中型犬 ケースメソッド 50問

状況を読み、飼い主として「最初に取るべき行動」を4択から選んでください。回答後に解説・課題・改善案が表示されます。マニュアルを見る

解答と解説・課題と改善案(全50問)

印刷・復習用。クリックで開きます。

Q1コーギーが朝突然後ろ足で立てない病気

平日の朝7時、5歳のコーギーを起こしに行くと、前足で体を引きずるように動き、後ろ足が全く踏ん張れない。昨夜までは普通に歩いていた。抱き上げようとするとキャンと鳴き、背中を丸めて震えている。朝から尿も出ていない様子で、出勤までに時間がない。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 腰をマッサージして血行をよくし、しばらく歩かせて様子を見る
  2. 床に寝かせたまま背骨を水平に保ってクレートに入れ、動物病院に即連絡して受診する
  3. 痛み止めとして家にある人用の鎮痛剤を少量与えて午後に受診する
  4. 後ろ足を持って立たせ、歩けるかどうか何度も確認する

正解B.床に寝かせたまま背骨を水平に保ってクレートに入れ、動物病院に即連絡して受診する

解説コーギーで急に後ろ足が立たなくなった場合、椎間板ヘルニアの急性発症が強く疑われる。神経の圧迫は時間とともに不可逆になり、排尿できない状態は重症度が高いサインである。動かさずクレートや板に乗せ、背骨を水平に保って今すぐ受診することが最優先だ。マッサージや歩かせる行為、無理に立たせる行為は脊髄の損傷を広げる。人用鎮痛剤は犬に中毒を起こす薬剤が多く、痛みを隠して判断を誤らせるだけで絶対に与えてはならない。半日の遅れが麻痺の永続化につながる。

課題「昨日まで元気だった」という思い込みと出勤の都合で受診が後回しになりやすい。コーギーはヘルニア好発犬種であるのに、抱き方や段差対策の知識が不足し、緊急時の搬送手段や病院の連絡先も準備されていなかった。

改善案コーギーは腰の病気の高リスク犬種と認識し、後ろ足のふらつき・背中を丸める・抱くと鳴くは即受診のサインと家族で共有する。かかりつけと夜間救急の連絡先を冷蔵庫に貼り、クレートを常時使える状態にしておく。肥満防止と段差へのスロープ設置も進める。

Q2柴犬の片目が真っ赤で痛がっている病気

日曜の夕方、8歳の柴犬が左目を細めて前足でしきりにこすっている。よく見ると白目が充血して赤く、左目だけ右より大きく見える。光を嫌がるように暗い部屋の隅に行き、名前を呼んでも元気がない。ネットで調べると結膜炎の記事が多く出てきた。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 結膜炎と判断し、家にある人用の目薬をさして翌週まで様子を見る
  2. 目をこすらせないようエリザベスカラーを着け、当日中に診てもらえる病院を探して受診する
  3. 目を冷たいタオルで冷やし、赤みが引くまで数日待ってから受診する
  4. 動画を撮って犬仲間のSNSに投稿し、似た症状の人の意見を集める

正解B.目をこすらせないようエリザベスカラーを着け、当日中に診てもらえる病院を探して受診する

解説柴犬は緑内障の好発犬種で、目の充血・眼球が大きく見える・痛みで目を閉じる・光を嫌がるという症状はその典型である。緑内障は眼圧が急上昇し、数日以内に失明する可能性があるため当日中の受診が必要だ。こすると角膜を傷つけるためエリザベスカラーで保護する。人用目薬は成分によって眼圧を悪化させるものもあり、素人判断は危険である。冷やしても眼圧は下がらず、時間を失うだけだ。SNSで意見を集める間にも視神経は障害される。休日でも救急対応の眼科や夜間病院を探して受診する。

課題「目が赤い=結膜炎」というネット情報による思い込みで緊急性を見誤った。柴犬が緑内障の好発犬種であることを知らず、中高齢期に必要な眼圧検査も受けていなかった。休日に受診できる病院を把握していない点も遅れの原因になる。

改善案目の充血・白濁・眼球の大きさの左右差は当日受診と決めておく。7歳以降は健康診断に眼圧検査を加える。休日・夜間に対応できる病院と眼科専門医を事前に調べ、エリザベスカラーを常備する。犬の目に人用薬をささないことを家族で共有する。

Q3嘔吐と下痢が半日続くビーグル病気

土曜の午後、3歳のビーグルが朝から4回吐き、昼過ぎには水のような下痢を2回した。今朝はいつも通りご飯を食べたが、その後は水を飲んでもすぐ吐く。ぐったりして呼んでも尻尾を振らない。最後の下痢には赤い筋のようなものが混じっていた。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 脱水を防ぐため水をボウルいっぱいに飲ませて、翌朝まで様子を見る
  2. 人用の下痢止めと胃薬を半分に割って飲ませ、絶食させる
  3. 吐物と便を写真に撮り、水は少量ずつにとどめて当日中、できれば今すぐ受診する
  4. 食欲が戻るまで好物のささみを少しずつ与えて胃を落ち着かせる

正解C.吐物と便を写真に撮り、水は少量ずつにとどめて当日中、できれば今すぐ受診する

解説1日に3回以上の嘔吐・下痢は当日受診の目安であり、血が混じる・元気がないという症状が加われば即受診に相当する。吐物や便の写真は診断に役立つので記録して持参する。水を一気に大量に飲ませると刺激で再び吐き、脱水が進むため少量ずつにとどめる。人用の下痢止めや胃薬は犬に不適切な成分や用量になりやすく、症状を隠して重症化させる。嘔吐している最中に食べ物を与えると悪化する。中毒や異物、感染症、膵炎など命に関わる原因が隠れているため、様子見は危険である。

課題嘔吐回数が受診基準を超えているのに「食べたのだから大丈夫」と軽く考えた。血便と元気消失という危険サインの意味を知らず、人の薬で対処しようとする知識不足があった。休日の受診先を把握していないことも判断を遅らせる。

改善案「1日3回以上の嘔吐・下痢」「血が混じる」「ぐったり」は当日受診と家族で共有し、スマホで吐物・便・時刻を記録する習慣をつける。休日・夜間対応の病院を登録しておく。人用薬は絶対に与えない。誤食の可能性も考えゴミ箱や食卓の管理を見直す。

Q4柴犬が内股をかき壊して血がにじむ病気

春の夕方、2歳の柴犬が散歩から帰った後も内股と脇をずっとかいている。見ると皮膚が赤くただれ、一部は血がにじんでいる。ここ数週間、顔や足先をなめる時間が増え、耳の内側も赤い。夜中もかく音で家族が目を覚ますほどになった。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 患部を流水で洗って清潔にし、エリザベスカラーで保護して数日以内に受診する
  2. 家にある人用のかゆみ止め軟膏を塗り、なめないようにガムテープで覆う
  3. 消毒液で強くこすって菌を落とし、包帯をきつく巻いて様子を見る
  4. かゆみは季節のものと考え、換毛期が終わるまで放置する

正解A.患部を流水で洗って清潔にし、エリザベスカラーで保護して数日以内に受診する

解説柴犬は1〜3歳でアトピー性皮膚炎を発症しやすく、顔・脇・足先・内股のかゆみ、赤み、耳の炎症は典型的な症状である。かき壊した皮膚は細菌感染を起こすため流水で洗って清潔に保ち、エリザベスカラーでこれ以上の自傷を防いだ上で、原因特定のため数日以内に受診する。人用の軟膏はステロイド濃度や添加物が犬に合わず、なめて内服する危険もあり、テープは皮膚を傷める。強い消毒や圧迫はバリアを壊して悪化させる。放置するとかゆみと感染の悪循環で慢性化し治療が長引く。

課題数週間前からなめる・かくという初期サインが出ていたのに、換毛期のせいと片付けて受診が遅れた。柴犬に皮膚病が多いという犬種知識と、花粉・ダニを落とすシャンプーや室内の除湿といった予防行動が不足していた。

改善案週1回のシャンプーで花粉やダニを落とし、室内の掃除と除湿を徹底する。ブラッシング時に皮膚の赤みを確認し、かき始めたら早期に受診して原因を特定する。エリザベスカラーを常備し、人用薬は使わない。療法食や薬用シャンプーは獣医師と相談して決める。

Q5ビーグルが頭を激しく振り首を傾ける病気

夏の夜9時、川遊びに連れて行った4歳のビーグルが帰宅後から頭をブルブルと振り続け、右耳を後ろ足で激しくかいている。右に首を傾けたまま歩き、耳を触ろうとすると怒って歯をむいた。耳からは酸っぱい臭いがして黒い耳垢が見える。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 綿棒を奥まで入れて黒い耳垢を全部かき出し、消毒液を耳に流し込む
  2. 耳を無理に触らず、頭を振る様子と耳の写真を記録して当日中に受診する
  3. 耳の中に人用の点耳薬を入れ、翌週の休みに受診する
  4. 首を傾けているのは疲れのせいと考え、一晩寝かせて回復を待つ

正解B.耳を無理に触らず、頭を振る様子と耳の写真を記録して当日中に受診する

解説垂れ耳のビーグルは通気が悪く、水遊び後は外耳炎を起こしやすい。頭を激しく振り首を傾ける症状は炎症が中耳・内耳に及んでいる可能性があり、当日受診の基準に該当する。触ると痛がって咬む恐れがあるため無理に触らず、写真や様子の記録を持参する。綿棒で奥をこすると鼓膜や耳道を傷つけ、消毒液は炎症を悪化させる。人用点耳薬は成分が合わず鼓膜が破れている場合には内耳障害を起こしうる。疲れと決めつけて放置すると平衡感覚の障害や慢性化を招く。

課題水遊び後に耳を乾かすという基本のケアが抜けており、垂れ耳犬種の外耳炎リスクを理解していなかった。首を傾ける・頭を振るという受診サインを知らず、自宅処置で済ませようとした点に知識不足がある。

改善案水遊びや入浴後は耳の入口を乾いたコットンで優しく拭き、週1回は耳の中を見て臭いを確認する。綿棒で奥をこすらない。多湿の季節は室内を除湿し、頭を振る・耳が臭う・首を傾けるは当日受診と決めておく。触られるのを嫌がる子は普段から耳に触れる練習をする。

Q6老犬の柴犬が夜中に鳴き続ける病気

冬の深夜2時、14歳の柴犬が毎晩のように大声で鳴き、部屋の中を同じ方向にぐるぐる回る。家具の隅に頭を突っ込んで動けなくなり、トイレの失敗も増えた。昼間はほとんど眠っている。近所から苦情が来て、家族は寝不足で疲れ果てている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 夜鳴きは寿命が近いサインなので、ケージに毛布をかぶせて音を遮り放置する
  2. 人用の睡眠導入剤を少量与えて、まず家族の睡眠を確保する
  3. 昼間の散歩と日光浴で生活リズムを整え、症状を記録して数日以内に受診する
  4. 鳴くたびに大声で叱り、隅にはまるたび引っ張り出して歩かせる

正解C.昼間の散歩と日光浴で生活リズムを整え、症状を記録して数日以内に受診する

解説高齢の柴犬に多い認知機能不全の典型症状で、夜鳴き・旋回・隅で動けなくなる・トイレの失敗がそろっている。昼夜逆転を改善するには昼間の散歩や日光浴、知育遊びで刺激を与え、生活リズムを一定にすることが基本となる。同時に痛みや内臓疾患など別の原因が隠れていることもあり、早期に受診して薬やサプリメント、環境調整を相談する。人用睡眠薬は犬に危険で絶対に与えない。放置や遮音は進行を早め、叱ることは不安を強めて症状を悪化させる。家族の負担軽減策も獣医師と相談できる。

課題老化だから仕方ないと考えて受診を先送りし、認知機能不全という治療や緩和が可能な病気であることを知らなかった。昼間の刺激不足で昼夜逆転が進み、家族の疲弊が対応の悪化を招く悪循環に陥っていた。

改善案老犬期は昼間の散歩・日光浴・知育トイで日中を活動的に過ごさせ、食事や就寝の時刻を一定に保つ。家具の隙間をふさぎ、囲いのある安全な寝床を用意する。夜鳴きの時刻や旋回の回数を記録して早期に受診し、家族で介護の分担と休息を確保する。

Q7コーギーの後ろ足の爪が削れている病気

秋の散歩中、10歳のコーギーの後ろ足がときどきふらつき、爪の先を引きずるようなシャッという音がする。帰宅して見ると後ろ足の爪の先が削れて短くなっていた。痛がる様子はなく食欲もあるが、フローリングで足を滑らせて転ぶ回数がここ1か月で増えた。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 痛がっていないので加齢による衰えと考え、散歩を減らして安静にさせる
  2. 滑らない床材に替えて転倒を防ぎ、歩き方を動画で記録して数日以内に受診する
  3. 筋力をつけるため階段の上り下りやジャンプ運動を毎日させる
  4. 爪をやすりで丸め、靴下を履かせて滑りを防げば受診は不要

正解B.滑らない床材に替えて転倒を防ぎ、歩き方を動画で記録して数日以内に受診する

解説コーギーで後ろ足の爪を引きずる・ふらつく・痛みがないという組み合わせは変性性脊髄症を疑う所見であり、椎間板ヘルニアなど痛みを伴う病気との鑑別も必要である。歩き方の動画は診断に有用で、数日以内に受診して遺伝子検査や神経学的検査を受ける。この病気は進行性で根治はないが、滑らない床と筋力維持の散歩・リハビリで進行を遅らせられる。散歩を減らすと筋力が落ちて悪化を早める。階段やジャンプは腰に負担をかけ転倒や別の損傷を招く。靴下は滑りやすく、受診しないと原因不明のまま進行する。

課題痛がらないことで「病気ではない」と誤認しやすく、コーギーに多い変性性脊髄症の知識がなかった。フローリングのまま生活させて転倒が増えており、遺伝子検査で保因の有無を確認していなかったことも準備不足である。

改善案コーギーを迎えたら変性性脊髄症の遺伝子検査を受け、結果に応じた計画を立てる。フローリングにはコルクやラバーマットを敷き、階段とジャンプを避ける。中高齢からは歩様を定期的に動画で記録し、爪の削れ・ふらつきに気づいたら早期受診し、リハビリ計画を獣医師と立てる。

Q8水を大量に飲みトイレが増えた柴犬病気

初夏、9歳の未避妊メスの柴犬がここ2週間、水皿をすぐ空にし、夜中も室内のトイレに何度も行く。食欲はあるのに体が少しやせ、最近は外陰部をなめる回数が増えた。今日は元気がなく、朝ご飯を残して寝てばかりいる。暑いからだろうと家族は言う。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 暑さのせいと考え、水皿を増やして涼しい部屋でしばらく様子を見る
  2. 飲水量と尿の回数を記録し、可能なら尿を採って当日中に受診する
  3. 水の飲みすぎを防ぐため、水皿を片付けて1日の水を制限する
  4. 外陰部をなめるのは発情のサインなので、次の発情期まで待つ

正解B.飲水量と尿の回数を記録し、可能なら尿を採って当日中に受診する

解説多飲多尿は糖尿病・腎臓病・副腎の病気などの重要なサインで、未避妊の中高齢メスでは子宮蓄膿症も強く疑う。子宮蓄膿症は外陰部をなめる、食欲低下、元気消失を伴い、数日で敗血症に進む命に関わる病気なので、元気がなくなった時点で当日受診が必要である。飲水量や尿回数の記録と採尿は診断に役立つ。暑さのせいと様子を見ると手遅れになる。水を制限すると脱水と腎障害が進み危険で、多飲多尿の犬に水を制限してはならない。発情のサインと決めつけると子宮の感染を見逃す。

課題多飲多尿を「暑さ」と解釈し、2週間も病気のサインを見過ごした。未避妊の中高齢メスに子宮蓄膿症のリスクがあるという知識がなく、飲水量の把握や避妊手術の検討など予防的な備えがなかった。

改善案水を大量に飲む・尿が増えるは受診サインと覚え、水皿の減り方を日常的に把握する。未避妊メスは発情後1〜2か月の体調変化に注意し、避妊手術の是非を獣医師と相談する。7歳以降は年2回の健康診断で血液・尿検査を受ける。

Q9散歩を嫌がり座り込むビーグル病気

冬の朝、7歳のビーグルがここ数日、散歩に出ても100mほどで座り込み、家に帰りたがる。以前は嗅ぎ回って引っ張るほど元気だった。今朝は少し歩いただけで口を開けてハアハアと息をし、舌の色がやや紫がかって見えた。夜も乾いた咳を数回している。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 運動不足で怠けていると考え、リードを引いて長めに歩かせて鍛える
  2. 運動をやめて安静にし、呼吸の様子を動画に撮って今すぐ受診する
  3. 寒さのせいなので服を着せ、暖かくなるまで散歩を休む
  4. 咳止めとして人用の風邪薬シロップを与えて様子を見る

正解B.運動をやめて安静にし、呼吸の様子を動画に撮って今すぐ受診する

解説運動を嫌がり座り込む、少しの運動で呼吸が荒くなる、舌の色が紫がかる、夜間の咳は、心臓病や呼吸器疾患による酸素不足を示すサインである。舌や歯ぐきが紫や白になるのは即受診の基準に当たるため、無理に動かさず安静にして今すぐ受診する。呼吸の動画は診断に役立つ。無理に歩かせると心臓や肺に負荷がかかり急変を招く。寒さと決めつけて散歩を休むだけでは原因が放置される。人用の風邪薬には犬に有害な成分が含まれ、心臓病の咳には効かない。

課題元気だった犬の「座り込み」を怠けや寒さのせいと誤解し、運動不耐性という病気のサインを見逃した。舌の色の変化が緊急サインであることを知らず、年齢相応の心臓検査や健康診断も受けていなかった。

改善案散歩を嫌がる・すぐ座り込む・少しの運動で息が荒いは受診サインと共有し、安静時の呼吸数を月に一度数えて記録する。7歳以降は聴診や心臓の検査を含む健康診断を年2回受ける。舌や歯ぐきの色を普段から観察し、異常時の写真と比較できるようにしておく。

Q10歯ぐきが白くぐったりするコーギー病気

秋の夜10時、6歳のコーギーが夕方から急にぐったりし、ご飯も食べない。お腹が少し張っているようで、立ち上がると足元がふらつく。口を開けて歯ぐきを見ると、いつものピンク色ではなく白っぽい。呼吸が速く、手足が冷たい。外傷はなく、思い当たる誤食もない。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. ぐったりしているので毛布で温めて一晩寝かせ、朝一番で受診する
  2. 食欲を出すため好物のおやつと甘い飲み物を与えて元気づける
  3. 歯ぐきが白いのは貧血の緊急サインと考え、夜間救急に連絡して今すぐ受診する
  4. お腹が張っているのでマッサージしてガスを出し、便が出るか待つ

正解C.歯ぐきが白いのは貧血の緊急サインと考え、夜間救急に連絡して今すぐ受診する

解説歯ぐきが白い・紫は即受診の基準であり、ショックや重度の貧血を示す。中高齢犬で腹部の張りと急な虚脱があれば、脾臓や肝臓の腫瘍破裂による腹腔内出血が典型的な原因で、数時間で命に関わる。夜間でも救急病院に連絡し、体を水平に保って静かに搬送する。朝まで待てば失血が進み手遅れになる。おやつや甘い飲み物は吐いて誤嚥する危険があり、意味がない。腹部マッサージは出血を悪化させる。温めることは低体温対策として補助的には良いが、それだけで受診を遅らせてはならない。

課題「歯ぐきの色」が最も重要なバイタルサインであることを知らず、夜間の受診をためらった。中高齢犬の内臓腫瘍リスクや、外傷がなくても内出血が起こることへの理解が不足していた。夜間救急の連絡先の準備も欠けていた。

改善案健康時の歯ぐきの色を写真に残し、月1回は口の中を見る習慣をつける。歯ぐきが白い・紫、ぐったり、呼吸が速い、腹部の張りは夜間でも即受診と決める。夜間救急病院の連絡先と行き方を家族全員が把握し、5歳以降は年2回の健康診断で腹部エコーを受ける。

Q11初めてのけいれんで泡を吹く柴犬病気

夜11時、リビングで寝ていた3歳の柴犬が突然横に倒れ、四肢を突っ張って激しくけいれんし始めた。口から泡を吹き、失禁している。名前を呼んでも反応がなく、家族が驚いて舌を噛まないように口に手を入れようとしている。テレビ台の角がすぐそばにある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 舌を噛まないよう口に指やタオルを入れ、体を強く押さえて発作を止める
  2. 周囲の家具を離すか体をそっと安全な場所へ移し、時間を計り動画を撮って発作後に受診する
  3. 意識を戻すため大声で名前を呼び、顔に水をかけて揺さぶる
  4. 発作が終われば元気になるので、翌週の休みまで様子を見る

正解B.周囲の家具を離すか体をそっと安全な場所へ移し、時間を計り動画を撮って発作後に受診する

解説けいれん・意識がない状態は即受診の対象である。発作中の犬は意識がなく強い力で咬むため、口に手を入れると重傷を負い、押さえつけると犬も人もけがをする。まず家具の角などから体を守り、発作の持続時間を計り動画を撮ることが診断に最も役立つ。発作が5分以上続く、短時間に繰り返す場合はてんかん重積で命に関わるため、その場で夜間救急へ向かう。1回で収まってもてんかん・中毒・低血糖・脳の病気など原因の特定が必要で、当日から翌日には受診する。大声や水は刺激になり発作を長引かせる。

課題けいれん時の対応を知らず、犬の舌を心配して口に手を入れる典型的な誤りをしそうになった。発作の記録の重要性や、発作が続く場合の危険性、夜間の受診先を把握していないという準備不足があった。

改善案けいれんを見たら「触らず・守り・計り・撮る」を家族で共有する。発作の日時・持続時間・前後の様子を記録する発作日誌を作り、夜間救急の連絡先を登録しておく。誤食で起こる中毒も原因になるため、キシリトールや薬の保管を見直す。

Q12ビーグルが口を開けたまま呼吸が苦しそう病気

梅雨の夜、11歳のビーグルが寝床で座ったまま首を前に伸ばし、口を開けて速く浅い呼吸をしている。横になろうとせず、呼吸のたびにお腹が大きく動く。呼吸数を数えると1分間に60回を超え、舌の縁が青っぽい。数日前から夜だけ咳をしていたが、昼は元気に見えていた。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 横向きに寝かせて胸を押し、呼吸を整えるよう手伝う
  2. 犬が楽な姿勢のまま興奮させずクレートに入れ、夜間救急に連絡して今すぐ受診する
  3. 湿度が高いせいなので除湿機をつけて朝まで様子を見る
  4. 水をたくさん飲ませて落ち着かせ、翌朝かかりつけに行く

正解B.犬が楽な姿勢のまま興奮させずクレートに入れ、夜間救急に連絡して今すぐ受診する

解説座ったまま首を伸ばし口を開けて呼吸する姿勢、1分間60回以上の速い呼吸、舌が青いのは呼吸困難の緊急サインで、中高齢犬では心不全による肺水腫や気管・肺の病気が疑われる。呼吸困難は即受診の基準であり、興奮や暑さで悪化するため、犬が自分で選んだ楽な姿勢のまま静かに搬送し、車内は涼しくする。無理に横に寝かせたり胸を押すと呼吸を妨げ、心停止を招く。除湿だけでは肺の水は取れない。水を大量に飲ませると誤嚥する。安静時呼吸数が30回を超えていた時点で受診すべきだった。

課題数日前の夜間の咳という予兆を見逃し、昼間元気だからと軽視した。安静時の正常呼吸数を知らず、呼吸困難の姿勢の意味を理解していなかった。夜間に対応できる病院や搬送手段の準備も不十分だった。

改善案安静時の呼吸数を月1回数え、1分間30回を超えたら受診する目安を家族で共有する。夜間の咳や横になれない姿勢は心臓病の予兆と覚えておく。中高齢からは心臓の定期検査を受け、夜間救急の連絡先とクレート、車の手配を常に確認しておく。

Q13ソファから飛び降りて悲鳴を上げた怪我

休日の昼、4歳のコーギーがソファから床のフローリングに飛び降りた瞬間キャンと悲鳴を上げ、そのまま動かなくなった。後ろ足は震え、背中を触ると嫌がって歯をむく。自分で歩こうとするが後ろ足がもつれる。子どもが心配して抱き上げようとしている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 子どもに抱き上げさせず、犬を板やクレートに乗せて背骨を水平に保ち、動かさず即受診する
  2. 抱っこして落ち着かせ、おやつをあげて歩けるようになるまで待つ
  3. 痛みが引くまでベッドで寝かせ、翌日も歩けなければ受診する
  4. 腰を温めるカイロを当ててマッサージし、痛みを和らげる

正解A.子どもに抱き上げさせず、犬を板やクレートに乗せて背骨を水平に保ち、動かさず即受診する

解説コーギーがジャンプの着地で悲鳴を上げ後ろ足がもつれるのは、椎間板損傷の典型的な発症場面である。脊髄が傷ついている可能性があり、抱き上げると背骨が曲がって損傷が広がるため、痛がっても抱かず板やクレートに乗せて水平に保ち、今すぐ受診する。動けるからと様子を見ると麻痺が進行し、手術しても回復しないことがある。温めやマッサージは炎症のある部位を刺激して悪化させる。子どもが抱き上げると落下や咬傷事故にもつながるため、大人が対応する。

課題コーギーの腰への負担を知りながらソファへの飛び乗り・飛び降りを許し、フローリングにマットもなかった。緊急時に犬を抱き上げてしまう家族の習慣と、脊椎損傷時の搬送方法の知識不足があった。

改善案ソファやベッドにはスロープを設置し、ジャンプを教えない。フローリングに滑り止めマットを敷き、肥満を防ぐ。抱く時は胸と腰を水平に支える方法を家族全員で練習し、子どもは犬を抱き上げない約束にする。板やクレートを搬送用に準備しておく。

Q14散歩中に後ろ足をスキップして歩く怪我

夕方の散歩中、2歳の柴犬が急に右後ろ足を上げてケンケンし、数歩スキップした後にまた普通に歩き出した。痛がる声は出さず、帰宅後は元気にご飯も食べた。ただ室内のツルツルした床で立ち上がる時に同じ足をかばう仕草が数回見られた。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 普通に歩けているので問題なし。翌日から散歩距離を増やして足を鍛える
  2. 足を引っ張って関節を鳴らし、自分で元の位置に戻す
  3. 無理に触らず安静にし、かばう様子を動画に撮って当日中に受診する
  4. 後ろ足で立たせておやつを取らせ、痛がるかどうかテストする

正解C.無理に触らず安静にし、かばう様子を動画に撮って当日中に受診する

解説後ろ足を一時的に上げてスキップする歩き方は膝蓋骨脱臼の典型的なサインで、自然に戻っても関節や靭帯にダメージが蓄積し、繰り返すうちに悪化する。マニュアルでも自然に戻っても当日受診とされる。無理に触ったり自分で整復しようとすると軟骨や靭帯を傷める。足を鍛えると称して運動を増やすと脱臼が頻発する。後ろ足だけで立たせる行為は膝に強い負荷をかけるため禁止事項である。当日中の受診で重症度を診断し、体重管理や床の対策、必要なら手術の時期を相談する。

課題「痛がらない・歩けている」ことで軽視し、間欠的な跛行が関節疾患のサインだという知識がなかった。室内の滑る床が脱臼を助長しており、体重管理や床材への配慮が不足していた。

改善案スキップ歩行や足をかばう仕草は当日受診の目安と覚える。フローリングにマットを敷き、肥満を防ぎ、後ろ足立ちの芸を教えない。散歩後は足を触って痛みや腫れを確認し、若いうちに膝の状態を健診で診てもらう。

Q15真夏の散歩で柴犬がへたり込んだ怪我

7月の午前10時、気温32℃の公園で5歳の柴犬を散歩させていたら、急によだれを垂らして激しくあえぎ、地面にへたり込んだ。舌が真っ赤に腫れて呼びかけへの反応が鈍い。近くに水道と木陰がある。家までは徒歩15分、車はない。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 急いで家まで抱えて走り、クーラーの部屋で休ませてから受診を考える
  2. 氷水に体を浸けて一気に冷やし、氷を口に含ませる
  3. 木陰に移して体に水をかけ、風を送って冷やしながら病院に連絡し即受診する
  4. 水をたっぷり飲ませ、その場で30分休ませてから歩いて帰る

正解C.木陰に移して体に水をかけ、風を送って冷やしながら病院に連絡し即受診する

解説厚い下毛を持つ柴犬は熱がこもりやすく、この状況は重度の熱中症である。最優先はその場で冷却を始めること。木陰に移し、全身に水をかけてうちわや扇風機で風を送り、首や内股を中心に冷やしながら病院へ連絡し、タクシーなどで即受診する。氷や氷水は血管を収縮させて熱の放散を妨げ、震えでかえって体温が上がるため使わない。冷やさず家まで移動すると体温が上がり続け、臓器障害が進む。意識が鈍い犬に無理に水を飲ませると誤嚥の危険がある。見た目が回復しても内臓障害が遅れて出るため必ず受診する。

課題32℃の日中に散歩に出た判断そのものが誤りで、柴犬が熱中症の高リスク犬種という認識がなかった。携帯用の水や保冷グッズを持たず、緊急時の移動手段や病院の連絡先も準備していなかった。

改善案夏は早朝と夜間に散歩し、出発前に地面を手で触って熱ければ中止する。携帯用の水と保冷剤、濡らせるタオルを必ず持つ。散歩ルート上の日陰・水道を把握し、タクシーの呼び方や病院の電話番号をスマホに登録する。室内は冷房を24時間つけ、冷却マットを用意する。

Q16ドッグランで柴犬が大型犬に咬まれた怪我

土曜の午後、ドッグランで3歳の柴犬が大型犬とにらみ合いになり、首の後ろを咬まれた。引き離した後に見ると被毛に血がにじんでいるが、傷口は小さく2か所の穴に見えるだけ。犬は興奮して歩き回っており、痛がる様子はあまりない。相手の飼い主は「大丈夫そうですね」と帰ろうとしている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 傷が小さいので消毒液を塗ってそのまま遊ばせ、帰宅後に様子を見る
  2. 傷を流水で洗って圧迫止血し、相手の連絡先とワクチン接種状況を確認して当日中に受診する
  3. 腫れるまで放置し、化膿したら人用の抗生剤軟膏を塗る
  4. 柴犬に強く叱って反省させ、今後ドッグランには連れて行かない

正解B.傷を流水で洗って圧迫止血し、相手の連絡先とワクチン接種状況を確認して当日中に受診する

解説犬の咬傷は皮膚の穴が小さく見えても、牙は深く筋肉まで達し、皮下で組織が裂けていることが多い。表面だけ閉じて内部で細菌感染や膿瘍が広がるため、傷を流水で洗い、清潔なタオルで圧迫止血した上で当日中に受診する。相手の飼い主の連絡先やワクチン接種歴の確認は治療と後のトラブル防止に必要である。消毒液だけで遊ばせると傷が広がり感染も進む。化膿を待つのは手遅れであり、人用の抗生剤軟膏は深部感染に効かず舐めて内服する危険がある。叱っても犬は理解できず、興奮した犬は人を咬む恐れがあるためまず落ち着かせる。

課題柴犬が他犬に強気で喧嘩になりやすいという犬種特性を理解しないままドッグランで目を離した。咬傷は小さく見えても深いという知識がなく、相手の連絡先や接種歴を確認する手順も準備されていなかった。

改善案ドッグランでは犬から目を離さず、にらみ合いの前兆で介入する。柴犬が苦手なタイプの犬がいれば入場を控える。咬傷は「必ず当日受診」と決め、洗浄用の水・清潔なタオルを持ち歩く。狂犬病予防注射と混合ワクチンの接種証明を携帯し、相手と連絡先を交換する習慣をつける。

Q17爪切りで深爪して血が止まらない怪我

夜、自宅で1歳の柴犬の爪を切っていたら、嫌がって暴れた拍子に黒い爪を深く切りすぎてしまった。爪の先からポタポタと血が落ち、犬は足を引っ込めて鳴いている。床に血の跡が点々と付き、家族があわてて騒いでいる。止血剤は家にない。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 血を洗い流すため流水にしばらく当て続けて、出血がおさまるまで待つ
  2. 清潔なガーゼで爪先を5分以上しっかり圧迫し、止まらなければ受診する
  3. 止血のため人用の傷薬と絆創膏を巻いて、犬を走らせて気を紛らわせる
  4. ライターで爪先を焼いて血管をふさぎ、出血を止める

正解B.清潔なガーゼで爪先を5分以上しっかり圧迫し、止まらなければ受診する

解説爪の血管を切った出血は、清潔なガーゼやタオルで爪先を5分以上動かさず圧迫すればほとんど止まる。途中で何度も確認すると血栓が取れて再出血するので時間を守る。流水に当て続けると血が固まりにくくなり止血が遅れる。絆創膏だけでは圧迫にならず、走らせると血流が増えて出血が続く。爪先を焼く行為は火傷と激痛を与え、犬が爪切りに強い恐怖を持つ原因になる。圧迫しても止まらない場合や出血量が多い場合は受診する。市販の犬用止血剤を常備しておくと安心である。

課題柴犬は足先を触られるのを嫌がる個体が多いのに、慣らしの練習なしに夜に一人で爪切りをした。黒い爪の血管の位置を把握しておらず、止血剤やガーゼなど爪切り時の備えもなかった。

改善案子犬期から毎日足先に触れておやつを与え、爪切りを嫌がらないよう慣らす。黒い爪は少しずつ削り、断面の中心が湿って見えたら止める。爪切りの際は犬用止血剤とガーゼを手元に置き、2人で行う。難しければトリマーや動物病院に頼る判断も大切である。

Q18散歩中に肉球をガラスで切った怪我

夕方の河川敷で4歳のビーグルが草むらに突っ込んだ後、右前足をかばって歩き出した。見ると肉球の間に割れたガラスの破片が刺さり、赤い血がにじんでいる。家までは徒歩20分。犬は足を舐めようとして落ち着かない。手元には飲み水とタオルがある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 深く刺さったガラスは無理に抜かず、傷を水で洗い流してタオルで包み、抱えて受診する
  2. ガラスを引き抜き、犬に舐めさせて自然治癒に任せる
  3. そのまま歩かせて帰り、家で消毒液をたっぷりかけて包帯を巻く
  4. 破片を指でほじり出し、泥を落とすため川の水で足を洗う

正解A.深く刺さったガラスは無理に抜かず、傷を水で洗い流してタオルで包み、抱えて受診する

解説肉球の切創は歩くたびに開いて出血し、細菌が入りやすい。深く刺さった破片を無理に抜くと出血が増え、破片が折れて残る恐れがあるため、清潔な水で表面の汚れを流し、タオルで包んで圧迫しながら抱えて受診する。舐めさせると細菌が入り治りが遅れる。歩かせると傷が広がる。川の水は雑菌が多く感染源になる。肉球は縫合や破片除去が必要な場合が多く、当日中の受診が必要である。市販の消毒液を大量にかけると組織を傷める。

課題草むらに入る際の危険物への注意が不足し、ビーグルの嗅覚に導かれた突進を制御できていなかった。散歩時に携帯すべき応急用品の準備が乏しく、傷を洗う水と保護材以外の備えがなかった。

改善案散歩では草むらやゴミの多い場所にリードを短くして入れない。携帯用の水、清潔なガーゼ、自着性包帯、ビニール袋を入れた小さな救急ポーチを持つ。散歩後は肉球と指の間を毎回確認し、乾燥や小さな傷も早めにケアする。

Q19真夏の路面で肉球を火傷した怪我

8月の午後3時、来客の都合で日中にコーギーを散歩に出した。アスファルトを10分歩いたところで足を頻繁に上げ、帰宅後に肉球を見ると赤くただれ、一部の皮がめくれて水ぶくれのようになっている。犬は足を舐め続け、痛みで足をつけたがらない。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 水ぶくれを針で潰して膿を出し、人用の火傷軟膏を塗る
  2. 常温の流水で足を10分以上冷やし、舐めないよう保護して当日中に受診する
  3. 氷を直接肉球に押し当てて一気に冷やし、翌週まで様子を見る
  4. 自然に治るので放置し、翌日も同じ時間に散歩に出す

正解B.常温の流水で足を10分以上冷やし、舐めないよう保護して当日中に受診する

解説夏の午後のアスファルトは60℃近くになり、肉球は数分で火傷する。水ぶくれや皮のめくれは深い火傷のサインで、流水で10分以上しっかり冷やして炎症を止め、舐めて感染しないよう靴下や包帯で保護し当日中に受診する。水ぶくれを潰すと感染しやすくなり、人用軟膏は成分が不明で舐めると内服してしまう。氷を直接当てると凍傷を重ねる。放置すると化膿して歩行に支障が出る。コーギーは腰への負担も考えると足の痛みで歩き方が崩れることも避けたい。

課題来客の都合を優先し、真夏の日中に散歩に出した判断が事故の直接原因である。出発前に地面を手で触って確認するという基本習慣がなく、肉球の火傷のリスクや冷却の方法も知らなかった。

改善案夏は早朝と夜間に散歩し、出発前に手の甲を地面に5秒当てて熱ければ中止する。予定が合わない日は室内の知育遊びで代替する。散歩後は肉球を毎回確認し、火傷時は流水冷却と保護をして受診するという手順を家族で共有する。

Q20子犬が抱っこから落ちて足を着けない怪我

日曜の昼、生後4か月の柴犬の子犬を小学生の子どもが立ったまま抱いていたら、暴れた拍子に床に落ちた。子犬は悲鳴を上げ、左前足を浮かせて三本足で歩く。足首の辺りが腫れて曲がって見え、触ろうとすると鳴いて咬もうとする。子どもは泣いている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 曲がった足をまっすぐに戻して割り箸で固定し、翌日受診する
  2. 子犬を抱き上げて優しく揺らし、痛みが引くのを待って歩かせる
  3. 折れた足を触らず、タオルを敷いたクレートに入れて安静にし、今すぐ受診する
  4. 痛み止めとして人用の解熱鎮痛剤を少し飲ませ、様子を見る

正解C.折れた足を触らず、タオルを敷いたクレートに入れて安静にし、今すぐ受診する

解説腫れて曲がって見える、足を全く着けないという症状は骨折を強く疑う。子犬の骨は細く成長板もあるため、素人が整復しようとすると骨や神経・血管を傷め、将来の成長障害につながる。無理に触らずクレートに入れて安静にし、今すぐ受診する。揺らしたり歩かせると骨片がずれて悪化する。人用の解熱鎮痛剤は犬に中毒を起こす成分があり、子犬では特に危険である。骨折は早期に処置するほど治りが良く、痛みで咬まれないよう大人がタオルで包んで扱う。

課題子どもが立ったまま子犬を抱いており、暴れて落ちるリスクに家族が無防備だった。柴犬は抱かれることを嫌う個体が多いという特性を知らず、抱き方のルールも家庭内で決められていなかった。

改善案子犬を抱く時は必ず床に座り、胸と腰を水平に支える。子どもは座った状態でのみ抱かせ、大人が横で見守る。柴犬が嫌がるサインを家族で学び、無理に抱かない。骨折時はクレートに入れて即受診と決め、夜間救急の連絡先も控えておく。

Q21散歩後に耳の付け根に膨らんだマダニ怪我

初夏の山道を散歩した翌日、5歳のビーグルの耳の付け根に小豆大の灰色の膨らみを見つけた。よく見ると足が動いており、皮膚に食い込んだマダニだった。周囲は少し赤い。子どもが「取ってあげる」と指でつまもうとしている。予防薬はここ数か月使っていなかった。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 指で強くつまんで引き抜き、潰して確実に殺す
  2. ライターの火やアルコールで刺激して自然に落ちるのを待つ
  3. 無理に取らず、素手で触らないようにして動物病院で除去と予防薬の処方を受ける
  4. マダニは自然に落ちるので放置し、赤みが広がったら受診する

正解C.無理に取らず、素手で触らないようにして動物病院で除去と予防薬の処方を受ける

解説吸血中のマダニは口器が皮膚に深く固定されており、指で引き抜くと口器が残って化膿する。潰すとマダニの体液が傷口や人の手に付き、人にも重症熱性血小板減少症候群などの感染症を起こす恐れがあるため、素手で触らず動物病院で専用器具により除去するのが安全である。火やアルコールで刺激するとマダニが唾液を逆流させ病原体を注入する。放置すると吸血が続き、バベシア症など犬の病気のリスクも高まる。除去後は数日以内に赤みや発熱がないか観察し、予防薬を再開する。

課題山道の散歩後に全身チェックをせず、翌日まで気づかなかった。マダニ予防薬を数か月中断しており、マダニが人獣共通感染症を媒介する危険を家族が理解していなかった。子どもが素手で触れそうになった点も問題である。

改善案草むらや山道の散歩後は耳・首・指の間・内股を毎回チェックする。マダニとフィラリアの予防薬は獣医師の指示通り毎月続ける。マダニを見つけたら「触らない・潰さない・病院で取る」を家族で共有し、子どもには手を出さないよう教える。

Q22引っ張りっこ中に口から出血した怪我

夜、リビングで6歳の柴犬とロープで引っ張りっこをしていたら、急にロープを離してキャンと鳴いた。口元を見ると血が混じったよだれが垂れ、上の大きな奥歯が斜めに割れて内部の赤い部分が見えている。犬は口を触ろうとすると顔をそむけ、片側だけで物を噛もうとしている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 割れた部分を指で取り除き、人用の口内薬を塗って様子を見る
  2. 出血が止まれば問題ないので、翌日から硬いおやつで歯を鍛える
  3. 口内を無理に触らず、硬い物を与えずに数日以内に受診して歯の処置を相談する
  4. 痛がるので食事を抜き、痛みが引くまで1週間待つ

正解C.口内を無理に触らず、硬い物を与えずに数日以内に受診して歯の処置を相談する

解説犬の奥歯の破折で歯髄(赤い部分)が露出すると、強い痛みと細菌感染から歯根膿瘍を起こし、顔が腫れて膿が出ることがある。自然には治らないため、数日以内に受診して抜歯や歯髄処置を相談する。無理に口を触ると痛みで咬まれる恐れがあり、破片を取り除く行為は歯髄をさらに傷つける。人用の口内薬は犬には不適切である。硬いおやつは破折を広げ、絶食は治療にならず体力を落とすだけである。受診まではふやかしたフードを与え、片側で噛む様子を記録する。

課題遊び方が激しく、引っ張りっこで歯に強い負荷がかかることを想定していなかった。歯髄露出が感染につながる知識がなく、日常の歯磨きで歯の状態を確認する習慣も不足していた。

改善案引っ張りっこは犬に主導させず、強く振り回さない。硬すぎる骨やひづめ、石のようなおもちゃは避ける。毎日の歯磨きで歯の欠けや変色をチェックし、口を触られることに慣らす。歯の破折は放置せず数日以内に受診する方針を持つ。

Q23引き戸にしっぽを挟んで皮がむけた事故

夕食の準備中、家族が勢いよく引き戸を閉めた瞬間、後ろにいた3歳のコーギーのしっぽの先端が挟まれた。犬は悲鳴を上げて逃げ、しっぽの先から出血して皮がめくれ、骨が見えそうなほど傷が深い。犬は興奮して患部を舐め、床に血が飛び散っている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 傷口に消毒液を直接かけ、絆創膏を貼って翌日まで様子を見る
  2. 犬を落ち着かせて清潔なタオルで傷を5分以上圧迫止血し、舐めさせず当日中に受診する
  3. 血が止まるまで舐めさせ、自然治癒を待つ
  4. めくれた皮を引っ張って元に戻し、輪ゴムで縛って止血する

正解B.犬を落ち着かせて清潔なタオルで傷を5分以上圧迫止血し、舐めさせず当日中に受診する

解説しっぽの先端は血流が多く出血しやすい上、犬は痛みで振り回すため血が広がりやすい。まず犬を落ち着かせ、清潔なタオルで5分以上圧迫止血する。皮膚がめくれ骨が見えるような深い傷は縫合や断尾が必要なことがあり、当日中に受診する。舐めると細菌が入り治りが悪くなるためエリザベスカラーで防ぐ。消毒液を直接かけると組織を傷め、絆創膏は犬のしっぽには固定できない。輪ゴムで縛ると血流が止まり壊死を起こす。しっぽの傷は治りが遅く、放置すると感染で切断範囲が広がる。

課題ドアや引き戸に犬が挟まれる事故の危険を家族が認識しておらず、勢いよく閉める習慣があった。ドアストッパーなどの環境整備がなく、犬がいる場所を確認して閉めるルールも決まっていなかった。

改善案犬がいる部屋のドアや引き戸はゆっくり閉め、ドアストッパーやクッション材で挟み込みを防ぐ。閉める前に足元と後ろを確認する習慣を家族で共有する。清潔なタオル、エリザベスカラー、自着性包帯を救急箱に常備し、出血時は圧迫止血して当日受診と決めておく。

Q24散歩中に首輪が抜けて逃げ出した柴犬事故

夕方の住宅街を散歩中、4歳の柴犬が猫を見つけて急に後ずさりした瞬間、首輪がすっぽり抜けて走り出した。数十メートル先で立ち止まり、こちらをちらちら見ている。すぐ先には交通量の多い道路がある。ポケットにはおやつが入っている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 大声で名前を呼びながら全力で追いかけて捕まえる
  2. 追わずにその場でしゃがみ、おやつを見せて落ち着いた声で呼び、近づくのを待つ
  3. 石や物を投げて道路側から遠ざけ、こちらへ追い立てる
  4. 家に戻れば帰ってくるはずなので、その場を離れて自宅で待つ

正解B.追わずにその場でしゃがみ、おやつを見せて落ち着いた声で呼び、近づくのを待つ

解説逃げた犬を追いかけると追われる恐怖や遊びの興奮で余計に逃げ、道路へ飛び出して事故に遭う危険が高い。しゃがんで体を小さくし、おやつを見せながら落ち着いた声で呼ぶと、こちらを見ている犬は近づいてきやすい。物を投げるとパニックで道路方向に走る。その場を離れると犬を見失い、保護される可能性も減る。柴犬は首輪抜けが多い犬種で、日頃からハーネスと首輪の二重リードにし、鑑札とマイクロチップを装着していれば逃走時も身元が確認できる。捕まえたら道路から離れた安全な場所で確保する。

課題柴犬が首輪抜けしやすい犬種だと知りながら首輪だけで散歩し、猫など突発的な刺激への対策もなかった。逃走時に追いかけてはいけないという基本知識がなく、鑑札や迷子札の装着も不十分だった可能性がある。

改善案散歩はハーネスと首輪の二重リードにし、抜けないよう首輪は指2本分の余裕で締める。鑑札・マイクロチップ・迷子札を装着する。「逃げたら追わずしゃがんで待つ」を家族で共有し、呼び戻しの練習をおやつで日常的に行う。逃走時の連絡先(保健所・警察・近隣)をメモしておく。

Q25門から飛び出し車にはねられた事故

夜8時、宅配便の受け取りで玄関を開けた隙に2歳のビーグルが道路に飛び出し、走ってきた車の側面に接触して数メートル転がった。犬は自力で立ち上がって玄関に戻ってきたが、口から少し血が出ており、呼吸が速い。見た目に大きな傷はなく、しっぽを振っている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 立って歩けているので問題なし。翌朝痛がっていたら受診する
  2. 外傷が見えなくても内臓損傷を疑い、クレートに乗せて安静に保ち夜間救急へ即受診する
  3. 口の血は舌を噛んだだけなので、水で口をすすがせて寝かせる
  4. 全身を強く押して痛い場所を探し、痛がらなければ様子を見る

正解B.外傷が見えなくても内臓損傷を疑い、クレートに乗せて安静に保ち夜間救急へ即受診する

解説交通事故は外見上の傷がなくても即受診の対象である。内臓損傷、肺の出血、横隔膜の破れ、膀胱破裂、骨盤骨折などは事故直後に症状が出ず、数時間後に急変することが多い。口からの出血と速い呼吸は肺や内臓の損傷を示唆する。興奮状態ではアドレナリンで痛みが隠れ、しっぽを振ることさえある。クレートに乗せて背骨を水平に保ち、夜間救急へ即受診する。全身を強く押すと内出血や骨折を悪化させる。口をすすがせて寝かせると出血や呼吸不全を見逃す。

課題玄関を開ける時に犬を確保していないことが事故の原因で、玄関付近に犬がいる状態の危険を家族が理解していなかった。事故後に「歩ける=大丈夫」と判断する知識不足と、夜間救急の準備不足があった。

改善案玄関前に柵を設置し、来客時は犬をクレートや別室に入れてから開ける。玄関横にクレートを置かない配置にする。交通事故は無傷に見えても即受診と家族で共有し、夜間救急の連絡先と搬送用のクレートを準備する。呼び戻しと「待て」の訓練を日常的に行う。

Q26老犬が子どもに踏まれて動けない事故

休日の午後、廊下で寝ていた13歳の柴犬の腰の上を、走ってきた小学生の子どもが踏んでしまった。犬は悲鳴を上げた後、後ろ足を引きずるように動き、立ち上がろうとしてすぐ座り込む。腰を触ると嫌がる。子どもは怖くなって犬を抱き上げようとしている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 子どもに抱かせてなだめさせ、歩けるようになるまで寝床で見守る
  2. 腰をもんで痛みをほぐし、翌日も引きずっていれば受診する
  3. 痛み止めとして人用の湿布を腰に貼り、様子を見る
  4. 抱き上げず板やクレートに乗せて背骨を水平に保ち、今すぐ受診する

正解D.抱き上げず板やクレートに乗せて背骨を水平に保ち、今すぐ受診する

解説老犬の腰が踏まれて後ろ足を引きずる場合、椎間板損傷や脊椎・骨盤の骨折が疑われ、突然後ろ足が動かないのは即受診の基準である。抱き上げると背骨が曲がって脊髄の損傷が広がるため、板やクレートに乗せて水平に保ち搬送する。もむ行為は損傷部位を刺激して悪化させる。人用の湿布の成分は犬に有害で、舐めると中毒を起こす。翌日まで待つと麻痺が固定して回復が難しくなる。老犬はゆっくりしか動けず踏まれやすいことを踏まえた環境整備が必要である。

課題廊下という通り道に老犬を寝かせ、子どもが走り回る家庭で足元確認のルールがなかった。老犬は避けられず踏まれやすいという認識が家族になく、緊急時に抱き上げてしまう誤りの知識も不足していた。

改善案老犬の寝床は人の動線から外れた壁際に置き、廊下では走らないと子どもに教える。犬の上をまたがない・足元を確認する習慣を共有する。腰の異常時は抱かず板で搬送することを家族全員が知っておき、夜間救急の連絡先を準備する。

Q27電気コードを噛んで倒れた子犬事故

冬の夜、留守番から戻ると生後5か月のコーギーの子犬が暖房器具のコードのそばで横たわり、口の周りが焦げて泡を吹いていた。コードは被膜がむけて配線がむき出しになっており、まだコンセントにつながっている。子犬は呼びかけにわずかに反応するが、呼吸が浅く速い。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. すぐに子犬を抱き上げてコードから引き離し、人工呼吸をする
  2. 口の火傷に人用の軟膏を塗り、暖かくして翌朝受診する
  3. 先にコンセントを抜くかブレーカーを落としてから犬に触れ、呼吸を確認して即受診する
  4. 水をかけて意識をはっきりさせ、コードから離れさせる

正解C.先にコンセントを抜くかブレーカーを落としてから犬に触れ、呼吸を確認して即受診する

解説感電事故では、通電中の犬に触れると救助者も感電する。まずコンセントを抜くかブレーカーを落として電源を絶ってから犬に触れることが鉄則である。その後、呼吸と脈を確認し、意識があっても即受診する。感電は口の火傷だけでなく、数時間後に肺水腫を起こして呼吸困難になることが多く、浅く速い呼吸はその前兆である。人用軟膏で翌朝まで待つと肺水腫で命を落とす。水は電気を通し、かけると感電の危険が増す。コードを噛む子犬期は、コードカバーや配線の隠蔽が必須である。

課題歯が生え変わる子犬期にコードをむき出しのまま留守番させた環境が事故の原因である。感電時に電源を先に切るという救助者の安全確保の原則と、感電後の肺水腫の危険を知らなかった。

改善案子犬のいる部屋のコードはカバーで覆うか家具の裏に隠し、留守番はコードのないサークル内で過ごさせる。噛んでよいおもちゃを十分に与え、暖房器具は犬の届かない位置に置く。感電時は「電源を切ってから触る」「無症状でも受診」を家族で共有する。

Q28川遊びで流されぐったりしたビーグル事故

夏の午後、川辺で遊ばせていた3歳のビーグルが深みに落ちて流され、下流で引き上げられた。岸に上げると意識はあるがぐったりして、咳をしながら口と鼻から水を吐き、呼吸がゼーゼーと音を立てている。体が冷えて震え、歯ぐきの色は薄い。周囲に人が集まっている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 咳をして水を出しているので回復したと判断し、日向で乾かして帰宅する
  2. 逆さに吊るして体を強く振り、肺の水を全部出す
  3. 体を高く持ち上げて背中を強く叩き、吐かせてから昼寝させる
  4. 頭を低くして水を排出させ、タオルで包んで保温しながら呼吸を確認し即受診する

正解D.頭を低くして水を排出させ、タオルで包んで保温しながら呼吸を確認し即受診する

解説溺水では気道に入った水を排出させるため頭を低く保ち、濡れた体をタオルで包んで保温しながら呼吸と脈を確認する。意識があってもゼーゼーという呼吸音と薄い歯ぐきは肺に水が残っているサインで、数時間後に肺炎や肺水腫で急変することがあるため即受診する。逆さに吊るして振ると首や背骨を傷め、嘔吐物で窒息する恐れがある。背中を強く叩いても肺の水は出ず、内臓を傷める。「咳をしているから大丈夫」と帰宅すると、遅れて呼吸困難に陥る二次溺水を見逃す。呼吸が止まれば心肺蘇生を開始する。

課題ビーグルの嗅覚への夢中さと呼び戻しの効きにくさを知りながら、川辺でノーリードにした。犬用ライフジャケットを着けず、深みや流れの速さを事前に確認していなかった。溺水後の遅発性の危険についての知識もなかった。

改善案水辺ではロングリードと犬用ライフジャケットを必ず使い、流れの穏やかな浅瀬に限定する。事前に川の深さと流れを確認し、犬から目を離さない。溺水後は元気に見えても当日受診と決め、心肺蘇生の手順と近隣の病院を確認しておく。

Q29階段から転げ落ちた老犬事故

夜、2階の寝室に上がろうとした12歳のコーギーが、階段の途中で足を滑らせて1階まで転げ落ちた。犬は立ち上がったが頭を振り、右前足を着かず、鼻から少量の血が出ている。歩くとふらつき、目の焦点が合っていないように見える。飼い主は驚いて抱き上げようとしている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. ふらつきや鼻血は頭部の打撲を疑う危険サインとして、クレートで安静にして今すぐ受診する
  2. 立てているので大丈夫と判断し、鼻血を拭いて寝床で寝かせる
  3. 頭を冷やして揺さぶり、意識をはっきりさせてから翌朝受診する
  4. 前足を伸ばしたり曲げたりして骨折の有無を自分で確認する

正解A.ふらつきや鼻血は頭部の打撲を疑う危険サインとして、クレートで安静にして今すぐ受診する

解説高所からの落下は即受診の対象であり、頭を振る・ふらつく・目の焦点が合わない・鼻血は頭部外傷や脳の損傷を示す危険なサインである。立てていても脳内出血は時間とともに進行し、数時間後に意識を失うこともある。クレートに入れて背骨を水平に保ち、揺らさず今すぐ受診する。頭部外傷の犬を揺さぶると出血が悪化する。前足を無理に動かすと骨折があれば悪化し、痛みで咬まれる。寝かせて様子を見る判断は急変を見逃す。コーギーは腰への負担から階段の使用自体を避けるべき犬種である。

課題腰の弱いコーギーの老犬に階段を自由に使わせ、滑り止めや柵などの対策がなかった。頭部外傷のサインを知らず、「立てる=軽傷」と判断する知識不足と、緊急時に抱き上げる習慣の問題があった。

改善案コーギーは階段の上り下りを避け、階段の入口にゲートを設置する。老犬は寝室を1階にするか抱いて移動し、階段や廊下に滑り止めを敷く。落下・転落は無傷に見えても即受診と決め、頭部外傷のサインを家族で共有しておく。

Q30車のドアを開けた瞬間に飛び降りた事故

休日のドライブ先で駐車場に着き、後部座席のドアを開けた瞬間、2歳の柴犬がリードをつける前に地面へ飛び降りた。着地で前足を滑らせて転び、そのまま駐車場内を走り回っている。車の出入りが多く、犬は興奮して呼んでも戻らない。手には空のリードだけがある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 駐車場中を追い回して捕まえ、車内に押し込む
  2. 犬の名前を叫びながら車道側に回り込み、追い立てて誘導する
  3. その場を離れ、しばらくして落ち着いてから探しに戻る
  4. 追わず車の陰でしゃがみ、おやつや後部座席のドアを開けて呼び、近づいたら確保する

正解D.追わず車の陰でしゃがみ、おやつや後部座席のドアを開けて呼び、近づいたら確保する

解説駐車場での逃走は車との接触事故につながりやすい緊急事態だが、追いかけると犬は興奮してさらに走り、車の間を縫って動くため危険が増す。車の陰でしゃがんで体を小さくし、おやつや慣れた車のドアを開けて誘うと、興奮が落ち着いた犬は戻ってきやすい。叫んで追い立てるとパニックになって車道に出る。その場を離れると犬を見失う。確保できたら車内で落ち着かせてから前足の擦り傷を確認し、腫れやかばう様子があれば当日受診する。車の乗降時はドアを開ける前にリードを装着するのが原則である。

課題車のドアを開ける前にリードを装着せず、犬をクレートやシートベルトで固定していなかった。柴犬の独立心と興奮時に呼び戻しが効かなくなる特性を軽視しており、逃走時に追わないという基本も知らなかった。

改善案車内では必ずクレートまたは犬用シートベルトで固定し、ドアを開ける前にリードを装着する習慣を徹底する。ハーネスと首輪の二重リードにする。「待て」と呼び戻しを日常的に練習し、逃走時は追わずしゃがんで待つことを家族で共有する。

Q31靴下を飲み込んで吐き続けるコーギー中毒・誤飲

平日の夜、洗濯物を畳んでいたら1歳のコーギーが靴下を1枚くわえて逃げ、気づいた時には飲み込んでいた。翌朝から食べたものをすべて吐き、水を飲んでも吐く。お腹を触ると嫌がり、うずくまって動かない。便は昨日から出ていない。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 自然に排泄されるのを待ち、便が出るまで絶食させて様子を見る
  2. 塩や食用油を飲ませて無理に吐かせ、靴下が出れば受診しない
  3. 腸閉塞を疑い、吐かせず飲食を止めて飲み込んだ物と同じ靴下を持参し今すぐ受診する
  4. 腸を動かすため大量に食べさせて、靴下を押し出させる

正解C.腸閉塞を疑い、吐かせず飲食を止めて飲み込んだ物と同じ靴下を持参し今すぐ受診する

解説靴下は中型犬の誤飲物として最も多く、腸に詰まって腸閉塞を起こすと命に関わる。繰り返す嘔吐、腹痛、排便停止は閉塞の典型症状で即受診の対象である。自宅で吐かせようとすると靴下が食道に引っかかったり、塩は食塩中毒、油は誤嚥性肺炎を起こすため禁忌である。飲み込んだ物の残りや同じ物を持参すると大きさや材質から処置を判断しやすい。食べさせると腸の圧が上がり穿孔の危険が高まる。自然排泄を待つ間に腸が壊死すると手術範囲が広がり、命に関わる。誤飲に気づいた時点で受診していれば内視鏡で取れた可能性が高い。

課題誤飲に気づいた時点で受診せず一晩様子を見てしまった。若いコーギーが靴下を好んで飲み込むという犬種・年齢のリスクを軽視し、洗濯物の管理や誤飲時の対応方針が家庭内で決まっていなかった。

改善案洗濯物は犬の届かない場所で畳み、靴下・下着はふた付きの籠に入れる。誤飲に気づいたら吐かせず即受診し、飲んだ物の残りを持参する方針を家族で共有する。壊れたおもちゃは即回収し、拾い食い防止の「離せ」を練習する。

Q32バレンタインのチョコを食べた柴犬中毒・誤飲

2月の夜、テーブルに置いていた板チョコの包み紙が床に散らばり、10kgの柴犬の口元が茶色く汚れている。ビターチョコレート約100gがなくなっていた。食べてから30分ほどで、今のところ犬は元気に見える。家族は「量が少ないから大丈夫」と言っている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 牛乳を大量に飲ませて中和し、症状が出るまで待つ
  2. 元気なので朝まで様子を見て、嘔吐や震えが出たら受診する
  3. 食塩水を飲ませて吐かせ、吐いたら受診はしない
  4. 症状がなくても今すぐ病院に連絡し、食べたチョコの種類と量を伝えて受診する

正解D.症状がなくても今すぐ病院に連絡し、食べたチョコの種類と量を伝えて受診する

解説チョコレートに含まれるテオブロミンは犬が分解できず、ビターチョコ100gは10kgの犬にとって嘔吐・興奮・不整脈・けいれんを起こしうる危険量である。症状は食後数時間から出るため、元気に見える今が処置の好機であり、病院で安全に催吐処置を受けるのが最善である。今すぐ病院に連絡し、種類・量・時刻を伝えて受診する。牛乳は中和にならず下痢を招く。食塩で吐かせると食塩中毒の危険があり、吐いても吸収分は残るため受診は必要である。症状が出てからでは重症化し、心臓への影響で命に関わる。

課題チョコレートを犬の届くテーブルに放置し、季節的に菓子が増える時期の管理が甘かった。犬にとってのチョコの危険量を知らず、「元気だから大丈夫」と判断する知識不足があった。

改善案チョコ・ぶどう・キシリトール製品はふた付きの容器や高い棚に保管し、来客や行事の際は特に注意する。誤食時は「症状がなくても即連絡」を家族で共有し、包装紙を保存して量を計算できるようにする。夜間救急の連絡先を登録しておく。

Q33落ちたぶどうを数粒食べたビーグル中毒・誤飲

秋の昼、食卓の下に落ちた巨峰を4歳のビーグルが拾って食べているのを見つけた。房から数えると5〜6粒なくなっており、皮ごと飲み込んでいる。犬はまだ元気で、ご飯もほしがる。ネットには「ぶどうは危険」とあるが、「少量なら平気」という書き込みもあり判断に迷っている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 今すぐ病院に連絡し、食べた量と時刻を伝えて受診し、腎臓の検査と処置を受ける
  2. 少量なので問題なし。水を多めに飲ませて翌日以降の様子を見る
  3. 指を喉に入れて吐かせ、出てきたら受診を見送る
  4. 皮ごとなら消化されないので、便に出るまで待つ

正解A.今すぐ病院に連絡し、食べた量と時刻を伝えて受診し、腎臓の検査と処置を受ける

解説ぶどうやレーズンは犬に急性腎障害を起こす食品で、中毒量に個体差が大きく、数粒で腎不全になった例もある。症状は数時間から数日後に嘔吐・元気消失・尿が出ないという形で現れ、その時点では腎臓の障害が進んでいる。元気なうちに病院で催吐処置と腎臓の検査、必要なら点滴を受けることが予後を左右する。指を喉に入れると咬まれる上に確実には吐かせられず、吐いても吸収分の対応が必要である。皮ごとでも果肉から成分は吸収される。水だけでは腎障害は防げず、翌日では手遅れになりうる。

課題食卓の下に落ちた果物を犬が拾える環境で、ぶどうの危険性を家族が共有していなかった。ネット情報の「少量なら平気」に迷い、受診判断が遅れそうになった知識不足があった。

改善案ぶどう・レーズン入りのパンや菓子も含め、犬の届く場所に置かない。食事中は犬をサークルに入れるか、床に落ちた物を拾わせない「ちょうだい」を練習する。危険食品の一覧を冷蔵庫に貼り、誤食時は量に関係なく即連絡と決めておく。

Q34キシリトールガムを食べてふらつく中毒・誤飲

帰宅すると、3歳の柴犬が鞄からキシリトール入りガムのボトルを引き出し、中身の半分ほどを食べていた。30分後、犬が急にふらつき、足に力が入らず横になった。震えが出ていて、歯ぐきが青白い。ボトルには「キシリトール配合」と書いてある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. ふらつきは眠気と考え、静かな部屋でそのまま寝かせる
  2. 低血糖を疑い、意識があればガムシロップやはちみつを歯ぐきに塗り、直ちに夜間救急へ受診する
  3. 水をたくさん飲ませて薄め、翌朝かかりつけに行く
  4. 人用の胃薬を飲ませてガムを溶かし、便に出るのを待つ

正解B.低血糖を疑い、意識があればガムシロップやはちみつを歯ぐきに塗り、直ちに夜間救急へ受診する

解説キシリトールは犬にインスリンの過剰分泌を起こし、30分から1時間で重い低血糖を招く。ふらつき・脱力・震え・青白い歯ぐきは低血糖の症状で、放置するとけいれんや意識消失、さらに数日後に肝不全に至る。緊急の応急処置として、意識があり飲み込める場合に限りガムシロップやはちみつを歯ぐきに塗って糖を補い、直ちに夜間救急へ向かう。意識がない犬の口に物を入れると誤嚥する。眠気と判断して寝かせると昏睡に進む。水や人用の胃薬は効果がなく、時間を失う。病院ではブドウ糖の点滴と肝臓の検査を受ける。

課題鞄を犬の届く場所に置き、キシリトール製品の危険性を認識していなかった。犬が鞄をあさる行動への対策がなく、中毒症状の見分け方や応急の糖分補給といった知識も不足していた。

改善案キシリトール入りのガム・飴・歯磨き粉は鞄ごと犬の届かない棚に置く。留守番中はサークルやクレートで過ごさせ、拾い食いを防ぐ。中毒時の緊急連絡先を登録し、はちみつやガムシロップを救急箱に用意する。誤食に気づいたら症状がなくても即連絡する。

Q35焼き鳥の串ごと飲み込んだ中毒・誤飲

夏祭りの夜、家族が食べていた焼き鳥の串を6歳のビーグルがテーブルから奪い、肉ごと串を丸飲みした。しばらくして犬は口をくちゃくちゃさせ、よだれを垂らして落ち着かない。吐こうとするが何も出ない。家族はご飯をたくさん食べさせて串を包んで出そうと提案している。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. オキシドールを飲ませて吐かせ、串が出れば受診しない
  2. ご飯を大量に食べさせて串を包み、便に出るのを待つ
  3. 喉に指を入れて串を探り、見えれば引き抜く
  4. 吐かせず飲食を止め、同じ串を持参して夜間でも今すぐ受診する

正解D.吐かせず飲食を止め、同じ串を持参して夜間でも今すぐ受診する

解説先の尖った串は食道や胃、腸を突き破る危険があり、吐かせると逆流する途中で食道を裂く恐れがあるため絶対に吐かせない。よだれや空嘔吐は食道に引っかかっているサインの可能性がある。飲食を止め、同じ串を持参して夜間でも今すぐ受診し、レントゲンや内視鏡で位置を確認して摘出する。オキシドールは食道や胃の粘膜を傷め、尖った物の催吐は禁忌である。ご飯で包んで便に出す方法は串が消化管を貫く危険を放置する。喉に指を入れると咬まれ、串をさらに押し込む。鶏の骨も割れて刺さるため同様に危険である。

課題食卓に犬が届く状態で串付きの食べ物を放置し、ビーグルの強い食欲と盗み食いの傾向を軽視していた。串や骨の危険性と「吐かせてはいけない誤飲物」の知識が家族になかった。

改善案食事中は犬をサークルに入れるか別室にし、串・骨・果物の種はふた付きゴミ箱に即捨てる。吐かせてはいけない誤飲物(尖った物・薬品・洗剤)を家族で共有し、誤飲時は残りを持参して即受診と決めておく。盗み食い防止のしつけも行う。

Q36猛暑日の停電で留守番中の柴犬環境・災害

8月の平日、外出先で自宅周辺の停電を知った。6歳の柴犬は冷房の効いたリビングでサークルに入れて留守番中で、室温は35℃を超えている可能性がある。帰宅には1時間かかる。近所に鍵を預けている親戚がいる。犬の様子を確認する手段はない。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 親戚にすぐ連絡して犬を涼しい場所へ移してもらい、水と風を確保し、自分も帰宅する
  2. 停電はすぐ復旧するはずなので、予定通り仕事を終えて帰宅する
  3. 帰宅後に氷水の風呂に入れて体温を下げれば間に合うと考える
  4. サークル内なら安全なので、帰宅後に様子を見て判断する

正解A.親戚にすぐ連絡して犬を涼しい場所へ移してもらい、水と風を確保し、自分も帰宅する

解説柴犬は密な下毛で熱がこもりやすく、28℃を超えると熱中症のリスクが急上昇する。閉め切った室内が35℃を超えれば1時間で命に関わる。すぐに親戚へ連絡して犬を涼しい場所へ移し、水を与え、扇風機やうちわで風を送り、体に水をかけて冷やしてもらう。ぐったりしていれば受診する。停電の復旧を当てにして仕事を続けるのは危険である。氷水に浸けると血管が収縮して熱が逃げず、震えで体温が上がる。サークル内は逃げ場がなく熱がこもるためむしろ危険である。

課題猛暑期の停電を想定した備えがなく、留守番中の犬を確認する手段や代わりに動ける人との事前の取り決めがなかった。サークルで閉じ込めることで犬が涼しい場所へ避難できない環境でもあった。

改善案夏はエアコンに加え、停電時に備えて冷却マット・凍らせたペットボトル・電池式扇風機を用意する。室温を確認できる見守りカメラや温度計を設置し、鍵を預けた近隣者に緊急時の対応を頼んでおく。留守番中は床の涼しい場所へ移動できる範囲を確保する。

Q37大きな地震の直後に犬が隠れて出てこない環境・災害

夜11時、震度6弱の地震が発生した。棚から物が落ち、窓ガラスが割れている。5歳のコーギーはパニックで走り回った後、ベッドの下に潜り込んで震え、呼んでも出てこない。避難所へ向かうよう防災無線が呼びかけている。犬の足に血が付いているのが見える。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 犬は後で迎えに来るつもりで、まず家族だけで避難所へ向かう
  2. ベッドの下に手を入れて無理に引きずり出し、そのまま抱えて外へ出る
  3. 家族と自分の安全を確保した上で、落ち着いて犬をクレートに誘導し、ガラスを避けて同行避難する
  4. 犬を落ち着かせるため人用の精神安定剤を与えてから避難する

正解C.家族と自分の安全を確保した上で、落ち着いて犬をクレートに誘導し、ガラスを避けて同行避難する

解説災害時はまず人の安全を確保し、次に犬をクレートに入れて同行避難するのが基本である。パニック状態の犬を無理に引きずり出すと咬まれ、割れたガラスの上を歩かせると肉球を切る。クレートは普段から使っていれば安心できる場所となり、誘導しやすい。犬を置いて避難すると余震や火災で救出できなくなり、逃走して迷子になる。人用の精神安定剤は犬に危険で、避難の遅れにもなる。避難後は足の出血を洗って圧迫し、落ち着いてから受診の要否を判断する。狂犬病予防注射の証明や鑑札が避難所での受け入れに必要になる。

課題災害時の同行避難の手順を家族で確認しておらず、犬をクレートに慣らす訓練や避難用品の準備も不十分だった。割れたガラスから犬の足を守る対策や、パニック時の犬への接し方についての知識も不足していた。

改善案クレートを日常の寝床にして「入れ」の合図で入れるよう訓練する。犬用の避難袋(5日分のフード・水・薬・リード・排泄用品・ワクチン証明・写真)を玄関に置く。家具を固定し、ペット同行可能な避難所を事前に確認する。鑑札とマイクロチップを装着し、年1回は避難訓練を家族で行う。

Q38冬の停電で老犬が震えて立てない環境・災害

1月の深夜、大雪で停電し暖房が止まった。14歳の柴犬は室温が10℃を下回る中で体を丸めて震え、朝には後ろ足がこわばって立ち上がるのに時間がかかる。関節炎で通院中の犬で、明け方には震えが弱まりぼんやりして呼びかけへの反応が鈍くなった。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 使い捨てカイロを体に直接貼り、熱いお湯の風呂に入れて温める
  2. 震えが止まったのは体が慣れた証拠なので、そのまま朝まで寝かせる
  3. 毛布で包み人の体温で温め、タオルで巻いた湯たんぽを添えて徐々に温め、反応が鈍ければ受診する
  4. 無理に立たせて歩かせ、運動で体を温める

正解C.毛布で包み人の体温で温め、タオルで巻いた湯たんぽを添えて徐々に温め、反応が鈍ければ受診する

解説老犬は体温調節が弱く、10℃以下の室内では低体温になりやすい。震えが止まって反応が鈍くなるのは体温がさらに下がった危険な兆候で、回復ではない。毛布で包み、人の体で抱いて温め、タオルで巻いた湯たんぽを添えて徐々に温める。反応が鈍い状態が続けば受診する。カイロを直接貼ると低温火傷を起こし、熱い風呂は急な血管拡張でショックを招く。関節炎のある老犬を無理に歩かせると関節を痛め、転倒する。冬は老犬の関節を冷やさないことが基本で、停電時の保温手段の備えが不可欠である。

課題冬の停電を想定した保温手段がなく、関節炎を持つ老犬が寒さに弱いことへの備えが不足していた。震えが止まることを回復と誤解する知識不足があり、低体温の進行サインを見逃しそうになった。

改善案冬は毛布・湯たんぽ・カセットガスストーブなど電気に頼らない保温手段を備える。老犬の寝床は床から離し、厚手のベッドと防寒着を用意する。低体温のサイン(震えの消失・反応の低下)を家族で共有し、停電時は人の体温で温めて受診する方針を決めておく。

Q39梅雨の室内で皮膚と耳が悪化した環境・災害

6月の長雨が2週間続き、締め切った室内は湿度80%を超えている。3歳のビーグルは体をかき、耳から酸っぱい臭いがして、脇の皮膚は赤くべたついている。散歩は雨で減り、寝床は湿って臭う。窓は結露し、床にカビが生えている場所もある。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 湿度を40〜60%に下げ、寝床を洗って乾かし、耳と皮膚を確認して数日以内に受診する
  2. かゆみ止めに人用の抗ヒスタミン薬を与え、梅雨明けまで待つ
  3. 毎日熱いお湯で洗って皮膚を乾燥させ、ドライヤーで耳の中まで熱風を当てる
  4. 湿気が原因なので除湿機だけ置き、皮膚と耳は放置する

正解A.湿度を40〜60%に下げ、寝床を洗って乾かし、耳と皮膚を確認して数日以内に受診する

解説多湿は犬の皮膚病と外耳炎の大きな原因で、湿度40〜60%が適正である。まず除湿機やエアコンで湿度を下げ、湿った寝具を洗って乾かし、カビを除去する。すでに耳の臭いと皮膚の赤みが出ているため、外耳炎とマラセチアなどの皮膚炎が疑われ、数日以内に受診して治療する。人用の抗ヒスタミン薬は用量が犬に合わず自己判断は危険である。熱いお湯や熱風は皮膚のバリアを壊し、耳の中に熱風を当てると炎症を悪化させる。環境を整えても発症している炎症は治療しないと慢性化する。

課題室内の湿度を測っておらず、梅雨時の多湿が皮膚・耳のトラブルを引き起こすという知識が欠けていた。寝具の洗濯やカビ対策が滞り、散歩不足でストレスも増えていた。

改善案温湿度計を犬の生活場所に置き、湿度60%を超えたら除湿する。梅雨時は寝具を週1回洗って乾燥させ、週1回耳と皮膚の状態を確認する。雨の日は室内の知育遊びで運動を補い、シャンプー後はしっかり乾かす。垂れ耳のビーグルは耳掃除を習慣にする。

Q40台風で避難所に犬を連れて行く環境・災害

大型台風の接近で自治体から避難指示が出た。7歳の柴犬と避難所へ向かう準備をしているが、犬はクレートに入るのを嫌がり、フードは残り1日分、薬は皮膚炎の内服薬が数日分しかない。避難所ではペットは屋外の指定場所か車内での待機になると案内されている。

避難の準備として最も適切なものはどれか

  1. 犬は家に残して十分な水とフードを置き、台風が過ぎたら戻る
  2. リードだけで連れて行き、避難所内の人のスペースで一緒に過ごす
  3. クレートで無理に閉じ込め、フードは避難所でもらえるだろうと考えて出発する
  4. クレートに慣らしつつ、ワクチン証明・鑑札・薬・数日分の水とフードをまとめ、車内やペット可の避難先を確保する

正解D.クレートに慣らしつつ、ワクチン証明・鑑札・薬・数日分の水とフードをまとめ、車内やペット可の避難先を確保する

解説災害時は同行避難が原則だが、避難所での飼育は飼い主の責任で、フードや薬は自分で用意する必要がある。ワクチン証明や鑑札は受け入れの条件になることが多い。柴犬は自分の空間を好むため、時間のあるうちにおやつでクレートに慣らし、車内やペット可の避難先を確保する。犬を家に残すと浸水や倒壊で救出できず、逃走や脱水の危険がある。リードだけで人のスペースに入ると他の避難者とトラブルになり、犬もストレスで咬む恐れがある。フードや薬を避難所で入手できる保証はなく、皮膚炎の悪化や食欲不振につながる。

課題災害時に必要な犬用の備蓄(フード・水・薬・証明書)が用意されておらず、クレートに慣らす訓練もしていなかった。避難所のペット対応ルールを事前に確認しておらず、避難先の選択肢を持っていなかった。

改善案犬用避難袋を用意し、フードと水は5日分、薬は余裕を持って処方してもらう。狂犬病予防注射の証明・鑑札・写真・マイクロチップ番号を袋に入れる。クレートを日常的に使い、車中避難やペット可の避難先、親戚宅など複数の避難先を家族で決めておく。

Q41咬まれた手が翌日腫れて熱を持つ感染症・衛生

昨夜、おもちゃの取り合いで4歳の柴犬に手を咬まれた。傷は小さく血もすぐ止まったのでそのままにしていたが、翌朝には手の甲が赤く腫れ、熱を持って指が曲げにくい。発熱もあり、傷口からは少し膿が出ている。家族は「犬に咬まれた程度」と気にしていない。

咬まれた人の対応として最も適切なものはどれか

  1. 市販の抗生剤軟膏を塗って絆創膏を貼り、数日様子を見る
  2. 犬の口には菌が多いので、腫れた部分を強く絞って膿を出す
  3. 腫れは治りかけのサインなので、傷を温めて回復を待つ
  4. パスツレラ症など細菌感染を疑い、当日中に人の病院を受診して抗生物質の治療を受ける

正解D.パスツレラ症など細菌感染を疑い、当日中に人の病院を受診して抗生物質の治療を受ける

解説犬の口の中にいるパスツレラ菌は咬傷から感染し、数時間から1日で赤く腫れて強い痛みと発熱を起こす。腱や関節に及ぶと指の機能障害が残り、免疫力が低い人では敗血症の危険もある。傷が小さく見えても深部に菌が入るため、腫れ・熱・膿が出た時点で当日中に人の病院を受診し、抗生物質の治療を受ける。市販の軟膏や絆創膏では深部の感染は抑えられない。膿を絞ると感染が広がり、温めると炎症が悪化する。咬まれた直後に流水で10分洗い、その日のうちに受診していれば重症化を防げた。

課題咬まれた直後の洗浄と受診を怠り、「犬に咬まれた程度」という軽視が感染を広げた。パスツレラ症などの人獣共通感染症の知識がなく、おもちゃの取り合いという咬傷を招く関わり方にも問題があった。

改善案咬まれたら傷を流水で10分洗って圧迫止血し、小さくても当日中に人の病院を受診する。犬とのおもちゃの取り合いは避け、「離せ」を練習する。口移しやキスをしない。家族全員がパスツレラ症の症状(腫れ・熱・痛み)を知り、免疫力の低い人は特に注意する。

Q42円形に毛が抜けた犬と子どもの発疹感染症・衛生

保護団体から迎えて1か月の2歳のビーグルの顔と前足に、境界のはっきりした円形の脱毛が2か所あり、フケが出ている。数日前から一緒に寝ている5歳の子どもの腕にも輪のような赤い発疹ができ、かゆがっている。犬は元気で食欲もある。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 皮膚糸状菌症を疑い、犬を受診させて子どもも皮膚科へ行き、寝具を分けて触った後は手洗いする
  2. 犬は元気なので放置し、子どもの発疹には人用の市販薬を塗る
  3. 脱毛部分に人用の水虫薬を塗り、子どもとはこれまで通り一緒に寝かせる
  4. 犬を熱いお湯で毎日洗い、脱毛が広がるまで様子を見る

正解A.皮膚糸状菌症を疑い、犬を受診させて子どもも皮膚科へ行き、寝具を分けて触った後は手洗いする

解説境界のはっきりした円形脱毛とフケは皮膚糸状菌症の典型で、人にも感染する真菌症である。子どもの輪状の発疹は感染を示唆しており、犬は動物病院、子どもは皮膚科をそれぞれ受診して同時に治療する必要がある。感染源となる毛やフケが寝具に残るため寝具を分け、触れた後は手洗いし、掃除機で毛を集めて処分する。放置すると家族全員に広がり、犬の脱毛も拡大する。人用の水虫薬は犬に適した薬剤ではなく、舐めるリスクもある。熱いお湯は皮膚を傷めて感染を助長する。保護犬や新しく迎えた犬は初期に皮膚の検査を受けることが望ましい。

課題迎えて間もない犬の皮膚の異常を見逃し、子どもと寝具を共有していた。皮膚糸状菌症が人獣共通感染症であり、犬が元気でも感染源になるという知識が家族になかった。

改善案新しく迎えた犬は皮膚・便・寄生虫の検査を受けてから家族と接触を深める。円形脱毛を見たら受診し、治療中は寝具を分け、犬に触った後の手洗いを徹底する。ブラッシング時に脱毛やフケを確認し、子どもと犬の寝床は別にする。

Q43海外旅行先で野良犬に咬まれた感染症・衛生

東南アジアの旅行先で、飼い犬の柴犬に似た野良犬を撫でようとして手を咬まれた。傷は浅く出血も少ない。同行者は「日本の犬と同じだから大丈夫」と言い、帰国は5日後で現地の病院に行くのは面倒だと感じている。犬はワクチンを打っているかわからない。

咬まれた人の対応として最も適切なものはどれか

  1. 傷が浅いので消毒だけして、帰国後に日本の病院で相談する
  2. 傷を石けんと流水で15分以上洗い、現地の医療機関で直ちに狂犬病の予防処置を受ける
  3. 傷を舐めて消毒し、咬んだ犬を捕まえて様子を観察する
  4. 日本は狂犬病がないので、飼い犬の予防注射で自分も守られていると考える

正解B.傷を石けんと流水で15分以上洗い、現地の医療機関で直ちに狂犬病の予防処置を受ける

解説日本は狂犬病の清浄国だが、東南アジアなど多くの国では狂犬病が常在し、野良犬の咬傷は感染の可能性がある。狂犬病は発症するとほぼ100%死亡するが、咬傷直後からワクチン接種を始めれば発症を防げる。傷を石けんと流水で15分以上洗い、直ちに現地の医療機関で狂犬病の予防処置を受け、帰国後も接種を継続する。5日後まで待つと処置の効果が下がる。傷を舐めるのは細菌感染を招く。飼い犬の予防注射は犬を守るもので、人は守られない。海外で動物に触れないことが最大の予防である。

課題海外で狂犬病が流行している地域があるという認識がなく、野良犬に安易に手を出した。咬傷後の対応を「日本と同じ」と考え、現地での即時受診の重要性を理解していなかった。

改善案海外では犬・猫・コウモリなど動物に触れない。狂犬病流行地へ行く前に渡航外来で暴露前ワクチンを相談する。咬まれたら洗浄と即受診を最優先し、旅行保険と現地の医療機関の連絡先を控える。日本での年1回の犬の狂犬病予防注射は法的義務として続ける。

Q44庭で排便した犬と砂遊びをする子ども感染症・衛生

春の午後、生後6か月の柴犬の子犬が庭で排便し、片付ける前に2歳の子どもがそのそばで砂遊びを始めた。子犬は迎えてから駆虫をしておらず、最近便に白い糸のようなものが混じっていた。子どもは手を口に入れる癖があり、犬の便のそばの土を触っている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 子どもをすぐ離して手を石けんで洗い、便を密閉して処分し、子犬の便検査と駆虫を受ける
  2. 犬の便は土に還るので放置し、子どもの手は服で拭かせる
  3. 子犬に人用の虫下しを与え、庭の砂を消毒液で撒いておく
  4. 白い糸は食べ物の繊維なので気にせず、遊びを続けさせる

正解A.子どもをすぐ離して手を石けんで洗い、便を密閉して処分し、子犬の便検査と駆虫を受ける

解説便中の白い糸状のものは回虫の可能性が高く、イヌ回虫の卵は便から土に混じり、手を介して人の口に入って幼虫が体内を移動する幼虫移行症を起こす。特に手を口に入れる幼児は高リスクである。すぐ子どもを離して石けんで手を洗い、便は密閉して処分し、子犬は便検査と駆虫を受ける。放置した便の卵は土中で長期間生き残る。人用の虫下しは犬には用量も種類も不適切で、消毒液は土中の卵に効果が乏しい。子犬期は母犬からの感染が多く、定期駆虫が基本である。庭は子どもの遊び場と犬の排泄場所を分ける。

課題子犬を迎えてから駆虫と便検査をしておらず、便の異常を見ても対処しなかった。子どもの遊び場で犬を排泄させ、便をすぐ処理しない習慣が人獣共通感染症のリスクを高めていた。

改善案子犬は迎えてすぐ便検査と駆虫を受け、獣医師の指示で定期駆虫を続ける。排便は決まった場所でさせ、その場で密閉して処分する。子どもの砂遊びの場所と犬の排泄場所を分け、動物に触った後や外遊び後の手洗いを習慣づける。

Q45呼びかけに反応せず呼吸が止まった救命救急

夜、リビングで8歳のコーギーが突然倒れ、名前を呼んでも耳をつまんでも反応がない。胸の動きを見ても呼吸しておらず、内股の付け根に指を当てても脈が触れない。舌は紫色になっている。夜間救急病院までは車で20分。家族は2人いて車はある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 顔に水をかけて叩き、目覚めるまで刺激を続ける
  2. 一人が病院へ電話しながら車を出し、もう一人は右を下に寝かせて胸の一番高い位置を圧迫し心肺蘇生を始める
  3. 呼吸が戻るまで抱きしめて名前を呼び続ける
  4. 心肺蘇生は素人には危険なので、何もせず車で病院へ急ぐ

正解B.一人が病院へ電話しながら車を出し、もう一人は右を下に寝かせて胸の一番高い位置を圧迫し心肺蘇生を始める

解説意識・呼吸・脈がない状態は心停止であり、数分以内に処置しなければ脳の障害が進む。右を下に寝かせ、胸の一番高い位置に両手を重ね、胸の厚みの3分の1が沈む強さで1分間100〜120回圧迫し、30回押したら鼻から2回息を吹き込む。2分ごとに脈を確認し、病院に着くまで続ける。もう一人が病院へ連絡して車を出し、車内でも圧迫を続ける。水をかけたり叩いても心臓は動かない。抱きしめて呼ぶだけでは時間を失う。何もせず搬送すると20分の間に蘇生の可能性がほぼなくなる。素人でも圧迫は有効で、ためらわず始める。

課題心停止の確認方法と犬の心肺蘇生の手順を家族が練習しておらず、緊急時の役割分担も決めていなかった。中高齢犬の突然死につながる心臓病の定期検査も受けていなかった可能性がある。

改善案犬の心肺蘇生の手順(寝かせる向き・圧迫位置・回数・人工呼吸)を家族で確認し、ぬいぐるみで練習する。緊急時は「一人が処置、一人が連絡と運転」と役割を決める。夜間救急の連絡先を登録し、中高齢からは心臓の検査を含む健康診断を年2回受ける。

Q46前足の傷から血が噴き出して止まらない救命救急

散歩中、5歳の柴犬が金属製のフェンスの破れに前足を引っかけ、手首の内側が深く裂けた。傷口から鮮やかな赤い血が拍動するように出続け、地面に血だまりができている。犬はパニックで足を振り回している。手元にはタオルと飲み水がある。家までは徒歩10分。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 水で傷をよく洗い流し、乾いてから包帯を巻いて帰宅する
  2. 犬が落ち着くまで待ち、血が自然に止まってから病院へ向かう
  3. ひもで足の付け根をきつく縛って血を止め、そのまま歩かせて帰る
  4. 清潔なタオルで傷口を5分以上強く圧迫し、足を心臓より高く保ったまま抱えて即受診する

正解D.清潔なタオルで傷口を5分以上強く圧迫し、足を心臓より高く保ったまま抱えて即受診する

解説拍動するような鮮紅色の出血は動脈からの出血で、放置すると短時間で失血性ショックに陥る。清潔なタオルを傷口に当てて5分以上強く圧迫し続け、足を心臓より高く上げる。途中でタオルを外して確認せず、血がにじんだら上から重ねる。圧迫したまま抱えて即受診する。水で洗うことは止血より優先度が低く、洗い流すと血栓が取れて出血が増える。自然に止まるのを待つと失血が進む。ひもで縛る止血帯は組織の壊死を招く危険があり、素人が行うべきではない。歩かせると血流が増えて出血が悪化する。

課題止血の基本である「圧迫・挙上」の知識がなく、動脈性出血の緊急性を理解していなかった。散歩時にガーゼや包帯などの応急用品を持たず、緊急時の搬送手段や病院の連絡先も準備していなかった。

改善案散歩用ポーチに清潔なガーゼ、自着性包帯、タオルを入れて携帯する。「5分以上圧迫・足を上げる・止まらなければ圧迫したまま受診」を家族で共有する。散歩ルートの危険物(破れたフェンスやガラス)を把握し避ける。タクシーの呼び方や病院の連絡先をスマホに登録する。

Q47腰を痛めた犬を車で運ぶ方法救命救急

夜、6歳のコーギーが後ろ足を引きずり、腰を触ると鳴くため病院へ行くことにした。病院までは車で30分。犬は12kgあり、抱くと痛がって暴れる。クレートは押し入れの奥にあり、家には大きめのまな板と厚手のバスタオルがある。家族は自分一人しかいない。

搬送方法として最も適切なものはどれか

  1. 背骨が曲がらないようバスタオルごと板やクレートに乗せて水平に保ち、車内で固定して運ぶ
  2. 痛がっても前足と後ろ足を持って抱え、後部座席に寝かせる
  3. 助手席に座らせてシートベルトをし、自分で姿勢を取らせる
  4. 痛みが引いてから運ぶため、翌朝まで安静にして受診する

正解A.背骨が曲がらないようバスタオルごと板やクレートに乗せて水平に保ち、車内で固定して運ぶ

解説後ろ足を引きずり腰を痛がる犬は椎間板ヘルニアの可能性が高く、搬送中に背骨が曲がると脊髄の損傷が広がる。犬をバスタオルの上に滑らせるように乗せ、そのまま板やクレートに移して背骨を水平に保ち、車内で動かないよう固定して運ぶ。一人でもタオルを使えば犬に触れず移動できる。前足と後ろ足を持って抱えると背骨がたわみ最も危険で、痛みで咬まれる恐れもある。座らせると自分で姿勢を変えられず、揺れで悪化する。翌朝まで待つと神経の回復が難しくなるため、突然の後ろ足の異常は即受診である。急ブレーキを避けて静かに運転する。

課題ヘルニア好発犬種のコーギーを飼いながら、脊椎損傷時の搬送方法を知らず、クレートを即座に使える場所に置いていなかった。一人での搬送を想定した準備や、協力を頼める人の確保も欠けていた。

改善案クレートは玄関近くなど取り出しやすい場所に常設し、日常的に使って慣らす。バスタオルや板を使った水平搬送を家族で練習する。一人暮らしの場合は緊急時に手伝ってもらえる近隣者や、ペットタクシーの連絡先を確保する。夜間救急の場所と駐車方法を事前に確認する。

Q48深夜の嘔吐で夜間救急に行くべきか救命救急

深夜1時、10歳のビーグルが夕方から3回吐き、最後の吐物には少し血が混じっていた。お腹を触ると嫌がり、うずくまって寝ようとしない。かかりつけは朝9時開院で、夜間救急は車で40分の距離にある。犬は水を飲むがすぐ吐く。家族は「朝まで待とう」と言っている。

飼い主の判断として最も適切なものはどれか

  1. 吐き気止めとして人用の胃薬を飲ませ、朝一番にかかりつけへ行く
  2. 3回以上の嘔吐・血・腹痛・落ち着かない様子がそろっているため、夜間救急に電話して指示を仰ぎ受診する
  3. 吐き続けるのは胃を空にするためなので、たくさん水を飲ませて朝まで待つ
  4. 動画を撮ってSNSで似た経験の人に聞き、意見を待ってから判断する

正解B.3回以上の嘔吐・血・腹痛・落ち着かない様子がそろっているため、夜間救急に電話して指示を仰ぎ受診する

解説1日3回以上の嘔吐は当日受診の基準であり、吐血・腹痛・落ち着かず横になれない様子は膵炎・異物・胃腸の重い病気を示す危険サインで、夜間でも受診に相当する。まず夜間救急に電話して症状を伝え、受診の指示を仰ぐ。中高齢犬では腫瘍や腸閉塞も疑われ、朝まで8時間待つ間に脱水やショックが進む。人用の胃薬は犬に合わず症状を隠す。水を大量に飲ませると刺激で嘔吐が続き脱水が悪化するため少量ずつにする。SNSで意見を待つのは時間の浪費で、責任ある助言は得られない。吐物の写真と時刻、食事内容を記録して持参する。

課題夜間救急の受診基準を知らず、費用や距離への負担感から「朝まで待つ」判断に傾いた。嘔吐の回数や血の混入が緊急性の目安になる知識が家族で共有されておらず、夜間の連絡先も事前に把握していなかった。

改善案「3回以上の嘔吐・血・ぐったり・腹痛・横になれない」は夜間でも受診と家族で決めておく。夜間救急の電話番号と所要時間を登録し、電話で相談できることを知っておく。嘔吐時は写真・時刻・食事内容を記録する。ペット保険や夜間診療費の目安も把握しておく。

Q49ぐったりした犬の呼吸と脈を確かめる救命救急

夏の夕方、散歩から戻った7歳の柴犬が玄関で横になり、呼びかけに薄く目を開けるだけでほとんど動かない。舌を出して速い呼吸をしている。家族は「疲れただけ」と言うが、呼吸が正常か脈が速すぎないか確かめたい。手元にはスマホと時計がある。

状態の確認方法として最も適切なものはどれか

  1. 口を開けて喉の奥を覗き、舌を引っ張って反応を見る
  2. 耳に口を当てて心音を聞き、聞こえれば正常と判断する
  3. 胸の上下で15秒間の呼吸数を数えて4倍し、内股の付け根で脈を触れて1分間の回数を測る
  4. 犬を立たせて歩かせ、歩ければ問題ないと判断する

正解C.胸の上下で15秒間の呼吸数を数えて4倍し、内股の付け根で脈を触れて1分間の回数を測る

解説犬の状態把握には呼吸数と脈拍が基本である。呼吸は胸の上下を15秒数えて4倍し、安静時の正常値は1分間15〜30回、脈は内股の付け根にある大腿動脈に指を当てて測り、正常は70〜120回である。これを超える速い呼吸や脈、あるいは歯ぐきの色が白や紫であれば熱中症やショックを疑い即受診する。喉の奥を覗いたり舌を引っ張ると咬まれる上に判断材料にならない。耳を当てても正確な回数はわからない。ぐったりした犬を歩かせると悪化する。夏の散歩後の虚脱は熱中症の可能性が高く、体に水をかけて冷やしながら受診の判断をする。

課題呼吸数や脈拍の正常値と測り方を知らず、「疲れただけ」と根拠なく判断していた。夏の散歩後の虚脱が熱中症のサインである可能性を考えず、緊急度を客観的に評価する手段を持っていなかった。

改善案健康な時に呼吸数・脈拍・歯ぐきの色を測って記録し、異常時に比較できるようにする。家族全員が脈の触れ方を練習する。「呼吸30回超・脈120回超・歯ぐきの色の異常・反応の鈍さ」は受診の目安と決め、夏の散歩は早朝と夜に限定する。

Q50意識のない犬を運ぶ時の気道確保救命救急

夜、9歳のコーギーがけいれんの後に意識を失い、呼びかけに反応しない。呼吸はあるがいびきのような音を立て、口の中によだれと泡がたまっている。脈は触れる。夜間救急まで車で25分。犬をクレートに入れて出発するが、車内で呼吸音がさらに苦しそうになってきた。

搬送中の対応として最も適切なものはどれか

  1. 泡が出ないよう口を閉じて押さえ、顔を上に向けて抱きかかえる
  2. 首を伸ばして舌を口の外に引き出し、口の中のよだれを拭き取って横向きに寝かせ、呼吸を観察し続ける
  3. 意識を戻すため頬を叩き、水を口に流し込む
  4. 呼吸音は気にせず、できるだけ速度を上げて病院へ急ぐ

正解B.首を伸ばして舌を口の外に引き出し、口の中のよだれを拭き取って横向きに寝かせ、呼吸を観察し続ける

解説意識のない犬は舌が喉に落ち込み、よだれや泡で気道がふさがっていびきのような呼吸音になる。首を前方に伸ばして舌を口の外に引き出し、口の中のよだれを拭き取ることで気道を確保する。横向きに寝かせれば分泌物が外に流れ、誤嚥を防げる。搬送中も呼吸を観察し、止まれば心肺蘇生を始める。口を閉じて上を向かせると気道が完全にふさがり窒息する。意識のない犬に水を流すと誤嚥性肺炎を起こす。頬を叩いても意識は戻らず、速度を上げるだけでは車内での窒息を防げない。病院へは出発前に電話して到着時刻を伝えておく。

課題意識のない犬の搬送時に気道を確保するという基本を知らず、けいれん後に呼吸が悪化する可能性を想定していなかった。搬送中に犬の呼吸を観察する人がおらず、病院への事前連絡も欠けていた。

改善案意識のない犬は「首を伸ばし舌を出して横向き」で気道を確保することを家族で共有し、搬送時は運転者とは別に犬を見る人を確保する。夜間救急には出発前に電話して症状と到着時刻を伝える。けいれんの既往があれば発作日誌をつけ、緊急時の手順を獣医師と決めておく。

QRコード
犬猫の救命救急法講座 開催地&日程
https://petsaver.jp