基本情報
- 寿命
- 15〜20年(飼育下で25年超も)
- 体重
- 600g〜1.2kg
- 性格
- 極めて活発で好奇心旺盛。群れで暮らす
- 飼育難易度
- 極高(法規制・運動量・排泄・高知能)
- 法規制
- 感染症法で輸入禁止(2005年〜)・CITES附属書II
- 最重要ポイント
- トイレは覚えない。毎日数時間の運動が必須
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長25〜35cm・尾40cm前後で巻き付けには使わない。白い顔と黒い口元が特徴。体の割に脳が大きい
- 原産地・分布
- 中南米(アマゾン川流域・中米の熱帯林)
- 野生での生息環境
- 熱帯雨林の中層。川沿いの林を好み、樹上で暮らす
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。日中ほぼ動き続け、夜は樹上で群れで眠る
- 社会性・人との関係
- 数十〜数百頭の大群で暮らす。単独飼育はストレスが大きい
特徴的な行動・習性
- 尾や手足に尿を塗り、縄張りや仲間へ匂いをつける
- 群れで鳴き交わし、警戒音で天敵の存在を知らせる
- 昆虫と果実を求めて1日数kmを樹上で移動する
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
代謝性骨疾患
予兆足を引きずる・枝から落ちる・骨折・背中が曲がる
予防ビタミンD3入り霊長類ペレットとCa剤。UVB灯を設置。果物偏重を避ける
糖尿病・肥満
予兆多飲多尿・体重増加・毛づや低下・白内障
予防果物・菓子を控えペレット・野菜・虫中心に。体重を週1回記録し運動を確保
歯周病・歯石
予兆口臭・よだれ・硬い物を避ける・顔の腫れ・歯が茶色
予防硬いペレット・虫・枝かじりで自然に磨く。年1回の口腔検査と歯石除去
腸内寄生虫・細菌性腸炎
予兆下痢・粘液便・血便・痩せる・嘔吐
予防導入時と年2回の糞便検査。床の排泄物を毎日除去。生ものを避ける
呼吸器感染症
予兆咳・くしゃみ・鼻水・呼吸が速い・食欲低下
予防人の風邪がうつる。飼育者が体調不良の時はマスクと手洗い。温度差を避ける
ストレス性自傷
予兆尾や腕を噛む・脱毛・常同行動・叫び続ける
予防単独飼育を避ける。毎日の採食パズル・運動時間・仲間との交流を確保
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
下痢・嘔吐が続く
便・吐物を袋に入れ写真も撮る。保温し水は飲めるように。血便・ぐったりは即受診、2日続けば当日受診
咳・呼吸が速い
肺炎は急速に悪化。暖かく湿度を保ち安静にし当日受診。口を開けて呼吸なら即受診
足を引きずる
骨折や代謝性骨疾患。枝を外し低いケージで安静にし当日中に受診してレントゲン
ぐったり・体が冷たい
低体温・低血糖。タオルと布で包んだカイロで温め、意識があれば砂糖水を口の端に。即受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
落下・衝突による骨折
予防部屋の照明器具・扇風機・窓ガラスをカバー。枝はしっかり固定し床に厚い床材
応急処置触らず暗い箱で保温安静。添え木は不要。当日中に受診
同居個体の咬傷
予防群れの序列争いに注意。隠れ家と餌場を複数に分け、新入りは段階的に紹介
応急処置傷を流水で洗い加害個体と隔離。出血・腫れは当日受診
感電・熱傷
予防電気コードは全てカバーか配線ボックスに。ヒーターにはカバー
応急処置電源を切ってから触る。熱傷は冷たい濡れタオルで冷やし受診
尾・指の挟まれ
予防ドアの開閉時に尾の位置を確認。ケージ扉はゆっくり閉める
応急処置出血はガーゼで圧迫。尾が垂れて動かない・折れ曲がりは当日受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
Bウイルス感染症
感染経路サル類の咬傷・引っかき・唾液(主にマカク)
予防咬まれたら15分以上流水洗浄し直ちに受診。素手で扱わない
結核
感染経路咳・飛沫・濃厚接触(人からもうつる)
予防咳・痩せは即受診。飼育者の健康診断を年1回受ける
サルモネラ・赤痢菌
感染経路便・尿・汚れた手や器具
予防排泄は場所を選ばない。世話の後は必ず石けんで手洗い
ヘルペス(人から)
感染経路人の口唇ヘルペスから唾液・口移し
予防人のヘルペスは致死的。口移し・キス厳禁。口内炎の時は触らない
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 主食は霊長類用ペレット(ビタミンD3入り)
- 朝夕2回。野菜・虫・ゆで卵・少量の果物を副食
- 餌は隠して探させ、採食に時間をかけさせる
水
- 給水ボトルと皿の両方を毎日交換
- 飲水量の変化は病気のサイン。目視で確認
与えてはいけないもの
- 人の菓子・チョコ・乳製品・アボカド
- 甘い果物の大量給餌(糖尿・肥満)
- 生肉・生卵・野外で採った虫
おもちゃ・遊び
- 餌を隠すパズルフィーダー・穴あきボール
- ロープ・ハンモック・ブランコを交代で入れ替え
- 生きたコオロギを放して追わせる採食遊び
巣・寝床・隠れ家
- 木製巣箱を最上部に。群れで一緒に眠れる広さ
- 巣箱内にフリースを敷き、週2回洗う
床材・トイレ
- トイレは覚えない。床全面にペットシーツを敷く
- 床のシーツは毎日交換、枝・棚板は週1回洗う
- 針葉樹チップ・猫砂・砂は使わない
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
溶接金網の頑丈な金属ケージ(南京錠付き)
大きさ・広さ
高さ180cm以上・幅120cm以上。可能な限り広く
配置・レイアウト
- 上部に巣箱、枝・棚板を立体的に配置し時々変える
- 餌場と水場は枝の上に2か所以上。床では食べない
- 床に厚い床材。落下時のクッションに
設置場所の注意
- 日中明るく夜は暗い場所。UVB灯を設置
- 鍵を開ける知能あり。扉は二重ロックに
運動・部屋んぽ・散歩
- 毎日2〜3時間、安全な部屋で自由に動かせる
- 部屋んぽは窓・扇風機を止め、常に目を離さない
- 運動不足はストレス・肥満に直結。採食パズル併用
温湿度管理
適温22〜28℃。18℃以下は危険
適湿度50〜70%
夏・冬の対策
- 夏はエアコンで28℃以下。直射日光を避ける
- 冬はパネルヒーターで22℃以上を24時間維持
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
枝で自然に削れる。伸びすぎて布に引っかかる時は獣医師に依頼。保定は暴れて危険
ブラッシング・皮膚被毛ケア
不要。仲間同士で毛づくろいする。毛の乱れ・脱毛は体調不良か社会的ストレスのサイン
その他のケア
尿を手足に塗る習性あり。汚れは湿らせた布で拭く。歯は年1回検査。耳の汚れ・臭いを確認
外敵からの保護
- 犬・猫・フェレットとは同じ部屋にしない
- 部屋んぽ中は窓を閉め蚊対策。屋外には出さない
- カラス・猛禽が来るベランダに近づけない
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
何でも口に入れ引き出しも開ける。薬・タバコ・電池・小物は鍵付き収納に。嘔吐・食欲不振なら受診
踏みつけ
足元に来て服をよじ登る。歩く時は床を確認し、家事や来客時はケージに戻す
挟まれ
ドア・引き出し・ケージ扉に尾や指を挟む。部屋んぽ中はドアストッパーで固定し引き出しにロック
落下・転落
高所へ登り照明やカーテンレールから落ちる。着地点にクッション。落ちて動けなければ即受診
逸走・脱走
鍵を開けて逃げる。二重ロックと窓の施錠。逃げたら仲間の声と好物で誘い、追いかけない
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 引き離そうと手を引く(傷が深くなる)
- 叩く・叫ぶ(興奮して連続で噛む)
安全な引き離しの手順
- 動かず落ち着く。厚手のタオルを用意
- タオルで体と顔を覆い暗くする
- 離したらタオルごとケージに戻す
- 傷を15分以上流水で洗い消毒する
引き離した後の処置
深い傷・腫れ・発熱は当日受診。サル類の咬傷は必ず医師に伝える
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- けいれん・意識がない・体が冷たい
- 口を開けて呼吸・呼吸が速い
- 落下・感電後に動けない
- 血便・水様便でぐったり
当日中に受診
- 24時間食べていない
- 下痢・嘔吐が2日以上続く
- 咳・鼻水・くしゃみが続く
受診時に伝えること・持ち物
体重推移・食事内容・便の写真・同居個体の状況。事前に霊長類を診る病院を確認
意識・呼吸・心拍の確認
- 名前を呼び反応を見る。正常体温は37〜39℃
- 胸の動きで呼吸数を数える。1分約30〜50回
- 胸に手を当て心拍を確認。1分150〜250回
蘇生の手順
- 呼吸がなければ口の中の異物を除く
- 胸の左側を親指と人差し指で挟み毎分120回圧迫
- 5回圧迫ごとに鼻から小さく息を吹き込む
- 続けながら病院へ電話し指示に従う
止血
- 清潔なガーゼで5分以上圧迫。途中で外さない
- 尾・四肢は心臓側を軽く押さえる
- 出血が多い・止まらない時は即受診
搬送方法
- 暗くしたキャリーにタオルを敷き、カイロは布で包む
- 可能なら仲間と一緒に運ぶ。車内は22℃以上
ケースメソッドで学ぶ
