小型犬 ケースメソッド 50問

状況を読み、飼い主として「最初に取るべき行動」を4択から選んでください。回答後に解説・課題・改善案が表示されます。マニュアルを見る

解答と解説・課題と改善案(全50問)

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Q1朝食を残した子犬が夕方ぐったり冷たい病気

生後3か月のチワワ(体重900g)。朝は食欲がなく、フードをほとんど残した。仕事から帰った18時、ベッドの中でぐったりして呼んでも顔を上げず、抱くと体がひんやり冷たい。時々足がピクピクと震える。前日から軟便が続いていた。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 低血糖を疑い、砂糖水やガムシロップを歯ぐきに塗って体を温め、すぐ動物病院へ向かう
  2. 口を開けてフードとミルクを流し込み、栄養を取らせてから様子を見る
  3. 疲れているだけと考え、暖かい毛布をかけて翌朝まで寝かせる
  4. ぬるま湯のお風呂に入れて体を温め、元気が出るのを待つ

正解A.低血糖を疑い、砂糖水やガムシロップを歯ぐきに塗って体を温め、すぐ動物病院へ向かう

解説子犬や超小型犬は食事を抜くと数時間で低血糖に陥り、ふらつき・ぐったり・けいれん・体の冷えが現れる。歯ぐきに糖分を塗るのは飲み込めなくても粘膜から吸収され、誤嚥の危険が少ないため正しい。そのうえで保温し、今すぐ夜間救急を含めて受診する。意識が低下した犬に食べ物や液体を流し込むと誤嚥性肺炎を起こす。翌朝まで放置すると低血糖が進行して脳障害や死亡につながる。入浴は体力を奪い、濡れた体はかえって体温を下げるうえ、けいれん時に溺れる危険もある。

課題朝の時点で食欲不振と軟便という低血糖のリスク要因が揃っていたのに、対処せず長時間留守にした。超小型犬の子犬が半日絶食すると危険だという知識が不足していた。

改善案子犬期は1日3〜4回に分けて給餌し、食べない場合は数時間以内に対処する。留守番前に食べなかった日は預ける・早退するなどの判断を決めておく。ガムシロップを常備し、夜間救急の連絡先を冷蔵庫に貼っておく。

Q210歳ダックスが夜になると咳をする病気

10歳のミニチュアダックス。1週間ほど前から、夜寝る時と来客で興奮した時に「コホッコホッ」と乾いた咳をする。散歩は途中で座り込んで嫌がるようになった。今夜は咳が続き、横になれず座ったまま呼吸が速い。舌の色はピンクだが、呼吸数は1分に45回ある。

この状況で最も適切な判断はどれか

  1. 風邪と判断し、人用の咳止めシロップを少量飲ませて寝かせる
  2. 咳は年齢のせいと考え、来月の定期健診まで様子を見る
  3. 加湿器をつけて部屋を暖かくし、翌週まで咳の回数を記録する
  4. 僧帽弁閉鎖不全など心臓病を疑い、興奮させず安静にして今夜のうちに受診する

正解D.僧帽弁閉鎖不全など心臓病を疑い、興奮させず安静にして今夜のうちに受診する

解説中高齢の小型犬で夜間・興奮時の咳、運動を嫌がる、呼吸が速いという組み合わせは僧帽弁閉鎖不全症の典型的な兆候である。横になれず座ったまま速い呼吸をしているのは肺水腫が始まっている可能性を示し、今すぐ受診すべき状態だ。人用の咳止めは犬に有害な成分を含むことがあり、心臓由来の咳には無効で受診を遅らせる。年齢のせいと放置すると肺水腫で急死しうる。加湿や記録は心臓病の進行を止められず、呼吸数が1分40回を超えている時点で待つ余裕はない。

課題1週間前から咳と運動不耐性があったのに受診が遅れた。6歳以降の小型犬は心臓病のリスクが高いが、年1回の聴診・心エコーを受けていなかった。安静時呼吸数の正常値を知らなかった。

改善案6歳を過ぎたら年1回は聴診と心エコーを受ける。安静時の呼吸数を月に数回数え、1分30回を超えたら受診の目安にする。塩分の多いおやつを避け肥満を防ぐ。夜間救急の場所と連絡先を事前に確認しておく。

Q3散歩中にガーガーと咳をして舌が紫病気

7歳のポメラニアン。夏の午後、首輪にリードをつけて散歩に出た。知らない犬に興奮して引っ張った直後、アヒルのような「ガーガー」という咳が止まらなくなった。立ち止まっても治まらず、口を開けて呼吸し、よく見ると舌の色が紫がかっている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 首輪を外して日陰で興奮させないよう静かに抱え、呼吸が楽になっても即受診する
  2. 家まで走って戻り、水をたっぷり飲ませて咳を落ち着かせる
  3. 背中を強く叩いて咳を止め、落ち着いたら散歩を続ける
  4. スマホで咳の動画を撮り続け、翌日の診察で獣医に見せる

正解A.首輪を外して日陰で興奮させないよう静かに抱え、呼吸が楽になっても即受診する

解説ガーガーという咳はポメラニアンやチワワに多い気管虚脱の典型で、首輪による気管圧迫と興奮、暑さで悪化する。舌が紫になるのはチアノーゼで酸素不足の緊急サインであり、首輪を外し、涼しい場所で興奮させず、呼吸が改善しても今すぐ受診する。走って戻ると犬も飼い主も興奮し気管の閉塞を悪化させる。水を無理に飲ませても気道の閉塞は改善せず誤嚥の危険がある。背中を叩くのは気管に衝撃を与え逆効果だ。動画は受診時に役立つが、チアノーゼ時に撮影を優先するのは危険である。

課題気管虚脱のリスク犬種なのに首輪で散歩し、夏の暑い時間帯に出かけていた。咳が出た時点で首への圧迫が原因という知識がなく、緊急サインの舌の色を確認する習慣もなかった。

改善案散歩はハーネスに切り替え、首輪は迷子札用だけにする。夏は早朝・夜間の涼しい時間に散歩し、地面を手で触って熱ければ中止する。体重管理と、タバコの煙や強い香りを避けることで気管への負担を減らす。舌の色を平常時に確認しておく。

Q4抱き上げるとキャンと鳴き背中を丸める病気

5歳のミニチュアダックス(体重7kg、やや肥満)。日曜の昼、ソファから降りた後に動かなくなった。抱き上げようと脇の下に手を入れると「キャン」と悲鳴を上げ、背中を丸めて震えている。後ろ足はふらついていて、トイレに行こうとして尻もちをついた。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 背中や足を揉んで血行を良くし、歩けるか庭で確認する
  2. 痛みがあるだけと考え、人用の鎮痛剤を半錠飲ませて安静にする
  3. 動かさずクレートに入れ、背骨を水平に保ったまま今すぐ受診する
  4. 翌日まで様子を見て、後ろ足が動かなくなったら受診する

正解C.動かさずクレートに入れ、背骨を水平に保ったまま今すぐ受診する

解説ダックスで抱くと鳴く、背中を丸める、後ろ足のふらつきは椎間板ヘルニアの典型であり、脊髄への圧迫が進行すると麻痺や排尿障害が残る。動かさないことが最優先で、胸と腰を水平に支えてクレートに入れ、今すぐ受診する。麻痺は発症から治療までの時間が回復を左右する。揉んだり歩かせたりすると脱出した椎間板がさらに脊髄を傷つける。人用の鎮痛剤は犬に中毒を起こし、痛みが隠れて悪化に気づけない。麻痺が出るまで待つと手術しても回復が難しくなる。

課題ヘルニア好発犬種のダックスが肥満気味で、ソファへの昇り降りを自由にさせていた。抱き方も脇の下だけを持つ方法で背骨に負担がかかっていた。初期症状を見逃す知識不足もあった。

改善案体重を適正に戻し、ソファやベッドにはスロープを置く。抱く時は胸と腰を両手で水平に支える。フローリングには滑り止めマットを敷く。背中を丸める・抱くと鳴くなどの初期サインが出たらその日のうちに受診する。

Q5後ろ足を上げてスキップのように歩く病気

2歳のトイプードル。フローリングのリビングで走り回っていた後、右後ろ足を上げたまま3本足でぴょんぴょん歩き始めた。痛がって鳴くことはなく、しばらくすると自分で足を後ろに伸ばして元通り歩き出した。これまでにも月に1〜2回同じことがあった。

最も適切な対応はどれか

  1. 足を引っ張って関節を自分ではめ直し、再発しないよう固定する
  2. 自然に戻ったので癖と判断し、特に何もせず今まで通り遊ばせる
  3. 念のため足をマッサージし、痛がらなければ来年の健診で相談する
  4. 膝蓋骨脱臼を疑い、無理に触らず安静にして当日中に受診する

正解D.膝蓋骨脱臼を疑い、無理に触らず安静にして当日中に受診する

解説後ろ足をスキップのように上げ、自分で伸ばして戻す動作は膝蓋骨脱臼の典型的な症状である。小型犬に非常に多く、自然に戻っても繰り返すうちに軟骨がすり減り、骨の変形や前十字靭帯断裂につながる。無理に触らず安静にし、当日中に受診してグレードを診断してもらう。飼い主が関節をはめようとすると靭帯や軟骨を傷つける。癖と判断して放置すれば進行し、手術が必要になる。マッサージは診断にならず、来年まで待つのは遅い。

課題月に1〜2回の症状を「癖」と見過ごしていた。フローリングにマットを敷かず走り回らせており、膝への負担が続いていた。小型犬の三大トラブルである膝の脱臼についての知識が不足していた。

改善案フローリングにコルクマットやラバーマットを敷き、ソファへのジャンプをやめさせる。爪を2〜3週に1回切り、足裏の毛も刈って滑りを防ぐ。体重を適正に保つ。後ろ足で立たせる遊びをしない。症状が出た日はすぐ受診し、定期的に膝の状態を確認してもらう。

Q6口臭がひどく片側でしか噛まない病気

8歳のチワワ。以前から口臭が強かったが、最近フードを左側だけで噛み、硬いおやつを落とすようになった。口を開けて見ると歯に茶色い歯石がつき、歯ぐきが赤く腫れて少し血がにじんでいる。ここ数日はくしゃみをして鼻から少し血が出た。

最も適切な対応はどれか

  1. 歯周病の進行を疑い、数日以内に受診して歯科検診と処置の相談をする
  2. 人用の歯磨き粉で毎日ゴシゴシ磨き、歯石が取れるまで続ける
  3. 硬い骨のおやつを与えて、噛むことで歯石を自然に落とさせる
  4. 鼻血は乾燥のせいと判断し、加湿器をつけて様子を見る

正解A.歯周病の進行を疑い、数日以内に受診して歯科検診と処置の相談をする

解説小型犬は小さな口に歯が密集し歯周病になりやすい。口臭・歯石・歯ぐきの出血・片側で噛む・くしゃみや鼻血は歯周病が進行し、歯根が鼻腔に達している可能性を示す。数日以内に受診し、麻酔下歯石除去や抜歯の相談をする。人用歯磨き粉はキシリトールやフッ素を含み犬に有害で、腫れた歯ぐきを強く磨くと悪化する。硬い骨は歯が折れる原因になり、歯周病の解決にはならない。鼻血を乾燥と決めつけると根尖膿瘍や顎の骨の溶解を見逃す。

課題口臭という初期サインを長期間放置し、歯磨き習慣がなかった。年1回の歯科検診も受けていない。歯周病が鼻や顎、さらに心臓や腎臓にも影響する全身病であることを知らなかった。

改善案犬用歯磨きペーストで毎日の歯磨きを習慣化し、嫌がる場合は指サックやガーゼから慣らす。年1回は歯科検診を受け、必要なら麻酔下での歯石除去を行う。小粒で歯ざわりの良いドライフードを選ぶ。口臭・よだれ・片側で噛むサインを見たら早めに受診する。

Q7朝から嘔吐3回、水を飲んでも吐く病気

4歳のヨークシャーテリア(体重2.5kg)。朝6時に黄色い液体を吐き、その後9時と11時にも嘔吐した。水を飲むとすぐ吐いてしまう。便はゆるく、ぐったりして寝てばかりいる。歯ぐきを押すと色が戻るのが遅い気がする。飼い主は午後から用事があり迷っている。

最も適切な対応はどれか

  1. 水をたっぷり飲ませて脱水を防ぎ、翌朝まで様子を見る
  2. 半日で脱水・低血糖になりうるため、吐物を撮影し用事を延期して当日受診する
  3. 胃を休めるため丸1日絶食・絶水し、翌日から少しずつ食べさせる
  4. 人用の胃薬を少量与え、吐き気が止まるか確認する

正解B.半日で脱水・低血糖になりうるため、吐物を撮影し用事を延期して当日受診する

解説体重2.5kgの小型犬は体内の水分量が少なく、嘔吐と下痢が続くと半日で脱水と低血糖に陥る。1日に2回以上の嘔吐は当日受診の目安であり、水を飲んでも吐く・ぐったり・歯ぐきの色が戻りにくいのは脱水が進んだサインで用事を延期して受診すべきだ。吐物の写真は診断の重要な情報になる。水を一度に大量に飲ませると胃が刺激されて嘔吐が増える。丸1日絶水は小型犬では致命的な脱水を招く。人用の胃薬は犬に適さない成分や用量で、原因を隠して受診を遅らせる。

課題3回目の嘔吐まで受診をためらい、自分の予定を優先しかけた。小型犬が脱水に弱い体格であることの理解が浅く、受診基準を決めていなかった。歯ぐきの色で脱水を判断する方法も曖昧だった。

改善案1日2回以上の嘔吐・下痢は当日受診と決めておく。吐物や便は写真に撮り、最後の食事時刻と体重を記録して獣医に伝える。水は少量ずつ頻回に与える。かかりつけと夜間救急の受付時間を把握し、預け先や家族の協力体制も用意しておく。

Q8水を大量に飲み尿の回数が増えた高齢犬病気

12歳の避妊していないメスのシーズー。2週間前から水皿がすぐ空になり、室内トイレのシーツが今までの倍濡れている。食欲はあるが体重が少し減り、最近は元気がない。今朝はお尻から少し茶色い液体が出て、お腹がいつもより張っている気がする。

最も適切な対応はどれか

  1. 水の飲みすぎが原因と考え、水皿を下げて飲む量を制限する
  2. 老化による自然な変化と判断し、来年の健診まで待つ
  3. 子宮蓄膿症や腎臓病などを疑い、飲水量を記録して当日中に受診する
  4. 食欲があるので問題ないと考え、フードを減らして体重を戻す

正解C.子宮蓄膿症や腎臓病などを疑い、飲水量を記録して当日中に受診する

解説多飲多尿は腎臓病・糖尿病・クッシング症候群などの重要なサインで、未避妊の高齢メス犬で陰部からの排出物とお腹の張りがあれば子宮蓄膿症が強く疑われる。子宮蓄膿症は数日で敗血症に進み命に関わるため、当日中の受診が必要だ。飲水量の記録(1日体重1kgあたり50mlが目安)は診断の助けになる。水を制限すると脱水と病状の悪化を招き危険だ。老化と決めつけると治療可能な病気を見逃す。食欲があっても病気は進行しており、フードを減らすだけでは意味がない。

課題2週間前から多飲多尿という明確なサインがあったのに受診を先延ばしにした。未避妊の高齢メスが子宮蓄膿症のリスクを持つことを知らなかった。日常の飲水量を把握していなかったため異常の程度を判断できなかった。

改善案普段から飲水量とトイレの回数を把握し、目安を超える日が続けば受診する。高齢犬は年2回の健康診断と血液検査を受ける。避妊手術の有無によるリスクを獣医と相談する。陰部の汚れ・お腹の張り・元気消失は緊急サインと覚えておく。

Q9目やにと涙やけが急に増え目を細める病気

3歳のトイプードル。梅雨の時期、いつもの涙やけに加えて左目から黄緑色の目やにが出るようになった。左目をしょぼしょぼと細め、前足で顔をこすっている。目の表面が少し白く濁って見える。前日、庭の草むらで遊んでいた。

最も適切な対応はどれか

  1. 角膜の傷や感染を疑い、こすらないよう見守って当日か翌日に眼科受診する
  2. 人用の目薬を差して、目やにが減るまで数日様子を見る
  3. 涙やけ用のウェットティッシュで目の中まで拭き取って清潔にする
  4. 梅雨の湿気が原因と考え、除湿すれば治ると判断して待つ

正解A.角膜の傷や感染を疑い、こすらないよう見守って当日か翌日に眼科受診する

解説片側だけの黄緑色の目やに、目を細める、顔をこする、角膜の白濁は角膜潰瘍や細菌感染の可能性が高い。草むらで遊んだ後なら植物の種や枝で角膜を傷つけたことも考えられる。小型犬は眼球が突出気味で角膜の傷が深くなりやすく、放置すると穿孔に至るため当日または翌日には受診する。こすると傷が広がるのでエリザベスカラーで防ぐ。人用の目薬はステロイド入りだと潰瘍を悪化させ危険だ。目の中を拭くと角膜をさらに傷つける。湿気は涙やけの要因だが、白濁や痛みの説明にはならない。

課題普段から涙やけがあるため、目の異常を「いつものこと」と見過ごしそうになった。草むらでの遊び後に目のチェックをしていなかった。人用目薬を犬に使うリスクを知らなかった。

改善案涙やけは毎日ぬるま湯で目の周りだけを拭き、その際に目の色・目やにの色・充血を確認する習慣にする。草むらや芝生で遊んだ後は目と体をチェックする。人用の薬を自己判断で使わない。エリザベスカラーを常備し、目を気にしたらすぐ装着する。

Q10食後に苦しそうにお腹が張って吐けない病気

9歳のミニチュアダックス。夕食後に激しく遊んだ1時間後から落ち着きなく歩き回り、何度も吐こうとするが泡のような唾液しか出ない。お腹が太鼓のように張ってきて、触ると痛がる。呼吸が速く、歯ぐきが白っぽい。時刻は22時。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. お腹をマッサージしてガスを出し、げっぷが出れば安心して寝かせる
  2. 胃拡張・胃捻転を疑い、何も飲食させず夜間救急に電話して即搬送する
  3. 食べ物を吐かせるため塩を舐めさせ、吐いたら様子を見る
  4. 消化を助けるため少量の水と消化剤を与え、朝一番で受診する

正解B.胃拡張・胃捻転を疑い、何も飲食させず夜間救急に電話して即搬送する

解説食後の運動直後に吐こうとしても吐けない、お腹が太鼓のように張る、歯ぐきが白いという症状は胃拡張・胃捻転の典型で、大型犬に多いが胸の深いダックスでも起こる。数時間で血流が止まりショック死するため、何も与えず夜間救急に連絡して即搬送する。マッサージは捻れた胃や脾臓を損傷する危険がある。塩で吐かせるのは塩中毒を起こすうえ、捻転した胃からは吐けず状態を悪化させる。水や消化剤も胃に入らず、朝まで待てば手遅れになる。

課題食後すぐの激しい運動というリスク行動をさせていた。胃捻転が小型犬でも起こることを知らず、夜間救急の連絡先も把握していなかった。歯ぐきの色を見てショックの徴候を判断する知識が不足していた。

改善案食後1〜2時間は激しい運動をさせず、食事は1日2〜3回に分けて早食いを防ぐ。夜間救急の連絡先と所要時間を調べて玄関に貼る。歯ぐきの色・呼吸数を平常時に確認しておき、異常の判断基準にする。移動用キャリーとタオルはすぐ出せる場所に置く。

Q11留守番後にぐったりし数秒気を失った病気

11歳のポメラニアン。冬の夕方、飼い主が帰宅すると玄関で興奮して吠えた直後、ふらついて横に倒れ、数秒間ぐったりして反応がなくなった。すぐに起き上がって普通に歩いたが、舌の色が一瞬白くなった気がする。以前から散歩を嫌がり、夜に咳をすることがあった。

最も適切な対応はどれか

  1. すぐ回復したので問題なしと考え、翌週の健診で報告する
  2. 興奮させないよう安静にし、失神の状況を記録して当日中に心臓の検査を受ける
  3. 貧血と判断し、レバーなど鉄分の多いおやつを与えて回復を待つ
  4. 元気を確認するため散歩に連れ出し、再び倒れないか確かめる

正解B.興奮させないよう安静にし、失神の状況を記録して当日中に心臓の検査を受ける

解説興奮直後の失神、舌の色の変化、夜の咳、散歩を嫌がる症状は高齢小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症など心臓病の兆候であり、失神は心臓が十分に血液を送れなかったサインだ。自然に回復しても再発すれば突然死につながるため、興奮させず安静にして当日中に聴診・心エコーを受ける。失神の時刻・持続時間・直前の状況を記録すると診断に役立つ。翌週まで待つのは危険で、貧血と自己判断しておやつを与えても根本原因は解決しない。散歩で負荷をかけて確かめるのは再失神と急死を招く行為である。

課題夜の咳と散歩嫌いという心臓病の初期サインを長期間放置していた。帰宅時に興奮させる習慣が心臓に負担をかけていた。失神を「すぐ回復した」と軽視する判断ミスもあった。

改善案6歳以降は年1回の聴診・心エコーを受け、咳・運動不耐性が出たらすぐ受診する。帰宅時は静かに接し、興奮を最小限にする。安静時呼吸数を定期的に記録する。失神が起きた時は動画や時刻を記録し、夜間救急の連絡先をすぐ使えるようにしておく。

Q12去勢後の肥満犬が急に足を引きずり座り込む病気

6歳のパグ(体重12kg、理想体重の1.5倍)。真夏の昼過ぎ、アスファルトの散歩から帰宅すると左後ろ足を地面につけず、座り込んで動かない。触ると膝の内側を痛がる。以前から時々スキップ歩行をしていたが、放置していた。呼吸が荒く、口を大きく開けている。

最も適切な対応はどれか

  1. 足だけの問題と判断し、氷で膝を冷やして数日様子を見る
  2. 膝の脱臼か靭帯損傷を疑い安静にしつつ、暑さで呼吸も荒いため涼しい場所で冷やし当日受診する
  3. 痛みを忘れさせるため水遊びをさせ、動けるようになったら様子を見る
  4. 足を引っ張って伸ばし、痛みが引くまでマッサージしてから散歩を再開する

正解B.膝の脱臼か靭帯損傷を疑い安静にしつつ、暑さで呼吸も荒いため涼しい場所で冷やし当日受診する

解説スキップ歩行を放置していた肥満犬が急に足をつけなくなった場合、膝蓋骨脱臼の進行や前十字靭帯断裂が疑われる。無理に触らず安静にし、当日受診が必要だ。同時に、短頭種のパグが真夏の散歩後に口を開けて荒い呼吸をしているのは熱中症の初期の可能性があり、涼しい場所に移して体を冷やすことも優先する。氷で冷やして数日待つと靭帯損傷が悪化する。水遊びで動かせば関節を傷める。足を引っ張る・マッサージは損傷を広げ、その後の散歩再開は熱中症も膝も悪化させる。

課題肥満が膝への負担と熱中症リスクの両方を高めていた。以前からのスキップ歩行を放置し、真夏の昼にアスファルトを歩かせるという判断ミスが重なった。短頭種の暑さへの弱さも軽視していた。

改善案獣医と相談して減量計画を立て、おやつを減らして体重を適正にする。夏は早朝・夜間に散歩し、地面を手で触って熱ければ中止する。フローリングにマットを敷き、スキップ歩行が出た時点で受診する。冷却マットと保冷剤を用意し、呼吸が荒ければすぐ冷やす。

Q13抱っこ中に暴れて床に落ちた怪我

1歳のチワワ(体重1.8kg)。来客が立ったまま抱き上げたところ、暴れて約1mの高さからフローリングに落ちた。「キャン」と鳴いた後、右前足を地面につけずに3本足で歩いている。足先が少し変な方向に曲がって見え、触ろうとすると唸る。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 曲がった足を手でまっすぐに戻し、包帯を巻いて固定する
  2. 歩けているので骨折ではないと判断し、翌日まで様子を見る
  3. 足を動かさないようタオルを敷いた箱に入れ、当日中に受診する
  4. 痛みを紛らわせるためおやつを与え、歩かせて回復を確かめる

正解C.足を動かさないようタオルを敷いた箱に入れ、当日中に受診する

解説小型犬は骨が細く、1m程度の落下でも前足の骨折が非常に多い。足をつけない・変な方向に曲がっている・触ると唸るのは骨折の典型で、足をぶらぶらさせないようタオルを敷いた箱やキャリーに入れ、当日中に受診する。折れた骨を素人が戻そうとすると神経や血管を傷つけ、痛みでショックを起こすこともある。3本足で歩けても骨折は否定できず、放置すると骨がずれて手術が複雑になる。歩かせるのは骨折を悪化させる。

課題来客が立ったまま抱き上げることを許してしまった。小型犬の抱っこは座って行うという基本ルールを来客に伝えていなかった。骨折しやすい体格への理解が不足していた。

改善案家族と来客に「抱っこは必ず座って、暴れたら床に降ろす」ルールを徹底する。来客時は犬の落ち着く場所やクレートに入れ、無理に抱かせない。ソファ・ベッドにはスロープを設置する。落下時の搬送用に箱とタオルを備え、かかりつけの受付時間を把握しておく。

Q14ドッグランで大型犬に噛まれた怪我

3歳のトイプードル(体重3kg)。休日のドッグランで、飼い主が目を離した隙に大型犬に背中を噛まれ振り回された。見た目は背中に小さな傷が2か所あるだけで、犬は震えながらも歩ける。出血は少なく、傷口はすぐ乾いた。飼い主は「たいしたことない」と言われて迷っている。

最も適切な対応はどれか

  1. 傷が小さいので消毒液を塗り、翌日腫れていたら受診する
  2. 歩けるので帰宅し、家で安静にして夜まで様子を見る
  3. 自分の口で傷を吸い出し、絆創膏を貼って家に帰る
  4. 小さな傷でも内臓損傷の恐れがあるため、流水で洗い圧迫して即受診する

正解D.小さな傷でも内臓損傷の恐れがあるため、流水で洗い圧迫して即受診する

解説大型犬の咬傷は牙が深く刺さり、皮膚の穴が小さくても内側では筋肉の裂傷や肋骨骨折、肺や内臓の損傷が起きていることが多い。振り回された場合はなおさら危険で、歩けていても数時間後にショックを起こす例がある。流水で洗い、圧迫止血しながら即受診し、レントゲンや超音波で内部を確認してもらう。消毒液を塗って翌日まで待つと感染と内出血が進行する。帰宅して様子見も同様に危険だ。口で傷を吸うとパスツレラ症など人獣共通感染症のリスクがあり、絆創膏は犬の傷に適さない。

課題ドッグランで小型犬エリアを使わず、大型犬と混在する場所で目を離していた。咬傷の見た目と内部損傷の重さが一致しないことを知らず、周囲の言葉に流されそうになった。

改善案ドッグランでは必ず小型犬エリアを使い、常に目を離さない。他の犬に近づける時は抱き上げず、距離を取る。咬傷は「傷が小さくても必ず受診」と決めておく。相手の飼い主の連絡先とワクチン接種状況を確認する。応急処置用にガーゼと清潔なタオルを携帯する。

Q15散歩中に足の裏から出血が止まらない怪我

4歳のミニチュアシュナウザー(体重6kg)。夕方の散歩で歩道のガラス片を踏み、左前足の肉球から出血した。血が点々と道に落ち、家に戻る5分間も止まらない。犬は足を舐めようとし、肉球に1cmほどの裂け目が見える。飼い主は水道と救急箱の前にいる。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 流水で洗った後、清潔なガーゼで5分以上圧迫し、止まらなければ即受診する
  2. 止血剤代わりに小麦粉を傷に押し込み、血が固まるのを待つ
  3. 犬に舐めさせて自然に治るのを待ち、翌日腫れたら受診する
  4. 輪ゴムで足首をきつく縛って血を止め、そのまま一晩置く

正解A.流水で洗った後、清潔なガーゼで5分以上圧迫し、止まらなければ即受診する

解説肉球は血流が豊富で出血が止まりにくく、体重6kgの小型犬は少量の出血でも全身への影響が大きい。流水で異物と汚れを流し、清潔なガーゼで5分以上圧迫する。傷は心臓より高く保ち、止まらなければ即受診し、ガラス片が残っていないか確認と縫合をしてもらう。小麦粉は傷に異物を残し感染の原因になる。舐めると細菌が入り傷が広がる。輪ゴムで縛るのは血流を止めて組織を壊死させる危険な方法で、一晩放置は絶対に避ける。

課題散歩中に足元の危険物を確認していなかった。出血時の圧迫止血の基本手順を知らず、民間療法や危険な縛り方に頼ろうとした。散歩用の応急処置セットを携帯していなかった。

改善案散歩は明るい時間帯を選び、ガラス片や落下物のある場所を避ける。ガーゼ・包帯・ペット用の靴を散歩バッグに入れる。圧迫止血の手順(5分以上・心臓より高く)を家族全員が覚える。帰宅後は毎回肉球を確認し、傷があれば早めに対処する。

Q16熱いお茶をこぼして背中に火傷怪我

2歳のポメラニアン。冬の夜、飼い主がテーブルで熱いお茶を倒し、足元にいた犬の背中にかかった。犬は悲鳴を上げて逃げ、被毛が濡れている。毛をかき分けると皮膚が赤くなっている部分が手のひら大ある。犬は痛がって背中を触らせない。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 氷を直接患部に当てて強く冷やし、痛みが引くまで押さえる
  2. 人用の火傷薬やアロエを塗り、包帯で覆って翌朝受診する
  3. 患部を流水またはぬるめの水で10分以上冷やし、当日中に受診する
  4. 毛が濡れたのでドライヤーで温風乾燥し、皮膚を乾かして様子を見る

正解C.患部を流水またはぬるめの水で10分以上冷やし、当日中に受診する

解説火傷は熱が皮膚の奥に伝わり続けるため、まず流水やぬるめの水で10分以上冷やして深部への進行を止める。被毛の下は火傷の範囲が見た目より広いことが多く、手のひら大の赤みは小型犬の体表面積に対して大きいため当日中に受診する。氷を直接当てると凍傷を起こし、小型犬は体温低下も招く。人用の薬やアロエは成分が刺激になり、包帯で覆うと熱がこもって悪化する。ドライヤーの温風は火傷を進行させ、皮膚をさらに傷める。

課題熱い飲み物のあるテーブルの足元に犬がいる状態を放置していた。小型犬は足元にまとわりつく習性があり、こぼれた液体が直接体にかかる位置にいることを想定していなかった。火傷の応急処置手順も曖昧だった。

改善案熱い飲み物や鍋を扱う時は犬をクレートやゲートの向こうに移す。テーブルの端に飲み物を置かない。火傷時は流水10分以上冷却が原則と覚え、氷や自己判断の薬を使わない。冬は暖房器具やこたつのコードにも注意し、低温火傷も防ぐ。

Q17遊び中に爪が根元から折れて出血怪我

5歳のマルチーズ。カーペットの上で走り回っていた時、伸びた前足の爪が引っかかり根元から折れた。爪の付け根から血がにじみ、犬は足を上げてしきりに舐めようとする。よく見ると狼爪が伸びて内側に巻いており、他の爪も長い。

最も適切な対応はどれか

  1. 折れた爪を根元から引き抜き、消毒して自然治癒を待つ
  2. ガーゼで圧迫止血し舐めさせないよう保護して、当日〜翌日に受診する
  3. 血が止まれば問題ないので、そのまま遊びを続けさせる
  4. 人用の消毒液を大量にかけて絆創膏を巻き、そのまま1週間放置する

正解B.ガーゼで圧迫止血し舐めさせないよう保護して、当日〜翌日に受診する

解説爪の根元には血管と神経が通っており、根元からの折れは出血と強い痛みを伴い、感染すると指の骨まで及ぶことがある。ガーゼで圧迫止血し、エリザベスカラーなどで舐めるのを防ぎ、当日か翌日に受診して折れた爪の処置と消毒をしてもらう。素人が折れた爪を引き抜くと激痛と大量出血を起こす。血が止まっても割れた爪が残ると感染源になる。人用消毒液の多用は組織を傷め、絆創膏を1週間巻いたままでは蒸れて化膿する。

課題爪切りを怠り、狼爪が巻くほど伸びた状態で放置していた。伸びた爪は滑って膝の脱臼にもつながる。2〜3週に1回の爪切りという基本ケアの頻度を守れていなかった。

改善案爪は2〜3週に1回切り、狼爪も忘れず確認する。自分で難しい場合はトリミングサロンや動物病院で定期的に切ってもらう。止血剤(ペット用)とガーゼを常備し、爪切り時の出血にも対応できるようにする。カーペットのループ状の毛足も爪が引っかかる原因なので見直す。

Q18ソファから飛び降りて後ろ足を引きずる怪我

7歳のミニチュアダックス(体重8kg)。夜、飼い主が座っていたソファ(高さ45cm)から飛び降りた瞬間に悲鳴を上げ、その後右後ろ足を引きずっている。腰のあたりを触ると痛がる。抱こうとすると背中を丸め震える。5分経っても立ち上がろうとしない。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 足だけの打撲と判断し、抱き上げて撫でながら落ち着かせる
  2. ヘルニアや骨折を疑い、背骨を水平に保ってクレートに入れ即受診する
  3. 歩けるようになるまで床の上で自由にさせ、朝まで様子を見る
  4. 痛み止めとして人用の鎮痛剤を与え、翌日まで安静にする

正解B.ヘルニアや骨折を疑い、背骨を水平に保ってクレートに入れ即受診する

解説胴長のダックスがソファから飛び降りた後の悲鳴、後ろ足の異常、腰の痛み、背中を丸める姿勢は椎間板ヘルニアの急性発症か骨盤・大腿骨の骨折を疑う。いずれも動かすと悪化するため、胸と腰を両手で水平に支えてクレートに入れ、即受診する。後ろ足が突然動かない状態は今すぐ受診の基準に該当する。抱いて撫でると背骨がたわみ脊髄損傷を広げる。床で自由にさせると動いて悪化し、朝まで待つと麻痺が固定化する。人用の鎮痛剤は犬に有害で症状を隠す。

課題ヘルニア好発犬種のダックスにソファへの昇り降りを許していた。スロープを設置せず、飛び降りの危険を軽視していた。体重も理想よりやや重く、背骨に負担がかかっていた。

改善案ソファやベッドにスロープや階段を設置し、飛び降りをさせない。フローリングは滑り止めマットで覆う。体重管理を徹底する。抱き方は胸と腰を水平に支える方法を家族全員が習得する。夜間救急の連絡先と搬送用クレートを準備しておく。

Q19散歩中に他の小型犬とけんかし耳が裂けた怪我

4歳のパピヨン。散歩中にすれ違った小型犬と急に取っ組み合いになり、引き離した時には左耳の先が2cmほど裂けて出血していた。耳を振るたびに血が飛び散り、周囲の壁にも血がつく。犬は興奮していて落ち着かず、頭を振り続けている。時刻は夕方で、かかりつけはまだ開いている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 傷を清潔なガーゼで挟んで頭に固定するよう圧迫し、当日中に受診する
  2. 血が飛び散るので家に走って帰り、犬を風呂で洗って出血を落とす
  3. 耳は治りやすいので瞬間接着剤で裂け目を貼り合わせる
  4. 興奮を鎮めるためおやつを与え、血が止まるまで散歩を続ける

正解A.傷を清潔なガーゼで挟んで頭に固定するよう圧迫し、当日中に受診する

解説耳は血管が豊富で薄いため、小さな裂傷でも出血が多く、頭を振るたびに再出血して止まりにくい。清潔なガーゼで裂け目を両側から挟み、耳を頭に沿わせて包帯やバンダナで固定して圧迫する。小型犬は少量の出血でも影響が大きいため、当日中に受診して縫合と感染予防をしてもらう。走って帰ると興奮でさらに頭を振り、風呂で洗うと血が固まらず出血が続く。瞬間接着剤は組織を傷め感染源になる。散歩を続けると出血が止まらず傷も汚れる。

課題すれ違う犬との距離を取らず、相手との接触を許した。小型犬同士でも咬傷事故は起きる。散歩中に使える応急処置用品を持っておらず、耳の出血が止まりにくいという知識もなかった。

改善案他の犬とすれ違う時はリードを短く持ち、相手の飼い主の許可なく近づけない。散歩バッグにガーゼ・包帯・伸縮バンダナを入れて耳や足の圧迫固定に備える。相手の飼い主の連絡先とワクチン状況を確認する。かかりつけの当日受付時間を把握する。

Q20階段から転げ落ちて口から血が出た怪我

10歳のヨークシャーテリア(体重2.8kg)。2階から降りようとして階段(12段)を途中まで転がり落ちた。立ち上がったが左前足を上げ、口の端から少し血が出て、下顎の犬歯が欠けている。呼吸は速く、しばらく震えた後、飼い主の膝でおとなしくしている。

最も適切な対応はどれか

  1. おとなしくしているので落ち着いたと考え、翌朝まで寝かせる
  2. 口の血は歯の欠けが原因と判断し、歯だけ後日歯科で見てもらう
  3. 頭部打撲と骨折の可能性を考え、動かさず箱に入れ保温して今すぐ受診する
  4. 痛みを確かめるため全身を強く押して反応を見てから判断する

正解C.頭部打撲と骨折の可能性を考え、動かさず箱に入れ保温して今すぐ受診する

解説階段からの転落は落下事故と同じく小型犬の骨折・頭部外傷・内臓損傷の代表的原因である。前足を上げる、口からの出血、歯の欠け、速い呼吸は複数の損傷を示し、おとなしいのはショックの可能性もある。動かさずタオルを敷いた箱に入れ保温して、今すぐ受診する。翌朝まで放置すると内出血や脳の腫れが進む。歯だけの問題と決めつけると足の骨折や頭蓋の損傷を見逃す。全身を強く押すのは骨折部を悪化させ、痛みでショックを深める行為である。

課題高齢犬が階段を自由に昇り降りできる環境で、ゲートを設けていなかった。転落後の「おとなしい」状態をショックではなく回復と誤解しかけた。搬送の準備や保温の必要性も認識していなかった。

改善案階段の上下にペットゲートを設置し、高齢犬は1階だけで生活できる環境にする。落下・転落後は「歩けても即受診」と決めておく。搬送用の箱とタオル、毛布を玄関近くに常備する。歯ぐきの色・呼吸数を平常時に把握し、ショック徴候の判断に使う。

Q21毛玉の下に赤くただれた皮膚と傷怪我

6歳のトイプードル。3か月トリミングに行けておらず、脇の下と耳の後ろにフェルト状の毛玉ができている。夏の朝、犬が脇を気にして噛んでおり、毛玉をめくると皮膚が赤くただれ、じくじくした傷と嫌な臭いがする。小さな白い虫のようなものが動いている。

最も適切な対応はどれか

  1. 毛玉をハサミで皮膚ごと切り落とし、傷に消毒液をかけて様子を見る
  2. 自宅でシャンプーして毛玉を洗い流し、乾かしてから翌週トリミングに行く
  3. 毛玉を無理に取らず患部を保護し、皮膚炎と寄生虫を疑って当日中に受診する
  4. 人用の虫除けスプレーと軟膏を塗って、虫がいなくなるまで待つ

正解C.毛玉を無理に取らず患部を保護し、皮膚炎と寄生虫を疑って当日中に受診する

解説毛玉の下は蒸れて細菌が繁殖し、皮膚炎から傷が広がる。夏に傷の中で白い虫が動いているのはハエの幼虫(ウジ)が寄生した可能性が高く、放置すると組織を食い進み全身状態が悪化する。無理に毛玉を取ると皮膚を裂くため、患部を保護して当日中に受診し、バリカンでの除毛・洗浄・駆除を受ける。ハサミで毛玉を切ると皮膚を切る事故が非常に多い。シャンプーは毛玉を固くし、傷を悪化させる。人用の虫除けや軟膏は犬に有害で、寄生の根本解決にならない。

課題プードルは毎日のブラッシングと月1回のトリミングが必要な犬種なのに、3か月放置した。毛玉の下の皮膚状態を確認する習慣がなく、夏の高温多湿で皮膚炎と寄生が急速に進んだ。

改善案プードルは毎日ブラッシングし、月1回はトリミングを予約して習慣化する。脇・耳の後ろ・内股など毛玉ができやすい部位を週に一度チェックする。夏は湿度40〜60%に保ち、体を蒸らさない。皮膚の赤み・臭い・気にして噛む行動を見たら早めに受診する。

Q22リードが絡まり足がうっ血して腫れた怪我

3歳のチワワ。庭で長いリードにつないで遊ばせていたところ、リードが右後ろ足に何重にも絡まった状態で20分ほど放置されていた。気づいた時には足先が紫色に腫れ、犬は足を引きずり、触ると痛がって噛もうとする。リードの跡が深く残っている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 絡まったリードを慎重に外し、足を締め付けない状態で保温して即受診する
  2. 腫れを引かせるため足を冷水につけ、色が戻ったら様子を見る
  3. 血流を促すため足を強くマッサージし、動かせるか走らせて確かめる
  4. 腫れは自然に引くので、そのまま夜まで放置する

正解A.絡まったリードを慎重に外し、足を締め付けない状態で保温して即受診する

解説リードが強く巻きついて血流が20分以上遮断されると、うっ血から組織の壊死へ進む。まず締め付けを丁寧に解き、それ以上足を締めない状態でタオルに包んで保温し、即受診する。血流再開後に組織の損傷や皮膚の壊死、骨折の有無を診断してもらう必要がある。冷水につけると血管が収縮して血流回復を妨げ、小型犬の体温も奪う。強いマッサージや走らせる行為は損傷した組織や血管をさらに傷める。放置すれば壊死が進み、足を失うこともある。

課題長いリードで庭に放置し、犬から目を離していた。小型犬は細い足にリードや紐が巻きつきやすく、絡まりの重症化が早い。20分の放置は監視不足そのものであり、犬の悲鳴や動きの異常に気づけなかった。

改善案庭で遊ばせる時は柵で囲い、長いリードでのつなぎ放しをやめる。つなぐ場合も短時間にして目を離さない。絡まりにくい短いリードや伸縮しないタイプを選ぶ。噛もうとする痛みの強い犬の扱い方(タオルで包む)を知っておき、搬送用の箱を用意する。

Q23子どもが走ってきて犬を踏んでしまった事故

2歳のトイプードル(体重3kg)。休日の昼、リビングで遊んでいた6歳の子どもが走ってきて、足元にいた犬の胴体を踏んだ。犬は大きく叫んだ後、隅に逃げて震えている。しばらくして歩き出したが、呼吸が浅く速く、お腹を触ると嫌がる。おしっこに少し血が混じった気がする。

最も適切な対応はどれか

  1. 歩けたので打撲程度と判断し、子どもを叱って終わりにする
  2. 痛みを和らげるためお腹を優しくマッサージし、寝かせておく
  3. 内臓損傷や内出血を疑い、安静にして呼吸を観察しながら当日中に受診する
  4. 食欲があるか確認するためフードを与え、食べたら問題なしとする

正解C.内臓損傷や内出血を疑い、安静にして呼吸を観察しながら当日中に受診する

解説小型犬の踏みつけ事故は家庭内で最も多く、叫んだ後に歩けても内臓損傷や内出血、肋骨骨折が隠れていることがある。呼吸が浅く速い、お腹を嫌がる、血尿は膀胱や肝臓・脾臓の損傷を示すサインで、安静にして呼吸と歩き方を観察しながら当日中に受診し、超音波やレントゲンで確認してもらう。歩けるからと軽視すると数時間後に腹腔内出血でショックを起こす。お腹のマッサージは損傷した臓器の出血を増やす。フードを与えると手術が必要な時に麻酔のリスクが上がる。

課題家の中で子どもが走る環境を許し、犬が足元にまとわりつく習性への対策がなかった。踏みつけ後に「歩ける=大丈夫」と判断しがちで、内臓損傷のサインを知らなかった。

改善案子どもに家の中で走らないこと、犬がいる場所を確認して歩くことを教える。人が多く動く時間帯はクレートやサークルで犬を守る。踏みつけ後は呼吸数・歯ぐきの色・尿の色を数時間観察し、異常があれば即受診と決めておく。かかりつけの当日受付時間を把握する。

Q24引き戸に挟まり悲鳴の後ぐったり事故

4歳のチワワ(体重2kg)。風の強い日、開いていた引き戸が勢いよく閉まり、通り抜けようとした犬の胸から腹を挟んだ。悲鳴を上げた後、床に横たわり呼吸が速く浅い。歯ぐきの色が白っぽく、呼びかけに弱く反応する程度。口から少し泡が出ている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 抱き上げて胸を強く押し、呼吸を整えてから落ち着くまで待つ
  2. 水を飲ませて落ち着かせ、動けるようになるまで床で見守る
  3. 動画を撮って状態を記録し、SNSで対処法を尋ねる
  4. 首を伸ばして気道を確保しつつタオルを敷いた箱に入れて保温し、即受診する

正解D.首を伸ばして気道を確保しつつタオルを敷いた箱に入れて保温し、即受診する

解説胸と腹を挟まれた小型犬が横たわり、速く浅い呼吸、白い歯ぐき、反応の低下、口から泡という状態は肺の損傷(気胸・肺挫傷)や内臓損傷によるショックを示す。首を伸ばして舌を出し気道を確保し、タオルを敷いた箱に静かに入れて保温したうえで、夜間でも即受診する。体重2kgの犬の内出血は数分で致命的になる。胸を押すのは肋骨骨折や肺損傷を悪化させる。水を飲ませると誤嚥する。動画やSNSは時間の浪費で、この状態では1分の遅れが命に関わる。

課題小型犬はドアや引き戸のすき間に挟まれやすいのに、ドアストッパーやすき間ふさぎを設置していなかった。風の強い日に戸を開け放しにしていたことも事故の直接原因。ショック徴候の見分け方と気道確保の方法を知らなかった。

改善案すべてのドアと引き戸にストッパーを設置し、風のある日は戸を固定するか閉め切る。リクライニングチェアやソファのすき間にも注意する。搬送用の箱・タオル・毛布を玄関に常備する。気道確保の手順と歯ぐきの色によるショック判断を家族で共有し、夜間救急の連絡先を貼っておく。

Q25玄関のすき間から逃げ出して姿が見えない事故

1歳のミニチュアダックス。夕方、宅配便を受け取る際に玄関を開けた隙に足元をすり抜けて外に飛び出した。飼い主が名前を呼びながら走って追いかけると、犬はさらに速く走り、100m先の交差点の方へ向かっていった。首輪に迷子札はなく、マイクロチップも未登録。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 全力で追いかけて捕まえ、捕まえたら叱って二度としないよう教える
  2. 追うのをやめてしゃがみ、明るい声で名前を呼び、おやつを見せて戻るのを待つ
  3. 大声で叱りながら追いかけ、危険を犬に知らせる
  4. 自転車で先回りして道を塞ぎ、驚かせて家の方向へ追い込む

正解B.追うのをやめてしゃがみ、明るい声で名前を呼び、おやつを見せて戻るのを待つ

解説犬は追いかけられると遊びや恐怖で逃げ続け、交差点に飛び出す危険が増す。追うのをやめてしゃがみ、低い姿勢で明るく名前を呼びおやつを見せると、飼い主への依存が強い小型犬は戻ってきやすい。戻ったら絶対に叱らず褒める。追いかけて捕まえて叱ると「戻ると怒られる」と学習し、次回はさらに逃げる。大声で叱るのも恐怖で逃走を強める。先回りして驚かせるのはパニックで車道へ飛び出す原因になる。捕まらない場合は交番・保健所・動物病院へ連絡し、SNSでも情報を出す。

課題玄関にゲートがなく、来客対応時の脱走対策が皆無だった。迷子札・鑑札・マイクロチップも未装着で、逃げた時に身元を証明する手段がなかった。追いかけて叱るという逆効果の対応も知識不足による。

改善案玄関にペットゲートを設置し、来客対応時はクレートかリビングのドアを閉めてから開ける。鑑札と迷子札を首輪に付け、マイクロチップを登録する。「おいで」の練習を日常的に行い、戻ったら必ず褒める習慣にする。近所の保健所・交番・動物病院の連絡先を控えておく。

Q26コードを噛んで感電し口が焦げている事故

生後5か月のトイプードル。冬の夜、こたつの延長コードを噛んでいるのに気づいた時には「キャン」と鳴いて倒れ、口の端が白く焦げていた。コードはまだコンセントに刺さったまま。犬は数秒後に起き上がったが、よだれを垂らし呼吸が速く、咳をしている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. すぐ犬を抱き上げてコードから引き離し、口の中を水で洗う
  2. 起き上がったので大丈夫と判断し、口の火傷に軟膏を塗って寝かせる
  3. まずコンセントを抜いて電源を切り、犬を保温して呼吸を観察しながら即受診する
  4. 咳を止めるため背中を叩き、水を飲ませて落ち着かせる

正解C.まずコンセントを抜いて電源を切り、犬を保温して呼吸を観察しながら即受診する

解説感電事故では、通電中の犬に触れると救助者も感電するため、まずコンセントを抜くかブレーカーを落として電源を切る。口の火傷は見た目より深く、感電は数時間後に肺水腫を起こして呼吸困難になることがあるため、起き上がっても保温して呼吸を観察し即受診する。通電中に抱き上げるのは二次感電の危険がある。軟膏を塗って寝かせると肺水腫を見逃す。背中を叩く・水を飲ませる行為は呼吸を悪化させ、火傷した口に水は痛みと誤嚥の原因になる。

課題歯の生え変わり期の子犬は何でも噛む時期で、コードがむき出しの環境に放置していた。冬はこたつやヒーターのコードが増え、感電リスクが高まることを想定していなかった。感電後の遅発性肺水腫についての知識がなかった。

改善案すべてのコードにカバーやコードボックスをつけ、使わないコンセントは抜くかキャップをする。子犬が留守番する時はコードのない部屋かサークル内で過ごさせる。噛んでよい知育トイを与え、噛む欲求を満たす。感電時の手順「電源を切ってから触る・即受診」を家族で共有する。

Q27リクライニングチェアの隙間に挟まった事故

8歳のチワワ。夕方、飼い主がリクライニングチェアを起こした瞬間、椅子の下に潜っていた犬が背もたれの隙間に後ろ足を挟まれた。すぐ椅子を戻して解放したが、犬は左後ろ足を上げて震え、足首が腫れてきた。触ると鳴くが、ゆっくり3本足で歩く。

最も適切な対応はどれか

  1. 足首を回して動きを確かめ、動けば捻挫と判断して湿布を貼る
  2. 歩けているので安心し、腫れが引くまで数日様子を見る
  3. 足を引っ張って骨の位置を確かめ、痛がらなければ放置する
  4. 骨折や脱臼の恐れがあるため足を動かさず箱に入れ、当日中に受診する

正解D.骨折や脱臼の恐れがあるため足を動かさず箱に入れ、当日中に受診する

解説リクライニングチェアやソファの可動部に挟まる事故は小型犬に多く、細い足は挟まれただけで骨折や脱臼を起こす。足を上げて震える、腫れる、触ると鳴くのは骨折の典型であり、足をぶらぶらさせないようタオルを敷いた箱に入れ、当日中にレントゲンを受ける。足首を回すのは折れた骨をずらし神経や血管を傷つける。人用の湿布は成分が犬に有害で、舐めると中毒を起こす。3本足で歩けても骨折は否定できず、数日待つと骨がずれて手術が複雑になる。足を引っ張るのも同様に危険だ。

課題リクライニングチェアの下や可動部に犬が入り込む習性を把握しておらず、動かす前に犬の位置を確認する習慣がなかった。小型犬の「挟まれ事故」がドア以外の家具でも起きることを知らなかった。

改善案リクライニングチェアやソファベッドを動かす前に犬の位置を確認するルールを家族で徹底する。可動部の隙間をクッションで塞ぐか、犬が入り込めないようカバーをつける。人が家具を動かす時はクレートに入れる。搬送用の箱とタオルを備え、かかりつけの当日受付時間を把握しておく。

Q28川遊びで流され水を飲んでぐったり事故

3歳のミニチュアダックス。夏の川原でリードを外して遊ばせていたところ、浅瀬から足を滑らせて流され、20mほど下流で飼い主が引き上げた。引き上げた直後は咳き込んで水を吐いたが、その後ぐったりして呼吸が速く、体が冷たい。口からピンク色の泡が少し出ている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 逆さに持って振り、肺の水をすべて出してから乾かして様子を見る
  2. 水を吐いたので回復したと考え、日なたで乾かして遊びを続ける
  3. タオルで体を拭いて保温し、頭をやや低くして気道を確保しながら即受診する
  4. 冷たい水を飲ませて体内を洗い流し、落ち着いたら車で帰る

正解C.タオルで体を拭いて保温し、頭をやや低くして気道を確保しながら即受診する

解説溺水では肺に入った水で肺水腫が起こり、引き上げ後に一度回復しても数時間後に呼吸不全になることがある。ピンク色の泡は肺水腫のサインで、体を拭いて保温し、頭をやや低く首を伸ばして気道を確保しながら即受診する。逆さに持って振ると小型犬の首や背骨を傷め、肺の水は出ないうえ胃の内容物を誤嚥する。水を吐いたからと回復扱いにして遊びを続けると遅発性の肺水腫を見逃す。冷たい水を飲ませるのは低体温を進め、誤嚥の危険もある。

課題胴長短足のダックスは泳ぎが苦手なのに、川でリードを外し、ライフジャケットも着けていなかった。川の流れの危険を軽視し、溺水後の遅発性肺水腫の知識がなかった。保温の必要性も認識していなかった。

改善案水辺では必ずライフジャケットを着け、リードは外さない。小型犬は水温で体温を奪われやすいので、濡れた後はすぐ拭いて保温する。溺水後は「回復して見えても必ず受診」と決めておく。遠出の際は現地の動物病院と夜間救急の場所を事前に調べる。

Q29車内で自由にしていて急ブレーキで座席から落下事故

5歳のポメラニアン。ドライブ中、後部座席で自由にさせていたところ、急ブレーキで前の座席との隙間に頭から落ちた。悲鳴を上げた後、座席に戻ろうとするがふらつき、右前足をつけない。頭を振り、片方の瞳孔が大きく見える。嘔吐を1回した。

最も適切な対応はどれか

  1. 頭部外傷と骨折を疑い、動かさずキャリーに入れて最寄りの動物病院へ直行する
  2. 犬が座席に戻りたがるので抱き上げて膝の上に乗せ、目的地まで走る
  3. 嘔吐は車酔いと判断し、窓を開けて休憩してから運転を続ける
  4. 足を伸ばして骨の状態を確認し、痛がらなければそのまま帰宅する

正解A.頭部外傷と骨折を疑い、動かさずキャリーに入れて最寄りの動物病院へ直行する

解説車内での急ブレーキによる落下は小型犬の骨折と頭部外傷の典型的な原因である。ふらつき、左右で瞳孔の大きさが違う、嘔吐は脳震盪や頭蓋内出血の重要なサインで、足をつけないのは骨折の疑い。動かさずキャリーに入れ、最寄りの動物病院へ直行し、状況を伝えて診てもらう。膝の上に乗せて走行を続けると再度の事故で悪化し、頭部外傷の観察もできない。嘔吐を車酔いと片付けると頭蓋内の異常を見逃す。足を伸ばして確認するのは骨折を悪化させる。

課題車内で犬を固定せず自由にさせていた。急ブレーキや事故で犬が飛ばされる危険を軽視し、キャリーやシートベルト付きハーネスを使っていなかった。頭部外傷のサイン(瞳孔の左右差・嘔吐)の知識もなかった。

改善案車内では必ずクレートに入れて座席に固定するか、ドライブ用ハーネスでシートベルトに接続する。クレートは急ブレーキで動かない位置に置く。遠出の前に経路上の動物病院を調べておく。落下後は「ふらつき・瞳孔の左右差・嘔吐」があれば即受診と覚える。

Q30散歩中にカラスに襲われ頭から出血事故

生後6か月のチワワ(体重1.2kg)。春の朝、公園で伸縮リードを長く伸ばして歩かせていたところ、巣の近くにいたカラスが急降下して頭をつついた。犬は頭頂部から出血し、パニックで走り回っている。血は毛に染みる程度だが、目の上にも傷がある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 傷は小さいので帰宅後に消毒し、腫れなければそのまま様子を見る
  2. カラスを追い払うために石を投げ、犬はその間放して安全な場所へ逃がす
  3. 落ち着かせるため公園のベンチで犬を撫で、血が止まるまで座って待つ
  4. すぐ抱き上げてその場を離れ、傷をガーゼで押さえて当日中に受診する

正解D.すぐ抱き上げてその場を離れ、傷をガーゼで押さえて当日中に受診する

解説超小型犬や子犬はカラスや猛禽類に襲われることがあり、繁殖期のカラスは巣の近くで攻撃的になる。まず抱き上げてカラスの縄張りから離れ、傷をガーゼで押さえて止血する。くちばしによる傷は深く、目の近くの傷は角膜損傷や感染の恐れがあるため当日中に受診する。帰宅後まで放置すると傷が化膿し、目の傷が悪化する。石を投げて犬を放すのは犬が逃走したり再度襲われたりする危険がある。ベンチで座って待つのはカラスの縄張り内にとどまることになり、二次攻撃を受けかねない。

課題体重1.2kgの子犬を伸縮リードで長く離して歩かせ、カラスの巣が近い春の公園で目を離していた。小型犬が野鳥の標的になることや、繁殖期のカラスの危険を知らなかった。

改善案超小型犬や子犬は伸縮リードを使わず、短いリードで常に手元に置く。春〜初夏はカラスの巣がある場所を避け、庭でも目を離さない。ガーゼと清潔なタオルを散歩バッグに入れる。目の近くの傷は必ず当日受診と決めておく。

Q31テーブルの上のぶどうを数粒食べていた中毒・誤飲

3歳のミニチュアダックス(体重5kg)。昼、飼い主が席を外した5分の間に、テーブルに置いてあった皮つきぶどうを4〜5粒食べたらしく、皮の残骸が床に散っている。犬は元気で普通に歩き、吐いてもいない。飼い主は「少量だから」と迷っている。

最も適切な対応はどれか

  1. 元気なので様子を見て、嘔吐や下痢が出たら受診する
  2. 食べた量と時刻を確認し、症状がなくてもすぐ動物病院に連絡して受診する
  3. 塩を舐めさせて吐かせ、吐いたら問題なしとする
  4. 水をたくさん飲ませて薄め、翌日の便に皮が出れば安心する

正解B.食べた量と時刻を確認し、症状がなくてもすぐ動物病院に連絡して受診する

解説ぶどう・レーズンは犬に急性腎不全を起こす食品で、中毒量に個体差が大きく少量でも発症する。小型犬は体が小さいため相対的に危険量に達しやすい。症状は数時間〜数日後に現れるため、元気でも食べた直後の受診が最も効果的で、催吐処置や点滴で腎臓を守ることができる。症状が出てからでは腎障害が進んでいる。塩で吐かせるのは塩中毒を起こし、吐いても吸収分は残る。水で薄める効果はなく、便に皮が出ても中毒物質はすでに吸収されている。

課題犬が届くテーブルの上に危険な食品を置き、目を離した。ぶどうが犬に有毒であること、小型犬は少量でも中毒量に達しやすいことを知らなかった。「元気だから」と症状の出方を理解せずに判断しかけた。

改善案ぶどう・レーズン・玉ねぎ・チョコレート・キシリトールは犬の届く場所に絶対に置かない。食事中や調理中は犬をサークルやクレートに入れる。「有毒食品を食べたら症状がなくてもすぐ連絡」と決め、かかりつけと夜間救急の電話番号をすぐ見える場所に貼る。

Q32キシリトールガムを袋ごと食べた直後中毒・誤飲

2歳のトイプードル(体重2.8kg)。夜21時、バッグから落ちたキシリトールガムのボトルを噛み破り、10粒ほど食べたらしい。30分後にふらつき始め、ぐったりして体が震えている。歯ぐきは白っぽく、立とうとして倒れる。かかりつけは閉まっている時間。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. ガムを吐かせるためオキシドールを飲ませ、吐いたら朝まで様子を見る
  2. 眠らせれば回復すると考え、毛布で温めて翌朝かかりつけに行く
  3. 低血糖を疑い砂糖水を歯ぐきに塗って保温し、夜間救急に連絡して即搬送する
  4. 牛乳を飲ませて胃を保護し、様子を見ながらネットで対処法を調べる

正解C.低血糖を疑い砂糖水を歯ぐきに塗って保温し、夜間救急に連絡して即搬送する

解説キシリトールは犬でインスリンを急激に分泌させ、30分〜1時間で重度の低血糖を起こし、その後肝不全に進む。体重2.8kgで10粒は極めて危険な量だ。ふらつき・震え・虚脱は低血糖の症状で、砂糖水を歯ぐきに塗り(飲ませない)、保温して夜間救急に連絡し即搬送する。オキシドールは食道や胃を傷め、意識が低下した犬に飲ませると誤嚥するうえ、すでに吸収されているため効果が薄い。翌朝まで待つと低血糖で脳障害や死に至る。牛乳は効果がなく、ネット検索は時間を浪費する。

課題キシリトール製品を犬の届くバッグに入れたまま床に置いていた。キシリトールが小型犬にとって少量でも致命的であること、発症の速さを知らなかった。夜間救急の連絡先も事前に把握していなかった。

改善案キシリトール入りガム・飴・歯磨き粉は犬の届かない引き出しやクローゼットに保管し、バッグは床に置かない。ガムシロップや砂糖を常備して低血糖に備える。夜間救急の連絡先・所要時間を冷蔵庫に貼る。誤食に気づいたら症状がなくても即連絡する習慣を持つ。

Q33ヘアゴムを飲み込んで翌日から嘔吐中毒・誤飲

1歳のマルチーズ(体重2.5kg)。2日前に洗面所でヘアゴムを1本飲み込んだのを見たが、元気だったので放置していた。今朝から嘔吐を3回繰り返し、食べても吐く。便が出ておらず、お腹を触ると硬く痛がる。ぐったりして水も飲まない。

最も適切な対応はどれか

  1. 腸閉塞を疑い、飲食させずに誤飲の日時と物を伝えて即受診する
  2. 便を出すため人用の下剤を与え、ゴムが出るまで待つ
  3. ゴムを吐かせるために大量の水と食塩を飲ませる
  4. お腹をマッサージしてゴムを腸の先へ送り、翌日の便を確認する

正解A.腸閉塞を疑い、飲食させずに誤飲の日時と物を伝えて即受診する

解説ヘアゴム・ボタン・ピアスなど小物の誤飲は小型犬に多く、細い腸で詰まると腸閉塞を起こす。繰り返す嘔吐・便が出ない・お腹が硬く痛がる・ぐったりは閉塞の典型で、腸の壊死や穿孔に進む前に即受診し、レントゲンや超音波で確認して摘出手術が必要か判断してもらう。誤飲した日時と物の種類を正確に伝える。下剤は詰まった腸を刺激して穿孔の危険を高める。食塩で吐かせるのは塩中毒を起こし、詰まった物は吐けない。お腹のマッサージは腸を傷つけ、閉塞を悪化させる。

課題誤飲を目撃したのに「元気だから」と2日間放置した判断ミスが最大の問題。小型犬は小物の誤飲で腸閉塞になりやすいことを軽視し、洗面所に小物を放置する環境も改善していなかった。

改善案誤飲を目撃したら無理に吐かせず、症状がなくてもその日のうちに受診して確認する。ヘアゴム・ボタン・ピアス・薬・果物の種は蓋つき容器にしまい、洗面所や寝室のドアを閉める。目玉やボタンのついたおもちゃを避ける。嘔吐が2回以上続いたら当日受診と決めておく。

Q34落ちていた人の薬を舐めたかもしれない中毒・誤飲

9歳のシーズー(体重6kg)。飼い主の祖母が薬を飲む際に落とした錠剤(血圧の薬と人用鎮痛剤)が床に数粒散らばり、片付けた時に1〜2粒足りなかった。犬は落ちた場所のそばにいて口をもぐもぐしていた。今のところ症状はない。

最も適切な対応はどれか

  1. 1粒程度なら影響はないと考え、翌日まで様子を見る
  2. 人用の薬なので安全と判断し、水を多めに飲ませておく
  3. 無理に吐かせず、薬の名前と用量がわかる包装を持って直ちに動物病院に連絡・受診する
  4. 牛乳と食べ物で薬を薄め、便に出るのを待つ

正解C.無理に吐かせず、薬の名前と用量がわかる包装を持って直ちに動物病院に連絡・受診する

解説人用の鎮痛剤や血圧の薬は犬にとって少量でも中毒量になり、特に体重6kgの小型犬では1錠で腎不全・胃穿孔・血圧低下を起こしうる。症状は数時間後に現れるため、症状がなくても直ちに動物病院に連絡し、薬の名前・成分・用量がわかる包装を持って受診する。早期なら催吐処置や吸着剤で吸収を防げる。1粒でも影響は大きく、翌日まで待つと処置の機会を失う。人用だから安全という考えは誤りで、水を飲ませても中毒は防げない。牛乳や食べ物は薬の吸収を早めることもあり、便に出るのを待つ間に臓器が傷む。

課題高齢者が薬を扱う場所に犬がいる環境で、落とした薬の回収確認が不十分だった。人用の薬が犬に強い毒性を持つこと、小型犬は特に中毒量に達しやすいことを家族が知らなかった。

改善案薬は犬のいない部屋か高い場所で扱い、飲む時はテーブルの上で行う。落とした場合は必ず数を確認し、犬を別室に移してから拾う。家族全員に人用薬の危険を伝える。誤飲時は薬の包装や説明書を持参する。動物病院と夜間救急の番号を薬箱に貼っておく。

Q35散歩中に道端の緑の粒を食べて震え出した中毒・誤飲

4歳のパピヨン(体重4kg)。夕方の散歩で花壇の縁に落ちていた青緑色の粒を数粒食べてしまった。20分後に大量のよだれ、震え、ふらつきが始まり、歩けなくなった。足が硬直し短いけいれんを繰り返す。花壇にはナメクジ駆除剤の袋が置いてあった。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. けいれんを止めるため口に指を入れて舌を押さえ、抱きしめて落ち着かせる
  2. 動画を撮りながら家に連れ帰り、翌朝かかりつけに相談する
  3. 水を大量に飲ませて毒を薄め、吐くまで背中を叩く
  4. けいれん中は触らず周囲の危険物を除き、駆除剤の袋を撮影して夜間救急へ即搬送する

正解D.けいれん中は触らず周囲の危険物を除き、駆除剤の袋を撮影して夜間救急へ即搬送する

解説ナメクジ駆除剤(メタアルデヒド)は犬に強い神経毒性があり、よだれ・震え・けいれんが急速に進み、体重4kgの小型犬では少量で致命的になる。けいれん中は口に手を入れたり抱きしめたりせず、頭をぶつけないよう周囲の物を除き、駆除剤の袋を撮影して成分を確認できるようにし、夜間救急へ即搬送する。口に指を入れると噛まれ、犬も誤嚥する。翌朝まで待つと高体温と多臓器不全で死亡する。けいれん中に水を飲ませるのは誤嚥を招き、背中を叩いても毒は出ない。

課題散歩中に拾い食いを止められなかった。小型犬は地面の粒状の物を口にしやすく、花壇や畑周辺の駆除剤・農薬の危険を意識していなかった。けいれん時の対処法と夜間救急の場所を把握していなかった。

改善案散歩は短いリードで足元を見ながら歩き、花壇・畑・駐車場の周辺では特に注意する。「拾い食いしない」トレーニングを行い、口輪も選択肢にする。けいれん時は「触らず・周囲を安全に・時間を計る」を覚える。夜間救急の連絡先と所要時間を携帯に登録する。

Q36真夏の停電で室温が上がり呼吸が荒い環境・災害

8歳のパグ(体重9kg)。8月の午後、落雷で停電しエアコンが止まった。2時間後に帰宅すると室温は34℃、犬は口を大きく開けてハアハアと激しく呼吸し、よだれが糸を引いている。歯ぐきは真っ赤で、ふらつきながら水皿に向かうが飲めない。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 氷水に全身を浸けて一気に体温を下げ、震えたら出す
  2. 涼しい場所へ移し、常温の水をかけて風を当てながら体を冷やし、動物病院へ連絡して搬送する
  3. 冷たい水をボウルいっぱいに飲ませ、扇風機で乾かしてから様子を見る
  4. エアコンが復旧するまで玄関で待ち、復旧後に冷やす

正解B.涼しい場所へ移し、常温の水をかけて風を当てながら体を冷やし、動物病院へ連絡して搬送する

解説室温34℃で短頭種のパグが激しい開口呼吸、糸を引くよだれ、真っ赤な歯ぐき、ふらつきを示すのは熱中症で、命に関わる状態だ。涼しい場所へ移し、常温の水を体にかけて風を当て、内股や首に保冷剤をタオル越しに当てながら動物病院へ連絡して搬送する。冷やしながら移動することが重要である。氷水に浸けると血管が収縮して熱が逃げにくくなり、ショックを招く。大量の水を一度に飲ませると嘔吐・誤嚥する。復旧を待つのは時間の浪費で、熱中症は分単位で悪化する。

課題真夏に停電の可能性を考えず、エアコン以外の暑さ対策がなかった。短頭種の熱中症リスクの高さを軽視し、留守中の室温を監視する手段もなかった。熱中症の初期対応の手順を知らなかった。

改善案夏は冷却マット・凍らせたペットボトル・遮光カーテンを併用し、停電時にも数時間しのげる環境を作る。スマホ連動の温度計で外出先から室温を確認する。長時間の留守は家族や預け先に頼む。熱中症対応キット(保冷剤・タオル・霧吹き)を用意し、緊急連絡先を把握する。

Q37冬の夜、停電で震えが止まらない子犬環境・災害

生後4か月のチワワ(体重1kg)。1月の深夜、大雪で停電し暖房が止まった。室温は8℃まで下がり、犬はサークルの中で体を丸めて激しく震え、耳と足先が冷たい。呼びかけには反応するが動きが鈍い。夕食は食べたが、次の食事は朝の予定だった。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 使い捨てカイロを直接体に貼り、毛布でぐるぐる巻きにして朝まで寝かせる
  2. お湯を沸かして熱い湯たんぽを直接抱かせ、震えが止まるまで密着させる
  3. 毛布で包んで飼い主の体温で温め、湯たんぽはタオル越しに置き、少量の糖分を与えて低血糖も防ぐ
  4. 寒さに慣れさせるため何もせず、震えが止まれば問題ないと判断する

正解C.毛布で包んで飼い主の体温で温め、湯たんぽはタオル越しに置き、少量の糖分を与えて低血糖も防ぐ

解説体重1kgの子犬は体温調節が苦手で、室温8℃では低体温と、寒さでエネルギーを消費することによる低血糖が同時に起こる。毛布で包み飼い主の体温で温め、湯たんぽはタオルで包んで直接触れないようにし、少量のフードやガムシロップで低血糖を防ぐ。反応が鈍くなったり、体が冷たくぐったりすれば即受診する。カイロや熱い湯たんぽを直接当てると低温火傷を起こし、皮膚感覚の鈍った状態では気づけない。震えが止まるのは温まった証拠とは限らず、低体温が進み震える力を失った危険な状態の場合もある。

課題冬に停電が起きた時の暖房代替手段を用意していなかった。超小型犬の子犬が寒さに極端に弱く、低体温と低血糖を同時に起こす体質への理解が浅かった。湯たんぽやカイロの使い方の知識も不足していた。

改善案冬は毛布・ドーム型ベッド・犬用の服を用意し、停電時用に湯たんぽやタオルで包める保温材を備える。室温が20℃を下回らない工夫をし、温度計を犬の高さに置く。子犬期は1日3〜4回の給餌を守り、寒い夜は就寝前に少量与える。ガムシロップを常備する。

Q38地震の直後に犬が家具の隙間に隠れた環境・災害

6歳のミニチュアダックス。夜、震度5強の地震が発生し、揺れの直後に犬がパニックで倒れた本棚と壁の隙間に潜り込んだ。余震が続く中、呼んでも出てこず、震えて唸っている。飼い主は避難の準備をしたいが、無理に引き出すと噛まれそうだ。ガラスの破片が床に散っている。

最も適切な対応はどれか

  1. 手を突っ込んで首輪をつかんで引きずり出し、すぐ抱えて外へ避難する
  2. 犬は自分で逃げると考え、犬を残して先に避難所へ向かう
  3. 落ち着くまで数時間待ち、余震が収まってから避難を考える
  4. 低い声で名前を呼び、おやつとクレートを隙間の前に置いて自分から入るのを待ち、入ったら扉を閉めて避難する

正解D.低い声で名前を呼び、おやつとクレートを隙間の前に置いて自分から入るのを待ち、入ったら扉を閉めて避難する

解説地震でパニックになった犬は恐怖で噛みつくことがあり、狭い隙間から無理に引き出すと飼い主が咬傷を負い、犬も骨折や脱臼を起こす。低い声で落ち着かせ、おやつと普段使うクレートを置いて自分から入るよう誘導し、入ったら扉を閉めてそのまま同行避難する。クレート避難は避難所でも必要になる。首輪をつかんで引きずるのは咬傷と気管虚脱の危険がある。犬を残すと余震での家具転倒やガラスでの怪我、脱走のリスクが高い。数時間待つと避難のタイミングを失い、ガラス片で犬が足を切る危険もある。

課題地震時の避難行動を犬と一緒に想定しておらず、クレートに慣らす訓練やおやつでの誘導を日常的に行っていなかった。家具の固定が不十分で、犬が隠れる隙間と落下物の危険を作っていた。

改善案クレートを「安心できる場所」として日常的に使い、合図で入る練習をする。家具を固定し、ガラス飛散防止フィルムを貼る。避難用バッグ(フード5日分・水・薬・ペットシーツ・写真・鑑札情報)を玄関に置く。自治体のペット同行避難のルールを確認し、避難所での預け方を家族で共有する。

Q39避難所で他の犬と一緒にケージが並んだ環境・災害

4歳のトイプードル。台風で避難所に同行避難し、ペットスペースに大型犬や猫のケージが隣接して並んでいる。犬は吠え続けて水も飲まず、下痢を始めた。ワクチン証明書は持ってきていない。隣の大型犬が激しく咳をしており、飼い主は「風邪」と言っている。

最も適切な対応はどれか

  1. 咳をする犬から距離を取れるようケージの配置を管理者に相談し、布で目隠しして落ち着かせ、水と食事を少量ずつ与える
  2. ストレス解消のためケージから出し、他の犬と自由に遊ばせる
  3. 下痢は環境の変化のせいなので放置し、水も落ち着くまで与えない
  4. 吠えを止めるため人用の睡眠薬を少量与えて眠らせる

正解A.咳をする犬から距離を取れるようケージの配置を管理者に相談し、布で目隠しして落ち着かせ、水と食事を少量ずつ与える

解説避難所ではケンネルコフなどの感染症が動物間で広がりやすく、咳をする犬の隣は感染リスクが高い。管理者に相談してケージを離し、布で目隠しして視覚刺激を減らすと吠えとストレスが軽減する。小型犬は半日の下痢と絶水で脱水・低血糖になるため、水と食事は少量ずつ頻回に与え、下痢が続けば避難所の獣医師や動物救護本部に相談する。他の犬と遊ばせるのは感染と咬傷事故の危険がある。水を与えないのは脱水を進める。人用の睡眠薬は犬に有害で命に関わる。

課題避難用バッグにワクチン証明書・普段のフード・目隠し用の布が入っておらず、避難所での感染症リスクと小型犬の脱水の速さを想定していなかった。クレートに慣らす訓練も不十分でストレスが強く出た。

改善案避難用バッグにワクチン証明書のコピー・フード5日分・水・折りたたみ皿・目隠し布・ペットシーツ・常備薬を入れる。混合ワクチンと狂犬病予防注射を毎年受けておく。クレートで静かに過ごす練習を日常的に行う。自治体の避難所ペットルールと動物救護本部の連絡先を事前に確認する。

Q40梅雨の高湿度で皮膚が赤く涙やけも悪化環境・災害

5歳のマルチーズ。梅雨に入り室内の湿度が80%を超える日が続いている。ベッドは湿って臭い、犬は脇や指の間を頻繁に舐め、皮膚が赤くベタついている。目の周りは涙やけが茶色く広がり、耳からも酸っぱい臭いがする。室温は25℃で窓は閉め切り。

最も適切な対応はどれか

  1. 赤い部分に人用のかゆみ止めを塗り、舐めないよう靴下を履かせて放置する
  2. 除湿して湿度を40〜60%に保ち、寝具を洗って乾かし、皮膚と耳は数日以内に受診する
  3. 皮膚を乾かすため毎日シャンプーし、ドライヤーの熱風でしっかり乾かす
  4. 梅雨が明ければ自然に治るので、そのまま夏まで待つ

正解B.除湿して湿度を40〜60%に保ち、寝具を洗って乾かし、皮膚と耳は数日以内に受診する

解説小型犬の適正湿度は40〜60%で、多湿はマラセチアなどの皮膚炎・外耳炎・涙やけを悪化させる。除湿機やエアコンの除湿で湿度を下げ、湿った寝具を洗って完全に乾かし、赤い皮膚と臭う耳は感染が進む前に数日以内に受診して治療を受ける。人用のかゆみ止めはステロイドや成分が犬に不適切で、靴下で蒸れると悪化する。毎日のシャンプーは皮脂を奪い皮膚のバリアを壊し、熱風は皮膚を傷める。梅雨明けまで待てば皮膚炎が慢性化し、外耳炎は鼓膜まで進む。

課題湿度計を置いておらず、室内の湿度管理を意識していなかった。湿った寝具を放置し、皮膚と耳の異常サインを日常的に確認する習慣がなかった。多湿が皮膚病・涙やけの原因になるという知識も不足していた。

改善案犬の生活空間に温湿度計を置き、湿度40〜60%・室温22〜26℃を維持する。梅雨は除湿機を使い、寝具は週1回洗って完全に乾かす。涙やけは毎日ぬるま湯で拭き、耳は週1回臭いと汚れを確認する。脇・指の間・耳の赤みを見たら早めに受診する。

Q41遊びで噛まれた手が翌日腫れて熱い感染症・衛生

2歳のトイプードルと遊んでいた飼い主が、引っ張りっこ中に指を軽く噛まれた。傷は小さく血もすぐ止まったので水で軽く流しただけで放置した。翌日、指が赤く腫れて熱を持ち、ズキズキと痛む。飼い主は普段から犬と口移しでおやつを与えている。

飼い主が取るべき最も適切な対応はどれか

  1. 犬を噛み癖があると判断し、しつけ教室に預けてから自分の傷を消毒する
  2. 小さな傷なので市販の絆創膏を貼り、腫れが引くまで様子を見る
  3. 犬の口内細菌による感染(パスツレラ症など)を疑い、当日中に人の病院を受診する
  4. 腫れた指を犬に舐めさせて自然治癒を促し、翌週まで待つ

正解C.犬の口内細菌による感染(パスツレラ症など)を疑い、当日中に人の病院を受診する

解説犬の口内にはパスツレラ菌が常在し、小さな咬み傷でも人に感染して数時間〜翌日に赤い腫れ・熱感・強い痛みを起こす。放置すると骨髄炎や敗血症に進むこともあるため、腫れて熱を持った時点で当日中に人の病院を受診し抗菌薬治療を受ける。咬傷直後は流水で10分洗い、傷が深ければすぐ受診するのが基本だ。犬のしつけは別問題で、感染の治療が先である。絆創膏で様子見は感染を進める。犬に舐めさせるのは菌をさらに入れる行為で、口移しの習慣もパスツレラ症のリスクになる。

課題咬傷後の洗浄が不十分で、小さな傷を軽視して人の病院を受診しなかった。口移しでおやつを与える習慣があり、人獣共通感染症への意識が低かった。引っ張りっこで手を噛まれやすい遊び方も見直す必要がある。

改善案噛まれたら流水で10分洗い、腫れ・熱感が出たら当日中に人の病院へ行く。口移しやキスの習慣をやめ、犬に触れた後は手を洗う。引っ張りっこは長めのロープで手と口の距離を保つ。「離せ」の合図を教え、犬の歯磨きで口内環境を整える。

Q42円形の脱毛が見つかり子どもの腕にも赤い輪感染症・衛生

生後7か月のミニチュアダックス。ペットショップから迎えて2か月。顔と前足に直径2cmほどの円形脱毛が見つかり、皮膚がフケっぽい。同じ頃、いつも犬と一緒に寝ている5歳の子どもの腕に赤い輪状の発疹ができ、かゆがっている。家にはもう1匹、老犬がいる。

最も適切な対応はどれか

  1. 犬は皮膚糸状菌症を疑って受診し、子どもも皮膚科へ、老犬と寝具を分け触れた後は手洗いを徹底する
  2. 脱毛は換毛期と判断し、子どもの発疹は虫刺されとして市販薬を塗る
  3. 犬を丸洗いして人用の水虫薬を塗り、子どもとの添い寝は続ける
  4. 老犬にうつらないよう子犬を屋外に出し、治るまで庭で飼う

正解A.犬は皮膚糸状菌症を疑って受診し、子どもも皮膚科へ、老犬と寝具を分け触れた後は手洗いを徹底する

解説円形脱毛とフケは皮膚糸状菌症(真菌感染)の典型で、感染犬の皮膚や毛に触れた人にも輪状の発疹としてうつる人獣共通感染症である。犬は数日以内に受診して培養検査と抗真菌治療を受け、子どもは皮膚科へ、老犬とは寝具・ブラシを分けて隔離し、触れた後の手洗いと寝具・カーペットの清掃を徹底する。換毛期に円形脱毛は起きず、子どもの輪状発疹も虫刺されとは異なる。人用の水虫薬は犬に不適切で、添い寝を続ければ感染が広がる。屋外飼育は寒さに弱い小型犬に危険で、菌の胞子は環境に残るため隔離としても不十分だ。

課題迎えた直後の健康診断で皮膚の状態を確認していなかった。子どもと犬が添い寝する習慣があり、人獣共通感染症のリスクを認識していなかった。多頭飼育での隔離や寝具分けの準備もなかった。

改善案新しい犬を迎えたら先住犬と接触させる前に健康診断を受ける。円形脱毛・フケ・かゆみを見たら受診し、判明するまで子どもとの添い寝をやめる。犬ごとに寝具・ブラシを分け、触れた後は手洗いする。カーペットや寝具は掃除機と洗濯で胞子を除く。

Q43海外旅行先で野良犬に手を噛まれた感染症・衛生

家族で東南アジアを旅行中、5歳の子どもが路上の犬に手を差し出して指を噛まれた。出血は少なく、子どもは泣いているが元気。同行した飼い主は自宅の小型犬の狂犬病予防注射を「日本は清浄国だから」と数年受けさせていない。旅行はあと3日残っている。

最も適切な対応はどれか

  1. 傷が小さいので消毒して絆創膏を貼り、帰国後に日本の病院で診てもらう
  2. 傷を流水と石けんで15分洗い、現地で即日医療機関を受診して狂犬病の曝露後ワクチンを相談する
  3. 犬が元気そうだったので狂犬病の心配はないと判断し、旅行を続ける
  4. 犬を探して捕まえ、症状の有無を確認してから受診を決める

正解B.傷を流水と石けんで15分洗い、現地で即日医療機関を受診して狂犬病の曝露後ワクチンを相談する

解説狂犬病は発症すればほぼ100%死亡する人獣共通感染症で、東南アジアなど流行地で犬に噛まれた場合は傷の大小にかかわらず曝露と考える。傷を流水と石けんで15分以上洗い、現地の医療機関を即日受診して曝露後ワクチン(必要なら免疫グロブリン)を開始する。ワクチンは早いほど有効で、帰国後まで3日待つのは危険だ。咬んだ犬が元気に見えてもウイルスを排出していることがある。野良犬を捕まえに行くのは二次咬傷の危険があり、観察できても接種を遅らせる理由にはならない。

課題流行地で子どもが野良犬に触れるのを止めなかった。自宅の犬の狂犬病予防注射を怠っており、狂犬病への危機感が家族全体で低かった。海外での咬傷対応と現地医療機関の情報を事前に調べていなかった。

改善案海外では野良犬・野生動物に絶対に触れないと子どもに教える。渡航前に狂犬病流行地か確認し、必要なら曝露前ワクチンを受ける。自宅の犬は年1回の狂犬病予防注射を法的義務として必ず受け、登録を更新する。旅行先の医療機関と海外旅行保険の連絡先を控えておく。

Q44ベッドで一緒に寝る犬の便に白い虫感染症・衛生

生後5か月のチワワ。飼い主とベッドで毎晩一緒に寝ており、寝る前のトイレは家族が交代で片付けている。今朝、便の中に白く細長い虫が数匹動いているのを発見した。犬はお腹が張って少し下痢気味。家には2歳の幼児がおり、犬のトイレの近くで遊ぶことがある。

最も適切な対応はどれか

  1. 虫は自然に出たので問題ないと考え、便を捨てて今まで通り一緒に寝る
  2. 市販の人用虫下しを犬に与え、幼児には特に何もしない
  3. 便を袋に入れて数日以内に受診して駆虫し、幼児との接触を管理し便はすぐ処理、寝具は洗濯する
  4. 犬を庭で飼うようにして、家族との接触をなくす

正解C.便を袋に入れて数日以内に受診して駆虫し、幼児との接触を管理し便はすぐ処理、寝具は洗濯する

解説便中の白い虫はイヌ回虫の可能性が高く、卵が便から手や土を介して人の口に入ると幼児で内臓や眼に移行する人獣共通感染症である。便を袋に入れて数日以内に受診し、検便と適切な駆虫薬の処方を受ける。便は排泄後すぐ処理して手を洗い、幼児がトイレ周辺で遊ばないようにし、寝具を洗濯する。放置すれば卵が環境に蓄積し家族全員のリスクになる。人用の虫下しは犬に不適切で幼児のリスク管理にもならない。屋外飼育は寒さに弱い小型犬に危険で、庭の土に卵が広がり逆効果になる。

課題定期駆虫を行っておらず、子犬期の寄生虫チェックが不十分だった。犬とベッドで寝る・幼児がトイレの近くで遊ぶという環境で、便からの感染経路を認識していなかった。便の処理後の手洗い習慣も曖昧だった。

改善案子犬は迎えた時と数週間ごとに検便し、獣医の指示で定期駆虫を行う。フィラリア予防薬と合わせて月1回の内部寄生虫予防を続ける。便は排泄後すぐ処理し、処理後は必ず手を洗う。幼児は犬のトイレに近づけず、犬と寝る場合は駆虫が完了してからにする。

Q45呼びかけに反応せず呼吸が止まっている救命救急

7歳のチワワ(体重2.5kg)。心臓病で通院中。夜、ソファの下で横たわっているのを発見した。名前を呼んでも耳をつまんでも反応がなく、胸の動きが見えない。内股の付け根に指を当てても脈が触れない。舌は青紫色で、口から少しよだれが出ている。夜間救急まで車で15分。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 右を下に寝かせて片手で胸を挟み、1分100〜120回のテンポで圧迫し30回ごとに鼻から2回息を吹き込みながら救急へ向かう
  2. 強く揺さぶって名前を大声で呼び続け、反応が戻るまで待つ
  3. 人と同じように両手を重ねて胸の中央を全体重で押し、口から強く息を吹き込む
  4. 動かすと危険なのでそのまま寝かせ、夜間救急に電話して指示を待つ

正解A.右を下に寝かせて片手で胸を挟み、1分100〜120回のテンポで圧迫し30回ごとに鼻から2回息を吹き込みながら救急へ向かう

解説反応なし・呼吸なし・脈なしは心停止で、直ちに心肺蘇生を始める。小型犬は右を下に寝かせ、片手で胸を挟むように持ち、親指と他の指で胸の厚みの3分の1が沈む強さで1分100〜120回圧迫する。30回押したら口を閉じて鼻から2回息を吹き込み、2分ごとに脈を確認しながら受診まで続ける。同乗者がいれば圧迫を続けながら搬送する。揺さぶって待つのは酸素が届かず脳障害が進む。人と同じ両手全体重の圧迫は体重2.5kgの犬の肋骨と内臓を壊す。動かさず電話で指示を待つだけでは心停止からの数分を失う。

課題心臓病で通院中の犬が急変するリスクを想定しながら、心肺蘇生の手順を練習していなかった。夜間に一人で対応する場合の搬送手段も決めていなかった。急変時の判断と行動を事前に準備していなかった。

改善案小型犬の心肺蘇生(片手で胸を挟む・1分100〜120回・30回ごとに鼻から2回)を獣医に教わり、ぬいぐるみで練習する。心臓病の犬は安静時呼吸数を毎日記録し、急変の前兆を把握する。夜間救急の連絡先と搬送を手伝ってくれる家族・近隣の協力体制を作る。

Q46落下後に動かない犬をどう運ぶか救命救急

3歳のトイプードル(体重3kg)。ベランダの手すり近くに置いた椅子から約1.5m下のコンクリートに落ちた。横たわったまま動かず、呼びかけに弱く反応する。呼吸はあるが速く、後ろ足が動いていない。口から少し血が出ている。動物病院までは車で20分。

搬送方法として最も適切なものはどれか

  1. 抱きかかえて胸に押しつけ、車の助手席で膝の上に乗せて運ぶ
  2. 自分で歩けるか立たせて確認し、歩けたらキャリーに入れて運ぶ
  3. 硬い板やタオルを敷いた箱に背骨を水平に保ったまま滑らせるように移し、保温して運ぶ
  4. 動かすと危険なのでその場に置き、病院から往診に来てもらうまで待つ

正解C.硬い板やタオルを敷いた箱に背骨を水平に保ったまま滑らせるように移し、保温して運ぶ

解説高所からの落下で動かず後ろ足が動かない場合、背骨や骨盤の骨折、脊髄損傷が疑われる。抱き上げると背骨がたわんで脊髄を傷つけるため、硬い板やタオルを敷いた箱に背骨を水平に保ったまま滑らせるように移し、毛布で保温して固定し即搬送する。意識が低下していれば首を伸ばして気道を確保する。胸に押しつける抱き方は脊椎や肋骨の損傷を悪化させる。立たせて歩けるか確かめる行為は脊髄損傷を広げる最悪の対応だ。往診を待つと出血や脊髄の圧迫が進み、ほとんどの動物病院は緊急往診に対応できない。

課題ベランダの手すり近くに椅子を置き、小型犬が登って落下できる環境を作っていた。落下時の搬送方法を知らず、抱き上げて運ぶ以外の選択肢を準備していなかった。硬い板や箱などの搬送用具も用意していなかった。

改善案ベランダは犬を出さないか柵と手すり周辺に登れる物を置かない。搬送用に硬い板・タオル・箱・毛布を玄関に常備する。「動かない時は背骨を水平に・抱き上げない」を家族で共有する。かかりつけと夜間救急の連絡先、車での所要時間を把握しておく。

Q47けいれんが始まった時にやること救命救急

4歳のポメラニアン。夜22時、リビングで突然倒れ、足を突っ張って全身をガクガクさせるけいれんが始まった。口から泡を吹き、失禁している。家族は驚いて犬の名前を叫び、子どもが抱き上げようとしている。周囲にはガラスのテーブルと椅子がある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 舌を噛まないよう口にタオルを入れ、体を押さえてけいれんを止める
  2. 周囲の危険物を離し触らずに時間を計り、けいれんが止まったら保温して夜間救急へ連絡・受診する
  3. 冷たい水を顔にかけて意識を戻し、落ち着いたら翌朝受診する
  4. 動画を撮ってSNSで原因を尋ね、コメントを待ってから対応を決める

正解B.周囲の危険物を離し触らずに時間を計り、けいれんが止まったら保温して夜間救急へ連絡・受診する

解説けいれん中は犬に意識がなく、口に物を入れたり押さえたりすると咬傷を負い、犬の歯や顎も傷つく。周囲のガラスや家具を離して頭をぶつけないようにし、触らずに開始時刻と持続時間を計る。止まったら静かに保温し、夜間救急に連絡して受診する。5分以上続く、または繰り返す場合は即搬送する。小型犬では低血糖も原因になりうるため、止まった後に糖分を歯ぐきに塗ることも有効だ。水をかけるのは誤嚥と刺激で悪化させる。SNSで待つのは治療の遅れになる。動画は原因究明に役立つが、安全確保が先である。

課題けいれん時の基本対応「触らない・周囲を安全に・時間を計る」を家族が知らず、子どもが抱き上げようとする危険な状況を止められなかった。ガラステーブルなど犬が倒れた時に危険な家具の配置も見直されていなかった。

改善案けいれん時の手順を家族全員で共有し、子どもには「触らず大人を呼ぶ」と教える。ガラステーブルの角にカバーをつける。発作の時刻・持続時間・前後の様子を記録するメモを用意する。夜間救急の連絡先を貼り、ガムシロップを常備して低血糖にも備える。

Q48口を大きく開けて呼吸し舌が紫、夜間どうする救命救急

11歳のマルチーズ。僧帽弁閉鎖不全症で投薬中。深夜1時、犬が横になれず座ったまま口を開けて速く浅い呼吸をしている。呼吸数は1分に60回。舌が紫がかり、咳をしてピンク色の泡を出した。かかりつけは朝9時開院、夜間救急は車で40分の距離にある。

最も適切な判断はどれか

  1. 処方薬を通常の倍量飲ませて、朝の開院まで様子を見る
  2. 40分は遠いので、朝までエアコンをつけて涼しくし呼吸が落ち着くのを待つ
  3. 肺水腫を疑い、興奮させずキャリーで安静を保ちながら夜間救急へ電話して即搬送する
  4. 横になれば楽になるので、無理にでも寝かせて毛布で温める

正解C.肺水腫を疑い、興奮させずキャリーで安静を保ちながら夜間救急へ電話して即搬送する

解説心臓病の犬が横になれず、呼吸数60回、舌の紫、ピンクの泡は肺水腫による呼吸困難で、数時間で死亡しうる緊急事態である。朝まで待つ選択肢はなく、興奮させないよう静かにキャリーに入れ、夜間救急へ電話して状態を伝えながら40分かけても搬送する。酸素吸入と利尿剤による治療が必要だ。処方薬の倍量投与は低血圧や腎障害を起こし、獣医の指示なく行ってはならない。冷房で待つのは肺水腫の進行を止められない。無理に横にすると肺が圧迫されて呼吸がさらに苦しくなり、温めるのも負担を増やす。

課題心臓病で投薬中にもかかわらず、急変時の受診基準(呼吸数・舌の色)と夜間の搬送計画を決めていなかった。夜間救急までの距離を理由に受診をためらう判断が生まれた。安静時呼吸数の日常記録も不十分だった。

改善案心臓病の犬は安静時呼吸数を毎日記録し、1分40回を超えたら夜間でも受診と決めておく。夜間救急の連絡先・所要時間・費用の目安を調べ、深夜の運転手を家族で分担する。獣医から緊急時の対応と薬の扱いを事前に確認しておく。キャリーは常に取り出せる場所に置く。

Q49散歩中に車と接触し倒れて出血救命救急

2歳のミニチュアダックス(体重5kg)。夕方、リードが手から離れ道路に飛び出して車と接触した。路上に横たわり、後ろ足から出血が続き、呼吸は速く浅い。呼びかけに目を動かすが立てない。歯ぐきは白っぽい。周囲に通行人が集まり、運転手も動揺している。最寄りの動物病院は車で10分。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 出血部位を清潔な布で強く圧迫しながら板やタオルに乗せて水平に移し、保温して即搬送する
  2. 運転手と事故の状況を確認して連絡先を交換し、その後に犬を病院へ運ぶ
  3. 水を飲ませて落ち着かせ、立てるようになったらキャリーで運ぶ
  4. 出血が止まるまでその場で待ち、止まってから抱き上げて歩いて帰る

正解A.出血部位を清潔な布で強く圧迫しながら板やタオルに乗せて水平に移し、保温して即搬送する

解説交通事故では出血によるショック(白い歯ぐき・速く浅い呼吸)と骨折・内臓損傷が同時に起きている。体重5kgの犬は少量の出血でも危険で、清潔な布で強く圧迫止血しながら板やタオルに乗せて背骨を水平に保ち、毛布で保温して即搬送する。通行人に病院への電話や運転を頼むとよい。運転手との話は搬送後か同行者に任せ、犬の処置を最優先にする。水を飲ませるのは誤嚥の危険があり、立てるまで待つのは失血死を招く。出血が止まるまで待って抱き上げて歩くのは、圧迫止血もせず骨折も悪化させる最悪の対応だ。

課題リードが手から離れる持ち方をしており、道路脇でのリード管理が甘かった。小型犬は小さな隙や力で飛び出しやすい。事故時の優先順位(止血・搬送が先)と圧迫止血の方法を知らなかった。散歩に応急処置用品を携帯していなかった。

改善案リードは手首に通して二重に持ち、道路脇では短く保つ。散歩バッグにガーゼ・タオル・包帯を入れる。圧迫止血(5分以上・強く・心臓より高く)と水平搬送の手順を家族で練習する。散歩コース上の動物病院の位置を把握し、緊急時は周囲に協力を求める。

Q50呼びかけに反応が薄く脈と呼吸をどう確認するか救命救急

生後3か月のトイプードル(体重1.1kg)。朝、サークル内でぐったりして横たわっており、名前を呼んでも顔を上げない。飼い主は「生きているのか、呼吸しているのか」わからずパニックになっている。昨夜は下痢をしており、夕食を残していた。室温は18℃。

状態を確認する方法として最も適切なものはどれか

  1. 口を開けて舌を引っ張り反応を見て、鳴き声が出るまで背中を叩く
  2. 胸に耳を強く押し当てて心音を探し、聞こえなければ死亡と判断する
  3. 冷たい水を顔にかけて反応を確認し、動けば大丈夫と判断する
  4. 耳をつまんで反応を見て、胸の動きで呼吸数を数え、内股の付け根で脈を確認して、異常なら砂糖水を歯ぐきに塗り保温して即受診する

正解D.耳をつまんで反応を見て、胸の動きで呼吸数を数え、内股の付け根で脈を確認して、異常なら砂糖水を歯ぐきに塗り保温して即受診する

解説意識・呼吸・脈の確認は救命の第一歩である。呼びかけと耳をつまむ刺激で反応を見て、胸の上下で呼吸数(正常20〜30回/分)を数え、内股の付け根の動脈で脈(正常90〜140回/分)を確認する。下痢と食欲不振の子犬がぐったりし室温18℃と低めなら低血糖と低体温が強く疑われ、砂糖水を歯ぐきに塗り保温して即受診する。舌を引っ張る・背中を叩くのは誤嚥や損傷を招く。胸に強く耳を押し当てても素人には判断が難しく、脈がなければ心肺蘇生を始めるべきで死亡と決めつけてはならない。冷水は低体温を悪化させる。

課題下痢と食事を残した時点で低血糖リスクを認識せず、翌朝まで放置した。室温も子犬には低く保温不足だった。意識・呼吸・脈の確認方法を知らず、パニックで判断できなくなった。

改善案子犬は1日3〜4回給餌し、食べない・下痢の時は数時間以内に対処する。室温は20℃を下回らないようにし、ドーム型ベッドで保温する。呼吸数・脈の測り方を平常時に練習し、正常値をメモしておく。ガムシロップと夜間救急の連絡先を常備し、異常時の手順を紙に書いて貼る。

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