猫(保護猫) ケースメソッド 50問
状況を読み、飼い主として「最初に取るべき行動」を4択から選んでください。回答後に解説・課題・改善案が表示されます。マニュアルを見る
解答と解説・課題と改善案(全50問)
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Q1迎えて3日目の子猫が血の混じった下痢病気
保護団体から推定2か月の子猫を迎えて3日目の朝。ケージ下段のトイレに水のような便が2回分あり、うち1回は赤い血が筋状に混じっている。子猫は隠れ家の中でじっとしており、昨夜より明らかに動きが鈍い。ウェットフードを差し出しても顔を背ける。今日は平日で、家族は仕事に出る予定だった。
飼い主が今すぐ取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 子猫は環境変化で下痢しやすいので、フードを減らして2〜3日様子を見る
- 便を密閉容器に採って持ち、水を少量ずつ与えながら当日中に受診する
- 人用の下痢止めを少量砕いて与え、止まらなければ週末に受診する
- トイレをすぐ掃除して清潔にし、様子を写真で保護団体に送って指示を待つ
正解B.便を密閉容器に採って持ち、水を少量ずつ与えながら当日中に受診する
解説子猫の下痢・血便は寄生虫や原虫(コクシジウム・ジアルジア)、感染症が原因のことが多く、体が小さいため半日で脱水に陥る。動きが鈍く食べないのは既に危険信号であり、当日中の受診が必要。便を密閉容器で持参すれば寄生虫検査がその場でできる。様子見は脱水で命に関わる。人用の下痢止めは猫に有害な成分を含むことがあり、原因である寄生虫を放置する。便を捨ててしまうと検査材料を失う。保護団体への連絡は有用だが、指示待ちで受診を遅らせてはならない。
課題迎えてすぐの便検査と駆虫が済んでいたか不明で、初期検査の予定を後回しにしていた。子猫は脱水が急速に進むという知識がなく、平日の仕事を優先して判断が遅れそうになった。
改善案保護猫は迎えて1週間以内に便検査と駆虫を必ず受け、2〜3週後に再検査する。子猫の下痢は半日、成猫は1日で受診という基準を家族で共有し、便の採取容器と当日受診できる動物病院の連絡先をケージのそばに用意しておく。
Q2歯ぐきが白くぐったりしている元野良猫病気
冬の夕方、迎えて2週間の推定3歳の元野良猫が隠れ家から出てこない。布をめくると横たわったまま反応が鈍く、体を触るとひんやりしている。口元を開けて確認すると歯ぐきが紙のように白い。血液検査はまだ受けておらず、迎えた当初から痩せていた。近所の病院は診療終了まであと1時間ある。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 抱き上げて体をさすって温め、目が覚めたら翌朝に受診する
- ドライヤーで全身を温めながら高カロリーの食事を口に押し込む
- 無理に動かさずタオルで包んで保温し、キャリーに入れて直ちに受診する
- ネットで症状を検索し、貧血用のサプリを注文して到着まで待つ
正解C.無理に動かさずタオルで包んで保温し、キャリーに入れて直ちに受診する
解説歯ぐきが白いのは重度の貧血の徴候で、元野良猫では猫白血病(FeLV)や重度のノミ・寄生虫感染、内出血が疑われる。体が冷たくぐったりしているのはショック状態に近く、時間の猶予はない。無理に動かさず保温してキャリーで即受診するのが正解。さすったり抱き上げると心臓に負担がかかり、貧血の猫は急変しやすい。ドライヤーの熱風は低温やけどや急激な血管拡張を招き、食事を押し込むと誤嚥する。サプリでは急性の貧血は改善せず、待つ間に死亡する恐れがある。
課題迎えて2週間経っても血液検査を受けておらず、白血病や寄生虫の有無を把握していなかった。痩せていたことを野良時代のせいと考え、貧血のサインである歯ぐきの色を日常的に確認していなかった。
改善案保護猫は迎えて数日以内にFIV・FeLV検査と血液検査を受ける。歯ぐきの色は健康時にピンクであることを確認しておき、週1回は口元を見る習慣をつける。夜間救急の連絡先とキャリー、保温用のタオルを常に取り出せる場所に置く。
Q3鼻づまりで目が開かない保護子猫病気
秋の朝、迎えて5日目の推定6週齢の子猫が、両目に黄色い目やにが固まって開けられず、鼻からズーズーと音がしている。くしゃみを繰り返し、昨夜のフードは半分残っている。まだ元気に鳴き、ミルクを温めると少し舐めた。保護団体からは「猫風邪の子が多い」と聞いていた。
この状況で適切な対応の組み合わせはどれか
- 目やには乾いたティッシュでこすり落とし、市販の人用目薬をさす
- 湿らせたガーゼで目やにを外側へ拭き、蒸しタオルで鼻を温め、食べない・口呼吸なら当日受診する
- うつると困るので子猫を別室に閉じ込め、自然に治るまで触らない
- 熱があるはずなので保冷剤で体を冷やし、鼻水は綿棒で奥まで取る
正解B.湿らせたガーゼで目やにを外側へ拭き、蒸しタオルで鼻を温め、食べない・口呼吸なら当日受診する
解説猫風邪(ヘルペス・カリシウイルス)は保護子猫に非常に多く、子猫は重症化しやすい。目やには湿らせたガーゼで目頭から外側へやさしく拭き、鼻づまりは蒸しタオルで温めて通りをよくする。食べない・口を開けて呼吸するなら当日受診し、いずれにせよ数日以内に診察を受けるのが望ましい。乾いたティッシュでこすると角膜を傷つけ、人用目薬は成分によって悪化させる。隔離自体は正しいが放置すると脱水と栄養不足で急速に悪化する。子猫を冷やすのは危険で、綿棒を鼻の奥に入れると粘膜を傷つける。
課題猫風邪の子が多いと聞いていながら、目やにや鼻水のケア方法と受診基準を事前に確認していなかった。子猫は数時間食べないだけで低血糖や脱水になるという認識が薄かった。
改善案迎える前に保護団体からワクチン歴と体調を聞き、猫風邪の初期ケア用品(ガーゼ・蒸しタオル)を準備する。毎朝の目・鼻・食欲チェックを記録し、食事量が半分以下・口呼吸・目が開かない状態が続けば当日受診する。ワクチンは検査後に必ず接種する。
Q4迎えて2日間まったく食べない成猫病気
推定4歳の元野良猫を迎えて48時間。ケージ上段の隠れ家から一度も出た様子がなく、置いたドライフードも水も減っていない。トイレも未使用。布をめくると目を見開いて奥に縮こまり、威嚇の声を出す。体調は悪そうに見えないが、保護団体で「よく食べる子」と聞いていたので心配になった。
飼い主が取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 警戒が強いだけなので、慣れるまで1週間は食事の心配をしない
- 無理にでも口に食べ物を入れて食べさせ、水はシリンジで飲ませる
- 24時間以上食べていないので、保護団体に連絡した上で当日受診する
- 隠れ家を取り上げて食器の前に出し、食べるまで見守る
正解C.24時間以上食べていないので、保護団体に連絡した上で当日受診する
解説環境変化で食べないのは保護猫によくあるが、24時間を超える絶食は受診の目安。猫は数日食べないと肝リピドーシス(脂肪肝)を起こし、痩せている猫では特に危険。また元野良は口内炎や隠れた病気を持つことも多く、食べない原因が体調にある可能性を否定できない。排尿もない場合は脱水や尿路の問題も疑う。1週間放置は肝臓に致命的。無理な強制給餌は誤嚥と人への恐怖を深める。隠れ家を取り上げるのは最大のストレスで、パニックによる外傷や脱走の引き金にもなる。
課題迎えてすぐの食事環境が猫に合っていなかった可能性がある。保護団体で食べていたフードや食器の位置を確認せず、隠れ家から遠い場所に食器を置いていた。食べない日数の受診基準を知らなかった。
改善案迎える際は保護先と同じフードと砂を用意し、食器は隠れ家のすぐ近くに置く。ウェットフードを人肌に温めて匂いを強める。食事量と排泄を毎日記録し、24時間食べない・排尿がないなら当日受診する基準を守る。ケージは布で覆い、人の出入りが少ない部屋に置く。
Q5迎えた当日の夜、食べずに隠れている病気
土曜の午後に推定2歳の元野良猫を迎え、その日の夜10時。ケージの隠れ家に入ったまま出てこず、フードにも水にも口をつけていない。呼吸は静かで、時々耳をこちらに向けて様子をうかがっている。保護団体では今朝まで普通に食べていたという。家族は心配して夜間救急に連れて行こうか迷っている。
この時点で最も適切な対応はどれか
- 静かにケージに布をかけ、温めたウェットを隠れ家近くに置いて翌日まで見守る
- 食べないのは異常なので、夜間救急に連れて行き点滴を受けさせる
- 抱き上げて膝に乗せ、手から直接フードを与えて安心させる
- ケージから出して家の中を自由に探検させ、緊張をほぐす
正解A.静かにケージに布をかけ、温めたウェットを隠れ家近くに置いて翌日まで見守る
解説迎えた当日に食べないのは環境変化による正常な反応で、呼吸が静かで周囲を観察できているなら体調不良の兆候は乏しい。ここでは「様子を見る」が妥当で、ケージを布で覆って暗くし、温めたウェットフードを隠れ家の近くに置いて放っておく。ただし24時間経っても食べない・排尿しない場合は当日受診する。今朝まで食べていた猫を夜間救急に運ぶのは移動自体が強いストレスで逆効果。慣れていない猫を抱くと咬傷やパニックを招く。初日から部屋に放すと家具の裏に隠れて捕まえられず、脱走や事故の原因になる。
課題「食べない=即病気」と考え、警戒心の強い元野良猫の正常な反応と体調不良の区別がついていなかった。受診の目安(24時間)を事前に把握していなかった。
改善案迎える前に保護団体から「最初の数日は食べないことがある」と説明を受け、24時間食べない・排尿なしを受診基準とする。初日は覗き込まず布をかけて放置し、翌朝にフードと水の減り・トイレの使用を確認する記録表を作っておく。
Q6トイレで何度も鳴く去勢済み雄猫病気
冬の夜11時、迎えて2か月の推定5歳の去勢済み雄猫が、30分の間に4回もトイレに入っては踏ん張り、そのたびに低い声で鳴く。砂に尿の塊はほとんどなく、数滴の赤っぽいしみだけ。落ち着きなく歩き回り、お腹を触ろうとすると怒る。日中は普通に食べていた。
取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 便秘だと考え、オリーブオイルを舐めさせて朝まで様子を見る
- 尿が出ていない可能性が高いので、夜間救急に電話して直ちに受診する
- 水を多く飲ませるためにミルクを与え、ストレス解消に遊ばせる
- 膀胱炎なら数日で治るので、翌週の休みに受診する
正解B.尿が出ていない可能性が高いので、夜間救急に電話して直ちに受診する
解説去勢済み雄猫が何度もトイレに行き鳴くのに尿がほとんど出ない状態は、尿道閉塞の典型症状。マニュアルの「尿が出ない・排尿時に鳴く」は今すぐ受診の項目で、完全に閉塞すると24〜48時間で急性腎不全と高カリウム血症を起こし死亡する。お腹を触ると怒るのは膀胱が張って痛いため。冬は飲水量が減り発症しやすい。便秘と誤認して油を舐めさせても効果はなく時間を失う。ミルクは下痢の原因になるだけで閉塞は解除できない。数日待てば手遅れになる。
課題野良時代の習慣で飲水量が少ない猫であることを知りながら、冬場の水分対策をしていなかった。トイレの尿の塊の大きさや回数を普段から確認しておらず、異常に気づくのが遅れた。
改善案複数の水飲み場を用意し、ウェットフードで水分を補う。トイレ掃除のたびに尿塊の数と大きさを見て、急に小さく・多くなったら受診する。雄猫の排尿異常は夜間でも即受診と決め、夜間救急病院の場所と電話番号をキャリーに貼っておく。
Q7FIV陽性猫のよだれと食べにくそうな様子病気
迎えて1年、検査でFIV陽性と分かっていた推定7歳の猫。この2週間、食器の前で食べようとしては顔を振り、口から糸を引くよだれが垂れる。口臭が強く、口元を触ると嫌がって逃げる。体重は1年前より500g減った。以前は好きだったドライフードをほとんど食べず、ウェットを少しだけ舐める。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 口内炎の疑いが強いので数日以内に受診し、口腔検査と治療を相談する
- FIVは治らないので、痛みが治まるまで人用の鎮痛剤を少量与える
- 口臭は歯磨きで改善するので、嫌がっても毎日歯ブラシでこする
- 食べなくても水を飲んでいれば問題ないので、そのまま見守る
正解A.口内炎の疑いが強いので数日以内に受診し、口腔検査と治療を相談する
解説FIV陽性猫は免疫力の低下から難治性の口内炎・歯肉炎を起こしやすく、よだれ・口臭・食べにくさ・体重減少はその典型。痛みで食事量が減り続けると衰弱するため、数日以内に受診し、口腔内の検査と鎮痛・抗炎症治療、必要なら抜歯を相談する。人用の鎮痛剤(特にアセトアミノフェンやイブプロフェン)は猫には少量でも致死的。痛みのある口に歯ブラシを押し込むと信頼を失い、傷が悪化する。食べない状態を放置すると脂肪肝と衰弱で命に関わり、FIV陽性でも治療で生活の質は大きく改善する。
課題FIV陽性と分かっていながら口腔チェックを定期的に行わず、2週間も食べにくそうな様子を放置した。体重の変化を数値で把握せず、痩せに気づくのが遅れた。
改善案FIV陽性猫は3〜6か月ごとの定期検診で口の中と体重を確認する。家庭では月1回体重を量り、5%以上の減少や口臭・よだれが出たら受診する。食事はウェット中心の柔らかいものにし、ストレスを減らすために完全室内飼育と静かな環境を維持する。
Q8繰り返す発熱と痩せてきた元野良猫病気
迎えて8か月の推定6歳の猫。この2か月で3回、元気がなく耳が熱い日が数日続いては回復するのを繰り返している。今朝も隠れ家から出ず、耳と足先が熱い。あごの下と後ろ足の付け根にコリコリしたしこりを感じる。迎えた時の検査でFIV・FeLVは陰性だったが、けんか傷が多い猫だった。
飼い主が取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 季節の変わり目の風邪なので、部屋を暖かくして自然に治るのを待つ
- しこりは脂肪の塊なので気にせず、発熱時だけ人用の解熱剤を少量与える
- 発熱の繰り返しとリンパ節の腫れを記録し、数日以内に受診して再検査を受ける
- 元野良猫は体が丈夫なので、次に熱が出た時に受診すればよい
正解C.発熱の繰り返しとリンパ節の腫れを記録し、数日以内に受診して再検査を受ける
解説繰り返す発熱・体重減少・リンパ節の腫れは、FIVや猫白血病、慢性の感染症などを示唆する。FIVは感染後しばらく抗体が検出されないため、迎えた当初に陰性でも、けんか傷の多い元野良は数か月後に再検査する必要がある。今すぐ命に関わる状態ではないが、発熱の日付や食事量を記録して数日以内に受診し、血液検査と再検査を受けるべき。放置すれば免疫低下による感染症が悪化する。人用の解熱剤は猫に致死的で絶対に与えない。「丈夫だから」という思い込みは受診を遅らせ、慢性疾患の発見を妨げる。
課題初回検査が陰性だったことで安心し、けんか傷の多い猫に必要な数か月後の再検査を受けていなかった。発熱の頻度や体重の変化を記録せず、症状を「時々の不調」と過小評価した。
改善案元野良猫は迎えて2〜3か月後にFIV・FeLVを再検査する。体重・食欲・元気の記録を月ごとにつけ、発熱や不調が月に2回以上あれば受診する。しこりや傷の位置を触って確認する習慣をつけ、獣医師に見せるための記録を用意しておく。
Q9首の後ろの脱毛と毛につく黒い粒病気
迎えて4日目の推定1歳の猫が、しきりに首の後ろや背中を後ろ足でかき、毛づくろいの音が一日中聞こえる。ブラシをかけると黒い粒が落ち、濡らしたティッシュに乗せると赤くにじんだ。首の後ろに毛の薄い部分があり、かさぶたもある。保護団体では「駆除薬はまだ」と言われていた。
この状況で最も適切な対応はどれか
- ホームセンターで犬猫兼用のノミ取り首輪と粉を買い、すぐ使う
- ノミ糞の疑いが強いので、当日動物病院で獣医師処方の駆除薬をつけてもらい、部屋を掃除する
- 毎日シャンプーして黒い粒を洗い流せば、駆除薬は不要
- ノミは自然にいなくなるので、かゆみ止めの人用軟膏を塗る
正解B.ノミ糞の疑いが強いので、当日動物病院で獣医師処方の駆除薬をつけてもらい、部屋を掃除する
解説濡らすと赤くにじむ黒い粒はノミの糞で、ノミ寄生の確実な証拠。激しいかゆみ、首の後ろの脱毛やかさぶたはノミアレルギー性皮膚炎の典型。マニュアルの通り、保護当日に動物病院で獣医師処方の駆除薬を使うのが正解で、同時に部屋の掃除機がけと寝具の洗濯で卵と幼虫を減らす。市販の犬猫兼用品には猫に有毒な成分(ペルメトリンなど)を含むものがあり、中毒事故が起きている。シャンプーでは卵やさなぎを除去できず、慣れていない猫には大きなストレス。人用軟膏は舐めて中毒を起こす恐れがあり、ノミは室内で増え続ける。
課題保護団体で駆除薬が未使用と知りながら、迎えた当日に受診しなかった。ノミが人にも刺すこと、猫ひっかき病の媒介になること、室内で繁殖することへの知識が不足していた。
改善案保護猫は迎えた当日または翌日に動物病院で駆除薬・健康チェックを受ける。ノミ取りぐしで週1回黒い粒を確認し、寝具は週1回洗濯、床は毎日掃除機をかける。市販の駆除薬は使わず、獣医師処方の薬を月1回継続する。
Q10黒い耳垢と頭を振り続ける子猫病気
迎えて1週間の推定3か月の子猫が、頻繁に頭をブルブル振り、後ろ足で耳の後ろをかいて血が出ている。耳をのぞくとコーヒーかすのような黒い耳垢がびっしり詰まり、独特のにおいがする。先住猫が同じ部屋のケージ越しに鼻を近づけることがある。
最も適切な対応はどれか
- 綿棒で耳の奥まで黒い耳垢をきれいにかき出し、市販の耳洗浄液を注ぐ
- 耳垢は自然に出てくるので、かゆみが治まるまで放っておく
- 耳ダニの疑いが強いので当日〜数日以内に受診し、病院で耳掃除と駆除薬を受け、先住猫と隔離する
- オリーブオイルを耳に垂らしてダニを窒息させ、様子を見る
正解C.耳ダニの疑いが強いので当日〜数日以内に受診し、病院で耳掃除と駆除薬を受け、先住猫と隔離する
解説コーヒーかす状の黒い耳垢と激しいかゆみ、頭を振る動作は耳ダニ(ミミヒゼンダニ)の典型で、元野良猫に非常に多い。マニュアルの通り耳掃除は病院で行い、獣医師処方の駆除薬で治療する。耳ダニは接触で他の猫に容易にうつるため、先住猫との接触を絶つ。綿棒を奥まで入れると鼓膜や耳道を傷つけ、耳垢を奥に押し込む。放置すると外耳炎が悪化し、かき壊しで血腫や細菌感染を起こす。オイルを垂らす民間療法は効果が不確実で、炎症を悪化させることもある。
課題迎えて1週間経っても耳の中を確認しておらず、健康チェックを受けていなかった。検査結果が出る前に先住猫と同じ部屋にケージを置き、鼻を近づけられる距離にしていた。
改善案保護猫は迎えてすぐ動物病院で耳・皮膚・便・血液のチェックを受ける。ケージは先住猫と別の部屋に置き、検査で問題がないと確認できるまで接触させない。耳の中は週1回のぞき、黒い耳垢やにおいがあれば受診する。
Q11お腹だけ膨れて毛づやの悪い子猫病気
迎えて10日の推定2か月の子猫。よく食べるのに背骨が浮いて痩せており、お腹だけ風船のように膨れている。毛はパサパサで、今朝の便に白い米粒のようなものが動いていた。子どもが便を片づけたトイレのスコップを触った後、そのまま食卓についていた。
飼い主が取るべき最も適切な行動はどれか
- 便を密閉容器で持参して当日受診し駆虫、家族全員に手洗いを徹底させる
- 太ってきた証拠なので食事量を増やし、便の虫は市販の虫下しで対処する
- お腹の膨らみはガスなので腹部をマッサージして便を出させる
- 虫は自然に排出されるので、2〜3か月待ってから検査を受ける
正解A.便を密閉容器で持参して当日受診し駆虫、家族全員に手洗いを徹底させる
解説痩せているのにお腹だけ膨れ、便に白い虫が見える状態は回虫などの腸内寄生虫が多数寄生している典型。子猫は栄養を奪われて発育不良や腸閉塞を起こすため、便を持参して当日受診し、獣医師の駆虫薬を使う。回虫は人にも感染するため、トイレ掃除後の手洗いと子どもに便や砂を触らせない対策が必須。食事を増やしても虫に奪われるだけで、市販の虫下しは種類が合わないと効かない。マッサージで腸閉塞を悪化させることがある。寄生虫は自然には減らず、放置で貧血や死亡に至ることもある。
課題迎えて10日経過しても便検査と駆虫を受けていなかった。人獣共通感染症の意識が薄く、子どもがトイレ用具を触った手で食事をする状況を放置していた。お腹の膨らみを健康の証と誤解した。
改善案保護猫は迎えてすぐ便検査と駆虫を行い、2〜3週後に再検査する。トイレ掃除は大人が行い、掃除後は必ず手洗い。トイレ用具は食卓から離して保管する。子猫の体重を週1回量り、増えない・お腹だけ膨れるなら受診する。
Q12リビングで突然けいれんを起こした病気
日曜の昼、迎えて3か月の推定8歳の猫が、リビングで急に倒れて四肢を突っ張り、口から泡を出して手足をバタつかせ始めた。失禁もしている。家族が驚いて抱き上げようとし、子どもは泣きながら猫の名前を呼んでいる。これまでこのような発作はなかった。
この瞬間に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 舌を噛まないよう口に指やタオルを入れ、体を押さえて発作を止める
- 周囲の物をどけて触らず、発作の時間と様子を記録し、収まったらタオルで包んで即受診する
- 水を顔にかけて意識を戻し、落ち着いたら翌日に受診する
- 発作は数分で終わるので、動画を撮って後日獣医師に見せる
正解B.周囲の物をどけて触らず、発作の時間と様子を記録し、収まったらタオルで包んで即受診する
解説けいれん中の猫は意識がなく、抱いたり押さえたりすると本人も人も怪我をする。周囲の物をどけて安全を確保し、発作の開始時刻と持続時間、様子を記録するのが正解。発作が5分以上続く、または短時間に繰り返す場合は命に関わる重積状態で、マニュアルの「けいれん・意識がない」は今すぐ受診の項目に当たる。収まったら暗くしたキャリーで即受診する。口に物を入れると咬傷を負い、猫は舌を噛み切ることはほとんどない。水をかけるのは誤嚥やパニックを招く。動画記録自体は有用だが、受診を遅らせてはならない。
課題発作時の対応を家族で共有しておらず、パニックで抱き上げようとした。中高齢の元野良猫は腎臓や肝臓、脳の病気、中毒など発作の原因を多く抱えうることを知らず、事前の健康診断が不十分だった。
改善案けいれん時は「触らない・時間を計る・収まったら即受診」を家族で共有し、紙に書いて冷蔵庫に貼る。夜間救急の連絡先を登録し、洗濯ネットとキャリーを準備しておく。中高齢猫は年2回の血液検査で腎臓・肝臓の異常を早期に見つける。
Q13迎えて3日後に首が腫れて熱い怪我
保護団体から迎えて3日目の推定3歳の雄猫。首の右側がこぶのように腫れ、触ると熱く、猫が痛がって首を傾ける。腫れの真ん中に小さなかさぶたがある。迎えた当日は特に異常はなく、保護団体からは「保護前に他の猫とけんかしていた」と聞いていた。元気はあるが食欲がやや落ちている。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 腫れを両手で絞って中の膿を出し切り、消毒液を塗る
- 温めたタオルで腫れを温め、自然に破れるのを待つ
- 絞らず周囲をきれいに拭き、当日受診して抗生剤の処置を受ける
- 腫れは数日で引くので、食欲が戻るまで様子を見る
正解C.絞らず周囲をきれいに拭き、当日受診して抗生剤の処置を受ける
解説けんかによる咬傷は牙の穴が閉じて数日後に皮下に膿がたまり、膿瘍として腫れて熱を持つ。マニュアルの通り、絞らず周囲を拭いて当日受診し、切開排膿と抗生剤の処置を受ける。元野良猫のけんか傷は口腔内細菌による感染で悪化しやすく、放置すると発熱や敗血症、皮膚の壊死に至る。素人が絞ると膿を周囲の組織に押し広げ、猫が激痛でパニックを起こし咬傷事故になる。温めて破れるのを待つのは治療の遅れになる。また、けんか傷はFIVの感染経路でもあり、数か月後の再検査が必要になる。
課題けんか歴を聞いていながら、迎えた直後に全身を触診してもらう健康診断を受けていなかった。咬傷は数日後に腫れるという知識がなく、初日に異常がないことで安心していた。
改善案保護猫は迎えて数日以内に動物病院で全身の触診を受け、傷や膿の有無を確認してもらう。毎日撫でる際に首・肩・尾の付け根に腫れやかさぶたがないか触って確認する。腫れ・熱・痛がるが揃えば当日受診し、けんか歴のある猫は数か月後にFIVの再検査を受ける。
Q14背中の膿瘍が破れて膿が出てきた怪我
迎えて1週間の推定5歳の猫。昨日から背中に腫れがあると気づいていたが、今朝ケージの布に血の混じった黄色い液体が付き、腫れていた部分に穴が開いて悪臭のする膿が流れている。猫は舐めようとして体をねじる。今日は日曜で、かかりつけは休診。近くに日曜診療の病院がある。
飼い主が取るべき最も適切な行動はどれか
- 傷口を消毒液で洗い、絆創膏を貼って月曜のかかりつけ受診を待つ
- 膿が出たので治ったと考え、猫に舐めさせて自然治癒に任せる
- 傷の周囲を湿らせたガーゼで拭き、当日診療している病院を受診する
- 人用の抗生物質軟膏をたっぷり塗り込み、包帯を巻く
正解C.傷の周囲を湿らせたガーゼで拭き、当日診療している病院を受診する
解説膿瘍が破れても内部の感染は残っており、傷口が塞がれば再び膿がたまる。マニュアルの通り、周囲を拭いて当日受診し、洗浄と抗生剤の処置を受けるのが正解。休診でも日曜診療の病院に行く。市販消毒液を傷の内部に入れると組織を傷め、絆創膏で塞ぐと膿の出口がなくなり悪化する。猫に舐めさせると口腔内の細菌で感染が広がり、舐め壊しが起きる。人用の軟膏は舐めて摂取する恐れがあり、包帯は猫が嫌がって外し、傷を悪化させる。翌日まで待つと発熱や食欲不振に進む恐れがある。
課題昨日の時点で腫れに気づいていながら受診を先延ばしにした。休診日の代替病院を事前に調べておらず、日曜に受診先を探すのに時間がかかった。
改善案腫れ・熱・痛がるのいずれかがあれば当日受診する基準を守る。かかりつけの休診日に対応できる病院と夜間救急を2か所以上調べ、電話番号と診療時間をキャリーに貼る。傷を見つけた日から写真で記録し、獣医師に経過を伝えられるようにする。
Q15後ろ足を引きずり尾が垂れたままの元野良猫怪我
路上で保護されたばかりの推定2歳の猫を、保護団体を通じて迎えた翌日。ケージ内を移動する際に後ろ足を引きずり、尾が力なく垂れたまま動かない。トイレには一度も尿がなく、下腹部が張っているように見える。保護団体は「怪我はしていないと思う」と言っていたが、詳しい検査はしていない。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 足のマッサージをして動きが戻るか数日間試す
- 体を水平に保ってキャリーに入れ、当日受診してレントゲンを撮る
- 尾を持ち上げて動くか確認し、痛がらなければ様子を見る
- 排尿は緊張のせいなので、ケージを広い部屋に移して待つ
正解B.体を水平に保ってキャリーに入れ、当日受診してレントゲンを撮る
解説元野良猫には交通事故による骨盤骨折や尾の神経損傷(仙尾部の引き抜き損傷)が隠れていることがある。後肢を引きずる・尾が動かない・排尿できないの組み合わせは、骨盤や尾の神経が傷つき膀胱の機能が失われている可能性を示す。マニュアルの通り、体を水平に保って当日受診しレントゲンで確認する。排尿できない状態は24時間以上続くと膀胱の損傷と腎不全につながる緊急事態。マッサージは骨折をずらす。尾を持ち上げると神経損傷が悪化する。広い部屋に移しても排尿の問題は解決しない。
課題保護直後の猫に交通事故の後遺症が隠れている可能性を考慮せず、「怪我はしていない」という保護団体の印象を鵜呑みにした。最初の1週間で観察すべき歩き方と排尿・排便を初日から確認していなかった。
改善案迎えて最初の1週間は歩き方・尾の動き・排尿排便の有無を毎日記録する。迎えて数日以内にレントゲンを含む健康診断を受ける。搬送用にキャリー底に板とタオルを敷き、水平に保って運ぶ準備をしておく。
Q16パニックで走り回り爪が折れて出血怪我
迎えて5日目の夜、掃除機の音に驚いた推定1歳の猫がケージ内で暴れ、金網に爪を引っかけて折れた。前足の爪から血が滴り、床に点々と血の跡がついている。猫は隠れ家の奥で目を見開き、荒い息をしている。手を近づけると激しく威嚇する。
この時点で最も適切な対応はどれか
- 追わずに掃除機を止めて部屋を暗くし、落ち着いてから出血が続けば止血剤を押し当て、止まらなければ当日受診する
- すぐに捕まえて抱きかかえ、出血している爪をぎゅっと握って止血する
- 血が止まるまで床を拭き続け、猫は翌日まで放っておく
- 折れた爪を根元から抜き取り、消毒液をかける
正解A.追わずに掃除機を止めて部屋を暗くし、落ち着いてから出血が続けば止血剤を押し当て、止まらなければ当日受診する
解説パニック中の猫を捕まえようとすると、さらに暴れて骨折や咬傷、脱走などの二次事故を招く。マニュアルの通り、追わずに原因の音を止め、落ち着くのを待つ。爪の出血は通常少量で、落ち着いた後に片栗粉や止血剤を押し当てる。出血が続く・足を引きずる・爪が根元から剥がれている場合は当日受診し、感染予防の処置を受ける。捕まえて握る行為は猫の恐怖を深め信頼関係を壊す。放置して翌日まで様子を見ると、出血量は少なくても傷から細菌感染を起こす。爪を抜いたり消毒液をかけるのは激痛と組織損傷につながる。
課題慣れていない猫の近くで掃除機を使い、パニックの引き金を作った。ケージの金網に爪が引っかかる危険への配慮がなく、止血剤や片栗粉などの準備もしていなかった。
改善案慣れるまで猫のいる部屋では掃除機を使わず、使う場合は別室に移して布をかける。ケージ内にタオルやマットを敷いて爪の引っかかりを減らす。止血剤・ガーゼ・洗濯ネットを救急セットとして用意する。爪切りは病院で行い、伸びすぎを防ぐ。
Q17窓に激突して鼻血を出した猫怪我
迎えて2週間、ケージから部屋に出す練習を始めた推定3歳の猫。来客のインターホンに驚いて全速力で走り、閉まった窓ガラスに顔から激突した。鼻から血が数滴垂れ、しばらく動けずにいたが、その後ソファの下に潜り込んだ。呼吸は速いが、口は閉じている。
取るべき対応として最も適切なものはどれか
- ソファの下から引きずり出し、鼻の穴にティッシュを詰めて止血する
- 追わず静かに見守り、出血が続く・意識がぼんやり・口呼吸なら当日受診する
- 頭を打ったので氷水で頭を冷やし、意識を保つよう名前を呼び続ける
- 鼻血程度なら問題ないので、来客を通してそのまま過ごす
正解B.追わず静かに見守り、出血が続く・意識がぼんやり・口呼吸なら当日受診する
解説パニック時の激突による鼻血は、多くは鼻の粘膜の損傷で落ち着けば止まる。マニュアルの通り追わずに落ち着くのを待ち、出血が5分以上続く、ふらつく、意識がぼんやりする、口を開けて呼吸する、瞳の大きさが左右で違うなどがあれば頭部外傷の疑いで当日受診する。引きずり出す行為は再びパニックを招き、鼻にティッシュを詰めると呼吸を妨げる。氷水で頭を冷やしても意味はなく、猫が嫌がって暴れる。来客を通すと再度驚いて走り、二次事故につながる。まず来客を待たせて部屋を静かにし、猫が落ち着ける環境を作る。
課題部屋に出す練習の段階で、来客や物音への備えがなかった。窓ガラスに猫が認識できる目印がなく、逃げ道と隠れ場所が整理されていなかった。慣れの段階を急いだ可能性がある。
改善案部屋に出す練習は来客の予定がない静かな時間に短時間から始める。窓には目印のシールやカーテンをつけ、隠れ家を部屋に複数置いて逃げ込める場所を作る。インターホンの音量を下げ、来客時は猫をケージに戻して布をかける。
Q18撫でていたら手を深く噛まれて離さない怪我
迎えて3週間、少し慣れてきた推定4歳の猫を膝の上で撫でていたら、急に尾を振り耳を伏せ、次の瞬間に手首に深く噛みついた。牙が刺さったまま離さず、後ろ足でも蹴っている。痛みで思わず手を引き抜きそうになった。そばに毛布がある。
この瞬間に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 痛みに耐えて手を勢いよく引き抜き、猫を床に振り落とす
- 動きを止めて噛まれた手を猫の方へ軽く押し込み、毛布を猫の頭にかぶせて力が緩んだ瞬間に離す
- 大声で叱って鼻先を叩き、噛んではいけないと教える
- もう一方の手で猫の首根っこをつかんで無理やり口をこじ開ける
正解B.動きを止めて噛まれた手を猫の方へ軽く押し込み、毛布を猫の頭にかぶせて力が緩んだ瞬間に離す
解説咬みついた猫の牙は後ろ向きにカーブしており、引き抜くと傷が深く裂ける。マニュアルの手順通り、動きを止め、噛まれた手を猫の方へ軽く押し込むと猫は口を開けやすくなる。毛布やタオルを頭にかぶせて視界を遮ると興奮が収まり、力が緩んだ瞬間に離す。その後は猫が隠れ家に戻るまで放置する。叱る・叩く・首根っこをつかむ行為は信頼関係を壊し、猫の恐怖を強めて次回の攻撃を誘発する。撫でている最中に尾を振る・耳を伏せるのは「もうやめて」のサインで、この時点で手を止めていれば防げた事故である。
課題尾を振る・耳を伏せるといった猫の「不快サイン」を読み取れず、撫で続けた。慣れて3週間の元野良猫を膝に乗せるのは早すぎ、猫のペースを超えた接触をしていた。
改善案撫でるのは頭と首周りを短時間にとどめ、尾を振る・耳を伏せる・皮膚がピクピクするサインが出たらすぐ止める。猫から近づいてくるまで抱かない。咬傷対処の手順を家族で共有し、リビングにタオルを常備する。咬まれたら5分以上流水で洗い、腫れたら当日医療機関へ行く。
Q19元野良猫に咬まれた翌日、手が腫れてきた怪我
昨日、迎えて1週間の推定3歳の元野良猫にケージ掃除中に手の甲を咬まれた。その場では水で軽く流し、絆創膏を貼って済ませた。今朝、手の甲が赤く熱を持ち、パンパンに腫れて指を曲げると痛む。脇の下に軽い痛みもある。猫はノミ駆除をまだ受けていない。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 傷を再度流水で洗い、当日中に医療機関を受診して抗生剤の処置を受ける
- 腫れは数日で引くので、市販の湿布を貼って安静にする
- 膿を出すために針で傷を刺し、消毒液を塗って様子を見る
- 猫を病院に連れて行けば治るので、猫の受診を優先し自分は後回しにする
正解A.傷を再度流水で洗い、当日中に医療機関を受診して抗生剤の処置を受ける
解説猫の咬傷は牙が深く刺さって細菌(パスツレラなど)が皮下に入り、24時間以内に急速に腫れることが多い。元野良猫の咬傷は特に感染しやすく、放置すると蜂窩織炎や腱鞘炎、関節炎に進み手術が必要になることもある。マニュアルの通り、腫れたら当日医療機関を受診し抗生剤の処置を受ける。ノミ未駆除の猫からは猫ひっかき病の可能性もあり、脇のリンパ節の痛みはその徴候でもある。湿布では感染は治らない。針で刺すと感染を広げる。猫の受診も必要だが、自分の感染は待ったなしで優先度が高い。
課題咬まれた直後の洗浄が不十分(5分以上の流水洗いが必要)で、絆創膏で傷を塞いだ。元野良猫の咬傷は感染しやすいという認識がなく、猫のノミ駆除も未実施だった。掃除中に猫を刺激した手順にも問題があった。
改善案咬まれたら直ちに流水で5分以上洗い、塞がずに当日中に受診する基準を作る。ケージ掃除は猫が隠れ家に入っている時に手早く行い、猫に手を近づけない。保護当日にノミ駆除を実施し、猫ひっかき病のリスクを下げる。厚手の手袋を掃除用に用意する。
Q20初めての爪切りで深爪して出血怪我
迎えて1か月、ようやく撫でられるようになった推定2歳の猫。家で初めて爪切りを試み、黒っぽい爪を切ったところ血が出てきた。猫は驚いて飛び降り、前足を舐めている。血は床に数滴落ちたが、猫は足を引きずってはいない。家に片栗粉と清潔なガーゼがある。
取るべき対応として最も適切なものはどれか
- 猫を捕まえて消毒液を爪に浸し、包帯をきつく巻く
- 落ち着いてから片栗粉かガーゼを爪先に押し当て、止まらなければ当日受診する
- 血は舐めれば止まるので、猫に任せてその日は放置する
- 残りの爪も勢いで切ってしまい、後でまとめて手当てする
正解B.落ち着いてから片栗粉かガーゼを爪先に押し当て、止まらなければ当日受診する
解説爪の中の血管を切ると出血するが、通常は少量で止血可能。マニュアルの通り、片栗粉や止血剤をガーゼで爪先に押し当てて数分圧迫する。猫を追い回すとパニックになるため、落ち着いてから行う。数分圧迫しても止まらない、足を引きずる、翌日腫れるなら当日受診する。消毒液を傷に浸すのは痛みが強く、包帯をきつく巻くと血流を妨げる。舐めさせ続けると細菌が入る恐れがある。残りの爪を続けて切ると猫の恐怖が定着し、次から爪切りができなくなる。慣れていない猫の爪切りは、当面は動物病院で行うのが安全。
課題元野良猫の爪切りは慣れるまで病院で行うというマニュアルの原則を守らず、1か月で家庭での爪切りに踏み切った。黒い爪の血管の位置が見えにくいことへの知識と、止血剤の準備がなかった。
改善案爪切りは最初の数回は動物病院で行い、獣医師に切る位置を見せてもらう。家庭で行う場合は1日1本ずつ、先端だけを切り、止血剤を手元に置く。猫が嫌がったら即中止し、おやつで終える。無理に切らず2〜3週に1回のペースを守る。
Q21ヒーターの前で寝ていた猫のお腹が赤い怪我
1月の朝、迎えて2か月の痩せた推定10歳の猫が、電気ストーブの前に置いた毛布の上で一晩中寝ていた。今朝、お腹の毛が抜けて皮膚が赤黒く変色し、一部がじゅくじゅくしている。猫はそこを舐め続け、触ると痛がる。ストーブは弱設定で、猫との距離は30cmほどだった。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 赤い部分を氷で直接冷やし、人用のやけど薬を塗る
- 低温やけどの疑いなので、患部を濡らしたタオルで冷やして当日受診し、ストーブの配置を見直す
- 毛が抜けただけなので保湿クリームを塗り、暖かくして様子を見る
- 皮膚病だと考えてノミ駆除薬を塗り、ストーブは続ける
正解B.低温やけどの疑いなので、患部を濡らしたタオルで冷やして当日受診し、ストーブの配置を見直す
解説痩せた高齢猫は皮下脂肪が少なく、弱い熱源でも長時間の接触で低温やけどを起こす。皮膚の赤黒い変色とただれは深いやけどの徴候で、当日受診して洗浄と処置を受ける。応急処置は濡らしたタオルで穏やかに冷やす程度にとどめる。氷を直接当てると組織が壊死し、人用のやけど薬は舐めて中毒を起こす。保湿クリームでは治らず、舐め続けて感染する。皮膚病と誤認して駆除薬を塗ると悪化する。低温やけどは見た目より深く、数日後に悪化することが多い。ストーブは猫が直接当たらないようガードをつけ、保温マットは低温設定で毛布を挟む。
課題痩せた高齢猫は寒さに弱く暖房に近づきすぎることを考慮せず、ストーブに直接当たる場所に寝床を置いた。低温やけどは弱い熱源でも一晩で起きるという知識がなく、朝まで確認しなかった。
改善案冬は室温を25℃前後に保ち、ストーブにはガードをつけて猫が直接当たれないようにする。保温マットは低温設定で毛布を挟み、逃げ場のある配置にする。痩せた猫や高齢猫は毎朝お腹や足の内側の皮膚をチェックし、赤み・脱毛があれば受診する。
Q22割れた花瓶で前足を切り血が止まらない怪我
迎えて1か月の推定2歳の猫が棚の花瓶を落として割り、破片の上を走った。前足の肉球の近くから血がどくどく流れ、床に血だまりができている。猫はパニックで部屋の隅に逃げ込み、威嚇している。家に清潔なガーゼとタオル、洗濯ネットがある。夜9時で、夜間救急は車で20分。
取るべき行動として最も適切なものはどれか
- タオルで猫を包んでからガーゼで傷を5分以上強く押さえ、止まらなければ圧迫したまま夜間救急へ運ぶ
- 血が止まるまで猫を自由にさせ、翌朝かかりつけに連れて行く
- 傷口に消毒液をかけ、ティッシュを詰めて包帯を巻く
- 足を心臓より高く上げて逆さに抱き、氷で冷やす
正解A.タオルで猫を包んでからガーゼで傷を5分以上強く押さえ、止まらなければ圧迫したまま夜間救急へ運ぶ
解説どくどく流れる出血は太い血管の損傷の可能性があり、猫は体が小さいため出血量が命に直結する。マニュアルの通り、暴れる猫はタオルで包んでから、清潔なガーゼで5分以上強く圧迫する。圧迫を途中で外して確認すると再出血するため、止まらなければ押さえたまま夜間救急に運ぶ。深い傷は縫合とガラス片の除去が必要で、翌朝まで待つと失血と感染の危険がある。消毒液は組織を傷め、ティッシュは傷に貼りつく。逆さに抱くとパニックで暴れ、咬傷事故になる。氷は止血効果がほとんどない。
課題慣れて1か月の猫が登れる棚に割れ物を置いていた。猫が走り回る導線に危険物があり、部屋の安全点検が不十分だった。夜間の出血に備えたガーゼや止血の手順を確認していなかった。
改善案猫が入る部屋から割れ物やガラス製品を撤去し、棚の上は空にする。救急セットにガーゼ・タオル・洗濯ネット・止血剤を入れ、夜間救急の住所と道順を確認しておく。「5分圧迫、止まらなければ圧迫したまま受診」を家族に共有する。
Q232階の窓から落ちたが元気そうに見える事故
夏の午後、迎えて3週間の推定1歳の猫が、換気で開けた2階の網戸を押し破って庭に落下した。すぐに駆け寄ると猫は庭の茂みでうずくまっていたが、抱き上げると自力で歩き、普通に鳴く。外見上の傷はなく、口の中も出血していない。家族は「元気だから大丈夫」と言っている。
取るべき対応として最も適切なものはどれか
- 元気そうなので家に戻し、翌日に食欲があれば受診は不要と判断する
- 外見上の傷がなくても内臓損傷の可能性があり、安静にして当日受診する
- 落下のショックを和らげるために抱っこして揺すり、おやつをたっぷり与える
- 念のため自宅で骨を触って確認し、痛がる場所がなければ様子を見る
正解B.外見上の傷がなくても内臓損傷の可能性があり、安静にして当日受診する
解説マニュアルの通り、高所から落ちた猫は元気に見えても内臓損傷、肺の損傷、横隔膜ヘルニア、あごの骨折などが隠れていることがある。特に落下直後は興奮で痛みを感じにくく、数時間後に呼吸困難や虚脱が現れることがある。安静にしてキャリーに入れ、当日受診してレントゲンや触診を受ける。翌日まで待つと呼吸障害や内出血が進む。抱いて揺する行為は損傷を悪化させ、食べさせると手術が必要になった場合に麻酔のリスクが上がる。素人が骨を触って確認しても内臓損傷は分からず、痛みで咬まれる恐れもある。
課題元野良猫は脱走率が高く、パニック時に窓から飛び出すという特性を知りながら、網戸ロックや転落防止ネットなしで2階の窓を開けた。「元気なら大丈夫」という判断基準が誤っていた。
改善案窓には網戸ロックと転落防止ネットを設置し、換気は猫のいない部屋で行う。迎えて最初の1か月は特に脱走・転落に注意し、開ける窓は10cm以内にストッパーで固定する。転落後は元気でも当日受診する基準を家族で共有する。
Q24ドアに尾を挟まれてから排尿がない事故
迎えて10日の推定3歳の猫が、家族がリビングのドアを閉めた瞬間に隙間に飛び込み、尾の付け根を強く挟まれた。悲鳴を上げて隠れ家に逃げ込み、それから12時間経つ。尾が力なく垂れ、触っても反応がない。トイレには尿の跡がなく、隠れ家から出ようとすると後ろ足がふらつく。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 尾を優しく引っ張って動くか確かめ、動けば様子を見る
- 排尿は緊張のせいなので、水を多めに与えて翌日まで待つ
- 尾の神経損傷と排尿障害の疑いがあり、体を水平に保って即受診する
- 痛み止めとして人用の鎮痛剤を少量与え、落ち着くのを待つ
正解C.尾の神経損傷と排尿障害の疑いがあり、体を水平に保って即受診する
解説尾の付け根を強く挟むと、尾の神経とともに膀胱や肛門を支配する神経が損傷し、排尿ができなくなることがある。マニュアルの「尾が垂れたまま・排尿できないなら即受診」に当たる緊急事態。膀胱に尿がたまり続けると膀胱破裂や腎不全に至る。体を水平に保ってキャリーに入れ、直ちに受診して膀胱の圧迫排尿やレントゲン検査を受ける。尾を引っ張ると神経の損傷が広がる。水を与えても排尿できなければ悪化するだけ。人用の鎮痛剤は猫に致死的で、痛みを隠して診断を遅らせる。
課題元野良猫が驚いてドアの隙間に飛び込みやすいことを知りながら、ドアストッパーを使わず勢いよく閉めた。事故後12時間、尾の状態と排尿の有無を確認せず放置した。
改善案全てのドアにストッパーをつけ、開閉はゆっくり行い、閉める前に足元と隙間を確認する習慣を家族に徹底する。慣れるまでは猫のいる部屋のドアを開けたままにする。事故後は排尿の有無と尾の動きを数時間ごとに確認し、異常があれば即受診する。
Q25玄関から脱走した元野良猫を探す事故
迎えて3週間の推定2歳の元野良猫が、夕方に宅配便を受け取った隙に玄関から飛び出した。すぐに追いかけたが、隣家の車の下に潜り込んで姿が見えなくなった。日が暮れ始め、猫は完全室内飼育に切り替えたばかりで、外にはノミ駆除前の野良猫が多い地域。保護団体の連絡先は手元にある。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 猫は元野良なので自力で帰ってくると考え、玄関を開けて数日待つ
- 家の周囲50m以内を夜間に静かに探し、匂いのついた物を置き、保護団体に捕獲器の相談をする
- 大声で名前を呼びながら車の下に手を入れて引きずり出す
- SNSに投稿して見つかるのを待ち、自分では探さない
正解B.家の周囲50m以内を夜間に静かに探し、匂いのついた物を置き、保護団体に捕獲器の相談をする
解説脱走した猫は多くの場合、家の周囲50m以内の車の下や物置などに身を潜めている。マニュアルの通り、猫が活動する夜間に静かに周囲を探し、使っていたトイレの砂や寝具など匂いのついた物を玄関先に置く。すぐに捕まえられなければ保護団体に捕獲器の貸し出しと設置を相談する。元野良は「帰ってくる」とは限らず、日が経つほど遠くへ移動し交通事故や感染症のリスクが上がる。大声や無理な引きずり出しはパニックでさらに遠くへ逃げる原因になる。SNSは補助手段であり、初動の捜索を自分で行うことが最も重要。
課題元野良猫の脱走率が高く、迎えて最初の1か月が特に危険であることを知りながら、玄関に二重扉やゲートを設けず、宅配対応時に猫の位置を確認しなかった。
改善案玄関にペットゲートを設置して二重扉にし、宅配や来客時は猫をケージや別室に入れてから対応する。マイクロチップ登録と迷子札を装着する。脱走時の行動手順(夜間に50m以内、匂いの物、捕獲器)を紙に書いて玄関に貼り、保護団体の連絡先を登録しておく。
Q26電気コードをかじって倒れている事故
冬の夜、迎えて1か月の推定8か月の猫が、こたつの電源コードのそばで横倒しになっているのを見つけた。コードの被覆がかじられて銅線が見え、猫の口の周りが焦げたように黒く、よだれが出ている。呼吸は浅く速い。猫はまだコードに触れているように見える。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- すぐに猫を素手で抱き上げてコードから引き離し、口の中を水で洗う
- 口の火傷を冷やすため氷を口に含ませ、翌朝に受診する
- コードを手で引き抜いてから猫を毛布で包み、暖かくして様子を見る
- コンセントを抜くかブレーカーを落としてから猫に触れ、呼吸を確認して直ちに受診する
正解D.コンセントを抜くかブレーカーを落としてから猫に触れ、呼吸を確認して直ちに受診する
解説感電した猫がコードに触れている状態で素手で触ると、救助者も感電する。まずコンセントを抜くかブレーカーを落として電源を絶ってから猫に触れる。感電は口の火傷だけでなく、数時間後に肺水腫を起こして呼吸困難に至ることがあるため、浅く速い呼吸は危険信号で直ちに受診する。氷を口に含ませると誤嚥や低体温を招き、翌朝まで待つと肺水腫で死亡する恐れがある。コードを引き抜く行為自体は正しいが、その後「様子を見る」のは肺水腫を見逃す。呼吸や心拍がなければ心肺蘇生を行いながら搬送する。
課題若い猫がコードをかじる習性を考慮せず、こたつやストーブの電源コードをむき出しにしていた。感電事故の初動(電源を絶つ)と、遅れて出る肺水腫の危険を知らなかった。
改善案電源コードはカバーやコードチューブで覆い、使わない時はコンセントを抜く。猫がかじれない位置に配線し、かじり防止スプレーも併用する。感電時は「電源を絶つ、呼吸確認、即受診」の手順を家族で共有し、夜間救急の連絡先を登録しておく。
Q27湯を張った浴槽に落ちてぐったり事故
迎えて2か月の推定1歳の猫が、開いていた浴室のドアから入り、湯を張ったままの浴槽のふたの隙間から落ちた。家族が水音に気づいて駆けつけると、猫は浴槽内でもがいており、引き上げた時にはぐったりして口から水を吐き、呼吸が弱い。体は濡れて冷え始めている。
引き上げた直後に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- ドライヤーの温風で全身を急いで乾かし、落ち着いたら翌日に受診する
- 逆さに持って激しく振り、肺の水を全部出してから休ませる
- 元気になったように見えたら受診せず、暖かい部屋で様子を見る
- 頭を低くして口の水を出し、呼吸を確認してタオルで保温しながら直ちに受診する
正解D.頭を低くして口の水を出し、呼吸を確認してタオルで保温しながら直ちに受診する
解説溺水した猫は、頭を低くして口や鼻の水を自然に出させ、呼吸と心拍を確認する。呼吸がなければ心肺蘇生を行う。呼吸があってもタオルで包んで保温し、直ちに受診する。溺水は肺に水が入ったことで数時間〜1日後に肺炎や肺水腫が起こることがあり、一度元気になっても安心できない。ドライヤーの温風は低体温の猫の血管を急に広げてショックを招き、翌日まで待つのは危険。逆さに振ると首や内臓を傷め、水はほとんど出ない。「元気に見える」からと様子を見るのは遅発性の呼吸障害を見逃す。
課題浴室のドアを開けたままにし、浴槽に湯を張ったままふたを完全に閉めていなかった。猫が好奇心から水場に近づき、ふたの隙間に落ちる危険を想定していなかった。
改善案浴室のドアは常に閉め、浴槽の湯は使い終わったらすぐ抜くか、ふたを隙間なく閉める。洗濯機やトイレのふたも閉める習慣をつける。溺水時の手順(頭を低く、呼吸確認、保温、即受診)を救急カードに書いて浴室のそばに貼る。
Q28布の下に隠れた猫を踏んでしまった事故
迎えて4日目の朝、推定5か月の子猫がケージから出て、床に置いた洗濯物の山の下に隠れていた。気づかずに家族が体重をかけて踏んでしまい、子猫は悲鳴を上げてソファの下に逃げ込んだ。30分後に出てきたが、右後ろ足を床につけずに歩き、触ろうとすると怒って威嚇する。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 足をつけずに歩いているので骨折の疑いがあり、無理に触らず当日受診する
- 子猫は骨が柔らかいので数日で自然に治り、受診は不要
- 足を引っ張って伸ばし、まっすぐになれば問題ないと判断する
- 怒っているのは痛みでなく恐怖なので、おやつで機嫌を取って様子を見る
正解A.足をつけずに歩いているので骨折の疑いがあり、無理に触らず当日受診する
解説マニュアルの通り、踏んだ後に足を引きずる・怒るなら当日受診する。子猫の骨は細く、大人の体重がかかれば骨折や脱臼、内臓の損傷が起こりうる。足をつけずに歩くのは強い痛みの証拠で、レントゲンで骨折の有無を確認し、内臓への影響も診てもらう。「自然に治る」と放置すると骨が変形して癒合し、歩行障害が残る。足を引っ張ると骨折部がずれて神経や血管を傷める。威嚇は痛みのサインであり、おやつで機嫌が直っても怪我は治らない。搬送は無理に抱かずキャリーに誘導し、水平を保つ。
課題慣れるまで物陰や布の下に隠れるという保護猫の習性を知りながら、床に洗濯物を放置し、歩く前に確認する習慣がなかった。ケージから出す段階を急ぎ、隠れ場所を管理できていなかった。
改善案迎えて最初の1〜2週間はケージ内で過ごさせ、部屋に出す時は床に布や洗濯物を置かない。座る前・歩く前・ドアを閉める前に猫の位置を確認するルールを家族で共有する。隠れ家は決まった場所に固定し、猫がそこに戻るよう習慣づける。
Q29病院の駐車場でキャリーから飛び出した事故
迎えて1週間の推定3歳の猫を、初めての健康診断のため布製キャリーで動物病院へ運んだ。駐車場でキャリーを持ち上げた瞬間、猫が中で暴れてファスナーの隙間をこじ開け、上半身を出そうとしている。周囲は交通量の多い道路。洗濯ネットは家に置いてきた。
この瞬間に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 猫の頭を押し込んで急いでファスナーを閉め、キャリーを振って落ち着かせる
- 猫を外に出して抱きかかえ、そのまま病院の受付まで走る
- キャリーを地面に置いて猫が出るのを待ち、出たら追いかけて捕まえる
- 上着でキャリーの開口部を覆って押さえ、車内に戻ってから隙間を閉じ、病院にスタッフの応援を頼む
正解D.上着でキャリーの開口部を覆って押さえ、車内に戻ってから隙間を閉じ、病院にスタッフの応援を頼む
解説駐車場での脱走は交通事故に直結する最悪の事態。まず上着やタオルで開口部を覆って視界を遮り押さえ、閉じた空間(車内や病院の待合室)に移動してから隙間を閉じる。ひとりで難しければ病院スタッフに応援を頼む。頭を押し込む行為は咬傷を招き、キャリーを振るとさらにパニックになる。慣れていない猫を抱いて走れば確実に振りほどかれる。地面に置いて出るのを待つのは脱走を許すのと同じ。マニュアルの通り、保護猫の搬送は洗濯ネットに入れてからキャリーに入れ、ファスナーは南京錠やクリップで固定するのが原則。
課題警戒心の強い保護猫を布製キャリーだけで搬送し、洗濯ネットを使わなかった。ファスナーの隙間を固定する対策がなく、駐車場という危険な場所でキャリーを持ち上げる際の注意も欠けていた。
改善案搬送は洗濯ネットに入れてからハードタイプのキャリーに入れ、ファスナーや扉はクリップで固定する。キャリーには布をかけて暗くし、車内から病院内までは開口部を上に向けて両手で抱える。移動前にキャリーの開閉部を必ず点検する。
Q30子どもが抱き上げて床に落とした事故
迎えて2週間の推定4か月の子猫を、5歳の子どもが立ったまま抱き上げようとして、暴れた子猫をフローリングに落とした。高さは約80cm。子猫は着地後よろめきながら走り、ケージの隠れ家に潜り込んだ。数分後に覗くと、片方の目の瞳が大きく、左右の大きさが違って見える。呼吸は速い。
取るべき対応として最も適切なものはどれか
- 低い高さなので問題ないと考え、子猫を隠れ家で休ませておく
- 子どもを叱ってから、子猫に痛み止めとして人用の鎮痛シロップを与える
- 瞳の左右差は頭部外傷のサインなので、無理に動かさず暗いキャリーで直ちに受診する
- 子猫を抱き上げて頭を揺すり、反応があれば翌日まで様子を見る
正解C.瞳の左右差は頭部外傷のサインなので、無理に動かさず暗いキャリーで直ちに受診する
解説80cmの高さでも子猫が頭から落ちれば頭部外傷が起こりうる。瞳孔の大きさが左右で違う、ふらつく、呼吸が速いといった症状は脳の損傷や頭蓋内出血のサインで、マニュアルの「高所から転落」と同様に今すぐ受診の項目に当たる。無理に動かさずキャリーを暗くして保温し、直ちに受診する。放置すると脳圧が上がり、けいれんや呼吸停止に至る。人用の鎮痛剤は猫に有毒で、症状を隠して診断を妨げる。頭を揺すると出血が悪化する。子どもを叱るより、まず子猫の受診を優先する。
課題慣れていない子猫を幼い子どもが抱き上げられる環境にあり、大人の監督と抱き方の指導がなかった。「低い高さなら安全」という誤解があり、頭部外傷のサインを知らなかった。
改善案子どもが猫に触れるのは大人が同席し、座った状態で猫から近づくのを待つルールにする。抱き上げは慣れるまで禁止し、柵越しに交流させる。転落後は元気に見えても当日受診し、瞳の左右差・ふらつき・嘔吐があれば即受診する基準を共有する。
Q31ユリの花瓶の水を飲んでいた中毒・誤飲
お盆に親戚からユリの花束をもらい、玄関に飾った。迎えて3か月の推定2歳の猫が花瓶の水を飲み、鼻先にオレンジ色の花粉がついているのを昼過ぎに見つけた。猫は今のところ元気で、食欲もある。かかりつけ病院は午後の診療が4時からで、家族は「元気なら夕方でいい」と言う。
取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 元気で食欲があるので、夕方の診療開始まで様子を見る
- 食塩水を飲ませて吐かせ、吐いたら受診は不要と判断する
- 花粉を拭き取り、水をたくさん飲ませて毒を薄める
- ユリは少量でも急性腎不全を起こすため、花を持って今すぐ診療中の病院に電話し受診する
正解D.ユリは少量でも急性腎不全を起こすため、花を持って今すぐ診療中の病院に電話し受診する
解説ユリ科植物は猫に極めて毒性が高く、花粉を舐めた程度や花瓶の水を飲んだだけでも急性腎不全を起こして数日で死亡する。マニュアルの通り、少量でも即受診が原則で、摂取から時間が経つほど治療(点滴による腎保護)の効果が下がる。元気に見える初期の数時間が治療のチャンスであり、症状が出てからでは手遅れになることも多い。植物を持参すると種類の特定が早い。食塩水で吐かせる行為は塩中毒を起こし、猫では危険。水を飲ませても腎臓への毒性は薄まらない。診療時間まで待つ判断は致命的になりうる。
課題ユリが猫にとって致死的な植物であることを知らず、猫が入れる玄関に花を飾った。「元気なら緊急ではない」という誤った判断基準を持ち、中毒は症状が出る前に治療すべきという知識がなかった。
改善案ユリ科の花(ユリ・カサブランカ・チューリップ・スズランなど)は家に持ち込まない。花束をもらったら猫の入れない場所に置くか、その場で処分する。観葉植物も毒性を調べてから置く。中毒時は「症状がなくても即受診」を家族で共有し、診療中の病院を複数把握しておく。
Q32口からひもが垂れているのを発見中毒・誤飲
迎えて2か月の推定1歳の猫が、遊んだ後に片づけ忘れた猫じゃらしのひもで遊んでいた。夜、口から20cmほどのひもが垂れているのを見つけた。猫は何度も口を開けて吐くような仕草をし、ひもを前足で引っかこうとしている。引っ張れば取れそうに見える。
取るべき対応として最も適切なものはどれか
- ひもを引っ張らず、口の外に出ている部分を短く切るか触らずに、直ちに受診する
- ゆっくりと慎重にひもを引っ張って抜き取り、取れたら安心する
- 翌朝まで様子を見て、自然に便から出るのを待つ
- オリーブオイルを飲ませて腸の滑りをよくし、便と一緒に出させる
正解A.ひもを引っ張らず、口の外に出ている部分を短く切るか触らずに、直ちに受診する
解説ひも状の異物は猫で最も危険な誤飲のひとつ。ひもの一端が舌の付け根や胃に引っかかった状態で腸が動くと、腸がひもに沿って手繰り寄せられ、腸壁が裂ける。口から出ている部分を引っ張ると腸を切る恐れがあり、絶対にしてはならない。マニュアルの通り無理に取らず、直ちに受診してレントゲンや内視鏡、手術の判断を受ける。翌朝まで待つと腸の壊死が進み、腹膜炎で死亡する。オイルでは腸のひもは滑らず、嘔吐して誤嚥する危険もある。舌の付け根にひもが絡んでいないか確認できれば獣医師に伝える。
課題元野良猫は拾い食いの習慣が残り誤飲しやすいという特性を知りながら、ひも付きのおもちゃを片づけ忘れた。ひも状異物の危険性(引っ張らない、放置しない)を知らなかった。
改善案マニュアルの通り、ひも・輪ゴム・ビニール・裁縫糸は遊んだ後に必ず片づけ、猫が入れない引き出しに保管する。おもちゃはひもの短い物を選び、遊びは大人が見守る。誤飲時は「引っ張らない、吐かせない、即受診」を家族で共有し、夜間救急の連絡先を登録する。
Q33テーブルの上の焼き鳥とネギを食べた中毒・誤飲
夕食後、食卓に残した焼き鳥の皿を片づけ忘れ、迎えて1か月の推定3歳の猫が長ねぎ入りの串を2本分ほど食べたと分かった。串は皿に残っているが、鶏肉とねぎ、タレがなくなっている。猫は満足そうに毛づくろいをしており、今のところ症状はない。夜8時で、かかりつけは9時まで診療している。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 症状がないので翌朝まで様子を見て、下痢や嘔吐が出たら受診する
- 牛乳を飲ませて胃を保護し、数日間便の色を観察する
- 指を喉に入れて吐かせ、吐いたものを捨てて安心する
- 串や包装を持ち、無理に吐かせずすぐにかかりつけに電話して受診する
正解D.串や包装を持ち、無理に吐かせずすぐにかかりつけに電話して受診する
解説ネギ類は猫の赤血球を壊し、溶血性貧血を起こす。症状は摂取後1〜数日経ってから現れ、血尿・ふらつき・歯ぐきが白いなどの貧血症状が出た時には既に重症のことが多い。マニュアルの通り、ネギ類は少量でも受診し、食べた物や包装を持参して量を伝える。摂取直後なら獣医師による催吐処置が有効で、診療時間内に電話して駆けつける。家庭で無理に吐かせるのは誤嚥や食道損傷の危険があり、猫では特に危険。牛乳は下痢の原因になるだけで解毒効果はない。症状が出てからの受診では貧血の治療が難しく、輸血が必要になることもある。
課題拾い食いの習慣が残る元野良猫がいる家で、食事の皿を食卓に放置した。ネギ類が猫に有毒で、症状が遅れて出ることを知らず、「症状がなければ大丈夫」という判断基準を持っていた。
改善案食事後は皿をすぐ片づけ、生ゴミはふた付きのゴミ箱に入れる。ネギ・チョコレート・ブドウ・アルコールなど猫に有毒な食品の一覧を冷蔵庫に貼り、家族と来客に共有する。中毒は「症状がなくても当日受診」とし、食べた物の包装を保存する習慣をつける。
Q34床に落ちた人の風邪薬を口に入れた中毒・誤飲
家族が風邪薬を飲む際に錠剤を床に落とし、迎えて6週間の推定2歳の猫がそれに飛びついて口に入れた。すぐに口を開けさせようとしたが、猫は逃げて隠れ家に入った。薬の箱にはアセトアミノフェン配合と書かれている。猫は5分後に口をくちゃくちゃさせ、よだれを垂らしている。夜11時。
取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 人の風邪薬なら猫にも安全なので、朝まで様子を見る
- 水をたくさん飲ませて薬を薄め、翌日かかりつけで相談する
- 薬の箱を持ち、夜間救急に電話して成分と量を伝え、直ちに受診する
- 牛乳と卵を飲ませて胃を保護し、吐けば受診は不要
正解C.薬の箱を持ち、夜間救急に電話して成分と量を伝え、直ちに受診する
解説アセトアミノフェンは猫が代謝できない薬で、錠剤1つでも赤血球の障害(メトヘモグロビン血症)と肝障害を起こし、数時間で呼吸困難・顔の腫れ・歯ぐきの茶褐色化が出て死亡する。摂取直後の受診で催吐や解毒剤(アセチルシステイン)の投与ができるため、夜間でも直ちに救急病院に電話し、薬の箱を持って受診する。人の薬が猫に安全だという考えは致命的な誤り。水や牛乳では毒性は薄まらず、翌日では手遅れになる。家庭で吐かせる処置は誤嚥の危険があり、吐いても吸収された分は残る。
課題人の薬を猫の届く場所で扱い、落とした錠剤を拾う前に猫が飛びついた。人用の薬、特にアセトアミノフェンが猫に致死的であることを知らず、「人が飲める薬なら安全」と誤解していた。
改善案薬は猫のいない部屋で飲み、落としたらすぐ拾う。薬箱は扉付きの棚に保管する。猫に致死的な人の薬(アセトアミノフェン・イブプロフェン・アスピリンなど)を家族で共有し、絶対に与えない。夜間救急の電話番号を登録し、誤飲時は薬の箱を持参する。
Q35チョコレートの包み紙が散乱していた中毒・誤飲
バレンタインの翌日、迎えて2か月の推定5か月の子猫がいるリビングに、テーブルの上に置いていた高カカオチョコレートの箱が落ちて包み紙が散らばっていた。箱には12個入りとあり、残りは8個。子猫の口の周りに茶色い汚れがあり、少し落ち着きなく歩き回っている。3時間ほど留守にしていた。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 猫はチョコを好まないので食べていないと判断し、部屋を片づけて終わる
- 子猫の便が茶色くなれば食べた証拠なので、翌日の便を確認してから判断する
- コーヒーを飲ませて興奮を抑え、落ち着いたら様子を見る
- 箱と包み紙を持参し、体重と推定摂取量を伝えて当日中に受診する
正解D.箱と包み紙を持参し、体重と推定摂取量を伝えて当日中に受診する
解説チョコレートに含まれるテオブロミンとカフェインは猫が分解しにくく、高カカオ製品を体重2kg程度の子猫が数個食べると、興奮・嘔吐・頻脈・けいれんを起こす危険量になる。落ち着きなく歩き回るのは初期症状の可能性がある。箱と包み紙を持参し、製品名・カカオ含有量・推定個数・体重を伝えて当日中に受診する。摂取から時間が経っていても、症状が出る前の処置が有効。猫は甘味を感じにくいが、匂いや好奇心で食べることはある。便の観察では手遅れになる。コーヒーはカフェインを追加する行為で悪化させる。
課題拾い食いの習慣が残る子猫のいる部屋に、チョコレートの箱をテーブルの上に置いたまま3時間留守にした。チョコレートの毒性と猫でも中毒が起こることを軽く見ていた。
改善案食べ物は扉付きの棚や冷蔵庫に保管し、留守中は猫をケージに入れるか食べ物のない部屋に限定する。中毒時に伝える情報(製品名・量・体重・時刻)をメモにして用意し、包装を捨てずに持参する習慣をつける。
Q36猛暑日にエアコンが止まり口を開けて呼吸環境・災害
8月の午後、外気温37℃。仕事から帰るとエアコンが故障で止まり、締め切った部屋は35℃を超えていた。迎えて3か月の推定10歳の猫が、布をかけたケージの隠れ家の中で口を開けてハアハアと呼吸し、よだれを垂らしてぐったりしている。耳と肉球が非常に熱い。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 涼しい部屋に移し、濡らしたタオルで体を包んで風を当てながら、直ちに受診する
- 氷水の入った浴槽に全身を浸けて急速に体温を下げる
- 水をたっぷり飲ませて、涼しい場所で1時間休ませてから判断する
- 冷房のきいた車で走り回って落ち着かせ、夜に受診する
正解A.涼しい部屋に移し、濡らしたタオルで体を包んで風を当てながら、直ちに受診する
解説猫は口を開けて呼吸することがほとんどなく、口呼吸・よだれ・ぐったりは重度の熱中症のサイン。マニュアルの「口を開けて呼吸」は今すぐ受診の項目。まず涼しい部屋に移し、濡らしたタオルで体(特に首・脇・内股)を包んで風を当てて体温を下げながら、直ちに受診する。氷水に浸けると血管が収縮して熱がこもり、ショックを起こす。意識が朦朧とした猫に水を飲ませると誤嚥する。熱中症は臓器障害が数時間後に進むため、1時間の様子見や夜まで待つのは危険。高齢猫や痩せた猫は特に重症化しやすい。
課題エアコンが故障した場合の備えがなく、留守中の室温を確認する手段もなかった。布をかけたケージの隠れ家の中は熱がこもりやすいというマニュアルの注意を考慮していなかった。
改善案夏は室温を28℃以下に保ち、留守中はスマート温度計で室温を確認できるようにする。停電・故障に備えて保冷剤やクールマット、凍らせたペットボトルを用意する。ケージの布は夏は薄手にし、隠れ家に熱がこもらないよう風の通り道を確保する。
Q37真冬の停電で痩せた保護猫が震えている環境・災害
1月の夜、大雪で停電し、暖房が全て止まった。室温は10℃まで下がり、迎えて2週間の痩せた推定8歳の猫が隠れ家の中で丸くなって小刻みに震えている。耳と足先が冷たく、呼びかけには反応するが動こうとしない。復旧の見込みは翌朝。家には湯たんぽ、毛布、使い捨てカイロがある。
取るべき対応として最も適切なものはどれか
- カイロを猫の体に直接貼り付け、毛布でぐるぐる巻きにして一晩過ごす
- 猫を風呂で温めてからドライヤーで乾かし、隠れ家に戻す
- 震えは緊張のせいなので、そのまま朝まで触らずにおく
- タオルで包んだ湯たんぽを隠れ家の横に置き、毛布で囲って逃げ場を残し、ぐったりしたら受診する
正解D.タオルで包んだ湯たんぽを隠れ家の横に置き、毛布で囲って逃げ場を残し、ぐったりしたら受診する
解説痩せた猫や高齢猫は皮下脂肪が少なく、10℃の室温で震えているのは低体温の初期。マニュアルの通り25℃前後が望ましく、タオルで包んだ湯たんぽを隠れ家の横や下に置き、毛布で囲って温めるが、猫が熱ければ離れられる逃げ場を残す。震えが止まらず反応が鈍くなったり、ぐったりして体が冷たいままなら、低体温の進行として直ちに受診する。カイロを直接貼ると低温やけどを起こし、毛布で固定すると熱すぎても逃げられない。風呂で温めると急激な血管拡張でショックを起こし、濡れた体はさらに冷える。震えを放置すれば体温がさらに下がる。
課題冬の停電時に猫を保温する備えがなく、湯たんぽの使い方(タオルで包む、逃げ場を残す)を知らなかった。痩せた高齢猫は寒さに特に弱いという認識が薄く、室温の監視もしていなかった。
改善案停電に備えて湯たんぽ・毛布・段ボール・カセットコンロを用意し、隠れ家を段ボール箱で二重にして保温性を高める。冬は隠れ家に保温マットを入れ、室温計を置く。低体温のサイン(震え・冷たい耳・反応の鈍さ)を家族で共有し、悪化時は夜間でも受診する。
Q38地震で家具の隙間に隠れて出てこない環境・災害
深夜に震度5強の地震が発生。迎えて1か月の推定3歳の猫がパニックで走り回り、食器棚と壁の狭い隙間に入り込んだ。余震が続き、自治体から避難指示が出ている。猫は隙間の奥で目を見開き、手を入れると激しく威嚇する。キャリーと洗濯ネットは玄関にある。
取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 猫は自力で生き延びるので、餌と水を置いて置いて避難する
- 隙間の前にキャリーの入口を向けて置き、反対側から静かに追い込むか、洗濯ネットで包んで収容し一緒に避難する
- 手を奥まで入れて首根っこをつかみ、力ずくで引きずり出す
- 落ち着くまで数時間待ってから避難を考える
正解B.隙間の前にキャリーの入口を向けて置き、反対側から静かに追い込むか、洗濯ネットで包んで収容し一緒に避難する
解説地震時のパニックで狭い隙間に隠れるのは猫の本能。避難指示が出ている状況では猫を残さず同行避難が原則で、残された猫は余震で家具の下敷きになったり、割れた窓から脱走したりする危険が高い。キャリーの入口を隙間の出口に向け、反対側からそっと押し出して入れるか、洗濯ネットを広げて包み込むと安全に収容できる。首根っこを力ずくで引き出すと咬傷や猫の怪我を招く。餌と水を置いて避難するのは、余震や火災、脱走のリスクを放置する行為。余震が続く中で数時間待つのは人も猫も危険にさらす。
課題地震時の猫の避難手順を考えておらず、キャリーと洗濯ネットが猫のいる部屋になかった。家具の転倒防止や隙間の対策がなく、猫が入り込める危険な場所を放置していた。
改善案キャリーは普段から猫のいる部屋に置いて寝床として慣らし、洗濯ネットを中に入れておく。家具は固定し、壁との隙間は板でふさぐ。避難用品(5日分のフード・水・トイレ砂・薬・検査記録の写し)をキャリーとセットで準備し、同行避難の手順を家族で確認する。
Q39梅雨の湿気で顔にフケと円形の脱毛環境・災害
6月中旬、雨が続き室内の湿度は80%を超えている。迎えて1か月の推定1歳の猫の耳の付け根と顔に、直径2cmほどの円形の脱毛が2か所でき、白いフケとかさぶたが見える。かゆがる様子は少ない。猫の寝具は湿っぽく、換気の悪い北側の部屋にケージを置いている。同居の子どもがよく猫に頬ずりしている。
適切な対応の組み合わせはどれか
- 湿気による一時的な肌荒れなので、保湿スプレーを吹きかけて梅雨明けを待つ
- 円形の脱毛は毛の生え変わりなので、ブラッシングを増やして様子を見る
- 市販のかゆみ止めシャンプーで週に3回洗い、脱毛が広がらなければ受診しない
- 真菌の疑いがあり数日以内に受診して培養検査を受け、除湿し寝具を熱湯消毒し、子どもの接触を控えさせる
正解D.真菌の疑いがあり数日以内に受診して培養検査を受け、除湿し寝具を熱湯消毒し、子どもの接触を控えさせる
解説顔や耳の円形脱毛とフケ・かさぶたは皮膚糸状菌症(真菌)の典型で、元野良猫に多く、高湿度で悪化する。マニュアルの通り脱毛があれば受診して培養検査を受け、治るまで隔離し、寝具は毎日交換して熱湯消毒する。人にもうつるため、子どもの頬ずりは中止し、触った後は手洗いを徹底する。湿度は40〜60%に除湿する。保湿スプレーやブラッシングでは真菌は治らず、ブラシが胞子を広げる。市販シャンプーは診断なしでは効果が不確実で、頻繁な洗浄は皮膚を傷める。放置すると人と猫の間で感染を繰り返す。
課題梅雨の高湿度が真菌・皮膚病の原因になるというマニュアルの注意を知らず、換気の悪い部屋に湿った寝具のままケージを置いていた。人獣共通感染症の意識がなく、子どもの頬ずりを許していた。
改善案梅雨は除湿機やエアコンの除湿で湿度を40〜60%に保ち、湿度計を置く。寝具は週2回以上洗濯し、天気の良い日に乾かす。迎えて1か月間は子どもの顔を近づける接触を避け、触った後は手洗い。脱毛・フケを見つけたら数日以内に受診し、真菌なら家族の皮膚も確認する。
Q40避難所のキャリー生活で2日間排尿がない環境・災害
台風による浸水で避難所に同行避難して3日目。迎えて4か月の推定5歳の雄猫は、キャリーの中で布をかぶせた状態で過ごしている。周囲は騒がしく犬の声もする。キャリー内に置いた携帯トイレを使った形跡がなく、2日間排尿を確認できていない。水もほとんど減っていない。獣医師の巡回は明日の予定。
取るべき対応として最も適切なものはどれか
- 48時間の排尿なしは危険なので、避難所の運営に相談し今日中に診療可能な動物病院か獣医師に連絡する
- ストレスで我慢しているだけなので、明日の巡回を待つ
- キャリーから出して避難所の中を歩かせ、気分転換させる
- 水を飲まないのでスポーツドリンクをシリンジで大量に飲ませる
正解A.48時間の排尿なしは危険なので、避難所の運営に相談し今日中に診療可能な動物病院か獣医師に連絡する
解説猫は環境の変化とストレスで排尿を我慢することがあるが、48時間の排尿なしは膀胱炎や尿道閉塞、脱水による尿量減少の可能性があり、特に雄猫では尿道閉塞の危険が高い。マニュアルの「尿が出ない」は今すぐ受診の項目。避難所の運営や獣医師会の災害対応窓口に相談し、今日中に診察を受ける。明日まで待つと閉塞なら腎不全に進む。キャリーから出すと脱走や他の動物とのトラブルになる。スポーツドリンクは糖分と塩分が多く猫には不適で、閉塞していれば飲ませても排尿できない。避難生活ではトイレを静かな場所に置き、砂は使い慣れた物を持参することが重要。
課題避難時に猫の排泄・飲水を記録する習慣がなく、2日間排尿がないことに気づくのが遅れた。災害時に動物を診てもらえる窓口を把握しておらず、巡回待ちの受け身になっていた。
改善案避難用品に使い慣れたトイレ砂とウェットフード、記録用のノートを入れ、排尿・排便・飲水を毎回記録する。自治体の災害時ペット対応窓口と獣医師会の連絡先を事前に調べておく。避難所ではキャリーを人の少ない静かな場所に置き、布で覆って落ち着かせる。
Q41猫の脱毛と子どもの腕に赤い輪状の発疹感染症・衛生
迎えて3週間の推定6か月の子猫の耳と前足に円形の脱毛があるのに気づいて数日後、7歳の子どもの腕に赤い輪状の発疹ができ、かゆがっている。子どもは毎日子猫を抱いて一緒に昼寝をしていた。子猫はまだ動物病院で皮膚の検査を受けていない。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 子どもの発疹は虫刺されなので、市販のかゆみ止めを塗り子猫との遊びは続ける
- 子猫の脱毛と子どもの発疹は別の原因なので、子猫だけを受診させる
- 子猫を隔離し、子どもの部屋に入れなければ発疹は自然に治る
- 子猫を隔離して数日以内に受診し培養検査、子どもも皮膚科を受診し、寝具を熱湯消毒して手洗いを徹底する
正解D.子猫を隔離して数日以内に受診し培養検査、子どもも皮膚科を受診し、寝具を熱湯消毒して手洗いを徹底する
解説猫の円形脱毛と、接触していた人の輪状の発疹は皮膚糸状菌症(真菌)の典型的な人獣共通感染。マニュアルの通り、猫は隔離して受診し培養検査と抗真菌治療を受け、人は皮膚科を受診する。真菌の胞子は寝具や床に長く残るため、寝具は毎日交換して熱湯消毒し、部屋の掃除機がけと触った後の手洗いを徹底する。虫刺されと誤認して接触を続ければ家族全員に広がる。猫だけ治療しても子どもの発疹は治らず、逆に人から猫に再感染する。隔離だけでは既に感染した子どもの治療にならない。
課題迎えて3週間経っても皮膚の検査を受けておらず、脱毛に気づいた時点で受診しなかった。人にうつる皮膚病の知識がなく、慣れる前の子猫と子どもが寝具を共有する接触を許していた。
改善案保護猫は迎えてすぐ皮膚・被毛のチェックを受け、脱毛があれば即受診する。検査で問題がないと確認できるまで子どもとの接触は短時間にし、寝具は共有しない。触った後は必ず手洗いし、猫の寝具は週2回以上洗濯する。家族に発疹が出たら猫の感染も疑う。
Q42検査前の保護猫が先住猫と接触してしまった感染症・衛生
迎えて2日目の推定3歳の元野良猫を別室のケージで隔離していたが、家族がドアを閉め忘れ、先住猫(8歳・FIV陰性・ワクチン接種済み)が部屋に入って新入り猫と鼻を突き合わせ、軽いけんかで先住猫の耳に小さなひっかき傷ができた。新入り猫は血液検査も便検査もまだで、くしゃみを時々している。
取るべき対応として最も適切なものはどれか
- 一度接触したので隔離は意味がないと考え、翌日から同じ部屋で飼う
- 先住猫がワクチン済みなので問題なく、新入り猫の検査は予定通り来月でよい
- 隔離を再徹底し、新入り猫の血液・便検査を数日以内に受け、先住猫の傷を洗って様子を見、両猫の食器とトイレを完全に分ける
- 先住猫を叱って新入り猫のケージから遠ざけ、新入り猫にもワクチンを打てば安心
正解C.隔離を再徹底し、新入り猫の血液・便検査を数日以内に受け、先住猫の傷を洗って様子を見、両猫の食器とトイレを完全に分ける
解説検査前の元野良猫にはFIV・FeLV・猫風邪・寄生虫・真菌の可能性がある。一度接触したからといって隔離をやめると、継続的な接触で感染リスクが大幅に上がる。マニュアルの通り、隔離を再徹底し、新入り猫の血液検査と便検査を数日以内に前倒しで受け、食器・トイレを分ける。先住猫の傷は流水で洗い、腫れや食欲不振が出たら受診する。ワクチンはFIVを防げず、猫風邪も完全には防げない。検査結果が出るまで先住猫の経過も観察し、FIVの再検査を数か月後に検討する。叱ることは無意味で、ワクチンは検査後に接種するのが原則。
課題隔離部屋のドアの閉め忘れという単純なミスが起きる環境で、二重の防御(ドアストッパーやゲート)がなかった。迎えて2日目にまだ検査を受けておらず、隔離期間の重要性が家族に共有されていなかった。
改善案隔離部屋にはドアクローザーやペットゲートを設置し、「必ず閉める」の表示を貼る。保護猫は迎えて数日以内に血液検査と便検査を受け、結果が出るまで隔離を続ける。対面は検査で陰性を確認後、匂いの交換から始めて柵越しに段階的に行う。
Q43子どもが猫トイレの砂で遊んでいた感染症・衛生
迎えて1週間、まだ便検査を受けていない推定4か月の子猫のトイレをリビングの隅に置いていた。買い物から戻ると、2歳の子どもがトイレの砂を手ですくって床に広げ、手を口に入れていた。トイレには便が残っており、子猫の便に白い虫は見えていないが、時々軟便が出ている。
取るべき対応として最も適切なものはどれか
- 虫が見えないので心配は不要、床を掃除して終わりにする
- 子どもに消毒液で手を拭かせ、猫を叱ってトイレを外に出す
- 子猫にすぐ人用の虫下しを与え、子どもにも同じ薬を飲ませる
- 子どもの手を石けんで十分に洗い、子猫の便を持参して当日〜数日以内に受診して駆虫、子どもに症状が出たら小児科へ
正解D.子どもの手を石けんで十分に洗い、子猫の便を持参して当日〜数日以内に受診して駆虫、子どもに症状が出たら小児科へ
解説保護猫の便には回虫や鉤虫の卵、原虫が含まれている可能性があり、便が見えなくても砂に虫卵が混じっている。マニュアルの通り、回虫・鉤虫は便中の虫卵が手や砂から口・皮膚に入って人に感染する。まず子どもの手を石けんで十分洗い、子猫の便検査と駆虫を早急に受ける。虫卵は肉眼で見えないため「虫がいない=安全」ではない。子どもに発熱・腹痛・皮膚のかゆみが出たら小児科で相談する。消毒液で手を拭くだけでは不十分で、猫を叱っても意味がない。人用の虫下しを猫に与えるのは危険で、子どもへの自己判断の投薬もしてはならない。
課題便検査前の子猫のトイレを幼い子どもの手が届くリビングに置き、子どもに便や砂を触らせない対策がなかった。回虫・鉤虫が人に感染することへの認識が薄く、迎えて1週間経っても駆虫していなかった。
改善案保護猫は迎えてすぐ便検査と駆虫を受け、2〜3週後に再検査する。トイレは子どもが入れない部屋やケージ内に置き、掃除は大人が毎日行い、掃除後は必ず手洗い。子どもには猫のトイレに触らないルールを教え、猫と遊んだ後も手洗いを習慣にする。
Q44保護直後の猫の首に膨らんだマダニ感染症・衛生
5月、公園で保護された推定2歳の猫を迎えた翌日、首の毛の中に小豆大の灰色の膨らみが2つ付いているのを見つけた。よく見ると足が動いており、皮膚に食い込んでいる。家族が「気持ち悪いから今すぐ取って」と言い、ピンセットを持ってきた。猫はまだ動物病院に行っていない。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 素手やピンセットで無理に取らず、当日動物病院で除去と駆除薬の処置を受け、触った後は手洗いする
- ピンセットで力いっぱい引き抜き、潰して捨てる
- アルコールをかけて窒息させ、落ちるまで数日待つ
- 自然に落ちるので放っておき、来月の健康診断でまとめて診てもらう
正解A.素手やピンセットで無理に取らず、当日動物病院で除去と駆除薬の処置を受け、触った後は手洗いする
解説膨らんだマダニは皮膚に口器を深く刺しており、無理に引き抜くと口器が皮膚に残って化膿する。またマダニは人にSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの致死的な感染症を媒介し、潰した際の体液や咬傷から人に感染する危険がある。マニュアルの通り、ダニは素手で取らず動物病院で除去と駆除薬の処置を受け、触った後は手洗いする。アルコールをかけると刺激でダニが唾液を逆流させ感染リスクが上がる。来月まで放置すればダニが増え、猫の貧血や感染症の原因になる。飼い主自身に発熱があれば医療機関を受診し、猫との接触を伝える。
課題屋外で保護された猫にはマダニやノミが付いている前提での対応がなく、保護当日に駆除薬を受けていなかった。マダニが人に重い感染症をうつすことや、素手で取ってはいけないことを知らなかった。
改善案保護猫は迎える当日か翌日に動物病院で全身のダニ・ノミチェックと駆除薬の処置を受ける。ダニは自分で取らず病院で除去する。猫を触る際は毛の中まで確認し、膨らみを見つけたら受診する。猫に触れた後は手洗いし、家族に発熱があれば猫との接触を医師に伝える。
Q45呼びかけに反応せず倒れている猫の確認手順救命救急
朝、迎えて1か月の推定4歳の猫がリビングの床に横たわり、名前を呼んでも耳が動かない。近づいて肩を軽くつついても反応がない。胸の動きはよく分からず、体はまだ温かい。家族が「息をしているか分からない」と慌てている。夜間救急は車で15分。
この時点で最初に行うべき確認と行動として最も適切なものはどれか
- 口に水を含ませて飲み込むか見て、飲めば生きていると判断する
- 写真を撮って獣医師にメッセージを送り、返信を待つ
- とにかく抱き上げて車に乗せ、確認せずに走り出す
- 胸の動きを10秒見て呼吸を確認し、後肢の内股で脈を触れ、なければ心肺蘇生を始めて救急に電話する
正解D.胸の動きを10秒見て呼吸を確認し、後肢の内股で脈を触れ、なければ心肺蘇生を始めて救急に電話する
解説マニュアルの確認手順は、呼びかけと体をつついて反応を見る、胸の動きで呼吸(正常は1分に20〜30回)を確認する、後肢の内股(大腿動脈)で脈(正常120〜180回)を触れる、の3段階。呼吸も脈もなければ直ちに心肺蘇生を開始し、同時に家族に夜間救急への電話を頼んで指示を受けながら搬送する。意識のない猫に水を含ませると誤嚥する。写真を送って返信を待つ間に心停止から数分で脳に不可逆な障害が起きる。確認せずに車に乗せると、心停止していた場合に蘇生の機会を失う。呼吸があれば気道を確保し、保温して搬送する。
課題意識・呼吸・脈の確認手順を家族が知らず、パニックで判断が遅れた。猫の正常な呼吸数や脈の触れ方を健康な時に練習しておらず、緊急時に「分からない」状態になった。
改善案健康な時に胸の動きの見方と内股の脈の触れ方を練習し、正常値を記録しておく。「反応・呼吸・脈の確認、なければ心肺蘇生と電話」の手順をカードにしてキャリーに貼る。夜間救急の電話番号を家族全員の携帯に登録し、役割分担(蘇生する人、電話する人、運転する人)を決めておく。
Q46呼吸も脈もない猫への心肺蘇生救命救急
夜、迎えて2か月の推定3歳の猫が突然倒れ、確認すると胸の動きがなく、内股でも脈が触れない。体重は約4kg。家族が夜間救急に電話をかけている間、自分が心肺蘇生を行うことになった。床はカーペット、近くに硬いテーブルがある。
適切な心肺蘇生の方法はどれか
- 仰向けに寝かせて胸の中央を両手で全力で押し、1秒に1回のペースで続ける
- 人工呼吸だけを繰り返し、胸の圧迫は骨が折れるので行わない
- 硬いテーブルに右側を下に寝かせて首を伸ばし、肘の後ろの胸を片手で挟んで1秒に2回圧迫し、30回ごとに鼻から2回息を吹き込む
- 背中を強く叩いて刺激し、口に指を入れて舌を引っ張り出す
正解C.硬いテーブルに右側を下に寝かせて首を伸ばし、肘の後ろの胸を片手で挟んで1秒に2回圧迫し、30回ごとに鼻から2回息を吹き込む
解説マニュアルの手順通り、硬い台に右側を下にして寝かせ、首を伸ばして気道を確保する。猫は体が小さいため、肘の後ろの胸を片手で挟むように持ち、1秒に2回(1分に100〜120回)の速さで胸の厚みの3分の1程度を圧迫する。30回圧迫後、口を閉じて鼻から2回息を吹き込み、2分ごとに脈を確認しながら受診まで続ける。仰向けで両手全力は猫の胸を圧迫しすぎて肋骨や内臓を損傷し、1秒に1回では遅すぎる。人工呼吸だけでは血液が循環しない。背中を叩く、舌を引くのは蘇生にならず、意識が戻った瞬間に咬まれる危険もある。
課題心肺蘇生の手順を知らず、その場で初めて方法を考える状況だった。心停止を招く病気(心筋症など)や中毒の可能性に気づく前兆の観察が不十分で、突然の事態への準備がなかった。
改善案猫の心肺蘇生の手順(右側を下、片手で胸を挟む、1秒2回、30対2)を紙に書いて冷蔵庫に貼り、ぬいぐるみで年に1回練習する。夜間救急の電話番号と道順を確認しておく。中高齢猫は年2回の健診で心臓や腎臓の異常を早期に発見する。
Q47後ろ足から大量出血して暴れる猫の止血救命救急
深夜、迎えて3週間の推定2歳の猫が、窓のサッシに後ろ足を挟んで抜こうと暴れ、足の内側が深く裂けた。血が勢いよく流れ、カーペットに広がっている。猫はパニックで威嚇し、手を近づけると咬みつこうとする。バスタオル、ガーゼ、洗濯ネットが手元にある。夜間救急まで車で25分。
取るべき手順として最も適切なものはどれか
- 咬まれないよう距離を取り、出血が自然に止まるのを待ってから受診する
- 足にひもをきつく縛って血を止め、そのまま朝まで様子を見る
- ガーゼに消毒液を染み込ませて傷に当て、出血が止まるまで何度も取り替える
- バスタオルで猫の頭ごと包んでからガーゼで傷を5分以上強く押さえ、圧迫したまま洗濯ネットに入れて夜間救急へ運ぶ
正解D.バスタオルで猫の頭ごと包んでからガーゼで傷を5分以上強く押さえ、圧迫したまま洗濯ネットに入れて夜間救急へ運ぶ
解説マニュアルの通り、暴れる猫はタオルで頭ごと包んで視界を遮ると落ち着き、咬傷を防ぎながら止血できる。清潔なガーゼで傷を5分以上強く押さえ、途中で外して確認しない。止血したままの状態で洗濯ネットに入れてキャリーで夜間救急へ運び、縫合を受ける。猫の血液量は少なく、勢いよく流れる出血を待つのは失血死の危険がある。ひもで縛る止血帯は組織を壊死させるため家庭では行わず、朝まで待つと失血と感染が進む。ガーゼを何度も取り替えると固まりかけた血栓がはがれて出血が続く。消毒液は傷の組織を傷める。
課題パニック時に猫が窓のサッシに足を挟む危険を想定していなかった。暴れる猫の止血方法(タオルで包む)を知らず、深夜の大量出血に備えた救急セットの場所と夜間救急の道順を家族で確認していなかった。
改善案窓のサッシに足が入らないようストッパーを使い、猫のいる部屋の窓は全開にしない。救急セット(ガーゼ・バスタオル・洗濯ネット・止血剤)を一か所にまとめ、家族全員が場所を知っておく。「タオルで包む、5分圧迫、圧迫したまま搬送」の手順を紙に書いて貼る。
Q48ぐったりした猫を夜間救急へ運ぶ方法救命救急
冬の夜、迎えて2週間の推定5歳の猫が突然嘔吐を繰り返し、ぐったりして歯ぐきが薄い色になっている。夜間救急に電話すると「すぐ連れてきてください」と言われた。家には布製キャリーとハードキャリー、洗濯ネット、タオル、湯たんぽがある。猫は普段は警戒心が強く、触ると威嚇する。
搬送の準備として最も適切なものはどれか
- ぐったりしているので抱きかかえたまま助手席に乗せ、暖房を最強にして走る
- 洗濯ネットに入れてタオルを敷いたハードキャリーに入れ、布で覆って暗くし、タオルで包んだ湯たんぽを添えて運ぶ
- 布製キャリーに入れて後部座席に置き、窓を開けて新鮮な空気を入れながら走る
- 段ボール箱にそのまま入れて、ふたを開けたまま膝に乗せて運ぶ
正解B.洗濯ネットに入れてタオルを敷いたハードキャリーに入れ、布で覆って暗くし、タオルで包んだ湯たんぽを添えて運ぶ
解説マニュアルの搬送手順は、キャリーにタオルを敷き、暗くして保温すること、洗濯ネットに入れると暴れず安全に運べること。ぐったりした猫も病院で急に動き出すことがあり、警戒心の強い保護猫は特に洗濯ネットが有効。ハードキャリーは診察台で開けやすく、事故時の安全性も高い。タオルで包んだ湯たんぽを添えて低体温を防ぐが、直接触れないようにする。抱きかかえたまま乗せると、急ブレーキや猫の急な動きで脱走・事故につながる。暖房最強や窓を開けての走行は体温管理を乱す。段ボールにふたを開けたままでは飛び出す危険がある。到着前に電話で症状と到着時刻を伝えると受け入れが早い。
課題普段からキャリーを寝床として慣らしておらず、緊急時に猫を入れる手順を確認していなかった。夜間搬送時の保温・暗くする・洗濯ネットといった基本を家族が知らなかった。
改善案ハードキャリーを普段から部屋に置いて寝床にし、洗濯ネットを中に入れておく。キャリーに夜間救急の電話番号と住所、猫の検査記録の写しを貼っておく。搬送手順(洗濯ネット、タオル、暗く、保温)をカードにし、家族で役割を決めて年に1回確認する。
Q49口を開けて呼吸する猫を夜間に見つけた救命救急
深夜1時、迎えて1か月の推定9歳の猫が隠れ家から出て、床にうずくまり口を開けて肩で息をしている。お腹が大きく上下し、舌の色が紫がかって見える。今日は日中も食欲がなかった。夜間救急は車で30分、かかりつけは朝9時から。家族は「朝まで待って、かかりつけに連れて行こう」と言っている。
取るべき判断として最も適切なものはどれか
- 口呼吸と舌の紫色は呼吸困難のサインで、無理に抱かずキャリーに入れて直ちに夜間救急に向かい、電話で到着を伝える
- 猫が慣れたかかりつけで診てもらう方が安心なので、朝9時まで見守る
- 扇風機で顔に風を当てて呼吸を楽にし、落ち着けば朝に受診する
- 水を飲ませて体を冷やし、口が閉じたら受診は不要と判断する
正解A.口呼吸と舌の紫色は呼吸困難のサインで、無理に抱かずキャリーに入れて直ちに夜間救急に向かい、電話で到着を伝える
解説猫が口を開けて肩で呼吸し、舌や歯ぐきが紫色(チアノーゼ)になっているのは重度の呼吸困難で、マニュアルの「口を開けて呼吸」は今すぐ受診の項目。胸水、心臓病、肺水腫、喘息などが原因で、数時間で呼吸停止に至ることがある。かかりつけまで8時間待つのは致命的で、遠くても夜間救急へ直ちに向かう。呼吸困難の猫は保定や抱っこで悪化するため、無理に抱かずキャリーに入れて暗くし、酸素を確保しやすいよう静かに運ぶ。電話で到着時刻と症状を伝えると酸素室の準備が整う。扇風機や水では呼吸困難は改善せず、口が閉じても原因は残る。
課題日中に食欲がなかった時点で異変に気づきながら受診せず、深夜まで悪化を見過ごした。「かかりつけの方が安心」という思いで夜間救急の判断を先延ばしにする心理があり、口呼吸が緊急のサインだと知らなかった。
改善案口を開けて呼吸する、舌が紫、ぐったりして冷たいは「時間帯に関係なく即受診」と決めて家族で共有する。夜間救急の連絡先と道順を確認し、キャリーを常に取り出せる場所に置く。中高齢の猫は食欲がない日は安静時の呼吸数を数え、1分に40回を超えたら当日受診する。
Q50救急で獣医師に伝えるべき情報の整理救命救急
迎えて3週間の推定2歳の元野良猫が、夕方から嘔吐と血便を繰り返し、ぐったりしている。夜間救急に向かう車中で、家族が「着いたら何を聞かれるだろう」と不安がっている。手元には保護団体の譲渡書類、迎えた日に受けた便検査と血液検査の結果、今朝の便が入った密閉容器がある。先住猫が1匹いる。
到着後に獣医師へ伝える内容として最も適切な組み合わせはどれか
- 猫の名前と性格、好きなおもちゃ、普段の寝る場所
- 元野良だから何があってもおかしくないと伝え、詳しい経緯は省略して診察を急がせる
- 保護元と保護日・推定年齢、検査やワクチンの記録、いつから何が起きたか、持参した便、先住猫の有無
- ネットで調べた病名の候補を伝え、それに沿った検査だけを依頼する
正解C.保護元と保護日・推定年齢、検査やワクチンの記録、いつから何が起きたか、持参した便、先住猫の有無
解説マニュアルの「獣医師に伝える情報」の通り、保護元・保護日・推定年齢、検査やワクチンの記録、便の持参、いつから何が起きたか、先住猫の有無が診断の鍵になる。元野良猫は既往歴が不明なため、検査結果と経過の情報が診断を大きく早める。便は寄生虫・原虫・細菌の検査に使える。先住猫の有無は感染症の場合の隔離指導に関わる。性格や好みは診療の優先情報ではない。「元野良だから」で経緯を省くと診断が遅れる。ネットの病名候補に検査を絞らせると見落としの原因になり、獣医師の判断を妨げる。可能なら食べた物や誤飲の可能性、嘔吐と血便の回数と時刻もメモして伝える。
課題緊急受診時に何を伝えるべきかを事前に整理しておらず、車中で不安になった。今回は書類と便が手元にあったが、これは偶然であり、記録を一か所にまとめる習慣がなかった。
改善案譲渡書類・検査結果・ワクチン記録・体重の推移をファイルにまとめ、キャリーと一緒に保管する。日々の食事量・排泄・体重を記録表につけ、異常時は「いつから、何が、何回」をメモする。便採取用の密閉容器を常備し、緊急時の持ち物リストを冷蔵庫に貼る。

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