。室温計は31℃を示している。3歳のオスは耳が真っ赤に熱くなり、体を伸ばして床に張り付き、口を開けて速い呼吸をしている。冷凍庫に凍らせたペットボトルがあり、水道は使える。復旧の見込みは不明。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 冷水を全身にかけて一気に体温を下げる
- 最も涼しい場所へ移し、タオルで包んだ凍ったペットボトルを置き、耳を濡らして冷やし受診の準備をする
- 氷を直接体に当てて動かないよう押さえる
- 涼しくなる夜まで待ち、水を多めに置いておく
正解B.最も涼しい場所へ移し、タオルで包んだ凍ったペットボトルを置き、耳を濡らして冷やし受診の準備をする
解説耳の熱感・体を伸ばして張り付く・口を開けた速い呼吸は熱中症の危険サインで、28℃以上では命に関わる。北側の部屋や床の低い位置などできるだけ涼しい場所へ移し、凍らせたペットボトルをタオルで包んで隣に置き、耳を濡らしたタオルで拭いて放熱を助け、水を飲めるようにする。改善が乏しい・ぐったりしていれば保冷剤を添えて今すぐ受診する。冷水を全身にかけるとショックと急激な体温低下を招き、水浴び自体が禁忌である。氷を直接当てると血管が収縮して放熱が妨げられ、凍傷も起こす。夜まで待つのは致命的。
課題停電時の暑さ対策を用意しておらず、エアコン頼みだった。ウサギが暑さに極端に弱く、28℃以上で熱中症になることの理解が不十分で、対応が遅れかけた。
改善案夏は凍らせたペットボトルやアルミ板を常に用意し、停電時に涼しい部屋へ移せるよう避難先を決めておく。温湿度計をケージに置き、28℃を超えたら対策する。熱中症の初期サインと受診基準を家族で共有し、保冷剤を入れたキャリーで搬送できる準備をする。
Q37冬の夜の停電で暖房が止まった環境・災害
1月の深夜、大雪で停電し、暖房とペットヒーターが止まった。室温はみるみる下がり、朝4時には8℃。7歳の高齢メスが体を丸めて動かず、耳と足先が冷たい。呼びかけると反応はあるが、牧草に口をつけない。使い捨てカイロと毛布、段ボールはある。
最も適切な対応はどれか
- カイロをケージの中に直接入れ、ウサギの体に貼りつける
- 人間の布団に入れて一緒に寝る
- ケージを段ボールと毛布で覆い、タオルで包んだカイロを外側に添え、朝に食欲を確認して受診を判断する
- ストーブ代わりにろうそくをケージの横に並べる
正解C.ケージを段ボールと毛布で覆い、タオルで包んだカイロを外側に添え、朝に食欲を確認して受診を判断する
解説5℃以下は要保温だが、8℃でも高齢で動かない個体は体温を失いやすい。ケージを段ボールと毛布で覆って保温し、カイロはタオルで包んでケージの外側に添え、直接触れないようにする。カイロを直接体に貼るとかじって中身を食べたり低温火傷を起こす。布団に入れると圧迫や落下の危険があり、ウサギは布団の繊維をかじって誤飲する。ろうそくは火災と一酸化炭素の危険がある。朝になっても牧草を食べない、便が出ないなら、寒さによるうっ滞を疑い当日中に受診する。
課題冬の停電に備えた電源不要の保温手段を準備していなかった。高齢個体が寒さに弱く、体温低下からうっ滞に進みやすいことの認識が不足していた。
改善案冬は使い捨てカイロ・毛布・段ボール・湯たんぽを常備し、電源に頼らない保温の手順を決めておく。ケージは床から上げて冷気を避ける。停電後は食欲と便を確認し、食べなければ受診する。高齢個体は温湿度計で18〜24℃を維持する。
Q38大地震の後、避難所へ行くか迷う環境・災害
夜9時、震度6弱の地震が発生。食器棚が倒れ、ケージが横倒しになった。2歳のメスはケージの隅で固まっているが外傷はないようだ。余震が続き、自治体から避難指示が出た。近くの避難所はペット同行可だが、犬が多いと聞く。キャリーと牧草は手元にある。
最も適切な判断はどれか
- キャリーにタオルと牧草を入れて同行避難し、避難所では犬から離れた場所に置き暗く覆う
- ウサギをケージのまま家に残し、飼い主だけ避難する
- ウサギを胸に抱いたまま徒歩で避難所へ向かう
- ケージから出して家の庭に放し、自力で生き延びさせる
正解A.キャリーにタオルと牧草を入れて同行避難し、避難所では犬から離れた場所に置き暗く覆う
解説災害時はペットの同行避難が基本であり、余震で家屋が倒壊すればウサギを残すのは危険である。キャリーにタオルを敷き牧草と水を入れ、暗く覆って同行避難する。避難所では犬猫など天敵の声や匂いが強いストレスになるため、離れた場所に置き、布で覆って静かにする。抱いたままの移動は暴れて落下・骨折し、逃走の危険も高い。庭に放せば天敵や寒さで生き延びられない。避難後は食欲と便を観察し、食べなければ獣医師に相談する。倒れたケージでの外傷も落ち着いてから確認する。
課題ケージが倒れる場所に食器棚があり、地震時の固定が不十分だった。避難所のペット受け入れ状況や、同行避難の方法を事前に調べておらず、当日に迷う状況になった。
改善案家具とケージを固定し、倒れやすい物から離す。同行避難できる避難所を確認し、キャリー・牧草1週間分・水・トイレ砂・食器・写真を防災袋にまとめる。避難先で暗く覆う布、犬猫から離れる配置を想定しておく。
Q39加湿しすぎで牧草がカビた環境・災害
梅雨時、部屋の湿度が75%を超える日が続いた。牧草入れに入れたまま3日たったチモシーが湿って青緑色の点が付き、においが変だ。2歳のオスは今朝からくしゃみをし、皮膚の一部にフケが出ている。牧草の残り袋も床に置いたままで湿っている。
最も適切な対応はどれか
- カビの部分だけ取り除いて残りの牧草を与え続ける
- 天日干しして乾かせば安全なので、干してから与える
- 湿気を飛ばすためストーブでケージの周りを温める
- カビた牧草と湿った袋を全て廃棄し、除湿で40〜60%に保ち、くしゃみとフケが続けば数日以内に受診する
正解D.カビた牧草と湿った袋を全て廃棄し、除湿で40〜60%に保ち、くしゃみとフケが続けば数日以内に受診する
解説多湿は牧草のカビと皮膚病の原因で、カビの生えた牧草は消化管障害や呼吸器症状を招く。目に見えるカビはごく一部で、胞子は全体に広がっているため部分的に取り除いても安全ではなく、天日干しでも毒素は消えない。カビた牧草と湿った袋は全て廃棄し、新しい牧草を密閉容器で保管する。除湿機やエアコンで湿度を40〜60%に保ち、くしゃみとフケが続くなら皮膚糸状菌やスナッフルの可能性もあり、数日以内に受診する。ストーブで温めると温度が上がりすぎ、梅雨時は熱中症の危険もある。
課題湿度を計測せず、牧草を床に置いたまま湿らせるなど保管管理が甘かった。多湿が皮膚病・呼吸器病・カビにつながるという飼育環境の知識が不足していた。
改善案温湿度計をケージ横に置き、湿度40〜60%を除湿機やエアコンで維持する。牧草は密閉容器で床から離して保管し、牧草入れは毎日交換する。梅雨時はくしゃみ・フケ・かかとの湿りを毎日確認する。
Q40寒い朝、ケージ内が5℃だった環境・災害
12月の朝6時、北向きの窓際に置いたケージの温度計が5℃を示していた。夜中に暖房のタイマーが切れていた。1歳のオスは体を丸めてじっとし、触ると耳が冷たい。呼びかけるとゆっくり反応し、牧草を少し口にした。給水ボトルの水は減っていない。
最も適切な対応はどれか
- ドライヤーの温風を体に直接当てて急いで温める
- 部屋を暖め、ケージを窓際から離して毛布で一部を覆い、水を替えて食欲と便を観察、食べなければ当日受診する
- 元気になるようにペレットとおやつをたっぷり与える
- 温かい牛乳を飲ませて体の中から温める
正解B.部屋を暖め、ケージを窓際から離して毛布で一部を覆い、水を替えて食欲と便を観察、食べなければ当日受診する
解説5℃以下は要保温の温度であり、耳が冷たく動かないのは低体温の初期サインである。急激に温めると血圧変動でショックを起こすため、部屋全体を暖め、ケージを窓際から離して毛布で一部を覆い、ヒーターを一部に置いて徐々に18〜24℃へ戻す。冷たい水は飲まなくなるので新しい水に替える。寒さで腸の動きが落ちてうっ滞に進みやすいため、牧草を食べない・便が出なければ当日受診する。ドライヤーの直接当ては火傷とパニックを招く。おやつや牛乳は消化管を乱す。
課題ケージを北向きの窓際という温度差の大きい場所に置き、暖房のタイマーで夜間の温度低下を防げていなかった。ウサギの適温と低温時の危険を数値で把握していなかった。
改善案ケージは窓際・玄関を避け、床から少し上げた温度の安定した場所に置く。冬は暖房を切らない設定にし、ケージの一部にヒーターを設置して逃げ場も作る。温湿度計の最低最高記録機能で夜間の温度を確認する。
Q41円形の脱毛とフケが広がる感染症・衛生
ペットショップから迎えて3週間の生後3か月のメス。鼻の周りと耳の付け根に円形の脱毛ができ、皮膚が白いフケで覆われている。かゆがる様子は少ない。世話をしている小学生の子どもの腕にも、輪状の赤い発疹が出てきた。家には先住のウサギも1羽いる。
最も適切な対応はどれか
- 人の水虫薬を子ウサギの脱毛部に塗って様子を見る
- かゆがらないので放置し、換毛だと考える
- 子ウサギを先住と分け、世話は手袋と手洗いで行い数日以内に受診し、子どもは皮膚科へ
- 脱毛部をお湯で洗ってきれいにする
正解C.子ウサギを先住と分け、世話は手袋と手洗いで行い数日以内に受診し、子どもは皮膚科へ
解説円形脱毛と白いフケ、世話をする人の輪状の発疹は皮膚糸状菌症(真菌感染)を強く疑う。人獣共通感染症で、毛や皮膚との接触でうつるため、子ウサギを先住から隔離し、世話は手袋をして最後に行い、終わったら手洗いする。数日以内に受診して真菌検査と治療を受け、子どもは皮膚科を受診する。ケージや用具は洗って消毒し、抜け毛を掃除する。人の外用薬は用量や成分が不適切で舐める危険がある。放置は先住と家族への感染拡大を招き、水浴びは禁忌である。
課題新しい個体を迎えてすぐ先住と同じ空間で世話をし、検疫期間を設けていなかった。子どもが素手で世話をして手洗いも徹底されず、人にうつる病気の存在を知らなかった。
改善案新しく迎えた個体は2〜4週間は別室で隔離し、迎えて数日以内に健診を受ける。世話の順番は健康な個体からにし、最後に手洗いする。脱毛・フケがあれば手袋で扱い、寝具やブラシは共有しない。子どもにも動物を触った後の手洗いを習慣づける。
Q42背中のフケがひどく飼い主に発疹感染症・衛生
5歳のオスの背中から腰にかけて、動くとふわっと舞うほど大量のフケが出ている。本人は頻繁に体をかき、毛が薄くなってきた。ソファで一緒にくつろいでいた飼い主の腕や首に、赤くかゆい小さな発疹が点々と出ている。ブラッシングは同じブラシを先住ウサギと共用している。
最も適切な対応はどれか
- ダニを疑い受診して駆虫し、寝具やブラシを共有せず消毒、飼い主は皮膚科へ行く
- フケ取り用の人間のシャンプーで洗い、乾かす
- 保湿スプレーを背中にかけてフケを抑える
- かゆみは換毛のせいなので、ブラッシングを強めにして様子を見る
正解A.ダニを疑い受診して駆虫し、寝具やブラシを共有せず消毒、飼い主は皮膚科へ行く
解説大量のフケ・かゆみ・脱毛と、接触した人の赤い発疹はウサギツメダニ症の典型である。ダニは接触や寝具・ブラシの共有でうつるため、当日〜数日以内に受診して駆虫薬による治療を受け、先住ウサギも同時に診てもらう。ケージ・寝具・ブラシは洗って熱湯や消毒で処理し、共有をやめる。飼い主の発疹は皮膚科を受診する。ウサギの水浴びは禁忌で、人用シャンプーは皮膚を傷める。保湿スプレーはダニを除去できない。強いブラッシングは皮膚を傷つけ、ダニを飛び散らせる。
課題フケとかゆみを換毛と見なして受診が遅れ、ブラシを複数個体で共用して感染を広げた。ソファで密着していたため人にもうつった。寄生虫が人にうつる可能性を知らなかった。
改善案ブラシや寝具は個体ごとに分け、定期的に洗浄する。フケが多い・かゆがる個体は早期に受診し、同居個体も一緒に検査する。膝や寝具で密着した後は手洗いし、人に発疹が出たら皮膚科へ行く。ケージの週1回の清掃と消毒を習慣にする。
Q43新しく迎えたウサギをすぐ同居させた感染症・衛生
里親募集で1歳のメスを迎え、その日のうちに先住の3歳メスと同じ部屋の隣ケージに置いた。3日後、新入りがくしゃみを繰り返し、鼻水が出て、水入れも共用にしていた。先住はまだ元気だが、新入りの毛を触った手でそのまま先住の口元を撫でていた。
最も適切な対応はどれか
- 先住も同じ症状が出るか確認するため、そのまま隣に置いて観察する
- 免疫をつけるためあえて一緒にして慣らす
- 新入りの鼻水を拭いて、ケージを消毒すれば同居を続けてよい
- 新入りを別室に隔離し、世話は先住を先にして手洗いと用具の分離を徹底、新入りを当日受診する
正解D.新入りを別室に隔離し、世話は先住を先にして手洗いと用具の分離を徹底、新入りを当日受診する
解説くしゃみと鼻水はスナッフル(パスツレラ菌など)の疑いで、飛沫や接触、共用の水入れ、飼い主の手を介して先住にうつる。新入りは別室に隔離して当日受診し、治療を始める。世話は健康な先住を先に行い、新入りを最後にして手洗い、用具は完全に分ける。そのまま隣に置けば先住が感染し、慢性化して再発を繰り返す病気を2頭抱えることになる。免疫をつける発想は根拠がなく危険で、消毒だけでは飛沫と手指を介した感染は防げない。
課題新しい個体を検疫期間なしで先住と同じ部屋に置き、水入れの共用や手を洗わずに触るなど、感染管理の基本ができていなかった。迎える前の健診も行っていない。
改善案新しく迎えた個体は最低2〜4週間別室で隔離し、迎えて数日以内に健診で鼻・皮膚・便を検査する。世話の順番は健康な個体から、最後に手洗い。食器・トイレ・ブラシは個体ごとに用意する。多頭飼育では1頭の異常を全頭の問題と捉える。
Q44汚れたお尻にハエが止まっていた感染症・衛生
8月、網戸の破れた部屋で飼う7歳の高齢メス。関節が悪く盲腸便を食べ残し、お尻の周りが便で固まって数日たっていた。夕方、お尻のあたりにハエが止まっているのを見つけ、毛をかき分けると皮膚が湿って赤くただれ、白い小さな虫がうごめいている。本人はぐったりして食欲がない。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- お尻をお湯で丸洗いし、ドライヤーで乾かしてケージに戻す
- 見える虫をできる範囲で除き、涼しく清潔なキャリーに移して今すぐ受診する
- 市販の殺虫スプレーを患部に噴霧する
- 便を取り除いて清潔にし、翌日まで様子を見る
正解B.見える虫をできる範囲で除き、涼しく清潔なキャリーに移して今すぐ受診する
解説ハエが汚れた皮膚に卵を産み、孵化したウジが皮膚を食い荒らすハエウジ症で、毒素と組織破壊により数時間から1日で死亡することがある救急疾患である。見える虫をピンセットで除ける範囲で除き、涼しく清潔なキャリーに移して今すぐ受診し、全身のウジ除去と輸液・抗菌治療を受ける。お湯での丸洗いは低体温とショックを招き、ドライヤーで奥のウジは除けない。殺虫スプレーは皮膚から吸収され中毒を起こす。翌日まで待てばウジが深部に達し致命的になる。
課題網戸の破れを放置し、夏にハエが侵入する環境だった。高齢で盲腸便を食べ残しお尻が汚れていたのに数日放置し、お尻の確認と拭き取りを怠っていた。
改善案網戸を修理し、夏はハエ・蚊の侵入を防ぐ。お尻の汚れは毎日確認し、濡れタオルで拭き取る。盲腸便を食べ残す原因(肥満・関節・歯)を受診で調べる。トイレとケージ床は毎日掃除し、湿った汚れを残さない。
Q45ケージの中でぐったりして反応がない救命救急
朝起きると、6歳のオスがケージの隅で横倒しになっている。名前を呼んでも耳が動かず、体に触れても反応が鈍い。胸の動きがあるかどうかはっきりしない。昨夜は牧草を食べていた。体は少し温かい。家族が「もう死んでいる」と言って泣き出した。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 反応がないのでそのまま静かに見送る
- 大声で呼びながら体を強く揺さぶって起こす
- 耳や体に触れて反応を確認し、胸の上下で呼吸、胸に手を当てて心拍を確認し、あれば保温して今すぐ受診する
- 水を口に流し込んで意識を戻す
正解C.耳や体に触れて反応を確認し、胸の上下で呼吸、胸に手を当てて心拍を確認し、あれば保温して今すぐ受診する
解説まず名前を呼び、耳や体に触れて反応を見る。次に胸の上下で呼吸(正常は1分間に約30〜60回)、胸に手を当てて心拍(正常は約130〜325回)を確認する。呼吸と心拍があればショックや低血糖、うっ滞の末期などが考えられ、タオルで包んで保温し今すぐ受診する。呼吸も心拍もなければ心肺蘇生を開始し、病院に電話しながら搬送する。確認せずに諦めると救える命を失う。強く揺さぶるとウサギの折れやすい背骨を傷める。意識のない動物に水を流し込むと誤嚥して肺に入る。
課題意識・呼吸・心拍を確認する手順を知らず、見た目だけで死亡と判断しかけた。昨夜の食欲だけを根拠に安心し、朝までの変化に気づけなかった。
改善案反応・呼吸・心拍の確認手順と正常値をメモしてケージ横に貼る。高齢個体は夜寝る前と朝一番に状態を確認する。夜間救急の連絡先を把握し、家族全員が確認手順を実践できるようにする。
Q46呼吸も心拍も止まっている救命救急
夕方、抱っこ中に暴れて床に落ちた4歳のメスが、数分後に動かなくなった。名前を呼び、体に触れても反応がなく、胸の動きがない。胸に手を当てても心拍が感じられない。舌の色が紫がかっている。夜間救急まで車で20分。家族が車を出す準備をしている。
最も適切な処置はどれか
- 横向きにして口内の異物を除き、胸骨を指で挟み胸の厚み3分の1まで毎分100〜120回圧迫、30回ごとに鼻から2回息を吹き込み搬送する
- 仰向けにして両手で体重をかけ、人間と同じ深さで胸を強く押す
- 心臓を動かすため冷水を顔にかけて刺激する
- 蘇生は無理と判断し、動かさずに病院へ電話だけする
正解A.横向きにして口内の異物を除き、胸骨を指で挟み胸の厚み3分の1まで毎分100〜120回圧迫、30回ごとに鼻から2回息を吹き込み搬送する
解説呼吸・心拍の停止を確認したら直ちに心肺蘇生を開始する。横向きに寝かせ、口の中の異物を指で取り除き、胸骨の上を親指と他の指で挟んで1分間に100〜120回のリズムで圧迫する。深さは胸の厚みの3分の1まで。ウサギの背骨と肋骨は非常に折れやすいため、人間と同じ力で押すのは禁物である。30回圧迫ごとに鼻を口で覆い軽く2回息を吹き込む。病院に電話して状況を伝え、蘇生を続けながら搬送する。冷水は蘇生効果がなく低体温を招く。電話だけでは心停止からの回復は望めない。
課題落下事故そのものが立ったままの抱っこによって起きており、予防できた。心肺蘇生の手順と、ウサギの骨の弱さに合わせた圧迫方法を事前に学んでいなかった。
改善案抱っこは床に座って短時間、胸とお尻を支える。ウサギの心肺蘇生の手順(横向き・胸骨圧迫・3分の1の深さ・30対2)を紙にして救急箱に入れ、家族で確認する。夜間救急の番号を登録し、搬送中も圧迫を続けられるよう役割分担を決める。
Q47耳から大量の血が流れている救命救急
部屋んぽ中、家具の角に耳をぶつけた5歳のオスの耳から血が流れ、床に血だまりができている。耳を振るたびに血が飛び散り、部屋のあちこちが赤い。本人は動き回っており、意識ははっきりしている。飼い主は出血量の多さに動転している。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 血を洗い流すため耳を流水で洗い続ける
- 耳の付け根を輪ゴムで縛って血を止める
- 出血が多いので触らず、写真を撮って病院に送って指示を待つ
- 耳を清潔なガーゼで3〜5分強めに押さえ、途中でめくらず、止まらなければ受診する
正解D.耳を清潔なガーゼで3〜5分強めに押さえ、途中でめくらず、止まらなければ受診する
解説耳は血管が豊富で出血が多く見えるが、清潔なガーゼで3〜5分強めに押さえれば止まることが多い。途中でめくると血餅が剥がれて再出血するため、時間を計って押さえ続ける。ウサギを落ち着かせ、タオルで包んで動きを抑えると圧迫しやすい。5分押さえても止まらない、傷が大きい、ぐったりする場合は受診する。流水で洗い続けると血が固まらず、体も冷える。輪ゴムで縛ると耳の組織が壊死する。写真を送って待つ間に出血が続き、処置が遅れる。
課題出血の量に動転し、圧迫止血という基本の手順を実行できる準備も知識もなかった。家具の角など部屋んぽの範囲に危険が残っており、環境点検が不十分だった。
改善案ガーゼ・止血剤・タオルを救急箱にまとめ、圧迫止血は3〜5分めくらないと覚える。部屋んぽの範囲から尖った家具の角を避けるかカバーをつける。止血後は耳の傷を確認し、腫れや化膿があれば受診する。
Q48骨折疑いのウサギを真夏に搬送救命救急
7月の午後、室温28℃。抱っこ中に落ちて後ろ足が動かなくなった3歳のメスを病院へ運ぶ。車は炎天下に駐車しており車内は40℃を超えている。手元にはキャリー、タオル、保冷剤、凍らせたペットボトルがある。病院までは車で30分。
最も適切な搬送方法はどれか
- 早く涼しくするため保冷剤を体に直接当てて運ぶ
- キャリーにタオルを敷き体を平らに支え、タオルで包んだ保冷剤を隣に置き、暗く覆って冷やした車で運ぶ
- キャリーは狭いので、膝の上に乗せて抱いたまま運ぶ
- 車が暑いので涼しくなる夕方まで搬送を延期する
正解B.キャリーにタオルを敷き体を平らに支え、タオルで包んだ保冷剤を隣に置き、暗く覆って冷やした車で運ぶ
解説後ろ足が動かない場合は脊椎損傷を疑い、キャリーにタオルを敷いて体を平らに保ち、動かないよう周囲をタオルで支える。夏の搬送は熱中症との闘いになるため、車を先に冷やし、タオルで包んだ保冷剤や凍らせたペットボトルを隣に置き、暗く覆って直行する。保冷剤を直接当てると凍傷と急激な体温低下を招く。膝の上での搬送は揺れや暴れで損傷が広がり、急ブレーキで落下する。脊椎損傷は時間との勝負で、夕方まで延期すると神経回復の機会を失う。
課題立ったままの抱っこで落下事故を起こしたことに加え、夏の搬送に備えて車を冷やす準備や保冷剤の使い方を知らなかった。搬送の遅れが後遺症につながる認識が薄かった。
改善案夏は搬送前に車を冷やし、保冷剤・凍らせたペットボトルを常備する。キャリーにタオルを敷き暗く覆う搬送セットを準備する。冬はカイロを外側に添える。後ろ足の異常・落下は即受診と決め、車の手配を家族で分担する。
Q49夜11時、受診すべきか迷う救命救急
夜11時、3歳のオスが夕方6時頃から牧草を食べていない。便は夕方に小さいものが数個出て以降なし。お腹はやや張り、時々歯ぎしりをする。呼吸は普通で、呼ぶと顔を上げる。夜間救急は車で40分、診察料が高い。かかりつけは明朝9時開院。家族は「朝でいい」と言う。
最も適切な判断はどれか
- 呼びかけに反応するので朝まで待ち、開院と同時にかかりつけへ行く
- 5時間しかたっていないので、12時間になる明朝6時まで待って判断する
- 食欲低下・便の減少・腹部膨満・歯ぎしりがそろっており、夜間救急に電話して今すぐ受診する
- 人間用の胃薬を少量与えて朝まで様子を見る
正解C.食欲低下・便の減少・腹部膨満・歯ぎしりがそろっており、夜間救急に電話して今すぐ受診する
解説夕方から食べない、便が減った、お腹が張り歯ぎしりをするのは、うっ滞が進行して痛みが出ているサインで、待つほど腸内のガス貯留と脱水が進み、朝には手遅れになることがある。「12時間」はあくまで受診の上限の目安で、痛みや腹部膨満が出ていれば時間を待たず受診する。夜間救急に電話して状況を伝え、キャリーに牧草と便を入れて向かう。呼びかけに反応するのは重症でない証拠にはならない。人間用の胃薬は不適切で、症状を隠して判断を誤らせる。
課題診察料や距離、家族の意見が受診の判断を鈍らせていた。うっ滞の進行速度と、痛みのサインが出た時点で救急であることの理解が不足していた。
改善案夜間救急の連絡先と診察料の目安を事前に調べ、緊急時の費用として一定額を用意しておく。「食べない・便が減る・お腹が張る・歯ぎしり」のいずれかが出たら時間に関わらず受診すると家族で合意しておく。便と食事の記録を毎日つける。
Q50救急病院で何を伝えるか救命救急
深夜、2歳のメスが12時間以上食べず便も出ないため、初めての夜間救急へ向かう。受付で「状況を教えてください」と言われたが、慌てていて何を話せばよいかわからない。キャリーには何も入れず、ケージ内の便も捨ててしまった。室温も測っていない。
受診時の情報と準備として最も適切なものはどれか
- 最後に食べた時刻・便の状態・食事内容・室温を伝え、便や尿を持参し、キャリーに牧草を入れる
- 「元気がない」とだけ伝え、あとは獣医師に任せる
- ネットで調べた病名を伝え、その治療をしてほしいと頼む
- 症状を隠さないよう、思い出せることを時間をかけてすべて話す
正解A.最後に食べた時刻・便の状態・食事内容・室温を伝え、便や尿を持参し、キャリーに牧草を入れる
解説救急では短時間で正確な情報が診断と治療の速さを左右する。最後に食べた時刻、便の大きさ・数・硬さ、食事内容(牧草の種類・ペレット・野菜・おやつ)、室温を伝え、便や尿を持参する。キャリーには牧草を入れて食べられる環境にする。「元気がない」だけでは判断材料が足りず、検査が増えて時間がかかる。ネットで調べた病名の押しつけは誤診の原因になり、治療の選択は獣医師の判断に委ねる。時間をかけて話すより、要点を先に伝え、聞かれたことに答える方が処置が早く始まる。
課題救急受診の際に伝えるべき情報を整理しておらず、便を捨てる・室温を測らないなど、判断に必要な材料を失っていた。キャリーに牧草を入れる基本の準備もできていなかった。
改善案「最後に食べた時刻・便の状態・食事内容・室温」を書き込むメモをケージ横に用意し、毎日記録する。便と尿は受診前に捨てず持参する。キャリーには牧草とタオルを常備し、体重・持病・服薬をまとめた健康手帳を作っておく。

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