ショウガラゴ ケースメソッド 50問

状況を読み、飼い主として「最初に取るべき行動」を4択から選んでください。回答後に解説・課題・改善案が表示されます。マニュアルを見る

解答と解説・課題と改善案(全50問)

印刷・復習用。クリックで開きます。

Q1冬の夜、巣箱から出てこず体が冷たい病気

1月の夜22時。3歳のオスのショウガラゴが、いつもなら暗くなるとすぐ跳び回るのに巣箱から出てこない。覗くと丸まって動かず、そっと触れると体が冷たい。昨夜の夕方の餌も半分残っていた。室温計を見るとパネルヒーターの電源が抜けており、部屋は17℃まで下がっていた。声をかけると弱く目を開けるが自分では動かない。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. ドライヤーの温風を直接当てて一気に体を温め、動き出すのを待つ
  2. タオルで包み布で覆ったカイロで徐々に温め、砂糖水を口の端に少量つけて今すぐ病院に連絡する
  3. ヒーターを入れ直して部屋が暖まるまで巣箱でそっとしておき、朝一番で受診する
  4. 無理にでもコオロギを口に入れてエネルギーを取らせ、元気が戻るか様子を見る

正解B.タオルで包み布で覆ったカイロで徐々に温め、砂糖水を口の端に少量つけて今すぐ病院に連絡する

解説体重100〜300gのショウガラゴは体温が奪われやすく、20℃以下は低体温の危険域である。丸まって動かず体が冷たいのは低体温と低血糖が重なった緊急状態で、マニュアルでも「けいれん・意識がない・体が冷たい」は今すぐ受診の基準。タオルで包み、布で覆ったカイロで徐々に温め、意識があれば砂糖水を口の端につけて糖を補い、電話をしながら搬送する。温風を直接当てると体表だけ急に温まり血管が開いてショックを起こす。朝まで待てば低血糖からけいれんに進む。意識がもうろうとした個体に固形の虫を入れると誤嚥する。

課題ヒーターの電源が抜けていることに夜まで気づかなかった。温度計を見る習慣がなく、冬の夜間温度を24℃以上に保つ管理が電源一本に依存していた。前夜の食べ残しという予兆も見逃した。

改善案温湿度計をケージの目線の高さに置き、毎晩の給餌時に必ず確認する。ヒーターは抜けにくいコンセントに固定し、停電や故障に備えて布で包むカイロを常備する。食べ残しがあった翌日は特に注意して観察する。

Q2着地でよろけ、後ろ足を引きずる病気

2歳のメス。餌はミルワームとバナナが中心で、本人が好むのでそればかり与えてきた。ここ1週間、枝から枝へ跳ぶ回数が減り、着地でよろけて床に落ちる場面を2回見た。今夜は右の後ろ足を引きずり、巣箱から降りるのも慎重になっている。食欲はあり、触ると嫌がって鳴くが出血はない。

今夜のうちに取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 枝を外して低く狭いケージに移して安静にし、当日中に受診してレントゲンを撮ってもらう
  2. カルシウム剤を餌にたっぷり振りかけ、数週間続けて改善するか様子を見る
  3. 運動不足と考えて部屋んぽの時間を増やし、足の使い方を観察する
  4. 人用のカルシウムサプリを砕いて果物に混ぜ、毎日与える

正解A.枝を外して低く狭いケージに移して安静にし、当日中に受診してレントゲンを撮ってもらう

解説ミルワームと果物だけの偏食はカルシウム不足を招き、代謝性骨疾患の典型的な原因になる。「跳べない・着地でよろける・後ろ足を引きずる」はマニュアルにある代謝性骨疾患の症状で、骨がもろくなって既に微小骨折している可能性がある。まず枝を外し、跳べない低く狭いケージで安静にして二次骨折を防ぎ、当日中に受診してレントゲンで骨の状態と骨折の有無を確認する。カルシウム剤だけ増やしても骨折は治らず診断が遅れる。運動を増やせば弱った骨が折れる。人用サプリは量が合わず、獣医師の診断なしに与えるべきでない。

課題好む餌ばかり与える偏食を続け、栄養バランスの重要性を理解していなかった。跳躍が減った1週間前の段階が予兆だったのに、落下を2回見るまで受診を考えなかった。

改善案主食をコオロギと専用フード、アカシアガムに切り替え、虫にはCa剤をまぶす。果物とミルワームは副食に減らす。UVB灯の設置を獣医師と相談し、年1回はレントゲン検査を受ける。跳躍回数の変化を日誌に残す。

Q3口臭が強く硬いコオロギを落とす病気

5歳のオス。ここ数日、ケージに近づくと口臭が気になるようになり、よだれで口元の毛が湿っている。今夜はコオロギをくわえてもすぐ口から落とし、柔らかいミルワームだけ食べた。顔の腫れはなく元気に跳んでいる。日頃の餌はミルワームと市販のゼリーが多く、硬い虫はあまり与えていなかった。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 口を大きく開けさせて歯を確認し、見えた歯石を爪楊枝で削り取る
  2. 人用の口内炎薬や歯磨き剤を指につけて歯茎に塗る
  3. 硬い虫を増やして自然に歯を磨かせ、口臭が消えるか1か月待つ
  4. 柔らかい餌に切り替えて無理に口を開けず、数日以内に受診して口腔検査を受ける

正解D.柔らかい餌に切り替えて無理に口を開けず、数日以内に受診して口腔検査を受ける

解説口臭・よだれ・硬い虫を食べないの三つは、マニュアルにある歯周病・歯石の典型的なサインである。柔らかい餌ばかりでは歯が磨かれず歯石がたまり、放置すると歯根膿瘍や顔の腫れに進む。顔の腫れや食欲不振がなければ緊急ではないが、数日以内に受診して口腔検査を受ける。それまでは柔らかい餌で食べられる状態を保つ。素人が口を開けて歯石を削ると歯茎を傷つけ、暴れて骨折の危険もある。人用の薬は成分が不明で舐めて中毒を起こす。硬い虫を今から増やしても既にある歯石は取れず、痛みで食べなくなる。

課題柔らかい餌中心で歯が自然に磨かれる機会がなく、口腔検査も受けていなかった。ケージに近づいて口臭に気づくまで、口元の観察習慣がなかった。

改善案硬い外骨格のコオロギやアカシアガムを主食にし、噛む機会を毎日作る。年1回は獣医師の口腔検査を受ける。給餌のたびに口元のよだれや食べ方を観察し、虫を落とす行動があれば記録する。

Q4お腹が垂れて跳躍が減った病気

4歳のオス。半年前に体重を量ったときは180gだったが、今日量ると245gあった。おやつにミルワームを毎晩30匹、ブドウやリンゴも好きなだけ与えている。最近は枝の上でじっとしている時間が長く、以前のような高いジャンプをしなくなった。お腹の皮が垂れ、動きが鈍い。食欲は旺盛で便は正常。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 2〜3日絶食させて一気に体重を落とす
  2. 昼間に起こして部屋んぽをさせ、運動量を増やす
  3. ミルワームと果物を減らしコオロギや専用フードに切り替え、週1回体重を記録して受診で肝臓の状態を確認する
  4. 食欲があり便も正常なので、今のまま様子を見る

正解C.ミルワームと果物を減らしコオロギや専用フードに切り替え、週1回体重を記録して受診で肝臓の状態を確認する

解説半年で体重が3割以上増え、跳躍が減りお腹が垂れているのは肥満のサインで、放置すると脂肪肝に進む。ミルワームは脂肪が多く、果物は糖分が多い。主食をコオロギや専用フードに戻し、ミルワームと果物は副食程度に減らす。体重は週1回記録し、受診で血液検査など肝臓の状態を確認する。受診は数日以内でよい。絶食は小型の霊長類に低血糖と脂肪肝の悪化を招くので厳禁。夜行性の動物を昼間に起こすのは強いストレスで逆効果。食欲があるからと放置すれば脂肪肝で急死することもある。

課題おやつの量を決めず欲しがるだけ与え、半年間体重を量っていなかった。跳躍の減少を肥満の症状と結び付けられず、食欲があることを安心材料にしていた。

改善案1日の餌量を決め、ミルワームはご褒美程度に制限する。生きたコオロギを追わせる採食遊びで運動量を確保する。キッチンスケールで毎週同じ時刻に体重を量り、グラフ化して増減5%で見直す。

Q5迎えたばかりの個体の下痢が続く病気

2週間前に迎えた1歳のメス。到着直後から軟便で、3日前から水っぽい下痢になった。今夜は餌に手を出さず、体を触ると背骨が目立って痩せている。肛門の周りの毛が便で汚れ、床材に糸のような白いものが見えた気がする。ペットショップでは検便をしたかどうか分からない。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 人用の下痢止めを少量与えて便が固まるか見る
  2. 便を袋に入れて写真も撮り、保温して水を飲めるようにして当日受診する
  3. 床材をすべて捨てて消毒し、下痢が止まるまで水と果物を控える
  4. ネットで調べて野外で採った新鮮な虫に餌を変えてみる

正解B.便を袋に入れて写真も撮り、保温して水を飲めるようにして当日受診する

解説導入直後の下痢、痩せ、肛門周囲の汚れ、便に虫らしきものは、マニュアルにある寄生虫症の典型像である。水様便で食欲不振を伴えば当日受診の基準に当たる。便を袋に入れ写真も撮って持参すれば糞便検査ですぐ診断できる。小さな体は下痢で急速に脱水と低体温に陥るため、受診までは保温し水を飲めるようにしておく。人用の下痢止めは用量が合わず、原因の虫を残したまま症状を隠す。床材を捨てると検査材料を失い、水を控えれば脱水が進む。野外の虫は農薬や別の寄生虫を持ち込み、状況を悪化させる。

課題導入時の糞便検査を確認せず、軟便が続いていた2週間の間に受診しなかった。検便の重要性と、100〜300gの動物にとって下痢がどれほど危険かの理解が不足していた。

改善案新しい個体は迎えて数日以内に糞便検査を受け、その後も年1〜2回続ける。生餌は信頼できる供給元から入手する。便の状態を毎日確認し、軟便が2日続いたら受診する基準を決めておく。便の写真を撮る習慣をつける。

Q6帰宅するとけいれんしていた病気

1泊の旅行から朝帰宅すると、6歳のメスが巣箱の外の床で横たわり、手足を突っ張って小刻みにけいれんしていた。出発前に夕方の餌を用意し忘れたことに今気づいた。部屋は24℃あるが、体は冷たく感じる。目は開いているが呼びかけに反応せず、口の周りに泡がついている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 口に砂糖水をたっぷり流し込んで血糖を上げる
  2. 手で体を押さえてけいれんを止め、落ち着かせる
  3. 動画を撮って記録し、けいれんが自然に収まるまで待つ
  4. 口に何も入れず、タオルで包み布で覆ったカイロで保温して電話しながら今すぐ搬送する

正解D.口に何も入れず、タオルで包み布で覆ったカイロで保温して電話しながら今すぐ搬送する

解説夕方の給餌を欠いた小型霊長類は一晩で低血糖に陥り、体が冷えてけいれんを起こす。マニュアルでも「けいれん・意識がない・体が冷たい」は今すぐ受診の基準である。けいれん中は嚥下できないため、砂糖水を流し込むと誤嚥して肺炎や窒息を起こす。砂糖水を口の端につけるのは意識があり飲み込める場合に限る。まずタオルで包み、布で覆ったカイロで保温しながら病院に電話し、指示を受けつつ揺らさず搬送する。押さえつけると骨折や飼い主の咬傷を招く。動画は状況を伝える助けになるが、撮り続けて搬送が遅れれば脳へのダメージが進む。

課題旅行前の給餌準備を忘れ、確認の仕組みがなかった。低体温・低血糖は「夜間も24℃以上」と「夕方の給餌を欠かさない」の両方が必要だが、温度だけ整えて安心していた。不在時の見守り体制がなかった。

改善案外泊時は出発前チェックリストで餌・水・温度・ヒーターを確認する。可能なら家族や知人に夕方の給餌を頼み、見守りカメラで夜間の活動を確認する。砂糖水を使う条件と使わない条件を紙に書いてケージに貼っておく。

Q7尾の毛が薄くなり皮膚を噛む病気

3歳のオスをリビングの窓際に置いている。昼間はテレビがつき、家族の出入りも多い。2週間前から尾の付け根と両腕の毛が薄くなり、今夜は自分の腕の皮膚を繰り返し噛んでいる。夜になるとケージの同じ場所を往復する動きを何度も繰り返し、跳び移る枝は1本しかない。脱毛部に赤みやかさぶたはなく、円形の境目もはっきりしない。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 受診して皮膚糸状菌などを除外した上で、日中を暗く静かにし隠れ家と跳べる枝を増やす
  2. 人用のかゆみ止めや皮膚薬を脱毛部に塗って治るか見る
  3. 噛めないように段ボールで首回りのカラーを自作して付ける
  4. 行動をよく観察するためケージを明るい場所に移し、昼も様子を見る

正解A.受診して皮膚糸状菌などを除外した上で、日中を暗く静かにし隠れ家と跳べる枝を増やす

解説尾や腕の毛が薄い、皮膚を噛む、同じ動きを繰り返すの三つは、マニュアルにあるストレス性脱毛の典型的なサインである。窓際とテレビの光と音、枝が1本しかない環境が原因と考えられる。ただし脱毛は皮膚糸状菌症など人にうつる病気でも起こるため、数日以内に受診して除外し、同時に環境を改善する。日中は暗く静かな部屋に置き、隠れ家を複数、跳べる間隔の枝を配置し、生きたコオロギを探す採食行動を作る。人用の薬は舐めて中毒を起こし、診断も遅らせる。自作カラーは跳躍と毛づくろいを妨げて骨折や別のストレスを招く。明るい場所へ移すのは夜行性の動物にとって最悪の対応である。

課題夜行性のショウガラゴを人の生活の中心である窓際のリビングに置き、昼間の暗さと静けさを確保できていなかった。枝1本では跳躍も採食行動も満たせず、環境の貧しさがストレスの原因になっていた。

改善案ケージは日中暗く静かな部屋に移し、布カバーで完全に暗くする。木製巣箱を最上部に固定し隠れ家を複数用意する。枝や棚板を跳び移れる間隔で配置して時々変え、生きたコオロギを放す採食遊びを毎晩行う。脱毛の範囲を写真で記録する。

Q81週間で体重が5%以上減った病気

7歳のメス。毎週日曜に体重を量る習慣があり、先週の200gから今週は188gに減っていた。思い返すと数日前から食べる量が減り、くわえたコオロギを途中で落とすことがある。跳躍や毛並みは普段どおりで、便も形はある。口臭は特に感じない。飼い主は「たまたま量りのタイミングが悪かった」と思いたい気持ちもある。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 好物の蜂蜜を指につけて舐めさせ、体重を戻す
  2. 果物を増やしてカロリーを補い、来週の計測まで待つ
  3. 食事量・便・行動を記録し、体重の推移を持って当日中に受診する
  4. 元気で毛並みも良いので、1か月ほど様子を見る

正解C.食事量・便・行動を記録し、体重の推移を持って当日中に受診する

解説マニュアルは「体重が1週間で5%以上減った」を明確な受診サインとして挙げている。200gから188gは6%減で、しかも食べる量の減少と虫を落とす行動が伴っている。歯や口の痛み、寄生虫、内臓疾患など原因はさまざまで、小さな体では数日で危険な低血糖や衰弱に進む。食事量と便、行動の記録と体重推移を持参して当日中に受診するのが安全側である。蜂蜜は人の食品としてマニュアルで禁止されており、原因も解決しない。果物を増やしても栄養バランスが崩れ、1か月の様子見は手遅れになりかねない。

課題毎週の計測という良い習慣があったにもかかわらず、数値を見て「誤差だと思いたい」心理が受診の判断を鈍らせた。数日前からの食欲低下と虫を落とす行動を、体重減少と結び付けて考えられなかった。

改善案体重減少5%を「当日受診」の基準として紙に書き、家族と共有する。毎晩の給餌時に食べた虫の数と残した数を記録し、変化が2日続いたら受診する。霊長類を診る病院の連絡先を計測表の横に貼っておく。

Q9口を開けて速く呼吸している病気

8月の深夜1時。部屋んぽから戻した2歳のオスが、枝の上で口を開けて胸を速く上下させている。エアコンは効いていて室温は27℃だが、部屋んぽ中はかなり跳び回っていた。5分たっても呼吸は落ち着かず、鼻を鳴らすような音も聞こえる。目は開いているが、いつものように跳んで近づいてこない。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 扇風機の風を直接当てて体を冷やし、呼吸が落ち着くのを待つ
  2. 暗く静かな小箱に入れて刺激を避け、今すぐ夜間救急に電話する
  3. 冷たい水に体を浸けて急いで体温を下げる
  4. 興奮しているだけなので、朝まで様子を見て落ち着かなければ受診する

正解B.暗く静かな小箱に入れて刺激を避け、今すぐ夜間救急に電話する

解説マニュアルは「口を開けて呼吸・呼吸が速い」を今すぐ受診の基準としている。ショウガラゴは本来鼻で呼吸する動物で、開口呼吸は肺や心臓、熱中症、胸部の外傷など重い状態を示す。運動後でも5分以上続くなら正常な範囲ではない。まず暗く静かな小箱に入れて刺激と酸素消費を減らし、夜間救急に電話して霊長類の対応が可能か確認しながら搬送する。扇風機の直風は嫌がって暴れ、酸素消費が増える。冷水に浸けると急激な体温低下でショックを起こす。朝まで待つ間に呼吸不全が進めば取り返しがつかない。

課題部屋んぽ中に衝突や落下がなかったか確認しておらず、呼吸の異常を興奮と区別する知識がなかった。夜間救急の連絡先を事前に調べていなかったため、判断に時間がかかった。

改善案正常な呼吸数(1分に約40〜60回)を覚え、休んでいるときの呼吸の見え方を日頃から観察する。部屋んぽ前に天井灯や扇風機を止めて衝突を防ぐ。霊長類を診る夜間救急の連絡先をケージに貼り、搬送用の暗い小箱を常備する。

Q10耳が汚れて臭い、毛づくろいが減った病気

9歳のオス。大きな耳の内側に茶色い汚れがたまり、近づくと嫌な臭いがする。頭を振る回数が増え、前足で耳をかいている。毛づくろいが減ったのか、背中の毛が乱れて束になっている。食欲はあるが、跳び回る時間がいつもより短い。以前、獣医師から「耳は汚れやすい」と言われていたのを思い出した。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 綿棒を耳の奥まで入れて汚れをしっかり取り除く
  2. 人用の点耳薬を数滴垂らして炎症を抑える
  3. 背中の毛を人用のブラシで整え、耳は自然に治るのを待つ
  4. 耳を触らず、汚れと臭いを写真に撮って数日以内に受診する

正解D.耳を触らず、汚れと臭いを写真に撮って数日以内に受診する

解説マニュアルは「耳は大きく汚れやすい。汚れ・臭いがあれば受診」としている。臭いを伴う汚れ、頭を振る、耳をかく行動は外耳炎やダニなど治療が必要な状態である。毛の乱れは体調不良のサインで、耳の不快感で毛づくろいが減っている可能性がある。緊急ではないが数日以内に受診し、獣医師に耳の中を診てもらう。綿棒を奥まで入れると鼓膜や外耳道を傷つけ、暴れて骨折する危険もある。人用の点耳薬は原因が分からないまま使うと悪化させる。ショウガラゴは下顎の歯櫛で自分で毛づくろいをする動物で、人用ブラシは不要で毛の乱れの原因を放置することになる。

課題「耳が汚れやすい」と聞いていながら、耳の内側を定期的に観察する習慣がなかった。毛の乱れを体調不良のサインと理解していなかった。

改善案週1回、赤色灯の下で耳の内側と毛並みを観察し、写真で記録する。汚れや臭いに気づいたら自分で処置せず受診する。毛づくろいの頻度や毛並みの変化を体調の指標として日誌に残す。

Q11顔の片側が急に腫れている病気

6歳のメス。今朝、巣箱から顔を出したときに左の頬が丸く腫れているのに気づいた。触ろうとすると顔を背けて嫌がる。昨夜はコオロギを数匹残しており、よだれで口元が濡れていた。腫れは熱を持っているように見える。飼い主は膿がたまっているのではと思い、絞り出したい衝動にかられている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 腫れを触らず柔らかい餌にして、無理に口を開けず当日中に受診する
  2. 腫れを指で押して膿を絞り出し、消毒液で拭いて様子を見る
  3. 温めたタオルを頬に当てて血行を良くし、腫れが引くのを待つ
  4. 以前処方された抗生物質の残りを砕いて餌に混ぜる

正解A.腫れを触らず柔らかい餌にして、無理に口を開けず当日中に受診する

解説ショウガラゴの顔の腫れは歯根膿瘍が最も多い。マニュアルでも「顔が腫れている」への対応は「触らず柔らかい餌にし当日受診。無理に口を開けない」とされている。歯根膿瘍は痛みが強く、食べられなくなると小さな体はすぐ衰弱するため、その日のうちに受診して抜歯や抗生物質など適切な治療を受ける。膿を絞ると組織が壊れて感染が広がり、暴れて咬傷や骨折の原因になる。温めると炎症と痛みが強くなる。処方薬の残りは量も期間も合わず、耐性菌を生み診断を遅らせる。

課題前夜の食べ残しとよだれという予兆を見過ごした。歯周病は日常の口腔ケアで予防できるが、硬い虫やアカシアガムを噛ませる機会が不足していた可能性がある。膿を絞るという素人判断の危険を知らなかった。

改善案硬い外骨格のコオロギとアカシアガムを主食にし、年1回の口腔検査を受ける。給餌のたびに口元のよだれと食べ方を確認する。顔の腫れ・口臭・虫を落とす行動は「当日受診」と決め、霊長類を診る病院の診療時間を把握しておく。

Q12高齢の個体が丸一日食べていない病気

13歳のオス。昨夜の夕方と深夜の餌にまったく手をつけず、今日の夕方も枝の上の皿を見に来ない。水は少し飲んだ。丸まってはいないが動きが鈍く、跳ばずに枝を伝って移動する。体は冷たくない。飼い主は高齢だから食が細いのだろうと考えつつ、24時間以上食べていないことが気になっている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 高齢なので食欲の波と考え、あと2〜3日様子を見る
  2. 体重推移と食事内容を持って当日中に受診する
  3. シリンジで蜂蜜を口に流し込んで栄養を補う
  4. 好物のミルワームだけを大量に置いて食べるのを待つ

正解B.体重推移と食事内容を持って当日中に受診する

解説マニュアルは「24時間食べていない」を当日受診の基準としている。100〜300gのショウガラゴは体の蓄えが少なく、丸一日の絶食で低血糖や脂肪肝が急速に進む。高齢個体では歯の病気、腎臓や肝臓の病気などが背景にあることが多く、早く原因を調べる必要がある。体重推移、食事内容と虫の種類、便の写真を持参すれば診断が早まる。2〜3日の様子見はその間に衰弱し、手遅れになる。蜂蜜はマニュアルで禁止された人の食品で、シリンジで流し込めば誤嚥する。ミルワームだけ大量に置いても食べない原因は解決せず、食べても脂肪過多になる。

課題「高齢だから」という思い込みが受診の判断を遅らせた。跳ばずに枝を伝う動きの変化も予兆だったが、食欲と結び付けられなかった。24時間絶食が当日受診の基準であることを知らなかった。

改善案高齢になったら半年に1回の健康診断と血液検査を受ける。毎晩の食べた量を記録し、1食抜いた時点で注意、24時間で受診と決めておく。体重は週1回量り、推移表を病院に持参できるようにしておく。

Q13天井灯に衝突して落下し動かない怪我

夜11時、部屋んぽ中の4歳のメスが棚から天井に向かって跳び、シーリングライトのカバーに激突して床に落ちた。落ちた場所はフローリングで、そのまま横向きになって動かない。呼吸はしているようで、指先がわずかに動く。近づくと目は開いているが、いつものように逃げようとしない。右の後ろ足が不自然な向きに見える。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 割り箸と包帯で足を添え木で固定してから病院に向かう
  2. 床で歩けるか試させて、どこを痛めたか確認する
  3. 触らずタオルを敷いた暗い箱にそっと入れて保温し、今すぐ受診する
  4. 抱き上げて撫でて落ち着かせ、朝まで様子を見る

正解C.触らずタオルを敷いた暗い箱にそっと入れて保温し、今すぐ受診する

解説ショウガラゴは2m以上跳ぶため、天井灯や窓ガラスへの衝突と落下は代表的な事故で、骨折や頭部・内臓の損傷を伴う。マニュアルは「落下・衝突後に動けない」を今すぐ受診の基準とし、応急処置は「触らず暗い箱で保温安静。添え木不要」としている。小さく細い骨に添え木を当てると骨折が悪化し、保定で暴れてさらに傷つく。歩かせて確認するのは骨折を広げる行為。抱いて撫でるのは頭部や内臓損傷のある個体には刺激と揺れになり、朝まで待つ間に内出血が進む。落下時の状況をそのまま伝えて診てもらう。

課題部屋んぽ前に天井灯をカバーしておらず、跳躍力に見合った安全対策ができていなかった。落下地点がフローリングで、着地のクッションもなかった。

改善案部屋んぽの前に照明を落とし、天井灯・扇風機・鏡・窓ガラスをカバーする。棚や登る場所の下にクッションや厚い毛布を敷く。搬送用の暗い小箱とタオルを常備し、落下時は触らず箱に入れるという手順を家族で共有する。

Q14ケージの扉に尾を挟んで出血怪我

夕方の給餌でケージの扉を閉めた瞬間、2歳のオスの尾が扉に挟まった。甲高い悲鳴を上げて巣箱に逃げ込み、尾の先から3cmほどの部分から血がにじんでいる。血は床材に数滴落ちた程度で噴き出してはいないが、止まる気配がない。本人は巣箱の中で尾を舐めている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 清潔なガーゼで5分以上圧迫し、途中で外さず止血してから尾の動きを確認する
  2. ティッシュで血を拭き取り、出るたびに拭いて自然に止まるのを待つ
  3. 傷口に消毒液をたっぷりかけて、そのまま様子を見る
  4. 尾を引っ張って曲がりを直し、テープで固定する

正解A.清潔なガーゼで5分以上圧迫し、途中で外さず止血してから尾の動きを確認する

解説マニュアルの止血の基本は「清潔なガーゼで5分以上圧迫し、途中で外さない」で、尾や四肢は心臓側を軽く押さえる。体の小さなショウガラゴは少量の出血でも失血の影響が大きい。止血後、尾が垂れて動かない、折れ曲がっているなら当日受診が必要で、出血が止まらなければ即受診となる。ティッシュで拭き続けると固まりかけた血を剥がして出血が長引く。消毒液をかけるだけでは止血にならず、傷にしみて暴れる。尾を引っ張ったりテープで固定したりすると骨折を悪化させ、血流を止めて壊死を招く。

課題扉の開閉時に尾の位置を確認する習慣がなく、尾が20cm以上と長いショウガラゴの特性を意識していなかった。止血用のガーゼをすぐ手に取れる場所に置いていなかった。

改善案扉を閉める前に必ず尾と指の位置を目で確認し、個体が扉から離れてから閉める。ケージのそばに清潔なガーゼと搬送箱を常備する。金網の目に尾が挟まらない大きさか確認し、扉の隙間をふさぐ。

Q15保温球に跳びついて手を火傷した怪我

12月の夜。ケージ上部に取り付けた保温球にカバーを付けていなかった。3歳のメスが跳んで保温球にしがみつき、悲鳴を上げて落ちた。右手のひらが赤くなり、指の間に小さな水ぶくれができている。手を舐め続け、右手を使わずに枝を伝っている。皮膚がむけている部分もある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 氷を直接当てて短時間で強く冷やす
  2. アロエや人用の火傷軟膏を塗って乾かないようにする
  3. 水ぶくれを針で破って中の液を出し、消毒する
  4. 冷たい濡れタオルで患部を冷やし、薬を塗らず水ぶくれに触れずに受診する

正解D.冷たい濡れタオルで患部を冷やし、薬を塗らず水ぶくれに触れずに受診する

解説マニュアルの熱傷への対応は「冷たい濡れタオルで冷やす。薬は塗らず受診。水ぶくれは触らない」である。冷やすことで熱の深達を止め、痛みを和らげる。手のひらは着地と枝をつかむのに必須の部位で、火傷が深いと跳躍ができなくなるため、当日中に受診して深さの評価と処置を受ける。氷を直接当てると小さな体は凍傷と低体温を起こす。人用の軟膏やアロエは舐めて口に入り、獣医師の診察の妨げにもなる。水ぶくれは感染を防ぐ天然の保護膜で、破ると感染と痛みが増す。

課題保温球にカバーを付けず、跳躍で触れられる位置に設置していた。2m以上跳ぶショウガラゴにとってケージ内の熱源はすべて届く距離にあるという認識がなかった。

改善案保温球やヒーターには必ずカバーを付け、ケージの外側や跳んで触れられない位置に設置する。パネルヒーターなど表面が高温にならない機器を優先する。設置後は個体がどこまで跳べるかを観察して配置を見直す。

Q16ハンモックの糸に指が絡まった怪我

深夜、ケージから鳴き声が続くので見に行くと、1歳のオスがハンモックのほつれた糸に左手の指を絡ませてぶら下がっていた。糸が指に食い込み、指先が紫色になり始めている。暴れるたびに糸が締まる。飼い主はまず糸を引っ張って外そうとしたが、個体が悲鳴を上げた。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 糸をもっと強く引っ張って一気に指から抜く
  2. ハサミで布ごと糸を切って外し、指の腫れや動きを確認して必要なら受診する
  3. 手で糸を1本ずつ丁寧にほどき、個体が暴れても続ける
  4. 自然に外れることも多いので、そのまま朝まで待つ

正解B.ハサミで布ごと糸を切って外し、指の腫れや動きを確認して必要なら受診する

解説マニュアルの「指・爪の絡まり」への対応は「布ごと切って外す。引っ張らない」である。糸を引っ張ると指に食い込んで骨折や皮膚の裂傷を起こす。ハサミでハンモックの布ごと糸を切り、個体を暗い箱に入れてから残った糸を落ち着いて外す。指先が紫色なのは血流が止まっているサインで、時間がたつと壊死する。外した後に指が腫れる、動かせない、色が戻らない場合は当日受診する。手でほどこうとすると時間がかかる上に暴れて締まり、飼い主が咬まれる。朝まで放置すれば指を失う。

課題ほつれた布のハンモックを使い続け、目の細かいネットや糸が指に絡む危険を知らなかった。ケージ内の布製品の点検を怠っていた。

改善案ハンモックや布製品は織りの密なものを選び、ほつれが出たら即交換する。目の細かいネットは使わない。ケージのそばに小型のハサミを常備し、絡まりは切って外すと決めておく。掃除のたびに布製品のほつれを点検する。

Q17抱こうとして指を深く咬まれた怪我

夜、餌の皿を交換しようとケージに手を入れたとき、驚いた5歳のオスが飼い主の人差し指に咬みついて離さない。歯が皮膚に食い込み血がにじんでいる。痛みで反射的に手を引きそうになる。近くに厚手のタオルがある。飼い主は素手で扱っており、手袋はしていなかった。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 痛みに耐えかねて手を勢いよく引き抜く
  2. 反対の手で個体の頭を叩いて口を開けさせる
  3. 動かず落ち着き、タオルで体と顔を覆って暗くし、離したらタオルごとケージに戻して傷を15分以上流水で洗う
  4. 離れたあと水で軽く流して絆創膏を貼り、そのまま作業を続ける

正解C.動かず落ち着き、タオルで体と顔を覆って暗くし、離したらタオルごとケージに戻して傷を15分以上流水で洗う

解説マニュアルの咬傷対応は「動かず落ち着き、厚手のタオルで体と顔を覆って暗くする。離したらタオルごとケージに戻し、傷を15分以上流水で洗い消毒する」である。手を引くと歯が裂けて傷が深くなり、叩くと個体が骨折し信頼も失う。暗くすると夜行性のショウガラゴは落ち着いて口を離す。サル類の咬傷はBウイルスなど人獣共通感染症の可能性があり、素手で扱ってはいけない。傷は15分以上流水で洗い、深い傷や腫れ、発熱があれば当日受診し、必ず「サル類に咬まれた」と医師に伝える。軽く流して絆創膏では感染リスクが残る。

課題餌の交換時に素手で扱い、驚かせない手順もタオルの準備も不十分だった。サル類の咬傷が人獣共通感染症につながる危険と、その際の受診の重要性を理解していなかった。

改善案ケージ内の作業は個体が巣箱にいるときに行い、必ず厚手のタオルを手元に置く。手袋を着用し、素手で抱かない。咬まれたときの手順を紙に書いてケージに貼り、家族全員が知っておく。かかりつけ医と人の医療機関の連絡先を並べて保管する。

Q18窓ガラスに激突しぼんやりしている怪我

夜の部屋んぽ中、カーテンを開けたままの窓に向かって3歳のメスが跳び、ガラスに顔から激突して床に落ちた。しばらくして起き上がったが、鼻から少量の血が出て、ふらつきながら同じ場所をゆっくり回っている。呼びかけても反応が鈍く、片方の目が閉じ気味に見える。飼い主は瞳孔の大きさを確かめたいと思った。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 抱っこして声をかけ続け、眠らないようにして意識を保たせる
  2. 部屋を明るくして目の状態や瞳の大きさをよく観察する
  3. 水を飲ませて落ち着かせ、朝まで様子を見る
  4. タオルを敷いた暗い箱に入れて保温し、揺らさず今すぐ受診する

正解D.タオルを敷いた暗い箱に入れて保温し、揺らさず今すぐ受診する

解説窓ガラスへの衝突は跳躍力の高いショウガラゴに典型的な事故で、鼻出血、反応の鈍さ、同じ場所を回る動き、目の非対称は頭部外傷を示す危険なサインである。マニュアルの「跳躍中の衝突」への対応は「触らず暗い箱で保温安静。当日中に受診」で、意識や反応に異常があれば今すぐ受診となる。暗い箱に入れて刺激を減らし、揺らさず搬送する。抱いて声をかけ続けることは刺激と揺れになり、脳の損傷を悪化させる。明るくすると夜行性の目に強い負担となり、暴れて再び落下する。水を飲ませると意識の鈍い個体は誤嚥し、朝まで待つ間に脳内出血が進む可能性がある。

課題部屋んぽの前に窓ガラスをカバーせず、カーテンも開けたままだった。夜のガラスは向こう側の暗さで空間に見えるため、跳躍の標的になりやすいことを知らなかった。

改善案部屋んぽ前のチェックリストに「窓を閉めカーテンを引く」「鏡・ガラス面を布で覆う」を入れる。窓ガラスには衝突防止のフィルムを貼る。搬送用の暗い小箱を用意し、衝突後に反応が鈍ければ迷わず受診する基準を決める。

Q19爪が伸びて布に引っかかる怪我

8歳のオス。最近、爪が伸びてケージのカバー布やタオルに引っかかり、跳び移るときに一瞬ぶら下がる場面が増えた。枝は古くなって表面が滑らかになっている。飼い主は自分で切ろうと人用の爪切りを用意し、家族に押さえてもらうつもりだが、以前保定しようとして激しく暴れた経験がある。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 人用の爪切りで、家族に押さえてもらい一気に全部切る
  2. 自分で切らず、枝を粗い樹皮のものに替えて、獣医師に爪切りを依頼する
  3. タオルで体を巻いて2人がかりで押さえ、少しずつ切る
  4. 起きているときにヤスリで爪を削って短くする

正解B.自分で切らず、枝を粗い樹皮のものに替えて、獣医師に爪切りを依頼する

解説マニュアルは「爪は枝で自然に削れる。伸びすぎで布に引っかかる時は獣医師に依頼。爪切りの保定は暴れて危険」としている。ショウガラゴは100〜300gの軽い体で骨が細く、保定で暴れると骨折し、飼い主も咬まれる。爪が伸びるのは枝が滑らかになって削れていない環境要因が大きく、表面の粗い枝に替えるだけで改善することが多い。人用爪切りでの一気切りやタオル保定での分割切りは、深爪による出血と骨折のリスクが高い。起きているときにヤスリをかけるのも暴れて危険で、夜行性の個体を昼に扱えばストレスになる。

課題枝の交換を怠り、爪が自然に削れる環境を維持できていなかった。過去に保定で暴れた経験があるのに、再び自分で切ろうとした判断の甘さがあった。

改善案枝は表面の粗い自然木を使い、滑らかになったら交換する。爪が引っかかる布製品を減らす。爪切りは年1回の健康診断時に獣医師に依頼し、自宅では保定を伴う処置をしないと決める。

Q20部屋に入った猫に引っかかれた怪我

夜の部屋んぽ中、閉め忘れたドアから飼い猫が入り、2歳のメスに飛びかかった。すぐ猫を出したが、ショウガラゴの脇腹に小さな引っかき傷があり、少し血がにじむ程度。目立った大きな傷はなく、本人は高い棚の上に逃げて震えている。呼吸が速く、呼んでも降りてこない。飼い主は傷が小さいので安心している。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 傷が小さくても暗い箱に入れて保温し、当日中に受診して全身を診てもらう
  2. 傷が小さいので消毒だけして、いつもどおりケージに戻す
  3. 人用の消毒薬と抗生物質軟膏を傷に塗って様子を見る
  4. 猫を叱ってから部屋を明るくし、震えが止まるまで見守る

正解A.傷が小さくても暗い箱に入れて保温し、当日中に受診して全身を診てもらう

解説マニュアルは「犬・猫・フェレットとは同じ部屋にしない」と定めている。猫の爪や口には細菌が多く、小さな傷でも数日で深部感染や敗血症に進む。さらに捕食者に襲われた小型の霊長類は、目に見える傷がなくても打撲や内臓損傷、強いショック状態を起こす。呼吸が速く震えて降りてこないのはショックのサインで、暗い箱で保温して落ち着かせ、当日中に受診して全身の診察と抗生物質の投与を受ける。消毒だけでケージに戻すと感染とショックを見逃す。人用の軟膏は舐めて中毒になる。明るくして見守るのは夜行性の個体にさらなる恐怖を与える。

課題部屋んぽ中にドアを閉め忘れ、捕食者である猫との接触を防ぐ管理ができていなかった。小さな傷を軽く見る判断と、捕食者ストレスによるショックの危険を知らなかった。

改善案部屋んぽ前に猫や犬を別室に隔離し、ドアはストッパーで固定して閉める。可能なら猫が入れない専用部屋を用意する。捕食動物との接触は傷の大小にかかわらず当日受診と決め、搬送箱とかかりつけ医の連絡先を常備する。

Q21尾が折れ曲がり垂れて動かない怪我

深夜、跳躍中に枝を踏み外して落ちた4歳のオス。落下後、尾の中ほどが直角に曲がり、垂れ下がったまま動かなくなった。出血はなく、本人は枝を伝って巣箱に戻れる。尾を引きずるようにして歩き、着地のバランスを崩している。飼い主は曲がった部分をまっすぐに戻せば治るのではと考えている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 曲がった部分を手でまっすぐに戻し、位置を整える
  2. 曲がったままテープで割り箸に固定して安静にする
  3. 触らずタオルを敷いた暗い箱で安静にし、今すぐ受診する
  4. 出血がなく歩けているので、数日様子を見て治らなければ受診する

正解C.触らずタオルを敷いた暗い箱で安静にし、今すぐ受診する

解説マニュアルは「出血が止まらない・尾が折れ曲がる」を今すぐ受診の基準としている。尾はショウガラゴの跳躍と着地のバランスを取る重要な器官で、骨折や脱臼を放置すると神経や血流が損なわれ、壊死して切断が必要になる。触らず暗い箱で安静にし、揺らさず搬送する。手で戻すのは骨折端で神経や血管を傷つける行為で、激痛で暴れて咬傷や別の骨折を招く。素人の添え木固定は血流を止め、ずれたまま固まる。歩けるからと数日様子を見ると尾の組織が死んでしまい、跳躍への影響が一生残る。

課題ケージ内の枝が古くなり滑りやすくなっていたか、間隔が跳びにくい配置になっていた可能性がある。落下時の床材が薄くクッションになっていなかった。尾の骨折を軽く見る誤解があった。

改善案枝は滑らない粗い樹皮のものにし、跳び移れる間隔で配置して定期的に点検する。床には厚い床材を敷いて落下時のクッションにする。尾の折れ曲がりは今すぐ受診と決め、夜間救急の連絡先をケージに貼っておく。

Q22金網に足を挟み出血が止まらない怪我

夜、目の粗い金網ケージの上部で3歳のメスが跳んだ拍子に左後ろ足を網目に挟み、抜こうともがいて足首から出血した。ようやく自分で抜けたが、傷口から血が滴り続け、床材に血だまりができ始めている。体は小さく、顔色は分からないが動きが鈍くなっている。家にはガーゼと小麦粉がある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 小麦粉や市販の止血パウダーを傷に押し込んで固める
  2. 清潔なガーゼで5分以上圧迫し心臓側を軽く押さえ、止まらなければ圧迫したまま即受診する
  3. ガーゼを当ててはこまめに外して止血できたか確認する
  4. 傷を流水で長時間洗い流して清潔にしてから様子を見る

正解B.清潔なガーゼで5分以上圧迫し心臓側を軽く押さえ、止まらなければ圧迫したまま即受診する

解説マニュアルの止血手順は「清潔なガーゼで5分以上圧迫し途中で外さない。尾・四肢は心臓側を軽く押さえる。出血が多い・止まらない時は即受診」である。体重100〜300gのショウガラゴは血液量がごく少なく、血だまりができる出血は命に関わる。圧迫を続けながら暗い箱に入れ、今すぐ搬送する。小麦粉や止血パウダーは傷に異物を残して感染を招き、獣医師の処置の妨げになる。ガーゼをこまめに外すと固まりかけた血栓が剥がれて出血が続く。長時間の流水は血を洗い流して止血を遅らせ、体温も奪う。

課題網目が1cm以上ある目の粗いケージを使い、足や尾が挟まる構造的な危険を放置していた。止血の方法と「途中で外さない」原則を知らなかった。

改善案ケージは網目1cm以下の金属製にし、指や足が入る隙間がないか点検する。清潔なガーゼと搬送箱をケージのそばに常備し、圧迫止血の手順を紙に書いて貼る。出血が止まらない場合の夜間救急の連絡先を確認しておく。

Q23ケージから跳び出してカーテンレールへ事故

夜9時、掃除のためケージの扉を開けた瞬間、2歳のオスが一瞬で跳び出し、カーテンレールの上に逃げた。部屋の窓は閉まっているが、廊下へのドアが少し開いている。呼ぶと耳を動かすが降りてこない。家族が慌てて追いかけようとし、部屋の照明もつけたままである。手元にはコオロギの容器がある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 脚立に乗って手を伸ばし、カーテンレールの上で捕まえる
  2. 部屋を明るくして位置を確認しながら、家族で追い込む
  3. 虫取り網で上から素早くかぶせて捕獲する
  4. ドアを閉めて部屋を暗くし静かにして、餌のコオロギで誘って戻るのを待つ

正解D.ドアを閉めて部屋を暗くし静かにして、餌のコオロギで誘って戻るのを待つ

解説マニュアルの逸走対応は「一瞬で高所へ跳んで逃げる。逃げたら暗くして餌で誘う」である。まずドアと窓を閉めて逃走範囲を部屋に限定し、照明を落として静かにする。夜行性のショウガラゴは暗く静かになれば落ち着き、餌の匂いや音に誘われてケージや床の餌皿に戻ってくる。追いかけたり網をかぶせたりすると、パニックで天井灯や窓ガラスに衝突して骨折し、飼い主も咬まれる。脚立の上での捕獲は個体が跳んで落下し、飼い主も転落する。明るくして家族で追い込むのは恐怖を増やし、逃走をさらに遠くまで広げる。

課題扉を開ける前に個体の位置を確認せず、ケージに南京錠などの二重ロックもなかった。掃除中の逃走に備えてドアを閉める習慣がなく、家族に逃走時の対応を共有していなかった。

改善案ケージ内作業は個体が巣箱で眠っている昼間か、巣箱の出口をふさいでから行う。扉には南京錠を付け、作業前に部屋のドアと窓を閉める。逃走時は「暗くして静かに餌で誘う」と家族全員で決め、追いかけないことを徹底する。

Q24暗い部屋で足元にいた個体を踏んだ事故

深夜、部屋んぽ中の5歳のメスが床を素早く横切り、トイレに向かう飼い主の足元に入って踏まれた。悲鳴を上げて部屋の隅にうずくまり、動かなくなった。呼吸は速く、右の前足を体の下に隠している。飼い主は全身を触って骨折していないか確かめたい衝動にかられている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 触らずタオルを敷いた暗い箱にそっと入れ、動けないなら今すぐ受診する
  2. 抱き上げて全身を触り、骨折していないか自分で確認する
  3. 少し歩かせてみて、足を引きずるかどうか見極める
  4. うずくまっているだけなので、しばらく放っておいて様子を見る

正解A.触らずタオルを敷いた暗い箱にそっと入れ、動けないなら今すぐ受診する

解説マニュアルは「暗い部屋の床を素早く移動する。足元を確認して歩く」と踏みつけを注意事項に挙げ、「落下・衝突後に動けない」は今すぐ受診の基準としている。100〜300gの体は人の体重で内臓破裂や多発骨折を起こし、外から見えない損傷が多い。触って確かめるのは骨折端をずらし、内臓損傷を悪化させ、痛みで咬まれる危険もある。歩かせて確認するのも同様に悪化させる。うずくまって速い呼吸をしているのはショックと痛みのサインで、放置すれば内出血が進む。触らず暗い箱に入れて保温し、揺らさず搬送する。

課題部屋んぽ中に暗い部屋を歩き、足元を確認する習慣がなかった。部屋んぽの時間帯に家族の行動範囲を制限する取り決めがなく、床を素早く移動する習性への理解が不足していた。

改善案部屋んぽ中は飼い主も動き回らず、席を立つときは個体の位置を必ず確認するか一度ケージに戻す。床には足元を照らす赤色灯を置き、来客や家事のときはケージに戻す。踏みつけ後は触らず受診の手順を家族で共有する。

Q25棚の上から落ちて後ろ足を伸ばしたまま事故

夜11時、部屋んぽ中に本棚の最上段に登った3歳のオスが、足を滑らせて2m下のフローリングに落ちた。着地に失敗して横向きに倒れ、しばらくして起き上がったが、左の後ろ足を伸ばしたまま体に引き寄せられない。三本足で移動して低い棚に登ろうとする。出血はなく、鳴き続けている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 自分で移動できているので、ケージに戻して朝まで様子を見る
  2. 足をそっと曲げ伸ばしして、骨折かどうか自分で判断する
  3. 触らずタオルを敷いた暗い箱に入れて安静にし、今夜のうちに受診する
  4. 痛みを和らげるため人用の鎮痛剤を砕いて果物に混ぜる

正解C.触らずタオルを敷いた暗い箱に入れて安静にし、今夜のうちに受診する

解説マニュアルは落下について「落ちて動けなければ即受診」とし、「跳ばない・足を引きずる」は当日受診の基準にしている。後ろ足を引き寄せられないのは骨折や脱臼の可能性が高く、移動できることは軽症の証拠にならない。触らず暗い箱で安静にし、今夜のうちに受診してレントゲンを撮る。夜間救急がなければ翌朝一番に受診し、それまで箱の中で跳べないようにする。ケージに戻すと再び跳んで骨折が悪化する。曲げ伸ばしで確認する行為は骨折端をずらして神経や血管を傷つける。人用の鎮痛剤は小型の霊長類に致命的な中毒を起こし、絶対に与えてはいけない。

課題本棚の上など高所に登る習性を知りながら、着地点にクッションを置いていなかった。落下しても動ければ大丈夫という誤解があり、後ろ足の異常を軽く見た。

改善案部屋んぽで登る棚やカーテンレールの下に厚い毛布やクッションを敷く。登られたくない場所は事前にふさぐ。落下後に足を使えない場合は当日受診と決め、低く狭い安静用ケージと搬送箱を用意しておく。

Q26電気コードをかじって倒れている事故

夜、部屋んぽ中に「バチッ」という音がして、2歳のオスがテレビの延長コードのそばで横たわっていた。コードの被覆がかじられて銅線が露出し、口の周りの毛が焦げたような臭いがする。体はぴくぴくと動いているが起き上がれない。飼い主はすぐに手を伸ばして引き離そうとした。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. すぐに素手で個体をつかんでコードから引き離す
  2. まずコンセントを抜いて電源を切ってから個体に触れ、呼吸を確認して今すぐ受診する
  3. 水をかけて口の火傷を冷やしてから抱き上げる
  4. 口の中を開けて火傷の程度を確認し、ひどくなければ様子を見る

正解B.まずコンセントを抜いて電源を切ってから個体に触れ、呼吸を確認して今すぐ受診する

解説感電した個体にいきなり触れると、まだ通電していれば飼い主も感電する。最初に必ずコンセントを抜くかブレーカーを落として電源を切り、その後に触れる。感電は口の火傷だけでなく、心臓の不整脈や数時間後に肺に水がたまる肺水腫を起こすため、見た目が軽くても今すぐ受診が必要である。呼吸がなければマニュアルの心肺蘇生に移る。水をかけるのは通電中なら感電を広げ、小さな体を冷やす。口を開けての確認は痛みで咬まれ、内部のダメージは外からは分からない。搬送は暗い箱で保温し、揺らさない。

課題部屋んぽの前に床のコードを片付けず、かじる習性への対策がなかった。感電時は電源を切ってから触るという基本と、遅れて出る肺水腫の危険を知らなかった。

改善案部屋んぽ前に床の小物とコードを片付け、残るコードはカバーで覆うか家具の裏に固定する。使わない家電はコンセントから抜く。感電時の手順「電源を切る、呼吸確認、即受診」を紙に書いて貼り、夜間救急の連絡先を控える。

Q27浴室のバケツに落ちて溺れかけた事故

夜、開けっ放しの浴室に跳び込んだ4歳のメスが、水をためたバケツに落ちた。鳴き声で気づいて引き上げたときは全身びしょ濡れで、ぐったりして口から水が垂れている。弱い呼吸はあるが、咳き込むように体を震わせる。体はすでに冷たくなり始めている。室温は25℃だが浴室は寒い。

引き上げた直後に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 頭を低くして口の水を出し、呼吸を確認してタオルで包み保温しながら今すぐ受診する
  2. ドライヤーの温風で全身を乾かし、元気が戻れば様子を見る
  3. 体を逆さにして振り、肺の水をすべて出す
  4. 温かい砂糖水を口に流し込んで体を温める

正解A.頭を低くして口の水を出し、呼吸を確認してタオルで包み保温しながら今すぐ受診する

解説溺水では気道の水を出すために頭を体より低くして口の中の水を出し、呼吸と反応を確認する。呼吸がなければ口の異物を除いて心肺蘇生に移る。濡れた100〜300gの体は急速に体温を失うため、乾いたタオルで包み、布で覆ったカイロで保温する。水を吸い込んだ場合、数時間から数日後に誤嚥性肺炎を起こすことがあり、呼吸があっても今すぐ受診が必要である。ドライヤーで乾かして終わりにすると肺炎を見逃す。逆さに振り回すのは首や脊椎を痛め、効果もない。ぐったりした個体に液体を流し込むと誤嚥して状態が悪化する。

課題浴室のドアを開けたままにし、バケツや浴槽の水を放置していた。ショウガラゴがどこにでも跳んで入る習性と、水場の危険を意識していなかった。

改善案部屋んぽ中は浴室・トイレ・キッチンのドアを閉め、バケツや洗面器に水をためない。浴槽の水は抜くか蓋をする。溺水後は呼吸があっても受診と決め、乾いたタオルとカイロを搬送箱と一緒に常備する。

Q28ドアに指を挟んで手を使わない事故

夜、部屋んぽ中に風でドアが閉まり、ドアの縁を伝っていた3歳のメスの右手の指が挟まった。悲鳴を上げて棚に逃げ、右手を胸に抱えて使わない。指先から少し血が出ており、中指が腫れてきた。本人は左手だけで枝をつかんで移動している。ドアストッパーは使っていなかった。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 指を引っ張って伸ばし、折れていないか確かめる
  2. 氷を直接指に当てて腫れを引かせる
  3. 血が少ないので、1週間ほど様子を見て治らなければ受診する
  4. 出血をガーゼで圧迫し、指が腫れて動かせないので当日中に受診する

正解D.出血をガーゼで圧迫し、指が腫れて動かせないので当日中に受診する

解説マニュアルは「ドアやケージ扉に尾や指を挟む。部屋んぽ中はドアストッパーで固定」と注意し、指の損傷は「指が腫れる・動かせなければ受診」としている。指は枝をつかみ着地する要で、細い骨の骨折を放置すると変形して跳躍に一生影響する。出血はガーゼで圧迫し、腫れて使えない状態は骨折の疑いとして当日中に受診しレントゲンを撮る。指を引っ張るのは骨折端をずらして悪化させ、痛みで咬まれる。氷を直接当てると小さな指は凍傷になる。1週間の様子見は骨がずれたまま固まり、感染も起こる。

課題部屋んぽ中にドアストッパーを使わず、風でドアが動く状況を放置していた。ドアの縁や隙間を伝う習性への対策と、指の怪我を軽く見る誤解があった。

改善案部屋んぽ前にすべてのドアをストッパーで固定し、窓を閉めて風の通り道をなくす。扉やドアを閉めるときは必ず個体の位置を確認する。指や尾の腫れは当日受診と決め、ガーゼと搬送箱を常備する。

Q29回っている扇風機に跳び込んだ事故

7月の夜、部屋んぽ中に消し忘れていた扇風機に2歳のオスが跳びつき、回転する羽根に前足を打たれて床に落ちた。左前足の指から出血し、爪が1本剥がれている。本人は棚の下に隠れて震えており、左手を地面につけない。扇風機はまだ回っている。飼い主は動転して何から手をつければよいか分からない。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 隠れている個体を先に捕まえて、傷を確認する
  2. 傷口を水道水で洗い流し、消毒液をかけてから様子を見る
  3. 扇風機を止め、ガーゼで出血部を圧迫しながら暗い箱に入れて当日中に受診する
  4. 剥がれた爪の根元を人用の絆創膏で覆い、明日まで待つ

正解C.扇風機を止め、ガーゼで出血部を圧迫しながら暗い箱に入れて当日中に受診する

解説マニュアルは部屋んぽの前提として「照明を落とし窓・扇風機を止めて」「天井灯・扇風機・鏡・窓ガラスをカバー」と明記している。まず二次事故を防ぐため扇風機を止める。次に出血をガーゼで5分以上圧迫し、暗い箱で保温安静にして当日中に受診する。羽根の打撃は指の骨折や腱の損傷を伴うことが多く、爪の剥離は感染しやすい。扇風機が回ったまま捕まえようとすると、逃げた個体が再び跳び込む。洗って消毒液をかけるだけでは止血にも骨折の確認にもならない。人用の絆創膏は舐めて飲み込み、傷の観察もできない。

課題部屋んぽ前に扇風機を止めるという基本ルールを守れていなかった。夏の暑さ対策が扇風機に頼っており、跳躍する動物にとって回転する羽根が致命的な危険であることを軽く見ていた。

改善案部屋んぽ前のチェックリストに「扇風機・天井灯を止める」を入れ、扇風機は部屋から出すか羽根カバー付きのものを使う。夏の温度管理はエアコンで行い、直風は当てない。ガーゼと搬送箱をそばに置き、爪や指の怪我は当日受診と決める。

Q30網戸の隙間からベランダへ出てしまった事故

夏の夜、換気のため網戸にしていた窓の隙間から、3歳のメスがベランダに跳び出した。マンションの3階で、ベランダの手すりに座ってこちらを見ている。外は暗く、近くの電線でカラスが鳴いている。家族が大声で名前を呼び、懐中電灯で照らそうとしている。隣家のベランダは仕切り板で隔てられているが跳べる距離である。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 大声で名前を呼び続け、こちらに気づかせて呼び戻す
  2. 静かに部屋の明かりを消し、餌を入れた開放ケージを窓際に置いて動かず待つ
  3. 懐中電灯で照らしながら手すりに近づき、素早くつかまえる
  4. 夜は捕まえられないので、朝になってから探す

正解B.静かに部屋の明かりを消し、餌を入れた開放ケージを窓際に置いて動かず待つ

解説マニュアルは「屋外には一切出さない(脱走・カラス・猛禽)」「逃げたら暗くして餌で誘う」としている。屋外は追えば追うほど遠くへ跳び、高所から落ちたりカラスに襲われたりする。まず家族を静かにさせ、部屋を暗くして脅威をなくし、夜行性の個体が安心して戻れるよう餌を入れた開放ケージを窓際に置いて動かず待つ。大声や懐中電灯は恐怖を与え、隣家や地上へ逃げる引き金になる。手すりでの捕獲は個体が落下し、飼い主も転落する危険がある。朝まで放置すれば猛禽やカラス、低体温、車の事故で命を落とす。戻らなければ管理会社や近隣に静かに協力を求める。

課題夜の換気で網戸にし、「部屋んぽ中は窓を閉める」という基本ルールが守れていなかった。網戸は簡単に開き、隙間から一瞬で出ることを想定していなかった。逃走時の家族の対応も共有されていなかった。

改善案ショウガラゴのいる部屋の窓は常に閉め、換気はエアコンや別室で行う。網戸には脱走防止のロックを付ける。逃走時は「暗く静かに餌で誘う、追わない」を家族で共有し、近隣に事前に事情を伝えておく。マイクロチップや写真を用意する。

Q31テーブルのチョコレートを食べていた中毒・誤飲

夜11時、部屋んぽ中に目を離した隙に、2歳のオスがテーブルの板チョコレートをかじっていた。包装から見て10gほど食べたようだ。まだ元気に跳んでいるが、飼い主はチョコレートが動物に有毒だと知っている。ネットで「塩を飲ませて吐かせる」という記事を見つけ、台所に食塩がある。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 塩を口に入れて吐かせ、吐いたら様子を見る
  2. 牛乳を飲ませて毒を薄める
  3. 吐かせず、食べた量と時刻を記録し包装を持って今すぐ病院に電話して受診する
  4. まだ元気なので、症状が出てから受診する

正解C.吐かせず、食べた量と時刻を記録し包装を持って今すぐ病院に電話して受診する

解説チョコレートはマニュアルの禁止食品で、テオブロミンが心臓と神経に作用する。体重100〜300gのショウガラゴでは10gでも中毒量に達しうる。症状は数時間後に出るため、元気なうちに病院へ電話し、食べた量と時刻、包装を持って今すぐ受診するのが正しい。獣医師は摂取から時間が浅いうちに安全な方法で処置できる。塩で吐かせるのは食塩中毒と誤嚥の危険があり、小型霊長類には致命的になりうる。牛乳は乳製品としてマニュアルで禁止されており、毒を薄める効果もない。症状が出てからでは吸収が進んでおり、けいれんや不整脈で手遅れになる。

課題部屋んぽ前にテーブルの食品を片付けておらず、人の食べ物に対する誤食の危険を軽く見ていた。ネットの吐かせる情報を鵜呑みにしかけた。

改善案部屋んぽ前に床とテーブルの食品・小物を片付けるチェックリストを作る。チョコレート・菓子・蜂蜜は蓋付き容器に保管する。中毒時は自宅で吐かせず病院に電話と決め、夜間対応の霊長類を診る病院の番号を控えておく。

Q32口から布の糸が出ている中毒・誤飲

深夜、巣箱の中の3歳のメスの口から、カバー布のほつれた糸が5cmほど垂れているのを見つけた。糸を引っ張ると本人が嫌がって身を引き、奥まで続いているようだ。よだれが出ており、今夜の餌には手をつけていない。飼い主は糸を引き抜いてしまいたいと考えている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 糸を引っ張らず口元で切って、今夜のうちに受診する
  2. ゆっくり少しずつ糸を引き抜いて全部取り出す
  3. 食用油を飲ませて糸が滑って出るようにする
  4. 便と一緒に出るのを待ち、数日様子を見る

正解A.糸を引っ張らず口元で切って、今夜のうちに受診する

解説マニュアルは「床材・布の糸・ゴム・小さな玩具を口にする」と誤飲を注意事項に挙げている。糸状の異物は腸の中で引っかかり、引っ張ると腸が糸に沿って裂けたり、たぐり寄せられて重い腸閉塞や穿孔を起こす。見えている糸は口元で切って短くし、引っ張らずに受診する。よだれと食欲不振は既に消化管に影響が出ているサインで、今夜のうちの受診が必要である。油を飲ませても糸は出ず、誤嚥のリスクがある。数日待てば腸が壊死して命に関わる。

課題ほつれたカバー布をケージに使い続けており、布製品の点検が不足していた。糸状異物は引っ張ってはいけないという知識がなかった。

改善案カバー布やハンモックは織りの密なものを選び、ほつれが出たら即交換する。ケージ内と部屋んぽの床から糸・ゴム・小さな玩具を片付ける。誤飲時は引っ張らず切って受診と決め、嘔吐・食欲不振・よだれを異物のサインとして覚えておく。

Q33庭で採ったバッタを与えたらふらつく中毒・誤飲

生餌が切れたため、夕方に庭で捕まえたバッタとコオロギを4歳のオスに与えた。1時間後、よだれが多く、枝の上でふらついて着地に失敗した。小刻みな震えも見える。隣家では昨日、庭木に殺虫剤を散布していたことを思い出した。残りの虫はまだ容器に入っている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 水をたくさん飲ませて毒を薄めて様子を見る
  2. 人用の活性炭を溶かして飲ませる
  3. 野外の虫が原因と決めつけず、朝まで様子を見る
  4. 残りの虫を容器ごと保管し、症状の経過を記録して今すぐ受診する

正解D.残りの虫を容器ごと保管し、症状の経過を記録して今すぐ受診する

解説マニュアルは「野外で採った虫(農薬・寄生虫)」を禁止している。よだれ・ふらつき・震えは農薬などの神経毒中毒の典型的な症状で、進行するとけいれんと呼吸停止に至る。今すぐ受診し、原因を特定するため残りの虫を容器ごと持参する。給餌時刻と症状の経過を記録して伝えると治療が早まる。水を飲ませても神経毒は薄まらず、意識が鈍れば誤嚥する。人用の活性炭は用量が合わず、飲ませる行為自体が危険で、受診を遅らせる。朝まで待つ間に呼吸が止まる可能性がある。

課題生餌の在庫管理ができておらず、切れた際の代替として野外の虫を使うという危険な判断をした。近隣の農薬散布という情報を給餌前に思い出せなかった。

改善案生餌は信頼できる供給元から余裕をもって購入し、切れたときは専用フードやアカシアガムで代用する。野外の虫は絶対に与えないと決める。中毒の疑いでは原因物と記録を持って即受診と手順を決め、夜間救急の番号を控えておく。

Q34蚊取りスプレーの後によだれと震え中毒・誤飲

夏の夜、蚊が入ったため家族がリビングで殺虫スプレーを使い、その後に部屋んぽを始めた。30分後、3歳のメスがよだれを垂らし、体を震わせて枝から降りられなくなった。毛が湿った感じで、スプレーがかかった可能性がある。呼吸は速く、目が潤んでいる。スプレーの缶はまだ手元にある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. ぬるま湯で全身をしっかり洗い流し、乾くまで様子を見る
  2. 換気して別室に移し、体の薬剤を濡れタオルで拭き取り製品名を持って今すぐ受診する
  3. 牛乳を飲ませて毒を中和する
  4. 震えが止まるまで暗くして待ち、翌日受診する

正解B.換気して別室に移し、体の薬剤を濡れタオルで拭き取り製品名を持って今すぐ受診する

解説マニュアルは「夜の部屋んぽ中は窓を閉め、蚊取りは使わない」と定めている。殺虫成分は小型の霊長類に神経毒として作用し、よだれ・震え・呼吸の変化は中毒のサインである。まず薬剤のない部屋に移して換気し、毛に付いた薬剤を濡れタオルで拭き取り、製品名と成分が分かる缶を持って今すぐ受診する。全身を水で洗うのは体温を奪い、震えのある個体に低体温を重ねる。牛乳は禁止食品で中和効果もない。震えは中毒の進行を示しており、翌日まで待つとけいれんに進む。

課題蚊取りや殺虫剤が小動物に有毒であることを家族が知らず、使用後に部屋んぽをさせた。飼育の禁止事項が家族全員に共有されていなかった。

改善案ショウガラゴのいる家では殺虫スプレー・蚊取り線香・電気蚊取りを使わない。網戸のロックや窓を閉めて蚊の侵入を防ぎ、必要なら物理的な蚊帳を使う。禁止事項を紙にして家族に共有し、中毒時は製品を持って即受診と決める。

Q35輪ゴムがなくなり餌を吐いた中毒・誤飲

2日前の部屋んぽの後、机の上の輪ゴムが1本なくなっていた。今夜、5歳のオスが食べたコオロギを吐き出し、その後も餌に手をつけない。お腹を触ろうとすると嫌がり、丸まって枝の上でじっとしている。便は昨日から出ていない。飼い主は輪ゴムを飲み込んだのではと疑っている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 塩水を飲ませて吐かせ、輪ゴムが出るか確かめる
  2. 市販の下剤や便秘薬を与えて便と一緒に出す
  3. 吐かせず、誤飲の可能性と経過を伝えて当日中に受診し画像検査を受ける
  4. 自然に出ることが多いので、1週間便を観察する

正解C.吐かせず、誤飲の可能性と経過を伝えて当日中に受診し画像検査を受ける

解説マニュアルは「ゴム・小さな玩具を口にする。嘔吐・食欲不振なら受診」としている。嘔吐、食欲不振、排便停止、腹部を触ると嫌がる症状は腸閉塞を強く疑う。ゴムはレントゲンに写りにくいため、誤飲の可能性と時期を獣医師に伝えて画像検査を受ける必要があり、当日中の受診が必要である。塩水で吐かせるのは食塩中毒と誤嚥の危険があり、詰まった異物は吐けない。下剤は閉塞した腸を刺激して穿孔を起こす。1週間の観察は腸が壊死し、小さな体は脱水と衰弱で数日で命を落とす。

課題部屋んぽ前に机の上の輪ゴムなどの小物を片付けておらず、なくなったことに気づいた2日前の時点で対応しなかった。誤飲の症状が出るまで受診の判断を先送りした。

改善案部屋んぽ前に床と机の小物をすべて片付け、輪ゴム・クリップ・糸は蓋付きの箱に保管する。小物がなくなったら誤飲を疑い、その時点で獣医師に相談する。嘔吐・食欲不振・排便停止を「当日受診」の基準として紙に書いておく。

Q36真冬の深夜に停電、ヒーターが止まった環境・災害

1月の深夜2時、大雪で停電した。パネルヒーターとエアコンが止まり、ケージのある部屋は1時間で15℃まで下がった。2歳のメスは巣箱の中で丸まり、いつもより動きが少ない。復旧の見込みは不明。家には使い捨てカイロ、湯たんぽ、毛布、カセットコンロがある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 湯たんぽを巣箱の中に直接入れて体を温める
  2. 小さな箱にタオルを敷き、布で包んだカイロを入れて個体を移し、毛布で覆って24℃前後を保つ
  3. カセットコンロを部屋で燃やして室温を上げる
  4. 巣箱で寄り添って眠るのが習性なので、何もせず朝まで待つ

正解B.小さな箱にタオルを敷き、布で包んだカイロを入れて個体を移し、毛布で覆って24℃前後を保つ

解説マニュアルは「20℃以下は低体温の危険」「冬は24℃以上を24時間維持」と定め、搬送時は「暗くした小箱にタオルを敷き、カイロは布で包む」としている。停電時も同じ考え方で、広いケージより小さな箱のほうが保温しやすい。布で包んだカイロを入れ、個体が離れられる余地を残し、毛布で覆って温度計で24℃前後を確認する。湯たんぽを直接入れると低温火傷を起こし、逃げ場がなければ過熱する。カセットコンロは一酸化炭素中毒と火災の危険があり、密閉した部屋では致命的。丸まって動きが少ないのは低体温の始まりで、朝まで放置すれば命に関わる。体が冷たくなれば即受診の準備をする。

課題冬の保温を電気機器だけに頼り、停電時の代替手段を用意していなかった。低体温の危険域と停電時の保温手順を事前に決めていなかった。

改善案停電に備えて使い捨てカイロ、保温用の小箱、毛布、電池式の温度計をひとまとめにして常備する。冬は湯を沸かせる手段と布で包んだ湯たんぽの使い方を確認しておく。停電時の手順を紙に書いてケージのそばに貼る。

Q37猛暑日にエアコンが故障して口呼吸環境・災害

8月の昼過ぎ、外気温36℃。帰宅するとエアコンが止まっており、ケージのある部屋は33℃になっていた。4歳のオスは巣箱の外で伸びるように横たわり、口を開けて速い呼吸をしている。体を触ると熱く、よだれが出ている。家には保冷剤と扇風機があり、別の部屋は冷房が効いている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 冷水を張った洗面器に体を浸けて一気に冷やす
  2. 扇風機の強風を直接当てて体温を下げる
  3. 保冷剤を直接体に当てて腹部と首を冷やす
  4. 冷房の効いた部屋に移し、布で包んだ保冷剤を体の近くに置いて今すぐ受診する

正解D.冷房の効いた部屋に移し、布で包んだ保冷剤を体の近くに置いて今すぐ受診する

解説マニュアルは適温を24〜28℃、夏はエアコンで28℃以下とし、「口を開けて呼吸・呼吸が速い」を今すぐ受診の基準としている。体が熱く開口呼吸をしているのは熱中症で、脳や内臓に障害が残る前に処置が必要である。まず冷房の効いた部屋に移し、布で包んだ保冷剤を体のそばに置いて徐々に冷やしながら、暗い箱で受診する。冷水に浸けると急激な体温低下でショックを起こし、小さな体は逆に低体温に陥る。扇風機の直風は暴れて酸素消費が増え、冷えすぎの原因にもなる。保冷剤を直接当てると凍傷になり、血管が収縮して熱が逃げにくくなる。

課題夏の温度管理をエアコン1台に頼り、故障や停止に気づく仕組みがなかった。日中留守にする際の温度確認手段と、熱中症の初期対応を準備していなかった。

改善案スマートフォンで確認できる温度計や見守りカメラを設置し、外出先から室温を把握する。エアコンの定期点検と、停止時に備えた保冷剤と布の常備を行う。夏は直射日光を避けた部屋に置き、28℃を超えたら即対応する基準を決める。

Q38大地震で避難所へ移動することに環境・災害

夜9時に大きな地震があり、余震が続いて自治体から避難指示が出た。3歳のメスは揺れに驚いてケージの最上部の巣箱に隠れて震えている。ケージは高さ180cmで持ち運べない。外は11月で気温10℃。車で親戚の家まで移動する予定。餌のコオロギ、専用フード、Ca剤、体重記録ノートが手元にある。

移動の準備として最も適切なものはどれか

  1. 暗い小箱にタオルを敷き布で包んだカイロを入れて個体を移し、餌・Ca剤・記録を持って車内を24℃以上に保って静かに運ぶ
  2. ケージを分解して持ち出し、個体はケージの中に入れたまま車に積む
  3. 移動中のストレスを避けるため、餌と水を多めに置いて家に残す
  4. 服の中に抱いて温めながら避難し、落ち着いたら箱に移す

正解A.暗い小箱にタオルを敷き布で包んだカイロを入れて個体を移し、餌・Ca剤・記録を持って車内を24℃以上に保って静かに運ぶ

解説マニュアルの搬送手順は「暗くした小箱にタオルを敷き、カイロは布で包む。揺らさず静かに。車内は24℃以上」である。災害時もこれに従い、巣箱ごと取り出せるならそのまま箱に入れると落ち着く。餌のコオロギと専用フード、Ca剤、体重記録は避難先での飼育と受診に必要で、霊長類を診る病院の連絡先も持ち出す。大きなケージのまま運ぶと揺れで跳んで骨折し、車にも積めない。家に残すと余震での落下や、11月の夜に暖房のない部屋で低体温になる。服の中に抱いて移動すると、驚いた個体が跳び出して屋外で逸走し、咬傷も起こる。

課題災害時の持ち出し用の小箱や保温用品、餌の予備をまとめておらず、避難の手順を事前に考えていなかった。ショウガラゴのいる家庭では避難所に持ち込めない可能性が高く、避難先の確保も課題である。

改善案搬送用の暗い小箱、タオル、カイロ、餌1週間分、Ca剤、記録ノート、病院の連絡先をひとまとめにした避難セットを作る。親戚や知人など受け入れ先を事前に決める。年に1回、箱に移す練習をして個体を慣らしておく。

Q39冬の乾燥とエアコンの直風で毛が乱れる環境・災害

12月、暖房のエアコンの風がケージに直接当たる位置に置いてある。湿度計は25%を示し、6歳のオスの毛がぱさついて束になり、鼻の周りが乾いてひび割れている。くしゃみを数回聞いた。食欲と跳躍は普段どおりで、温度は26℃に保たれている。飼い主は霧吹きで体に水をかけようと考えた。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 加湿器の蒸気の吹き出し口をケージの中に向けて一気に加湿する
  2. 霧吹きで体に直接水をかけて毛と皮膚を潤す
  3. ケージを直風の当たらない位置に移し、加湿器で湿度40〜60%に整えて毛の状態を観察する
  4. 温度が保てているので特に何もしない

正解C.ケージを直風の当たらない位置に移し、加湿器で湿度40〜60%に整えて毛の状態を観察する

解説マニュアルは湿度40〜60%、「エアコンの直風を避ける」と定めている。乾いた温風が当たり続けると皮膚と鼻の粘膜が乾燥して毛づくろいでも整わず、気道の防御力も落ちてくしゃみや呼吸器の不調につながる。まずケージを直風の当たらない場所に移し、加湿器や濡れタオルで部屋全体の湿度を40〜60%に整え、毛の状態が戻るか数日観察する。改善しなければ受診する。蒸気をケージ内に直接向けると局所的に結露して体が濡れ、低体温やカビの原因になる。体に霧吹きをかけると濡れて体温を奪い、強いストレスになる。温度だけでよしとするのは湿度管理の欠落を放置することになる。

課題温度には気を配っていたが湿度を管理項目として意識しておらず、ケージの位置も直風を受ける場所にあった。毛の乱れを体調不良のサインとして早く捉えられなかった。

改善案温湿度計をケージの目線の高さに置き、毎晩温度と湿度を記録する。ケージはエアコンの風向きから外れた壁側に設置し、風向きを上向きに固定する。冬は加湿器で湿度40〜60%を保ち、毛並みと鼻の乾きを日々の観察項目に入れる。

Q40隣で工事が始まり夜も巣箱から出ない環境・災害

隣家の解体工事が始まり、日中は重機の音と振動が続く。1週間後、2歳のメスは夜になっても巣箱から出る時間が遅く、餌を残すようになった。ケージは工事側の窓に近い部屋にある。体重は3%減った。飼い主は昼間に起こして気分転換に遊ばせようかと考えている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. テレビやラジオをつけて工事の音をまぎらわす
  2. 工事側から離れた暗く静かな部屋にケージを移し、布カバーで遮音と遮光をして食事量と体重を記録する
  3. 昼間に起こして部屋んぽをさせ、気分転換で食欲を戻す
  4. 工事が終わるまでの辛抱なので、何もしない

正解B.工事側から離れた暗く静かな部屋にケージを移し、布カバーで遮音と遮光をして食事量と体重を記録する

解説マニュアルは「日中は暗く静かな部屋。テレビや窓際を避ける」とし、ストレス性脱毛の予防にも「日中は暗く静かに」を挙げている。昼に眠る夜行性のショウガラゴにとって日中の騒音と振動は睡眠を奪う強いストレスで、食欲低下と体重減少はその表れである。工事側から離れた部屋に移し、厚手の布カバーで光と音を和らげ、食事量と体重を記録して回復を確認する。5%以上減れば受診する。テレビやラジオは音を重ねるだけで刺激が増える。昼に起こすのは睡眠をさらに奪う最悪の対応。何もしないと体重減少が進み、ストレスから脱毛や自傷に進む。

課題周辺環境の変化がショウガラゴの睡眠に与える影響を考えず、ケージを窓際の部屋に置いたままにしていた。体重3%減の段階で対策を取る判断が遅れた。

改善案日中の静けさを確保できる部屋を家の中で決めておき、騒音や来客が予想される場合は事前に移動する。厚手の遮光カバーを用意する。工事などの予定が分かったら食事量と体重の記録を密にし、減少5%で受診する基準を決めておく。

Q41手を洗わずに子供が食事をしていた感染症・衛生

小学生の子供が夜、3歳のオスをケージ越しに触り、手足についていた尿の匂いのする手でそのままお菓子を食べていた。ショウガラゴは手足に尿をつけて歩く習性があり、ケージの枝も湿っている。翌日、子供が腹痛と下痢を訴えた。飼い主はアルコールスプレーで手を拭けば十分だと思っていた。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. アルコールスプレーで手を拭く習慣を徹底すれば十分と考える
  2. 子供の下痢は偶然と考え、特に対応しない
  3. 石けんと流水での手洗いを徹底し、子供を受診させてショウガラゴを飼っていることを医師に伝える
  4. ショウガラゴをぬるま湯で洗って尿の匂いを落とす

正解C.石けんと流水での手洗いを徹底し、子供を受診させてショウガラゴを飼っていることを医師に伝える

解説マニュアルはサルモネラ症について「便・尿でマーキングされた手足・器具」が感染経路で、「手足に尿を塗る習性あり。触れた後は必ず石けんで手洗い」としている。子供の腹痛と下痢は動物由来のサルモネラ感染の可能性があり、受診してショウガラゴを飼っていることを医師に伝えると適切な検査と治療につながる。家庭では触れた後の石けんと流水での手洗いを徹底し、飲食は手洗い後に限る。アルコールだけでは汚れの中の菌に効きにくい。偶然と考えて放置すると重症化や家族内感染を招く。ショウガラゴを洗うのは強いストレスと低体温を招き、尿洗いの習性は止められない。

課題尿洗いの習性による手足の汚染と、それが人にうつる病気の経路になることを家族に伝えていなかった。子供が触れた後の手洗いルールがなく、飲食との区別もなかった。

改善案ケージのそばに石けんと手洗いの掲示を置き、触れた後は必ず流水で洗ってから飲食するルールを家族で決める。子供が扱うときは大人が付き添う。枝は週1回洗い、器具は専用にする。家族に体調不良が出たら飼育動物を医師に伝える。

Q42円形の脱毛と飼い主の腕の赤い輪感染症・衛生

4歳のメスの背中に直径1cmほどの円形に毛が抜けた部分が2か所あり、ふけが目立つ。1週間後、毎晩抱いていた飼い主の前腕に、輪のように赤く盛り上がりかゆみを伴う発疹が出た。飼い主は同じ布団で一緒に寝ることもあり、市販の水虫薬を自分と個体の両方に塗ろうと考えている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 個体を受診させ、抱いた後は手洗いしケージを消毒し、飼い主も皮膚科を受診して動物との接触を伝える
  2. 市販の水虫薬を個体の脱毛部と自分の腕に塗って様子を見る
  3. 人にうつることはないと考え、これまでどおり一緒に寝る
  4. 毛が生えるまで脱毛部をテープで覆って接触を防ぐ

正解A.個体を受診させ、抱いた後は手洗いしケージを消毒し、飼い主も皮膚科を受診して動物との接触を伝える

解説マニュアルは皮膚糸状菌症について「接触(脱毛部・ケージの毛)」が経路で、「円形脱毛は受診。抱いた後は手洗い。ケージを定期消毒」としている。円形脱毛とふけ、飼い主の輪状の発疹は典型的な糸状菌感染の組み合わせで、人獣共通感染症である。個体を数日以内に受診させて抗真菌治療を受け、飼い主も皮膚科で動物との接触を伝えて治療する。ケージと布製品を消毒して再感染を防ぐ。市販の水虫薬を個体に塗ると舐めて中毒になり、診断も遅れる。一緒に寝続けると感染が繰り返され、家族に広がる。テープで覆うのは皮膚を傷め、暴れて剥がすうえ感染源のケージが残る。

課題円形脱毛を見つけた時点で受診せず、抱いた後の手洗いや一緒に寝るなどの濃厚接触を続けていた。皮膚糸状菌が人にうつる病気であることを知らなかった。

改善案円形脱毛やふけは早期受診と決める。抱いた後は必ず手洗いし、同じ布団で寝ない。ケージと布製品は定期的に消毒し、治療中は布製品を交換する。家族に皮膚症状が出たら動物との接触を医師に伝えるよう共有する。

Q43咳が続き痩せてきた感染症・衛生

9歳のオス。2週間前から夜に乾いた咳を繰り返し、体重が1か月で15%減った。食欲はあるのに痩せ、毛の艶がない。同じ部屋にはもう1頭の若い個体のケージがある。飼い主は最近、自分も咳が長引いており、風邪だと思っている。市販の風邪薬を個体にも少し与えようかと考えた。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 人用の風邪薬を少量だけ餌に混ぜて与える
  2. 季節の変わり目なので、暖かくして様子を見る
  3. 同じ部屋に置いたまま、若い個体と一緒に受診させる
  4. 咳のある個体を別室に隔離し、マスクと手袋で扱って今すぐ受診、飼い主も医療機関で診てもらう

正解D.咳のある個体を別室に隔離し、マスクと手袋で扱って今すぐ受診、飼い主も医療機関で診てもらう

解説マニュアルは結核について「咳・飛沫・濃厚接触」が経路で、「咳・痩せは即受診。飼育者の健康診断を年1回」としている。霊長類の結核は人からも人へもうつる重大な人獣共通感染症で、咳と痩せの組み合わせは典型的なサインである。咳のある個体を別室に隔離して同居個体への飛沫を防ぎ、扱うときはマスクと手袋を着け、今すぐ受診して検査を受ける。飼い主自身の長引く咳も同じ病気の可能性があり、医療機関で霊長類の飼育を伝えて診てもらう。人用の風邪薬は小型の霊長類に中毒を起こす。暖かくして様子を見ると病気が進み、感染が広がる。隔離せず同じ部屋のままでは若い個体にうつる。

課題咳と痩せという重大なサインを2週間放置し、飼い主自身の症状とも結び付けられなかった。多頭飼育で隔離できる部屋の準備がなく、飼育者の健康診断も受けていなかった。

改善案咳・痩せ・体重減少5%は即受診の基準として共有する。多頭飼育では隔離用の部屋とケージを確保し、器具を分ける。飼い主は年1回の健康診断を受け、医師に霊長類の飼育を伝えておく。体重は週1回記録する。

Q44新しい個体を迎えて同じケージに入れたい感染症・衛生

5歳のメスを飼っている家庭に、新しく1歳のオスを迎えた。昼は集団で眠る習性と聞き、初日から同じケージで寄り添わせようと考えている。新しい個体は軽い軟便があり、検便はまだ受けていない。既存の個体は健康で、餌皿や枝は共用にするつもり。飼い主は早く仲良くさせたいと焦っている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 習性に合わせて初日から同じケージに入れ、寄り添って眠らせる
  2. 新しい個体を別室のケージで隔離し、糞便検査と健康診断を終えるまで器具を分け、扱うたびに手洗いする
  3. 新しい個体の体に消毒液をスプレーしてから同居させる
  4. 同じ部屋の別ケージに置き、餌皿と枝は共用して様子を見る

正解B.新しい個体を別室のケージで隔離し、糞便検査と健康診断を終えるまで器具を分け、扱うたびに手洗いする

解説マニュアルは寄生虫症の予防として「導入時と年1〜2回の糞便検査」を挙げ、皮膚糸状菌や結核など接触や飛沫でうつる病気も示している。新しい個体は軟便があり検便もまだで、寄生虫や感染症を持ち込む可能性が高い。別室で隔離し、糞便検査と健康診断で問題がないことを確認するまで同居させない。餌皿や枝、掃除道具は分け、扱う順番は既存の個体を先にして、そのたびに石けんで手洗いする。初日からの同居は既存の個体に病気をうつすうえ、縄張り意識から咬傷も起こる。体に消毒液をかけるのは中毒と皮膚障害の原因で、病気は防げない。同じ部屋の別ケージでも飛沫や共用器具で感染する。

課題集団で眠る習性を根拠に、検疫期間を設けずに同居させようとした。導入時の糞便検査の重要性と、多頭飼育での隔離や器具の分離という基本を理解していなかった。

改善案新しい個体は迎える前に別室の隔離用ケージを用意し、糞便検査と健康診断を受けてから2〜4週間は隔離する。器具は個体ごとに分け、扱う順番と手洗いを徹底する。同居は獣医師の確認後に、監視下で短時間から始める。

Q45落下後に呼びかけに反応せず呼吸がない救命救急

深夜、天井近くから落下した3歳のオスが床でぐったりし、名前を呼んでも反応しない。胸の動きが見えず、口を開けても呼吸音がしない。口の中に床材のチップが1つ入っている。飼い主は動転しているが、電話は手元にあり、霊長類を診る夜間救急の番号も控えてある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 口の異物を取り除き、親指と人差し指で胸を挟んで毎分120回圧迫し、5回ごとに鼻から小さく息を吹き込みながら病院に電話する
  2. 手のひらで胸を強く押して心臓を動かす
  3. 冷たい水を顔にかけて刺激し、目を覚まさせる
  4. 体を強く揺さぶって名前を呼び続け、反応を待つ

正解A.口の異物を取り除き、親指と人差し指で胸を挟んで毎分120回圧迫し、5回ごとに鼻から小さく息を吹き込みながら病院に電話する

解説マニュアルの心肺蘇生は「呼吸がなければ口の中の異物を除く。胸を親指と人差し指で挟み毎分120回圧迫。5回圧迫ごとに鼻から小さく息を吹き込む。続けながら病院へ電話し指示に従う」である。100〜300gの体は親指と人差し指で挟む程度の力で十分で、手のひらで押すと肋骨が折れて肺や心臓を傷つける。息は口ではなく鼻から、肺の小ささに合わせて小さく吹き込む。冷水をかけても呼吸は戻らず、体温を奪う。揺さぶるのは頭部や脊椎の損傷を悪化させ、時間を失う。心肺蘇生を続けながら電話し、搬送中も中断しない。

課題落下の原因となる天井灯や着地点の安全対策が不十分だった。夜間救急の番号を控えていたのは良い準備だが、心肺蘇生の手順を事前に練習しておらず、動転して手順を思い出せない状態だった。

改善案心肺蘇生の手順(異物除去、指で挟んで毎分120回、5回ごとに鼻から息)を紙に書いてケージに貼り、家族で読み合わせる。ぬいぐるみで圧迫の力加減を練習する。夜間救急の番号は電話に登録し、搬送箱をそばに置く。

Q46ぐったりしているが緊急かどうか分からない救命救急

夜10時、5歳のメスが枝の上でぐったりしている。目は開いていて呼びかけると耳を動かすが、跳ばず動きも鈍い。飼い主は緊急かどうか判断するため状態を確かめたいが、何を見ればよいか分からない。手元には温度計と時計がある。人用の体温計を口に入れて測ろうか迷っている。

状態を確認する方法として最も適切なものはどれか

  1. 口に鏡を当てて曇るかどうかで呼吸の有無だけ確認する
  2. 人用の体温計を口に入れて体温を測る
  3. 反応を見て、胸の動きで1分間の呼吸数を数え、胸に指を当てて心拍を確かめ、体の冷たさを触れて確認する
  4. 抱き上げて何度も揺らし、動くかどうかで判断する

正解C.反応を見て、胸の動きで1分間の呼吸数を数え、胸に指を当てて心拍を確かめ、体の冷たさを触れて確認する

解説マニュアルの確認手順は「名前を呼び反応を見る。正常体温は37〜39℃。胸の動きで呼吸数を数える。1分約40〜60回。胸に指を当て心拍を確認。1分200回前後」である。反応、呼吸数、心拍、体の冷たさを順に確かめれば、今すぐ受診か当日受診かを判断でき、病院に電話したときも正確に伝えられる。呼吸が速い、口を開けて呼吸している、体が冷たい、けいれんがあれば今すぐ受診となる。鏡は呼吸の有無しか分からず、数や質を把握できない。人用の体温計を口に入れるのは咬まれる危険があり、暴れて骨折する。揺らして判断するのは頭部や内臓の損傷を悪化させる。

課題正常な呼吸数や心拍の目安を知らず、緊急度を判断する基準を持っていなかった。日頃の健康なときの状態を観察して記録しておく習慣がなかった。

改善案健康なときに休んでいる状態の呼吸数と動き方を観察し、正常の目安(呼吸40〜60回、心拍200回前後)を紙に書いて貼る。今すぐ受診の4つのサイン(けいれん・意識なし・体が冷たい、開口呼吸・速い呼吸、落下後動けない、止まらない出血・尾の折れ曲がり)を家族で共有する。

Q47夜間救急へ車で運ぶ準備救命救急

冬の深夜、跳躍後に動けなくなった2歳のオスを、車で40分先の夜間救急に運ぶことになった。外気温は3℃。飼い主は普段の大きなケージごと運ぶか、抱いて運ぶか迷っている。家にはタオル、使い捨てカイロ、蓋付きの小さな段ボール箱がある。個体は震えて目を閉じ気味だが呼吸はある。

搬送の方法として最も適切なものはどれか

  1. 飼い主の胸に抱いて温めながら助手席に座る
  2. 普段の大きなケージごと車に積んで運ぶ
  3. 窓を開けて新鮮な空気を入れながら箱に入れて運ぶ
  4. 暗くした小箱にタオルを敷き布で包んだカイロを入れ、揺らさず車内を24℃以上に保って運ぶ

正解D.暗くした小箱にタオルを敷き布で包んだカイロを入れ、揺らさず車内を24℃以上に保って運ぶ

解説マニュアルの搬送手順は「暗くした小箱にタオルを敷き、カイロは布で包む。揺らさず静かに。車内は24℃以上に保つ」である。小さな暗い箱は夜行性の個体を落ち着かせ、動けない体を揺れから守り、保温効率も高い。カイロは直接触れると低温火傷になるため布で包み、個体が離れられる隙間を残す。抱いて運ぶと驚いた個体が跳んで車内で逸走し、飼い主も咬まれ、運転の妨げになる。大きなケージは揺れで転がり、跳べる空間があると骨折が悪化するうえ保温できない。冬に窓を開けると3℃の外気で低体温が急速に進む。

課題搬送用の小箱と保温用品をまとめて用意しておらず、緊急時に方法を迷って時間を失った。搬送中の温度と揺れの管理が命に関わることを理解していなかった。

改善案蓋付きの小箱、タオル、カイロ、温度計を搬送セットとしてケージのそばに常備する。車内暖房を先に入れて24℃以上にしてから出発する。年に1回は箱に移す練習をして個体を慣らし、夜間救急までの道順を確認しておく。

Q48深夜に足を引きずるが食欲はある救命救急

深夜1時、4歳のメスが着地に失敗してから左後ろ足を引きずっている。出血や折れ曲がりはなく、コオロギは食べ、意識もはっきりしている。だが跳ばずに枝を伝って移動し、時々足を浮かせる。最寄りの夜間救急は霊長類を診ないと言われた。飼い主は朝まで待つべきか、今すぐ動くべきか迷っている。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 痛みをとるため人用の鎮痛剤を少量与えて朝まで寝かせる
  2. 枝を外し低く狭いケージで跳べないよう安静にし、翌朝一番に受診し、動けなくなるか呼吸が変われば夜間救急に電話する
  3. 元気で食べているので、数日様子を見て治らなければ受診する
  4. 部屋んぽをさせて足の使い方を観察し、悪化していなければ受診しない

正解B.枝を外し低く狭いケージで跳べないよう安静にし、翌朝一番に受診し、動けなくなるか呼吸が変われば夜間救急に電話する

解説マニュアルは「跳ばない・足を引きずる」を当日受診の基準とし、応急処置は「枝を外し低い狭いケージへ移し安静。当日中に受診しレントゲン」としている。意識があり、出血や折れ曲がりがなく食べているなら、今すぐの基準には当たらないが、当日中の受診は必要である。夜間に霊長類を診る病院がなければ、跳べない狭いケージで安静にして翌朝一番に受診し、その間に動けなくなる、呼吸が速くなる、体が冷たくなるといった今すぐの基準が現れたら夜間救急に電話する。人用の鎮痛剤は小型の霊長類に中毒を起こす。数日の様子見や部屋んぽは骨折を悪化させる。

課題霊長類を診る夜間救急を事前に調べておらず、深夜の判断で迷った。「今すぐ」と「当日」の受診基準の区別と、その間の安静の方法を知らなかった。

改善案霊長類を診る病院と夜間救急の連絡先を事前に確認し、電話に登録する。跳べない安静用の低いケージやキャリーを用意しておく。今すぐ受診と当日受診の基準を紙に書いて貼り、夜間は悪化のサインを1時間ごとに確認する。

Q49意識がなく体が冷たい個体を見つけた救命救急

冬の朝6時、巣箱の外の床で2歳のオスがぐったりしているのを見つけた。呼びかけても目を開けず、体は冷たく、胸の動きはかすかにある。ヒーターは動いているが、昨夜の餌は手つかずだった。飼い主は低血糖を疑い、砂糖水を用意した。ケージのそばには熱い湯の入ったポットもある。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 砂糖水を口に流し込んで血糖を上げてから受診する
  2. 熱い湯を入れた容器をすぐ体に当てて急いで温める
  3. 口に何も入れず、タオルで包み布で覆ったカイロで徐々に温めながら病院に電話し、今すぐ搬送する
  4. 巣箱に戻して静かに寝かせ、目を覚ますまで待つ

正解C.口に何も入れず、タオルで包み布で覆ったカイロで徐々に温めながら病院に電話し、今すぐ搬送する

解説マニュアルは「けいれん・意識がない・体が冷たい」を今すぐ受診の基準とし、低体温の応急処置は「タオルで包み布で覆ったカイロで徐々に温める。意識があれば砂糖水を口の端に」としている。意識がない個体は飲み込めないため、砂糖水を流し込むと気道に入り誤嚥や窒息を起こす。糖の補給は病院で点滴により行う。徐々に温めながら電話で状況を伝え、暗い小箱で揺らさず搬送する。熱い容器を直接当てると低温火傷を起こし、急激な加温は血管が開いてショックを招く。巣箱に戻して待てば体温と血糖が下がり続け、呼吸が止まる。

課題前夜の餌が手つかずだった時点で低血糖の危険に気づけなかった。「意識があれば砂糖水」という条件を理解せず、意識のない個体に飲ませようとした。

改善案夜の給餌時に食べ残しがあれば深夜にもう一度確認し、翌朝早く様子を見る。砂糖水を使う条件と使わない条件を紙に書いてケージに貼る。使い捨てカイロと搬送箱を冬は常に手元に置き、朝の異変は電話をしながら即搬送と決める。

Q50急変したが診てくれる病院が分からない救命救急

土曜の深夜、3歳のメスがけいれんを起こした。かかりつけの犬猫病院は休診で、霊長類を診てくれる病院を調べたことがない。家族はSNSで飼育仲間に質問しようとしており、飼い主は動転して何から手をつければよいか分からない。体重記録と餌の内容はノートにある。

飼い主の対応として最も適切なものはどれか

  1. 夜間救急に電話して霊長類の対応可否を確認しつつ、保温と搬送箱の準備を進め、体重推移・食事内容・便の写真を持って向かう
  2. SNSで飼育仲間に対処法を質問して返信を待つ
  3. 夜間に診てもらえないので、朝まで温めて待ってから犬猫病院に行く
  4. 電話せず、最寄りの犬猫の夜間救急に直接向かう

正解A.夜間救急に電話して霊長類の対応可否を確認しつつ、保温と搬送箱の準備を進め、体重推移・食事内容・便の写真を持って向かう

解説けいれんはマニュアルで今すぐ受診の基準である。診てくれる病院が不明でも、まず夜間救急に電話して霊長類の対応が可能か、無理なら紹介先があるかを確認し、並行して保温と搬送箱の準備を進める。マニュアルは受診時の情報として「体重推移・食事内容と虫の種類・便の写真・ケージ環境の写真」を挙げており、ノートを持参すると診断が早まる。SNSの返信を待つ間に時間が過ぎ、情報の正確さも保証されない。朝まで待つとけいれんが続いて脳に障害が残る。電話せずに向かうと診られずに追い返され、搬送の往復で体力を失う。

課題霊長類を診る病院を事前に確認しておらず、マニュアルの「事前に霊長類を診る病院を確認」という基本準備を怠っていた。緊急時の連絡先と手順が家族で共有されていなかった。

改善案霊長類を診る病院と夜間救急の連絡先を今すぐ調べて電話に登録し、ケージに貼る。かかりつけ医に緊急時の紹介先を聞いておく。体重推移・食事・便の写真をまとめた記録を持ち出せる形で保管し、搬送箱と保温用品と一緒に置く。

QRコード
エキゾチックアニマルの救命救急法講座 開催地&日程
https://exoticpetsaver.com