ロリス ケースメソッド 50問
状況を読み、飼い主として「最初に取るべき行動」を4択から選んでください。回答後に解説・課題・改善案が表示されます。マニュアルを見る
解答と解説・課題と改善案(全50問)
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Q1夜になっても丸まったまま動かない病気
11月の夜10時、6歳のスローロリスがいつもなら枝を伝って餌場に来る時間なのに、巣箱の中で丸まったまま出てこない。昨夜の餌もほとんど減っていなかった。赤色灯で覗くと目は開いているが、名前を呼んでも顔を上げるだけで動かない。室温は23℃だった。
飼い主が最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 体重を量り、食べた物と量をメモして翌朝一番に受診する
- 夜行性で眠いだけと考え、数日は餌の減りだけ見て様子を見る
- 元気を出させるため白色灯をつけ、巣箱から出して床で遊ばせる
- バナナと蜂蜜を巣箱の中に入れ、食べれば安心と判断する
正解A.体重を量り、食べた物と量をメモして翌朝一番に受診する
解説夜間に活動せず丸まったまま動かないのは、ロリスでは最も重要な異常サインの一つで、24時間食べていなければ当日受診が目安である。糖尿病や歯の病気、低体温が隠れていることが多く、体重・食べた物・量を記録して持参すると診断が早まる。数日様子を見るのは小型の夜行性動物では手遅れになりやすい。白色灯をつけて無理に活動させるのは強いストレスで、状態を悪化させる。甘い果物や蜂蜜は一時的に食べても原因の解決にならず、糖尿病があれば逆効果になる。
課題毎日の餌の減りと体重を記録しておらず、前夜の食欲低下を見逃していた。室温も適温の下限に近く、保温管理が不十分だった。異常を「夜行性だから」と解釈する知識不足があった。
改善案毎晩の給餌時に餌の減りと活動を確認し、週1回は体重を記録する。1週間で5%以上の減少や24時間の絶食を受診基準として決めておく。冬は24℃以上を24時間維持し、霊長類を診られる病院を事前に確認しておく。
Q2顔の片側が腫れてよだれが出る病気
8歳のピグミースローロリス。ここ数日硬い昆虫を口から落とすことが増え、今夜見ると右頬がぷっくり腫れ、口の端からよだれが垂れている。口臭も強い。この個体は保護時に犬歯が抜かれていた。飼い主は腫れが何か確かめようと口を開けて中を見ようとしている。
この状況で最も適切な対応はどれか
- 腫れを指で押して膿を出し、消毒液を塗って様子を見る
- 無理に口を開けず、柔らかい餌に切り替えて当日中に受診する
- 口内炎だろうと考え、人用の口内炎軟膏を頬の内側に塗る
- 自然に治ることが多いので、腫れが引くまで1週間観察する
正解B.無理に口を開けず、柔らかい餌に切り替えて当日中に受診する
解説ロリスの顔の腫れは歯根の膿瘍が多く、特に違法取引で犬歯を抜かれた個体は歯周病や歯の感染を起こしやすい。触らず、無理に口を開けず、柔らかい餌に変えて当日中に受診するのが原則である。膿を押し出すと感染が広がり、痛みで咬まれる危険もある。人用の軟膏は成分が不明で舐めて摂取するため危険。1週間放置すると膿瘍が骨や眼窩に及び、食べられなくなって衰弱する。受診時は食事内容と体重推移も伝える。
課題餌を口から落とすという初期サインを数日見逃していた。犬歯を抜かれた個体は歯のトラブルが起きやすいという知識がなく、口腔検査を受けていなかった。
改善案餌を落とす・硬い餌を避ける・口臭は歯のサインと覚え、当日受診の基準にする。年1回の口腔検査を受け、硬い虫やガムで自然に歯を磨かせる。果物偏重の食事をやめ、口周りを毎晩赤色灯で観察する。
Q3水をよく飲み尿の量が急に増えた病気
5歳のスローロリス。果物とバナナが好きで毎晩多めに与えてきた。最近、給水ボトルの減りが以前の倍近くになり、ペットシーツの尿の染みも大きい。体重は半年前より増えていたが、今週量ると先月より減っていた。毛づやも悪い。
最も適切な判断と行動はどれか
- 暑くて喉が渇いているだけなので、果物をさらに増やして水分を補う
- 尿が多いなら脱水を防ぐため、水を減らして飲む量を調整する
- 糖尿病や腎疾患を疑い、飲水量と体重の記録を持って数日以内に受診する
- ダイエットのため餌を半分にして、1か月後に体重を再確認する
正解C.糖尿病や腎疾患を疑い、飲水量と体重の記録を持って数日以内に受診する
解説多飲多尿に、体重増加のあとの減少と毛づやの低下が重なるのは、ロリスの糖尿病や腎疾患の典型的なサインである。果物中心の食事は糖尿病の主因となる。飲水量と体重の記録を持参し、数日以内に血液検査を受けるべきで、ぐったりしていれば当日受診する。果物を増やすのは血糖を上げて最悪の対応となる。水を制限すると脱水と腎障害を悪化させ、決して行ってはならない。自己判断で餌を半分にすると低血糖やけいれんを起こす危険があり、診断なしの食事制限は危険である。
課題甘い果物を主食にしていた食事管理の誤りが根本にある。飲水量と体重の変化を気づいてから記録し始めており、平常値を把握していなかった。
改善案主食をアカシアガム・昆虫・専用ペレットに切り替え、果物は週数回少量にする。体重は毎週、飲水量は毎日目視で確認し記録する。年1回の血液検査を受け、多飲多尿は数日以内の受診基準と決めておく。
Q4けいれんして枝から落ちた病気
深夜1時、10歳のスローロリスが枝の上で突然体を硬直させ、手足を震わせて床材の上に落ちた。数十秒で震えは止まったが、ふらついて枝をつかめず、目の焦点が合っていない。この個体は最近食欲が落ちており、今夜も餌をほとんど食べていない。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 意識があれば少量の砂糖水を口の端に含ませ、暗い箱で保温して即受診する
- けいれんが止まったので、そのままケージに戻して朝まで見守る
- 舌を噛まないよう口に指を入れ、体を強くさすって刺激する
- スマホで発作の動画を撮り続け、ネットで似た症例を調べて対処法を探す
正解A.意識があれば少量の砂糖水を口の端に含ませ、暗い箱で保温して即受診する
解説食欲不振が続いていたロリスのけいれんとふらつきは低血糖の可能性が高い。意識があれば少量の砂糖水を口の端に含ませ(誤嚥を避けるため流し込まない)、暗く静かな箱で保温して直ちに受診する。けいれん・意識障害は「今すぐ受診」の項目であり、朝まで待つと再発作や低体温で命に関わる。口に指を入れるのは咬傷と毒の危険があり、強い刺激はストレスと再発作を招く。動画は短く記録するのは有用だが、撮り続けて対応を遅らせてはならない。落下による骨折の可能性もあるため、体を伸ばしたり触りすぎたりしない。
課題数日前からの食欲低下を放置し、低血糖に至るまで受診しなかった。夜間に受診できる霊長類対応の病院を調べておらず、初動が遅れた。
改善案24時間食べなければ受診、を家庭のルールにする。砂糖水を作れる材料と暗い搬送箱、布で包んだカイロを常備する。夜間救急で霊長類を診る病院の連絡先を冷蔵庫に貼り、体重推移を記録しておく。
Q5足を引きずり枝をつかめない病気
2歳のピグミースローロリス。飼い主は果物とゼリーを中心に与え、UVB灯は設置していない。1週間ほど前から後ろ足を引きずり、枝をつかむ力が弱く、今夜は中段の枝から滑り落ちた。背中もやや丸まって見える。外傷や出血は見当たらない。
最も適切な対応はどれか
- 運動不足と考え、部屋に出して床で歩かせる時間を増やす
- 外傷がないので、カルシウム剤を多めに与えて2週間様子を見る
- 捻挫だろうと患部を冷やし、包帯でしっかり固定して安静にする
- 代謝性骨疾患を疑い、落下防止のため低い位置に枝を移して数日以内に受診する
正解D.代謝性骨疾患を疑い、落下防止のため低い位置に枝を移して数日以内に受診する
解説果物中心でUVB灯もない若い個体の「足を引きずる・つかむ力が弱い・背中が曲がる」は代謝性骨疾患の典型で、骨がもろく落下で簡単に骨折する。まず高い枝を外して落下リスクを減らし、数日以内に受診してレントゲンと血液検査を受ける。落ちて動けなくなれば即受診である。運動を増やすと骨折の危険が高まる。カルシウム剤の自己投与は量を誤ると腎臓を痛め、根本の食事改善にならない。包帯固定は骨の弱い個体では圧迫で悪化し、外傷のない症状に固定は不要である。
課題果物とゼリーという糖分過多でカルシウム不足の食事を続けていた。UVB灯の検討がなく、若い個体でも骨の病気になるという知識がなかった。落下の前兆を1週間見逃した。
改善案主食を樹液・昆虫・専用ペレットに変え、獣医師の指導でカルシウムを補う。UVB灯の設置を検討する。枝は太さを変えて固定し、床に厚い床材を敷く。つかむ力の低下や落下は数日以内の受診基準にする。
Q6水のような下痢が2日続く病気
4歳のスローロリス。一昨日から便が軟らかく、今夜は水のような下痢を数回している。肛門周りの毛が汚れ、床材をこする仕草もある。まだ餌は少し食べ、水も飲むが、動きが鈍い。飼い主は導入時以来、糞便検査を受けたことがない。
最も適切な対応はどれか
- 便を密閉袋に入れ写真も撮り、保温して当日中に受診する
- 人用の下痢止めを少量与え、便が固まるまで様子を見る
- 腸を休ませるため餌と水を丸1日抜いてから再開する
- 床材を全部変えれば治るので、消毒して1週間観察する
正解A.便を密閉袋に入れ写真も撮り、保温して当日中に受診する
解説水のような下痢が2日続き、動きが鈍っているのは当日受診の目安である。寄生虫症やサルモネラなどが疑われ、便そのものが診断に不可欠なので密閉袋に入れ、写真も撮って持参する。小型のロリスは下痢で急速に脱水するため、水は飲める状態にし保温して受診する。人用の下痢止めは用量が合わず、感染性下痢では排出を止めて悪化させる。絶食絶水は低血糖と脱水を招き危険である。床材交換だけでは体内の原因は解決せず、1週間の放置は衰弱につながる。人獣共通感染症の可能性もあるため、世話の後は必ず手を洗う。
課題導入時と定期の糞便検査を受けておらず、寄生虫の有無を把握していなかった。軟便の初日に記録や便の保存をしておらず、受診の目安も知らなかった。
改善案導入時と年1〜2回の糞便検査を習慣にする。便の変化に気づいたら初日から写真を撮り、2日続く・血便・ぐったりは当日受診と決めておく。床材は毎日交換し、世話の後は石けんで手を洗う。
Q7同じ腕を舐め続けて毛が抜けた病気
3歳のスローロリス。1か月前に引っ越し、ケージはリビングの窓際に置かれ、昼間は家族の生活音とテレビの音が続く。最近、左前腕の同じ場所を夜通し舐め続け、その部分の毛が抜けて皮膚が赤くただれてきた。ケージの同じ角を回る動きも見られる。
最も適切な対応はどれか
- 舐められないよう患部に人用のかゆみ止めを塗って様子を見る
- 皮膚炎の治療で受診し、あわせてケージを暗く静かな部屋へ移す
- 退屈しているだけなので、昼間もケージから出して遊ぶ時間を作る
- エリザベスカラーを自作して装着し、舐められなくすれば解決する
正解B.皮膚炎の治療で受診し、あわせてケージを暗く静かな部屋へ移す
解説同じ場所を舐め続ける脱毛・皮膚炎と常同行動は、ロリスのストレス性自傷の典型で、引っ越し後の窓際・騒音・昼間の明るさが原因と考えられる。皮膚炎は数日以内に受診して治療しつつ、根本原因である環境を改善しなければ再発する。人用のかゆみ止めは舐めて摂取するため危険。昼間に出して遊ぶのは完全な夜行性のロリスにはさらなるストレスになる。自作のカラーは枝の移動や毛づくろい、採食を妨げ、パニックで落下する危険があり、原因の解決にもならない。腕の毛の異常は毒腺の異常の可能性もあるので獣医師に診てもらう。
課題引っ越し後の環境変化を軽視し、窓際・騒音・日中の明るさというロリスに最も不向きな場所にケージを置いた。行動変化を「癖」と捉え1か月放置した。
改善案ケージを暗く静かな部屋に移し、日中は布カバーで完全に暗くする。隠れ家と登り木を増やし、夜間に採食パズルで探索行動を作る。同じ部位を舐める・脱毛は受診基準にし、環境変更時は特に行動を観察する。
Q81週間で体重が急に減った病気
12歳の高齢スローロリス。毎週日曜に体重を量る習慣があり、今週は先週の1,400gから1,300gに減っていた。餌は食べているように見えるが、水を飲む回数が増え、毛が粗くなった気がする。嘔吐は今のところ見ていない。飼い主は食欲があるので大丈夫かと迷っている。
最も適切な判断はどれか
- 1週間で5%以上の減少なので、記録を持って数日以内に受診する
- 食欲があるなら問題ないので、来週もう一度量って判断する
- 高齢による自然な減少なので、高カロリーの果物と蜂蜜を増やす
- 水を飲みすぎて痩せたので、給水ボトルを外して皿だけにする
正解A.1週間で5%以上の減少なので、記録を持って数日以内に受診する
解説1週間で5%以上の体重減少はロリスの重要な異常サインで、食欲があっても数日以内に受診が必要である。高齢で多飲・毛の粗さを伴えば腎疾患や糖尿病が疑われ、血液検査で早期に見つけられる。来週まで待つとさらに減り、嘔吐や食欲廃絶が出てから受診することになる。高齢だからと諦めるのは誤りで、果物と蜂蜜を増やすと糖尿病を悪化させる。給水を減らすのは腎疾患で最も危険な対応で、脱水と腎不全を進める。体重推移の記録は受診時に大きな価値がある。
課題食欲があれば大丈夫という思い込みがあり、多飲と毛の変化を関連付けられなかった。高齢個体なのに定期的な血液検査を受けていなかった。
改善案1週間で5%以上の減少は受診と明文化する。高齢個体は年1回以上の血液検査を受ける。飲水量を毎日目視で確認し、体重・飲水・便の記録を一冊にまとめて受診時に持参する。
Q9餌を口から落として硬い虫を避ける病気
7歳のピグミースローロリス。先週から好物のコオロギをかじっては落とし、柔らかい果物ばかり食べる。よく見ると口臭があり、口の端に少しよだれがついている。顔の腫れはまだない。体重は先月より30g減っている。飼い主はコオロギが好みでなくなっただけと思っている。
最も適切な対応はどれか
- 好みが変わったと考え、果物とゼリーを主食にして様子を見る
- 歯の病気を疑い、柔らかい餌に切り替えて数日以内に口腔検査を受ける
- 歯石を取るため綿棒で歯をこすって掃除し、改善を待つ
- コオロギを刻んで果物に混ぜれば食べるので、それで解決とする
正解B.歯の病気を疑い、柔らかい餌に切り替えて数日以内に口腔検査を受ける
解説硬い餌を避けて口から落とす・口臭・よだれ・体重減少は、ロリスの歯周病や歯の感染の初期サインである。顔が腫れる前に、柔らかい餌に切り替えて数日以内に口腔検査を受けると、膿瘍や抜歯に至る前に治療できる。果物中心にすると糖尿病を招き、歯周病もさらに進む。綿棒で歯をこするのは痛みで咬まれる危険があり、歯周病は家庭処置では治らない。餌を混ぜて食べさせても原因は解決せず、体重減少が続く。口の異常は放置しないことが重要である。
課題食べ方の変化を「好みの問題」と解釈し、歯のサインと結びつけられなかった。ピグミーは体が小さく30gの減少でも大きい割合であることを認識していなかった。
改善案餌を落とす・硬い餌を避ける・口臭を歯の受診基準として覚える。年1回の口腔検査を受け、硬い虫やガムで歯を自然に磨かせる。毎週の体重は割合で評価し、ピグミーでは5%(約20g)減で受診する。
Q10嘔吐して食欲がなく痩せてきた病気
9歳のスローロリス。飼い主はタンパク質を重視して毎晩多量の昆虫とゆで卵を与えてきた。2週間前から水を飲む量が増え、今週は嘔吐が2回あり、餌をほとんど食べない。体は痩せて毛が粗くなり、今夜は巣箱から出てこなかった。
最も適切な対応はどれか
- 嘔吐は食べ過ぎのサインなので、餌を減らして数日様子を見る
- 水分補給のためスポーツドリンクを与え、翌週まで観察する
- 腎疾患を疑い、保温して食事内容と飲水量の記録を持ち当日中に受診する
- 吐き気止めとして人用の胃薬を少量与え、食欲が戻れば受診しない
正解C.腎疾患を疑い、保温して食事内容と飲水量の記録を持ち当日中に受診する
解説多飲多尿・食欲低下・嘔吐・痩せ・毛が粗くなるという経過はロリスの腎疾患の典型であり、タンパク質過多の食事がリスクを高める。24時間食べていない状態は当日受診の目安で、脱水が進む前に血液検査と点滴が必要である。餌を減らして様子を見るのは衰弱を進めるだけ。スポーツドリンクは糖分が多く、腎臓や血糖に負担をかけ、根本的な治療にならない。人用の胃薬は小型霊長類での安全性が不明で、症状を隠して受診を遅らせる。受診時は食事内容と飲水量の記録が診断に役立つ。
課題タンパク質過多という食事の偏りがあり、多飲の段階で受診しなかった。年1回の血液検査を受けておらず、腎機能の変化を早期に捉えられなかった。
改善案主食はアカシアガム・昆虫・専用ペレットのバランスにし、タンパク質過多を避ける。新鮮な水を常時2か所に用意し飲水量を毎日確認する。年1回の血液検査を受け、嘔吐や24時間の絶食は当日受診と決める。
Q11白内障のように目が白く濁ってきた病気
11歳のスローロリス。この数か月で体重が増え、最近は減少に転じた。今夜、赤色灯で観察すると両目の中心が白く濁り、餌場の位置を探るように手を伸ばして枝を掴み損ねる。飲水量も多い。飼い主は目薬で治るのではと市販の目薬を探している。
最も適切な対応はどれか
- 人用の目薬を1日数回さして濁りが取れるか2週間試す
- 白内障は老化なので何もせず、餌場を低くして見守る
- 目を洗うためにぬるま湯で毎晩目を拭き、白濁が悪化したら受診する
- 糖尿病の合併症を疑い、体重と飲水の記録を持って数日以内に受診する
正解D.糖尿病の合併症を疑い、体重と飲水の記録を持って数日以内に受診する
解説体重増加のあとの減少・多飲・白内障の組み合わせは、ロリスの糖尿病が進行した際の典型的な経過である。白内障そのものより背景の糖尿病が命に関わるため、数日以内に血液検査を受け、食事療法などの治療を始める必要がある。人用の目薬では糖尿病性白内障は治らず、成分によっては有害である。老化と決めつけて放置すると血糖コントロール不良で衰弱する。目を拭くのは効果がなく、触られるストレスと咬傷の危険を増やす。視力低下時は落下防止のため枝を低く密に配置するのも併せて行う。
課題体重増加の段階で肥満に対処せず、果物や糖分の多い食事を続けていた。目の異常を局所の問題と捉え、全身疾患のサインと結びつけられなかった。
改善案甘い果物・蜂蜜を減らし、アカシアガム・昆虫・野菜主体の食事にする。体重を毎週記録し、増減の傾向を見る。多飲・白濁・つかみ損ねは数日以内の受診基準にし、視力低下時は枝を低く密に配置し落下に備える。
Q12便に白い虫が混じっている病気
1年前に譲り受けた5歳のスローロリス。ここ2週間で少し痩せ、今夜、掃除中に便の中に白く細い虫が動いているのを見つけた。軟便で肛門をこする仕草もある。家には他にペットはいないが、幼い子どもが時々ケージの掃除を手伝っている。
最も適切な対応はどれか
- 虫入りの便を密閉袋に保存して受診し、掃除後は家族全員が石けんで手を洗う
- 犬用の虫下しを体重換算で与え、便から虫が消えるまで続ける
- 虫は自然に出ていくので、床材を頻繁に替えて1か月様子を見る
- ケージを漂白剤で洗い、個体を風呂で洗えば駆除できる
正解A.虫入りの便を密閉袋に保存して受診し、掃除後は家族全員が石けんで手を洗う
解説便に虫が見える・痩せる・肛門をこするのはロリスの寄生虫症の典型で、虫の種類を特定するために便を密閉袋に入れて受診し、獣医師の処方で駆虫する。数日以内の受診で良いが、血便やぐったりがあれば当日受診する。人にうつる寄生虫もあるため、掃除を手伝う子どもも含めて世話の後は石けんで手を洗い、台所で器具を洗わない。犬用薬は種類も用量も異なり中毒の危険がある。放置すると栄養失調が進み、床材交換だけでは体内の虫は消えない。個体を風呂で洗うのは強いストレスと低体温を招き、駆虫効果もない。
課題譲り受けた時に糞便検査をしていなかった。痩せてきた段階で原因を調べず、幼い子どもに手洗い指導のないまま掃除を手伝わせていた。
改善案導入時と年1〜2回の糞便検査を受ける。床材は毎日交換して清潔にする。世話の後の手洗いを家族のルールにし、幼児が世話をする時は大人が付き添う。痩せ・軟便・肛門をこするは受診基準にする。
Q13枝から落ちて後ろ足が変な向き怪我
深夜2時、物音で目が覚めた飼い主が赤色灯で見ると、4歳のスローロリスが150cmの上段から床に落ちて丸まっている。左後ろ足が不自然な角度に曲がり、動かそうとしない。出血はない。固定していた枝が緩んで外れていた。床材は薄いペットシーツ1枚だった。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 曲がった足をまっすぐに伸ばし、割り箸で添え木をして包帯を巻く
- 触らず暗い箱に入れて保温し、夜間救急に連絡して直ちに搬送する
- 自力で枝に登れるか確かめるため、ケージに戻して朝まで観察する
- 痛みを和らげるため人用の鎮痛剤を少量飲ませて受診する
正解B.触らず暗い箱に入れて保温し、夜間救急に連絡して直ちに搬送する
解説落下後に動けない・手足が変な向きは「今すぐ受診」の項目である。骨折が疑われる場合、ロリスでは患部を伸ばしたり添え木をする必要はなく、触らず暗い箱にタオルを敷いて保温し、揺らさず搬送する。無理に伸ばすと骨片が神経や血管を傷つけ、痛みで咬まれる危険もある。ケージに戻して朝まで待つと、ショックや低体温で命に関わる。人用鎮痛剤は小型霊長類には中毒量になりやすく絶対に与えない。骨が弱い代謝性骨疾患が背景にないかも診てもらう。
課題枝の固定が甘く、高所の下に厚い床材やクッションがなかった。夜間の落下に備えた搬送箱や夜間救急の連絡先の準備がなく、初動に迷った。
改善案枝は太さを変えてしっかり固定し、月1回緩みを点検する。1m以上の枝の下には厚い床材と柔らかいクッションを敷く。暗い搬送箱・タオル・布で包むカイロを常備し、夜間に霊長類を診る病院を確認しておく。
Q14ペアの相手に咬まれ腕が腫れた怪我
相性が良いと聞いてペア飼育を始めて2週間。夜中に激しい鳴き声がして見に行くと、3歳の雌の右腕に咬み傷があり、小さな出血がある。1時間後には傷の周りが赤く腫れ始めた。相手の雄は隠れ家の一つを占領し、巣箱は一つしかない。
最も適切な対応はどれか
- 軽い傷なので消毒液を塗り、同じケージのまま2〜3日様子を見る
- 2頭を別のケージに分け、傷を流水で洗って腫れているので当日受診する
- 傷口に人用の抗生物質軟膏を塗り、腫れが引くまで様子を見る
- 腫れが引くよう患部を強く冷やし、翌週の定期検診で診てもらう
正解B.2頭を別のケージに分け、傷を流水で洗って腫れているので当日受診する
解説ロリスの咬傷は毒(肘の腺分泌物と唾液の混合)により壊死が起きやすく、腫れが出たら当日受診が目安である。まず再発を防ぐため2頭を分け、傷は流水で洗い、腫れが広がる・出血が続くなら即受診する。消毒だけで同居を続けると再度咬まれ、腫れが広がって組織が壊死する。人用の抗生物質軟膏は自己判断で使うと舐めて摂取し、必要な処置が遅れる。強い冷却は小型動物では低体温を招き、翌週まで待つと壊死や感染が進行する。ロリスは基本単独飼育で、ペアでも隠れ家を複数用意する。
課題単独が基本のロリスを、相性の確認が不十分なままペアにした。隠れ家が一つしかなく逃げ場がなかった。咬傷の毒性を軽視していた。
改善案基本は単独飼育とし、ペアにする場合は隠れ家と巣箱を複数用意して相性を数週間観察する。咬傷後は腫れの範囲を時間ごとに記録し、広がれば即受診する。夜間の鳴き声や争いに気づける場所にケージを置く。
Q15保温球に触れて手のひらが赤い怪我
12月の夜、6歳のピグミースローロリスが枝からケージ上部のカバーなしの保温球に手を伸ばし、鳴き声を上げて離した。見ると右手のひらが赤くなり、皮がむけかけている。手を握らず枝をつかみにくそうにして、しきりに舐めている。
最も適切な応急処置はどれか
- 患部を冷たい濡れタオルで冷やし、薬は塗らず当日受診する
- 人用のやけど軟膏を厚く塗り、包帯を巻いて自然治癒を待つ
- 氷を直接押し当てて30分冷やし、痛みが引けば受診しない
- 患部にアロエやオイルを塗り、舐めないよう手を布で縛る
正解A.患部を冷たい濡れタオルで冷やし、薬は塗らず当日受診する
解説ロリスのヒーター熱傷は、冷たい濡れタオルで患部を冷やし、薬は塗らずに当日中に受診するのが原則である。手のひらの熱傷は枝をつかめなくなり、落下や採食困難につながるため軽視できない。人用の軟膏は舐めて摂取するため危険で、包帯を巻くと患部の観察ができず感染に気づけない。氷の直接接触は小さな体に凍傷と低体温を招く。アロエやオイルは民間療法で感染を助長し、手を縛ると毛づくろいや移動ができずストレスと二次的な怪我を招く。
課題保温球にカバーがなく、枝から手が届く位置に設置されていた。サーモスタットで管理せず、ロリスが好奇心や寒さで熱源に触れるリスクを想定していなかった。
改善案保温球は必ずカバー付きにし、枝から届かない位置に移す。パネルヒーターとサーモスタットで24〜28℃を保ち、ケージ内の温度計を毎晩確認する。手のひらの怪我はつかむ力に直結するため当日受診と決める。
Q16ハンモックの糸に指が絡まった怪我
5歳のスローロリスに布製ハンモックを入れて1か月。夜、ケージから鳴き声がして見ると、ほつれた糸が左手の指に何重にも巻きつき、指先が紫色に腫れている。ロリスは引き抜こうと暴れ、糸はさらに締まっていくばかりである。
最も適切な対応はどれか
- 糸を指でほどこうと引っ張り、外れなければ指を強く引き抜く
- 布ごとハサミで切って外し、指の腫れや動きを確認して腫れていれば受診する
- 暴れるのを待ち、落ち着いてから自然に外れるのを翌朝まで待つ
- 糸を燃やして切り離すためライターで焼き切る
正解B.布ごとハサミで切って外し、指の腫れや動きを確認して腫れていれば受診する
解説指の絡まりは引っ張らず、布ごと切って外すのが原則である。糸が締まった指は血流が止まり壊死するため、指先が紫色に腫れていれば外した後も当日受診が必要である。引っ張ると糸が食い込み、皮膚や腱を切断する。翌朝まで待つと血流遮断で指を失う。ライターは熱傷と火災の危険があり論外である。作業中は咬まれる危険があるので、厚手のタオルで顔を覆って暗くし、可能なら二人で行う。外した後、指が動かせない・腫れが引かない場合は受診する。
課題布製ハンモックやほつれやすい布をケージに入れていた。ロリスは指を絡ませやすいという知識がなく、日々の点検でほつれを見逃した。
改善案布製ハンモックやほつれた布は使わず、ネットやロープは目の細かさを確認する。ケージ内の布や糸くずを毎日点検する。安全に外せるようハサミと厚手タオルをケージの近くに常備し、指の腫れは当日受診とする。
Q17飼い主が咬まれて手が離せない怪我
夜間、8歳のスローロリスの餌皿を替えようと素手でケージに手を入れた。ロリスは腕を上げて肘を舐める仕草をした直後、飼い主の親指に深く咬みつき、離さない。強い痛みで飼い主は反射的に手を引きそうになっている。
この瞬間に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 痛みに耐えて手を勢いよく引き抜き、傷口を絞って毒を出す
- 動かず落ち着き、もう片方の手で厚手のタオルを顔にかぶせて暗くし離れるのを待つ
- 大声で叫んで鼻を叩き、驚かせて口を開けさせる
- 水をかけて呼吸を苦しくさせ、口を離させる
正解B.動かず落ち着き、もう片方の手で厚手のタオルを顔にかぶせて暗くし離れるのを待つ
解説腕を上げて肘を舐めるのはロリスが毒を口に含む威嚇行動で、その後の咬傷は毒を伴う。咬まれたら手を引かず動かず、厚手のタオルで顔を覆って暗くすると口を離しやすい。離したら個体をケージに戻し、傷を15分以上流水で洗い、腫れを観察する。手を引くと傷が深く裂ける。叩く・叫ぶは毒腺を舐めた後の咬傷を増やし、パニックで落下や骨折も招く。水をかけるのは動物にも危険で効果も乏しい。息苦しさ・全身の発疹・強い腫れはアナフィラキシーの可能性があり、救急要請が必要である。
課題素手でケージに手を入れ、威嚇の前兆を見ても作業を続けた。夜間の採食時間は防御的になりやすいことを理解していなかった。タオルなど対処道具がなかった。
改善案世話は厚手の手袋を着け、ロリスが巣箱にいる時間帯を選ぶ。腕を上げて肘を舐めたら手を引く前に作業を中断する。厚手タオルをケージ横に常備し、咬まれた時の手順を家族で共有する。咬傷後は必ず受診する。
Q18咬まれた後に息苦しさと発疹怪我
夜11時、ロリスに手を咬まれた飼い主は傷を流水で洗った。しかし20分後、咬まれた手が肘まで腫れ、首や胸に赤い発疹が広がり、喉が締めつけられるような息苦しさを感じ始めた。家には自分と高齢の母親しかおらず、声もかすれてきた。
飼い主がすぐ取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 傷の腫れなので冷やして横になり、朝一番に皮膚科を受診する
- 市販の抗ヒスタミン薬を飲み、1時間様子を見て改善しなければ病院へ行く
- アナフィラキシーを疑い直ちに救急要請し、咬んだ動物がロリスであることを伝える
- 自分で車を運転して夜間の動物病院へ行き、ロリスの毒について相談する
正解C.アナフィラキシーを疑い直ちに救急要請し、咬んだ動物がロリスであることを伝える
解説ロリスの咬傷毒によるアナフィラキシーの報告があり、咬傷後の全身の発疹・急速に広がる腫れ・息苦しさはその典型である。分単位で悪化し気道閉塞や血圧低下で命に関わるため、直ちに救急要請し、ロリスに咬まれたことを伝える。朝まで待つ、市販薬で1時間様子を見るのは致命的な遅れになる。自分で運転するのは途中で意識を失う危険があり、動物病院は人の救急対応ができない。救急隊を待つ間は横になり、家族に状況を伝え、可能なら玄関を開けておく。
課題ロリスの毒でアナフィラキシーが起きる可能性を知らず、咬傷後の観察ポイントを把握していなかった。咬まれても人の病院には行かない前提でいた。
改善案咬まれたら15分以上流水洗浄し、必ず人の医療機関を受診する。息苦しさ・全身の発疹・強い腫れは救急要請と家族で共有する。かかりつけ医にロリスを飼っていることを伝え、咬傷歴があれば記録して持参する。
Q19金網に爪が引っかかり出血怪我
7歳のピグミースローロリス。夜、金網ケージの側面を登っている最中に後ろ足の爪が網目に引っかかり、無理に外した拍子に爪が根元から剥がれた。指先から血がにじみ続け、ロリスは足を舐めている。飼い主は出血が止まらず慌てている。
最も適切な対応はどれか
- 清潔なガーゼで5分以上圧迫し、止まらなければ当日受診する
- 小麦粉をつけて血を固め、そのままケージに戻して様子を見る
- 止血のため指の根元を輪ゴムで強く縛り、翌日まで観察する
- 出血はすぐ止まるので、ロリスに舐めさせて自然治癒を待つ
正解A.清潔なガーゼで5分以上圧迫し、止まらなければ当日受診する
解説爪が剥がれた出血は、清潔なガーゼで5分以上圧迫して止血するのが基本で、途中で外して確認しない。四肢は心臓側を軽く押さえると効果的である。止まらない・出血量が多い場合は当日受診する。小型のロリスは少量の出血でも影響が大きく、小麦粉は感染源となり止血効果も乏しい。輪ゴムでの緊縛は血流を止め指の壊死を招く。舐めさせるだけでは唾液で傷が汚れ、感染や自傷につながる。作業時は咬まれないよう厚手のタオルで顔を覆う。爪の根元の損傷は伸び方に影響するため、獣医師の診察を受ける。
課題金網の目の大きさが爪の引っかかりに適していなかった。引っかかった時に無理に外し、爪を剥がした。止血用のガーゼを常備していなかった。
改善案ケージは目の細かい金属製とし、爪が引っかかる網目やほつれた素材を避ける。引っかかった時は引っ張らず、布や網を切って外す。清潔なガーゼと厚手タオルを常備し、5分圧迫で止まらない出血は当日受診とする。
Q20落下後に動くが片腕を使わない怪我
5歳のスローロリスが枝から約1mの高さの床に落ちた。すぐに巣箱へ戻ったが、右腕を体につけたまま使わず、三本の手足だけで移動している。腫れは見えず出血もない。飼い主は動けているなら大丈夫かと迷い、朝まで待つか考えている。
最も適切な判断はどれか
- 動けているので骨折ではない。1週間様子を見て腕を使えば問題ない
- 腕を伸ばして触り、痛がらなければ問題なしと判断する
- 使わない腕は骨折や脱臼の可能性があるため、触らず暗い箱で保温して当日中に受診する
- 腕を使わせるため餌を高い枝の上に置き、登らせてリハビリする
正解C.使わない腕は骨折や脱臼の可能性があるため、触らず暗い箱で保温して当日中に受診する
解説落下後に片腕を使わないのは、腫れが見えなくても骨折・脱臼・神経損傷の可能性がある。ロリスは痛みを隠して静止する動物で、動けることは無傷の証拠にならない。触らず暗い箱に入れて保温し、当日中に受診してレントゲンを撮る。1週間様子を見ると骨がずれたまま固まり、枝をつかめなくなる。腕を伸ばして触ると骨折を悪化させ、痛みで咬まれる。餌を高所に置いて登らせるのは、片腕で登れず再落下する危険が高い。代謝性骨疾患が背景にあれば食事の見直しも必要である。
課題「動けているなら大丈夫」という誤解があった。1mの枝の下に厚いクッションがなく、落下に備えた環境ができていなかった。痛みを隠す習性も知らなかった。
改善案落下後は動けても当日受診を基準にする。1m以上の枝の下には厚い床材とクッションを敷き、枝の固定を定期点検する。暗い搬送箱を常備し、片腕を使わない・つかむ力が弱いは受診サインと覚えておく。
Q21ケージ扉に手を挟んで指が腫れた怪我
夜、餌を入れた後にケージの扉を閉めた瞬間、4歳のスローロリスが扉の縁に手をかけていて、右手の指が挟まれた。鳴き声を上げてすぐ手を引っ込め、その後指を舐め続けている。指は赤く腫れているが、出血はない。指を使って枝に登れるかはまだ分からない。
最も適切な対応はどれか
- 指を引っ張って関節を動かし、曲がるか確認して問題なければ放置する
- 腫れが引くまで氷水に指をつけ、30分冷やしてからケージに戻す
- 出血がないので何もせず、翌週の検診まで様子を見る
- 触らず静かにして腫れと指の動きを観察し、腫れる・動かせなければ受診する
正解D.触らず静かにして腫れと指の動きを観察し、腫れる・動かせなければ受診する
解説扉に挟んだ指は、腫れる・動かせない・使わない場合は骨折や脱臼の可能性があり、受診が必要である。まず触らず暗く静かにして観察し、腫れが増す・指を使わない場合は当日受診する。腫れが軽く、数時間で使えるようになれば経過観察も可能である。指を引っ張って動かすと損傷が広がり、咬まれる危険もある。氷水に30分つけるのは小さな体に低体温と凍傷を招く。翌週まで放置すると骨がずれたまま固まる。ロリスは指でつかんで移動するため、指の怪我は生活に直結する。
課題扉の開閉時にロリスの位置を確認していなかった。夜の給餌時は活動的で扉に寄ってくることを予測できておらず、指の怪我が移動に直結する意識も薄かった。
改善案ケージ扉の開閉時は必ずロリスの位置を確認し、扉付近にいる時は待つ。給餌は巣箱にいる時間や専用の給餌口を使う。挟んだ後は指の使い方を観察し、腫れる・動かせないは当日受診とする。
Q22咬まれた雄の腕が黒く変色してきた怪我
1週間前、別居に踏み切るまでの数日間に同居個体に咬まれた6歳の雄。傷は小さく、飼い主は消毒だけで済ませていた。今夜見ると、咬まれた左腕の皮膚が黒く変色し、悪臭がある。腕を垂らして使わず、食欲も落ちてきた。
最も適切な対応はどれか
- 黒い部分を自分で切り取って消毒し、抗生物質軟膏を塗る
- 毒による壊死と感染を疑い、暗い箱で保温して当日中に受診する
- 悪臭は乾いてきた証拠なので、そのまま1週間様子を見る
- 腕を温めて血行を良くし、マッサージして回復を促す
正解B.毒による壊死と感染を疑い、暗い箱で保温して当日中に受診する
解説ロリスの咬傷は毒により壊死が起きやすく、皮膚の黒色変化・悪臭・腕を使わない・食欲低下は壊死と感染が進行し、全身に及びかけているサインである。当日中に受診し、外科的処置や抗生物質治療を受ける必要がある。自分で切り取るのは激しい痛みと出血、感染拡大を招き、咬まれる危険も高い。悪臭は腐敗のサインであり、放置すれば敗血症で命を落とす。温めやマッサージは感染を広げ、壊死組織には効果がない。咬傷は小さく見えても当日に受診すべきだった。
課題咬傷の毒性と壊死のリスクを軽視し、小さな傷を消毒だけで済ませた。同居の解消が遅れ、複数回咬まれる状況を許した。傷の経過観察も不十分だった。
改善案同居個体の咬傷は小さくても流水で洗い、腫れが出れば当日受診とする。争いがあれば直ちに別居させる。傷は毎晩赤色灯で観察し、変色・悪臭・使わないは当日受診と決める。単独飼育を基本とする。
Q23夜の部屋んぽ中に姿が消えた事故
夜11時、照明を落とした寝室で5歳のスローロリスを部屋に出していた。飼い主が10分ほど目を離した間に姿が見えなくなった。窓は閉めたが、廊下へのドアはわずかに開いていた。家には猫が1匹おり、リビングで寝ている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 全ての部屋の電気をつけて隅々まで大声で名前を呼び探す
- 猫を別室に閉じ込め、ドアと窓を閉めて部屋を暗くし、高所を中心に餌で誘う
- 自然に戻るのを待ってケージの扉を開けたまま寝る
- 捕まえやすいよう掃除機の音で驚かせ、飛び出してきたところを捕まえる
正解B.猫を別室に閉じ込め、ドアと窓を閉めて部屋を暗くし、高所を中心に餌で誘う
解説ロリスは静かに脱走し、暗い高所に隠れる習性がある。最初に猫を隔離し、他の部屋への経路を閉じて捜索範囲を限定し、部屋を暗くして高い場所(カーテンレール、棚の上)を探しつつ餌で誘う。猫はロリスにとって捕食者で、同じ空間にいれば咬傷・毒による事故が双方に起こる。明るくして大声を出すとロリスは静止して隠れ、見つけにくくなる。扉を開けたまま寝ると屋外への脱走や踏みつけの危険がある。掃除機など大きな音はパニックによる落下や窓からの脱走を招く。
課題猫がいる家で部屋んぽ中にドアが開いており、目を離した。捕食者との同居リスクと、ロリスが静かに脱走する習性を軽視していた。
改善案部屋に出す時はドアを固定して閉め、窓・網戸を確認し、猫や犬は別室に隔離する。目を離さず、部屋の高所に登れる家具は事前に整理する。ケージは南京錠付きにし、脱走時の捜索手順を家族と共有する。
Q24暗い部屋で家族が踏んでしまった事故
夜、部屋んぽ中の3歳のピグミースローロリスが床を歩いていた。トイレに起きた家族が暗い中で気づかず足を乗せ、鳴き声を聞いて慌てて足を離した。ロリスはその場で丸まり、呼吸が速く、口を少し開けている。動こうとしない。
最も適切な対応はどれか
- 外傷が見えないので抱き上げて撫でて落ち着かせ、ケージに戻す
- 怪我の程度を確認するため、手足を一本ずつ動かして反応を見る
- 触らず暗い箱にタオルを敷いて入れ、揺らさず直ちに夜間救急へ搬送する
- ショックだけと考え、砂糖水を飲ませて朝まで巣箱で寝かせる
正解C.触らず暗い箱にタオルを敷いて入れ、揺らさず直ちに夜間救急へ搬送する
解説体重数百gのピグミーが踏まれると、外傷が見えなくても内臓損傷・肋骨骨折・気胸を起こしていることが多い。口を開けた呼吸・速い呼吸は「今すぐ受診」のサインで、触らず暗い箱にタオルを敷いて入れ、揺らさずに搬送する。抱いて撫でるのは骨折や内臓損傷を悪化させ、咬まれる危険もある。手足を動かして確認するのも同様で、診断はレントゲンで行う。砂糖水は呼吸が苦しい個体では誤嚥を招き、朝まで待つと内出血で命を落とす。車内は24℃以上に保つ。
課題部屋んぽ中に他の家族への周知がなく、暗い廊下や部屋をロリスが歩く可能性を想定していなかった。足元確認のルールがなかった。
改善案部屋に出す時は家族全員に伝え、出入りを制限する。暗い部屋では足元を赤色灯で確認し、来客や家族の出入り時はケージに戻す。搬送箱を常備し、口を開けた呼吸・動かないは即受診と決めておく。
Q25コードをかじって床で硬直している事故
夜間の部屋んぽ中、6歳のスローロリスがテレビ裏の延長コードのそばで倒れているのを発見した。コードの被覆にかじった跡があり、口の周りの毛が焦げた匂いがする。体は硬直気味で、コードにまだ触れている。飼い主は素手で抱き上げようとしている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 素手ですぐ抱き上げてコードから離し、口の中を確認する
- まずブレーカーを落とすかプラグを抜き、通電を止めてから呼吸と心拍を確認する
- 水をかけて体を冷やし、意識が戻るのを待つ
- 動画で状態を撮り、ネットで感電時の対処法を調べてから行動する
正解B.まずブレーカーを落とすかプラグを抜き、通電を止めてから呼吸と心拍を確認する
解説感電が疑われる場合、まず電源を切る(プラグを抜く・ブレーカーを落とす)ことが最優先で、通電中に素手で触ると救助者も感電する。安全確保後、反応・胸の動きによる呼吸・心拍を確認し、呼吸がなければ心肺蘇生を行いながら病院に連絡する。意識があっても口腔内の熱傷や、数時間後に肺水腫が出ることがあるため直ちに受診する。水をかけるのは感電を悪化させ低体温も招く。動画や検索で時間を使うと救命の機会を失う。コードはロリスが夜間にかじるため、部屋んぽ前に必ず片付ける。
課題部屋んぽ前にコード類を片付けておらず、テレビ裏のコードが露出していた。ロリスが木をかじる習性からコードをかじるリスクを想定していなかった。感電時の手順も知らなかった。
改善案部屋に出す前にコードはカバーで覆うか撤去し、家電のある部屋は避ける。感電時は電源遮断→呼吸・心拍確認→受診の順を家族で共有する。心肺蘇生の手順を印刷してケージ横に置き、夜間救急の連絡先を控える。
Q26ドアの隙間に指を挟まれ動けない事故
夜の部屋んぽ中、風で寝室のドアが動き、ドアと枠の隙間に4歳のスローロリスの左手が挟まった。ロリスは鳴き声を上げ、手が抜けないまま体を引いている。指の付け根から出血し、手首から先が変な方向に曲がって見える。
最も適切な対応はどれか
- ロリスの体を引っ張って手を抜き、抜けたらすぐケージに戻す
- ドアを開閉して隙間を広げ、手を引っかからせないように抜こうと繰り返す
- ドアをゆっくり固定して隙間を広げて手を外し、触らず暗い箱で保温して直ちに受診する
- 手が抜けたら消毒液を塗って包帯を巻き、翌朝の受診まで巣箱で休ませる
正解C.ドアをゆっくり固定して隙間を広げて手を外し、触らず暗い箱で保温して直ちに受診する
解説ドアに挟まれた手は、まずドアをゆっくり動かして隙間を広げ固定し、手を引かずに外す。手首から先が変な向きで出血もあれば骨折の可能性が高く、「落下後に動けない・手足が変な向き」と同様に今すぐ受診の対象である。出血は清潔なガーゼで圧迫しつつ、患部は触らず暗い箱にタオルを敷いて保温し、揺らさず搬送する。体を引っ張ると骨折が悪化し、皮膚が裂ける。ドアを繰り返し動かすと再度挟む。包帯を巻いて翌朝まで待つと、骨のずれと感染が進み、手の機能を失う。作業時は厚手のタオルで顔を覆い咬傷を防ぐ。
課題部屋んぽ中にドアを固定しておらず、風で動く状態だった。ロリスはドアの隙間に指を挟みやすいという注意点を知らず、目を離していた。
改善案部屋に出す時はドアストッパーで固定し、窓も閉めて風で動かないようにする。ドア周辺は行動範囲から外す。搬送箱・ガーゼ・厚手タオルを常備し、手足の変形や出血を伴う怪我は即受診と決めておく。
Q27浴槽に落ちて濡れてぐったり事故
冬の夜、部屋んぽ中に浴室のドアが開いており、5歳のピグミースローロリスが残り湯のある浴槽に落ちた。飼い主が水音で気づいて引き上げると、全身が濡れて体は冷たく、呼吸は浅く弱いが胸は動いている。口から少し水を吐いた。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- ドライヤーの熱風を至近距離で当てて一気に乾かし、そのままケージに戻す
- タオルで水気を拭き取り、布で包んだカイロで徐々に保温しながら直ちに受診する
- 水を吐かせるため逆さにして背中を強く叩き、吐き終わるまで続ける
- 自力で温まるよう巣箱に戻し、翌朝まで様子を見る
正解B.タオルで水気を拭き取り、布で包んだカイロで徐々に保温しながら直ちに受診する
解説溺水したロリスは低体温と誤嚥性肺炎の危険が高い。呼吸があればまずタオルで水気を拭き、布で包んだカイロで徐々に保温し、暗い箱に入れて直ちに受診する。誤嚥した水による肺炎は数時間〜翌日に悪化するため、元気に見えても当日受診が必要である。ドライヤーの熱風を至近距離で当てると熱傷と急激な体温変化を招く。逆さにして叩くのは骨折や吐物の誤嚥を起こし、小型霊長類では危険。濡れたまま巣箱に戻すと20℃以下相当の低体温で命に関わる。呼吸がなければ口と鼻の異物を除き心肺蘇生を行う。
課題部屋んぽ中に浴室のドアが開いており、浴槽に残り湯があった。ロリスの行動範囲に水場があるリスクを想定していなかった。冬の夜という低体温になりやすい条件も重なった。
改善案部屋に出す前に浴室・洗面所のドアを閉め、浴槽の水は抜くか蓋をする。行動範囲は1部屋に限定する。タオルと布で包むカイロを常備し、濡れた・冷たい時は保温して当日受診と決めておく。
Q28自作ケージの網の隙間に頭が挟まった事故
飼い主が増設した自作の金網パネルの継ぎ目に隙間があり、深夜、3歳のスローロリスが頭をその隙間に突っ込んで抜けなくなっている。首が締まって呼吸が速く、後ろ足で網を蹴り暴れている。飼い主は頭を押し戻そうとしている。
最も適切な対応はどれか
- 頭を押して元に戻そうとし、抜けなければ体を後ろから引っ張る
- 暴れ疲れて自然に抜けるのを待ち、その間に動画を撮って記録する
- 石けん水を首に塗り、滑らせて一気に引き抜く
- ペンチやニッパーで網を切って隙間を広げ、外れたら呼吸を確認し受診する
正解D.ペンチやニッパーで網を切って隙間を広げ、外れたら呼吸を確認し受診する
解説頭が挟まった時は、体を引っ張らず、網そのものを切って隙間を広げて外すのが安全である。首が締まって呼吸が速い状態は窒息の危険があり、時間をかけずに行う。外した後は呼吸と意識を確認し、首や顔の腫れ、呼吸の異常がないか当日中に受診する。頭を押し戻す・体を引っ張るのは頸椎損傷や窒息を招き、パニックで咬まれる危険もある。自然に抜けるのを待つ、動画を撮るのは窒息や骨折を放置する行為である。石けん水で引き抜くのも首を圧迫し、成功しても損傷を悪化させる。作業中は厚手タオルで目を覆うと落ち着きやすい。
課題自作パネルの継ぎ目に頭が入る隙間があり、ロリスが小さな穴に頭を入れる習性を想定していなかった。網を切る工具を近くに置いていなかった。
改善案ケージは目の細かい金属製の既製品を基本とし、増設部分は継ぎ目に隙間がないか指を通して確認する。ニッパー・ハサミ・厚手タオルをケージ横に常備する。挟まり事故は引っ張らず器具側を壊すと家族で共有する。
Q29南京錠を忘れて翌朝ケージが空事故
夏の朝、飼い主が起きると6歳のスローロリスのケージ扉が開き、姿がない。昨夜、南京錠をかけ忘れていた。窓は網戸のみで、リビングの掃き出し窓は換気のため10cm開けていた。屋外はカラスの鳴き声がする住宅街である。
最も適切な最初の行動はどれか
- 外に出たと決めつけて近所を走り回り、名前を呼びながら捜索する
- SNSに写真を投稿し、目撃情報を待ちながら仕事に出かける
- まず室内の暗い高所(カーテン上・棚の裏・押し入れ)を探し、窓を閉め部屋を暗くして餌で誘う
- 捕食者に襲われる前に大声で驚かせ、飛び出してきたら捕まえる
正解C.まず室内の暗い高所(カーテン上・棚の裏・押し入れ)を探し、窓を閉め部屋を暗くして餌で誘う
解説ロリスは夜間に静かに脱走し、明るくなると暗い高所で丸まって眠る。まず窓を閉めて脱走経路を断ち、室内の暗い高所(カーテンレールの上、棚の裏、押し入れ、天井近く)を探し、部屋を暗くして餌で誘うのが基本である。多くは室内に潜んでいる。先に屋外を探すと室内の個体が窓から出る機会を作る。SNS投稿は室内捜索後で良く、放置して出勤すると熱中症や脱水で衰弱する。大声で驚かせると静止して隠れ、落下や窓からの飛び出しを招く。屋外に出た場合はカラス・猫の被害と高温が命に関わるため、周囲の樹木の高所を夕方まで重点的に探す。
課題南京錠をかけ忘れ、窓も開けたままだった。夏の換気で網戸や窓の隙間があり、脱走時の環境が最悪だった。就寝前の確認ルールがなかった。
改善案就寝前に扉の南京錠と窓の施錠を指差し確認する習慣をつける。網戸のみの換気はせず、エアコンで温度管理する。脱走時の手順(窓を閉める→暗くする→高所→餌で誘う)を紙に書いて貼り、家族と共有する。
Q30床材が汚れて掃除中に踏み台から転落事故
夕方、まだ明るいうちにケージ掃除をしていた飼い主が、8歳のスローロリスを一時的に段ボール箱に移して机の上に置いた。箱の蓋を開けたままにしていたところ、ロリスが箱から這い出し、机から床に落ちた。床はフローリングで、ロリスは丸まって動かない。
最も適切な対応はどれか
- 驚いただけと考え、すぐ抱き上げてケージに戻し、餌を与えて確認する
- 落ち方を確認するため、もう一度箱に戻して動きを見る
- 腫れがなければ大丈夫なので、翌日以降に受診を検討する
- 触らず暗く蓋をした箱に移して保温し、動かない・呼吸の異常があれば直ちに受診する
正解D.触らず暗く蓋をした箱に移して保温し、動かない・呼吸の異常があれば直ちに受診する
解説机の高さからフローリングへの落下は、ロリスにとって骨折や頭部・内臓損傷を起こす十分な高さである。落ちた後動かなければ即受診の対象で、触らず暗く蓋をした箱に移して保温し、呼吸の状態を観察しながら搬送する。抱き上げて餌で確認するのは骨折や内出血を悪化させ、痛みで咬まれる危険もある。再び箱に戻して動きを見るのは二次事故の元。腫れが見えない骨折や内臓損傷は多く、翌日まで待つと手遅れになる。日中は眠る時間で、明るい中での作業自体もストレスとパニックの原因になる。
課題日中の明るい時間に作業し、蓋のない箱を高い場所に置いた。ロリスは動きが遅くても這い出すことを軽視していた。一時避難用の安全な容器を用意していなかった。
改善案掃除は夜間の活動時間か、日中なら暗い巣箱ごと蓋付きの箱に移し、床に置く。一時避難用に鍵付きの小型キャリーを用意する。落下後に動かない時は即受診と決め、搬送箱とタオルを常備する。
Q31落ちていた観葉植物の葉をかじった中毒・誤飲
夜の部屋んぽ中、5歳のスローロリスがリビングのポトスの葉をかじっているのを見つけた。すぐ止めたが、数分後から口の周りをしきりに擦り、よだれが大量に出て、口の中が赤く腫れている。植物の名前は飼い主が把握している。
最も適切な対応はどれか
- 口の中を水で強く洗い流し、指で残った葉を取り出す
- 牛乳を飲ませて毒を薄め、落ち着けば受診しない
- 植物名を控え、口周りの葉片を拭き取り、暗い箱で保温して当日中に受診する
- 塩水を飲ませて吐かせ、吐けば安心して様子を見る
正解C.植物名を控え、口周りの葉片を拭き取り、暗い箱で保温して当日中に受診する
解説ポトスなどサトイモ科の植物はシュウ酸カルシウムを含み、口内の激しい痛み・よだれ・腫れを起こす。植物名を控え、口周りに残った葉片を布で拭き取り、暗い箱で保温して当日中に受診する。口の腫れが強いと呼吸困難になるため、口を開けた呼吸があれば即受診である。口の中を強く洗う・指を入れるのは咬まれる危険と誤嚥の危険があり、ロリスの毒を伴う咬傷にもつながる。牛乳は乳製品で下痢を起こし、毒を中和しない。塩水で吐かせるのは塩中毒と誤嚥を招き、絶対に行ってはならない。
課題部屋んぽの範囲に観葉植物があり、ロリスが樹液を求めて植物をかじる習性を想定していなかった。有毒植物の知識も不十分だった。
改善案部屋に出す部屋から観葉植物を全て撤去する。家にある植物の名前と毒性を一覧にし、動物病院に相談できるよう控えておく。植物名・かじった量・時刻をメモして受診する習慣をつけ、よだれ・口の腫れは当日受診とする。
Q32床材の糸くずを飲み込んで吐く中毒・誤飲
ケージに古いタオルを敷いていた4歳のピグミースローロリス。ほつれた糸が減っており、2日前から餌を残し、今夜は白い泡を吐いた。便は昨日から出ておらず、お腹を触られるのを嫌がって丸まる。飼い主は便秘だと思い、オリーブオイルを飲ませようとしている。
最も適切な対応はどれか
- 便秘なのでオリーブオイルを飲ませ、翌日便が出るか確認する
- 腸閉塞を疑い、ケージのタオルを外して食べた物の記録を持ち当日中に受診する
- お腹をマッサージして糸を押し出し、便が出れば受診しない
- 野菜を多く与えて食物繊維で糸を包み、自然に排出させる
正解B.腸閉塞を疑い、ケージのタオルを外して食べた物の記録を持ち当日中に受診する
解説布の糸くずを飲み込んだ後の食欲不振・嘔吐・排便停止・腹部の痛みは、糸による腸閉塞の典型で、放置すると腸壊死や穿孔で命を落とす。当日中に受診し、レントゲンや超音波で確認して手術も含めた治療を受ける。原因となるタオルは外し、糸の色や量、いつから減ったかを伝える。オイルを飲ませても糸は溶けず、誤嚥の危険がある。マッサージは腸に絡んだ糸で腸を裂く。野菜で包んで排出は期待できず、腸閉塞では受診の遅れが致命的になる。ロリスは糸くずや小さな玩具の破片を飲み込みやすい。
課題ほつれた古いタオルをケージに敷いていた。ロリスが床材や布の糸を飲み込むという注意点を知らず、糸が減っていることにも気づかなかった。
改善案床は厚めのペットシーツか広葉樹チップにし、ほつれる布は入れない。ケージ内に糸くず・破片が残っていないか毎日点検する。嘔吐・食欲不振・便が出ないは当日受診と決め、食べた物と量を毎日記録する。
Q33チョコレートを食べて興奮している中毒・誤飲
来客がテーブルに置いた板チョコを、夜の部屋んぽ中に6歳のスローロリスが半分近く食べてしまった。30分後、落ち着きなく枝を行き来し、呼吸が速く、体が小刻みに震えている。飼い主は「甘い物が好きだから大丈夫」と言われて迷っている。
最も適切な対応はどれか
- 甘い物は好きなので問題ない。水を多く与えて翌朝まで様子を見る
- 指を喉に入れて無理に吐かせ、吐いたら安心する
- 食べた量と時刻、包装を持って直ちに受診し、落ち着いた暗い箱で搬送する
- 興奮を鎮めるため人用の睡眠薬を少量与えて眠らせる
正解C.食べた量と時刻、包装を持って直ちに受診し、落ち着いた暗い箱で搬送する
解説チョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインは、小型のロリスでは少量でも興奮・頻脈・震え・けいれんを起こし、命に関わる。食べた量と時刻、包装(カカオの含有量が分かる)を持って直ちに受診し、点滴や解毒処置を受ける。人の菓子はロリスに与えてはならない食品である。「甘い物が好き」は安全の根拠にならず、翌朝まで待つとけいれんや心停止に至る。指で吐かせるのは咬傷と誤嚥の危険があり、毒を含む咬傷を誘発する。人用の睡眠薬は重篤な中毒を起こし、症状を隠して危険である。搬送中は暗く静かにし、刺激を避ける。
課題来客時に部屋んぽを続け、テーブル上の食品を片付けていなかった。人の菓子がロリスに危険という知識を家族や来客と共有できていなかった。
改善案来客時はロリスをケージに戻し、食べ物はテーブルに置かない。人の菓子・蜂蜜・乳製品は与えないと家族と来客に伝える。中毒時は食べた物・量・時刻を記録して即受診と決め、夜間救急の連絡先を控える。
Q34防虫剤の匂いがする部屋で嘔吐中毒・誤飲
冬、飼い主が夜の部屋んぽを衣類収納のある和室で行った。押し入れには防虫剤が多数置かれていた。翌日夜、7歳のスローロリスが嘔吐し、ふらついて枝から滑り落ちた。押し入れの中で防虫剤の袋の一つが破れ、粒が減っていた。
最も適切な対応はどれか
- 防虫剤の製品名・成分を控え、暗い箱で保温して直ちに受診し嘔吐物も持参する
- 嘔吐は防虫剤の匂い酔いなので、部屋を換気して翌日まで様子を見る
- 牛乳を飲ませて胃を保護し、症状が続けば数日後に受診する
- 水をたくさん飲ませて毒を薄め、吐かせるために塩を舐めさせる
正解A.防虫剤の製品名・成分を控え、暗い箱で保温して直ちに受診し嘔吐物も持参する
解説ナフタレンやパラジクロロベンゼンなどの防虫剤は、少量の摂取でも小型動物に嘔吐・ふらつき・けいれん・溶血や肝障害を起こす。製品名と成分を控え、嘔吐物を密閉袋に入れ、暗い箱で保温して直ちに受診する。ふらつきと落下は「けいれん・ふらつきは即受診」の項目にも該当する。匂い酔いと決めつけて翌日まで待つと、溶血や肝障害が進み手遅れになる。牛乳は下痢を起こし、脂溶性の成分の吸収を増やす場合もある。塩で吐かせるのは塩中毒と誤嚥の危険があり、絶対に行わない。受診時は摂取の可能性がある時刻も伝える。
課題部屋んぽの場所に防虫剤や薬品が置かれた収納があり、ロリスが押し入れなど暗い場所に入る習性を考慮していなかった。誤飲に気づくまで1日かかった。
改善案部屋んぽは薬品・防虫剤・洗剤のない部屋に限定し、押し入れや戸棚は閉めて固定する。部屋んぽ後は行動範囲を点検し、異常があれば早期に気づけるようにする。嘔吐・ふらつきは即受診と決め、製品名を伝える準備をする。
Q35蜂蜜と果物を毎晩たっぷり与えてきた中毒・誤飲
飼い主は「ロリスは甘い物が好き」と聞き、2歳のピグミースローロリスに毎晩バナナ・ぶどう・蜂蜜を主食として与えてきた。1年で体重が100g増え、最近は動きが鈍く、口臭も出てきた。飼い主はまだ元気だと考えている。
最も適切な判断はどれか
- 肥満気味なので蜂蜜だけやめ、果物は好きなだけ与える
- 元気なうちは問題ないので、体重が減り始めたら受診を考える
- 糖分過多による糖尿病・歯周病のリスクが高いため、食事を樹液・昆虫・ペレット主体に切り替え数日以内に健診を受ける
- 急にダイエットさせるため2日間絶食し、その後果物だけに戻す
正解C.糖分過多による糖尿病・歯周病のリスクが高いため、食事を樹液・昆虫・ペレット主体に切り替え数日以内に健診を受ける
解説バナナ・ぶどうなど甘い果物の大量給餌と蜂蜜は、ロリスに与えてはならない食事である。糖分過多は肥満から糖尿病、歯周病、代謝性骨疾患につながり、体重増加と口臭はすでにそのサインが出ている。主食をアカシアガム・昆虫・専用ペレットに切り替え、果物は週数回少量にし、数日以内に健診で血糖や歯の状態を確認する。蜂蜜だけやめて果物を自由に与えても糖分は過剰なまま。体重が減り始めてからでは糖尿病が進行している。2日間の絶食は小型のロリスに低血糖とけいれんを起こし危険である。食事の切り替えは獣医師と相談し、段階的に行う。
課題「甘い物が好き」という俗説に基づき、栄養知識なく果物と蜂蜜を主食にしていた。体重増加を「元気」と誤解し、口臭を歯のサインと結びつけられなかった。
改善案主食はアカシアガム・昆虫・専用ペレットとし、果物は週数回少量、蜂蜜・人の菓子・乳製品は与えない。体重を毎週記録し、増減5%を受診基準にする。年1回の血液検査と口腔検査を受け、夜間の採食パズルで運動量を確保する。
Q36真夏の停電でエアコンが止まった環境・災害
8月の昼過ぎ、落雷で停電しエアコンが止まった。閉め切った部屋の温度は1時間で32℃に上がり、5歳のスローロリスは巣箱から出て床に伏せ、口を開けて速い呼吸をしている。復旧の見込みは不明で、外は35℃の炎天下である。
最も適切な対応はどれか
- 体を氷水に浸けて一気に冷やし、震えが出るまで続ける
- 凍らせたペットボトルをタオルで包んで置き、濡れタオルで体を軽く拭いて風を送り、改善しなければ受診する
- 夜行性だから暑さに強いと考え、暗くしてそのまま復旧を待つ
- 扇風機の風を体に強く直接当て続け、水を無理に飲ませる
正解B.凍らせたペットボトルをタオルで包んで置き、濡れタオルで体を軽く拭いて風を送り、改善しなければ受診する
解説ロリスの適温は24〜28℃で、32℃の閉め切った部屋で口を開けた速い呼吸は熱中症のサインである。まず涼しい部屋や日陰に移し、タオルで包んだ保冷剤や凍らせたペットボトルをケージ内に置き、濡れタオルで体を軽く拭いてうちわで風を送る。口を開けた呼吸が続く・ぐったりが改善しないなら即受診する。氷水に浸けるのは急激な体温低下でショックを起こし危険。夜行性でも暑さには弱く、放置は命に関わる。強風を当て続ける、無理に水を飲ませるのはストレスと誤嚥を招き、脱水対策は受診して点滴で行う。停電時は搬送用に車の冷房を使うのも一案である。
課題停電時の冷却手段(保冷剤・凍らせたボトル・避難先)を準備していなかった。夏の猛暑でエアコンが唯一の温度管理手段で、バックアップがなかった。
改善案冷凍庫に凍らせたペットボトルと保冷剤を常備し、停電時の冷却手順を決めておく。温度計を毎日確認し、28℃を超えたら対応する。停電が長引く場合の避難先(親族宅・動物病院)を確認し、搬送箱を用意しておく。
Q37冬の停電で室温が18℃まで低下環境・災害
1月の深夜、大雪で停電しパネルヒーターとエアコンが止まった。3時間後に室温は18℃まで下がり、7歳のピグミースローロリスは巣箱で丸まって震え、名前を呼んでも反応が鈍い。触ると体が冷たい。復旧は朝以降と言われている。
最も適切な対応はどれか
- 布で包んだカイロや湯たんぽを巣箱の横に置き、毛布でケージを覆って徐々に温め、反応が戻らなければ受診する
- ドライヤーの熱風を体に直接当てて急速に温める
- 冬眠に入っただけなので、そのまま朝まで静かにしておく
- 熱いお湯を入れた容器を直接体に当てて、震えが止まるまで温める
正解A.布で包んだカイロや湯たんぽを巣箱の横に置き、毛布でケージを覆って徐々に温め、反応が戻らなければ受診する
解説ロリスは20℃以下で危険とされ、18℃で震えと反応の鈍さがあるのは低体温の進行を示す。布で包んだカイロや湯たんぽを巣箱の横に置き、ケージを毛布で覆って熱を逃がさず、徐々に温める。カイロは直接触れると低温熱傷を起こすため必ず布で包み、ロリスが離れられる余地を残す。反応が戻らない・けいれん・呼吸の異常があれば即受診する。ドライヤーの熱風は熱傷と急激な体温変化を招く。ロリスは冬眠しない動物で、放置は命に関わる。熱い容器を直接当てるのは熱傷を起こす。停電時は車内暖房での搬送も選択肢になる。
課題冬の停電時の保温手段(カイロ・湯たんぽ・毛布)を準備しておらず、室温の低下に3時間気づかなかった。温度計のアラーム機能や停電の備えがなかった。
改善案使い捨てカイロ・湯たんぽ・毛布・断熱シートを冬の間ケージの近くに常備する。停電時の保温手順を紙に書き、家族と共有する。室温が下がると警告する温度計を設置し、20℃を下回る前に対応する。
Q38震度6の地震でケージが倒れた環境・災害
深夜、震度6の地震で高さ150cmの縦長ケージが倒れ、枝や巣箱が散乱した。4歳のスローロリスは倒れたケージの隅で丸まっており、動きはあるが右足を引きずっている。余震が続き、家は停電し、地域に避難指示が出ている。
最も適切な対応はどれか
- ケージを起こして元通りにし、ロリスはそのまま自宅に残して避難する
- 余震が怖いのでロリスを腕に抱いたまま避難所へ向かう
- 抱かずに暗い搬送箱にタオルを敷いて入れ、布で包んだカイロで保温し、CITES登録票と共に持ち出して避難後に受診する
- 足を引きずるので添え木をしてから、大きなケージごと車で運ぶ
正解C.抱かずに暗い搬送箱にタオルを敷いて入れ、布で包んだカイロで保温し、CITES登録票と共に持ち出して避難後に受診する
解説ロリスは自宅に残せば余震での再転倒や停電による低体温で命を落とす。抱かずに暗い搬送箱にタオルを敷いて入れ、布で包んだカイロで保温し、揺らさず持ち出す。CITESの登録票は個体の合法性の証明で、避難先や受診時に必要となる。足を引きずるので落ち着いたら受診し、骨折の有無を確認する。腕に抱いて避難すると咬傷と毒によるアナフィラキシー、逃走の危険がある。添え木は不要で、大きなケージは避難行動を妨げる。避難所では動物の受け入れが限られるため、ペット可の避難先や親族宅を事前に決めておく必要がある。
課題縦長のケージを壁に固定しておらず、転倒対策がなかった。避難時の搬送箱や保温具、CITES登録票の持ち出し準備がなく、避難先も決めていなかった。
改善案ケージは壁や床に固定し、枝や巣箱もしっかり留める。搬送箱・タオル・カイロ・数日分の餌・CITES登録票のコピーを防災袋にまとめておく。ペットと避難できる場所と霊長類を診る病院を事前に確認し、家族で避難手順を共有する。
Q39梅雨の高湿度でケージにカビ環境・災害
6月、湿度計が85%を示す日が続き、6歳のスローロリスのケージの木製巣箱と広葉樹チップの床材に黒いカビが生えていた。ロリスはくしゃみを繰り返し、目やにが出ている。飼い主はカビ取り剤をケージ内に吹きかけようと考えている。
最も適切な対応はどれか
- ロリスを別容器に移し、巣箱と床材を交換し除湿機で50〜70%に調整し、くしゃみが続けば受診する
- カビ取り剤をロリスがいるままケージ内に吹きかけ、拭き取る
- 湿度は自然現象なので、窓を開けて風を通し様子を見る
- カビの部分だけ削って戻し、日光に当てて乾かすため日中にケージを窓際に置く
正解A.ロリスを別容器に移し、巣箱と床材を交換し除湿機で50〜70%に調整し、くしゃみが続けば受診する
解説ロリスの適正湿度は50〜70%で、85%が続くとカビが繁殖し、くしゃみ・目やになど呼吸器や目の症状が出る。ロリスを別容器に移してから、カビの生えた木製巣箱と床材を交換し、除湿機で適正湿度に調整する。くしゃみ・目やにが続く、食欲が落ちる場合は数日以内に受診する。カビ取り剤は塩素などが揮発し、ロリスがいる状態で使うと中毒や呼吸器障害を起こす。窓を開けるだけでは梅雨時の湿度は下がらず、蚊や脱走のリスクも生む。日中に窓際に置くのは夜行性のロリスに直射日光と明るさのストレスを与え、カビの根本解決にもならない。
課題湿度管理をしておらず、梅雨時の高湿度に対する除湿手段がなかった。木製巣箱と床材の点検頻度が低く、カビの発生に気づくのが遅れた。
改善案温湿度計をケージ内に設置し、湿度50〜70%を保つよう除湿機やエアコンで調整する。床材は毎日交換し、巣箱は月1回点検して乾燥させる。カビや薬剤は動物のいない状態で処理し、くしゃみ・目やには受診基準にする。
Q40リフォームの騒音で昼間に暴れる環境・災害
隣家の解体工事が始まり、朝から夕方まで重機の騒音と振動が続く。3日目、5歳のスローロリスは昼間も眠らず、ケージの中を回り続けて壁に体をぶつけ、夜になっても餌を食べない。飼い主はケージに布をかけているが、音は防げていない。
最も適切な対応はどれか
- 慣れるまで我慢させ、工事が終わるまでそのまま様子を見る
- 騒音を紛らわせるため昼間にテレビを大音量でつけ、ロリスと遊ぶ
- 人用の精神安定剤を少量与えて昼間眠らせる
- ケージを家で最も静かで暗い部屋か親族宅へ一時的に移し、食べない状態が24時間続けば受診する
正解D.ケージを家で最も静かで暗い部屋か親族宅へ一時的に移し、食べない状態が24時間続けば受診する
解説日中の騒音と振動はロリスに強いストレスを与え、昼間眠れない・常同行動・自傷・食欲廃絶を起こす。最も静かで暗い部屋へ移すか、工事期間中は親族宅など静かな場所に一時的に避難させるのが根本対策である。移動後も24時間食べない状態が続けば当日受診する。慣れるのを待つと自傷や体重減少が進み、低血糖や免疫低下で病気を招く。テレビの大音量や昼間に遊ぶのは、さらなる騒音と覚醒でストレスを悪化させる。人用の精神安定剤は小型霊長類で用量が不明で、呼吸抑制など重篤な副作用を起こす。工事の予定は事前に把握しておくことが重要である。
課題工事の開始を事前に把握せず、騒音が続いてからも3日間対策が布カバーだけだった。ロリスの昼間の静穏がどれほど重要か理解が不十分だった。
改善案近隣の工事予定を確認し、始まる前に静かな部屋や避難先を決めておく。ケージは家で最も静かで暗い部屋に置き、日中は完全に暗くできる布カバーを使う。24時間食べない・常同行動は受診基準とし、体重を毎週記録する。
Q41咳と痩せが続く個体と飼い主の健康感染症・衛生
10歳のスローロリスが2週間前から夜間に乾いた咳をし、体重が減ってきた。同居する飼い主も最近微熱と咳が続いている。飼い主は素手で世話をし、ケージ掃除をした後の器具を台所で洗っている。家には受験生の子どもがいる。
最も適切な対応はどれか
- 季節の風邪だと考え、ロリスに人用の風邪薬を少量与えて様子を見る
- ロリスを当日中に受診させて結核など人獣共通感染症の検査を受け、飼い主自身も医療機関に霊長類を飼っていることを伝えて受診する
- ロリスの咳は乾燥のせいなので加湿器を置き、飼い主は市販薬で対処する
- 感染が怖いのでロリスをベランダに出し、飼い主は距離を取って様子を見る
正解B.ロリスを当日中に受診させて結核など人獣共通感染症の検査を受け、飼い主自身も医療機関に霊長類を飼っていることを伝えて受診する
解説サル類は結核に感受性があり、咳・痩せは即受診の項目である。飼い主も咳と微熱が続いているため、人獣共通感染症の可能性を念頭に、ロリスは当日中に受診し、飼い主も医療機関で霊長類を飼育していることを伝えて診察を受ける。診断がつくまでは世話を一人に限定し、手袋とマスクを着け、器具は台所で洗わず、世話の後は石けんで手を洗う。人用の風邪薬は小型霊長類に危険で、診断も遅れる。加湿だけで対処すると感染が家族に広がる。ベランダに出すのは温度と捕食者、脱走の点で危険で、隔離は室内の別室で行う。
課題素手での世話、台所での器具洗浄など衛生管理が不十分で、人獣共通感染症の意識がなかった。咳と痩せが2週間続くまで受診しなかった。飼い主の健康診断も受けていなかった。
改善案世話は手袋を着け、器具は動物専用の場所で洗い、世話の後は石けんで手を洗う。咳・痩せは即受診と覚え、飼育者は年1回の健康診断を受ける。医療機関に霊長類を飼っていることを伝え、家族の体調不良時も同様に伝える。
Q42下痢の後に家族が発熱と腹痛感染症・衛生
4歳のスローロリスが下痢をした翌々日、ケージ掃除を手伝った小学生の子どもが発熱と激しい腹痛、下痢を訴えた。ロリスには生の鶏肉を与えていた。掃除に使ったスポンジは台所の食器用と共用で、子どもは手を洗わずに食事をしていた。
最も適切な対応はどれか
- 子どもを小児科に連れて行きロリスとの接触と動物の下痢を伝え、ロリスも便を持って受診し、生肉の給餌をやめて器具を分けて消毒する
- 子どもの症状は学校の流行だろうと考え、市販の下痢止めで様子を見る
- ロリスに人用の抗生物質を与え、子どもには整腸剤を飲ませて様子を見る
- ロリスを手放す準備をし、それまでケージを風呂場で洗浄する
正解A.子どもを小児科に連れて行きロリスとの接触と動物の下痢を伝え、ロリスも便を持って受診し、生肉の給餌をやめて器具を分けて消毒する
解説生の肉や卵の給餌、動物の下痢の後に接触した子どもの発熱・腹痛・下痢は、サルモネラ症など人獣共通感染症の典型的な経過である。子どもは小児科でロリスとの接触と動物の下痢を伝え、ロリスも便を密閉袋に入れて受診する。生の肉・生卵の給餌をやめ、器具は台所と分け、世話の後は石けんで手洗いする。市販の下痢止めは感染性の下痢で排出を止めて悪化させる。人用抗生物質の自己投与は危険で、原因の特定もできない。手放すことは解決にならず、風呂場での洗浄は家族への感染を広げる。幼児や高齢者がいる家庭では特に衛生管理が重要である。
課題生の鶏肉という与えてはいけない餌を与え、掃除用具を台所と共用し、手洗いの習慣がなかった。子どもに世話をさせる際の衛生指導が不足していた。
改善案生の肉・生卵は与えない。ケージの器具は専用にし、台所では洗わない。世話の後は家族全員が石けんで手を洗い、子どもの世話には大人が付き添う。ロリスが下痢をした時は家族の体調も注意し、動物との接触を医師に伝える。
Q43新しい個体を迎えて同じ部屋に置いた感染症・衛生
保護団体から譲り受けた2歳のスローロリスを、先住の6歳個体と同じ部屋の隣接ケージに置いた。3日後、新入りが軟便になり、肛門をこすっている。飼い主は同じピンセットと餌皿で2頭の世話をし、掃除も同じ用具で行っている。
最も適切な対応はどれか
- 同じ部屋のまま2頭の餌皿を毎日交換すれば十分と考える
- 新入りを別室に隔離して糞便検査を受け、世話は先住個体を先に行い、器具は分けて消毒する
- 軟便は環境変化のストレスなので、新入りを先住のケージに入れて安心させる
- 先住個体にも予防的に虫下しを与え、同じ部屋で様子を見る
正解B.新入りを別室に隔離して糞便検査を受け、世話は先住個体を先に行い、器具は分けて消毒する
解説新しく迎えた個体は寄生虫や感染症を持ち込む可能性があり、導入時の糞便検査と別室での隔離期間が基本である。軟便と肛門をこする仕草は寄生虫症のサインで、便を持って数日以内に受診する。世話は先住個体を先に行い、器具は個体ごとに分けて消毒し、手洗いを徹底する。餌皿の交換だけでは感染経路を断てない。ストレスと決めつけて同じケージに入れると、単独性のロリス同士の咬傷と感染の両方の危険がある。診断なしの虫下しは無効な場合が多く、体調不良の原因にもなる。ロリスは基本単独飼育であることも忘れてはならない。
課題導入時の隔離と糞便検査を行わず、新入りと先住を同じ部屋に置いた。器具を共用し、先住個体への感染リスクを考えていなかった。
改善案新しい個体は最低2〜4週間別室で隔離し、導入時に糞便検査と健康診断を受ける。世話は健康な個体から順に行い、器具は個体別にして消毒する。多頭飼育でも単独ケージを基本にし、年1〜2回の糞便検査を続ける。
Q44引っかかれた手が腫れて熱を持つ感染症・衛生
夜、ケージの掃除中に8歳のスローロリスが飼い主の手の甲を引っかき、浅い傷ができた。飼い主は水で軽く流しただけで放置した。2日後、傷の周りが赤く腫れて熱を持ち、脇の下が痛む。ロリスは口に傷を舐める仕草をよくしている。
最も適切な対応はどれか
- 軽い傷なので市販の消毒液と絆創膏で対処し、治るまで様子を見る
- 腫れは体質のせいなので、冷やして市販の抗ヒスタミン薬を飲む
- サルの引っかき傷として感染を疑い、人の医療機関を当日受診し、ロリスに引っかかれたことと唾液の付着の可能性を伝える
- ロリスに抗生物質を与えれば感染源が消えるので、動物病院だけを受診する
正解C.サルの引っかき傷として感染を疑い、人の医療機関を当日受診し、ロリスに引っかかれたことと唾液の付着の可能性を伝える
解説サル類の引っかき傷や咬傷は、唾液を介した細菌感染やBウイルスなど人獣共通感染症の経路になる。ロリスは唾液と腺分泌物を舐めて傷につけることがあり、腫れ・熱感・リンパ節の痛みは感染の進行を示す。当日中に人の医療機関を受診し、ロリスに引っかかれたことを伝えて適切な治療を受ける。市販の消毒と絆創膏では進行した感染は止まらず、リンパ節まで及んでいる状態では危険である。抗ヒスタミン薬は感染に効果がない。ロリスに抗生物質を与えるのは無意味で、人の治療が優先である。傷を受けた直後に15分以上の流水洗浄をすべきだった。
課題サルによる傷の感染リスクを軽視し、直後の流水洗浄が不十分で、2日間放置した。素手で掃除をしていたため引っかかれ、人の受診も考えていなかった。
改善案世話は厚手の手袋を着け、引っかき傷や咬傷は直後に15分以上流水で洗い、当日人の医療機関を受診する。かかりつけ医に霊長類を飼っていることを伝え、腫れ・熱感・リンパ節の痛みは当日受診とする。飼育者は年1回健康診断を受ける。
Q45呼びかけても反応せず胸が動かない救命救急
深夜、11歳のスローロリスが床材の上で横たわっているのを発見した。名前を呼んでも反応がなく、胸の動きが見えない。口の中に餌の破片が見える。体はまだ温かい。飼い主は霊長類を診る夜間救急の連絡先を控えている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 死んだと判断し、動かさず翌朝病院に連絡する
- 口と鼻の異物を除き、胸の左側を親指と人差し指で挟んで毎分100回圧迫、5回ごとに鼻から小さく息を吹き込みながら病院に電話する
- 体を強く揺すって起こし、水をかけて刺激する
- 背中を強く叩いて呼吸を戻し、心臓を拳で叩く
正解B.口と鼻の異物を除き、胸の左側を親指と人差し指で挟んで毎分100回圧迫、5回ごとに鼻から小さく息を吹き込みながら病院に電話する
解説反応がなく胸が動かない場合、体がまだ温かければ心肺蘇生の対象である。まず口と鼻を確認して餌の破片など異物を除き、胸の左側を親指と人差し指で挟んで毎分100回圧迫し、5回圧迫ごとに鼻から小さく息を吹き込む。同時に病院へ電話し指示に従う。安静時の心拍は100〜200回、呼吸は20〜40回で、回復すれば直ちに搬送する。翌朝まで待つのは救命の機会を放棄する行為。揺する・水をかけるのは無効で低体温を招く。拳で叩く・強く背中を叩くのは小さな体の骨折と内臓損傷を起こす。異物除去は指を深く入れず、見える範囲で行う。
課題餌の破片で窒息した可能性があり、餌の大きさや与え方に問題があった。高齢個体の異変に気づくのが遅れ、心肺蘇生の手順を事前に練習していなかった。
改善案餌は喉に詰まらない大きさにし、夜間の採食を見守る時間を作る。心肺蘇生(異物除去・毎分100回圧迫・5回ごとの人工呼吸)の手順を印刷してケージ横に貼る。高齢個体は夜間の観察回数を増やし、夜間救急の連絡先を家族と共有する。
Q46口を開けて速い呼吸をしている救命救急
夜10時、6歳のピグミースローロリスが枝の上で口を開け、胸を大きく動かして速い呼吸をしている。呼吸数を数えると1分に60回を超える。首を伸ばし、動かず、鼻から少し泡が出ている。室温は26℃で異常はなく、餌にも手をつけていない。
最も適切な対応はどれか
- 運動後の息切れと考え、静かにして30分様子を見る
- 口を開けた呼吸は緊急サインなので、暗く静かな箱に入れ揺らさず直ちに夜間救急へ搬送する
- 呼吸を楽にするため口の中に指を入れて気道を広げる
- 酸素が足りないと考え、扇風機の風を顔に当て続ける
正解B.口を開けた呼吸は緊急サインなので、暗く静かな箱に入れ揺らさず直ちに夜間救急へ搬送する
解説ロリスの正常な呼吸数は1分約20〜40回で、口を開けた呼吸・首を伸ばす姿勢・鼻からの泡は肺水腫や心不全、肺炎など重篤な呼吸困難のサインである。「口を開けて呼吸・呼吸が速い」は今すぐ受診の項目で、暗く静かな箱に入れ、揺らさず、刺激を最小限にして直ちに搬送する。30分様子を見ると窒息や心停止に至る。口に指を入れるのは咬傷と気道刺激で悪化させる。扇風機の風は酸素を増やさず、冷えとストレスを与える。搬送中は箱を斜めにせず、車内は24℃以上を保つ。病院には到着前に電話し、酸素の準備を依頼すると良い。
課題呼吸の異常を「息切れ」と解釈する知識不足があった。日頃の安静時呼吸数を把握しておらず、緊急性の判断に迷い、搬送の準備もできていなかった。
改善案健康時に安静時の呼吸数(20〜40回)と心拍数を数えて記録しておく。口を開けた呼吸・首を伸ばす姿勢は即受診と覚える。搬送箱を常備し、夜間救急の連絡先と電話での事前連絡の手順を家族と共有する。
Q47咬まれて出血が止まらない前腕救命救急
深夜、同居を試みていた2頭のロリスが争い、3歳の個体の前腕から血が滴っている。別ケージに分けたが、傷からは5分経っても血がにじみ続け、床材が赤く染まっている。ロリスは弱々しく枝にしがみつき、体が冷たくなってきた。
最も適切な対応はどれか
- 清潔なガーゼで傷を5分以上圧迫し続け、心臓側を軽く押さえ、保温しながら直ちに受診する
- 止血剤代わりに小麦粉をまぶし、ケージに戻して様子を見る
- 傷を確認するため何度もガーゼを外して出血を見ながら圧迫する
- 腕の付け根をひもできつく縛って血を止め、翌朝受診する
正解A.清潔なガーゼで傷を5分以上圧迫し続け、心臓側を軽く押さえ、保温しながら直ちに受診する
解説出血は清潔なガーゼで5分以上圧迫し、途中で外さない。四肢は心臓側を軽く押さえると止血しやすい。小型のロリスは少量の失血でもショックに陥り、体が冷たくなるのは危険な兆候で、布で包んだカイロで保温しながら直ちに受診する。咬傷は毒による壊死も起きるため、止血後も当日治療が必要である。小麦粉は感染源で止血効果も乏しい。ガーゼを何度も外すと固まりかけた血が剥がれ、出血が続く。ひもできつく縛ると腕の壊死を招き、翌朝まで待つと失血とショックで命を落とす。作業時は厚手のタオルで顔を覆い咬傷を防ぐ。
課題単独性のロリスの同居を試み、夜間の争いを止められなかった。止血用のガーゼや保温具を用意しておらず、出血への初動が遅れた。
改善案ロリスは単独飼育を基本にし、同居を試みる場合は隠れ家を複数用意し常時観察する。清潔なガーゼ・厚手タオル・カイロ・搬送箱を救急セットとして常備する。5分圧迫で止まらない出血や体が冷たい時は即受診と決めておく。
Q48夜間救急に行くべきか判断に迷う救命救急
土曜の夜11時、5歳のスローロリスが夕方から餌を食べず、巣箱でじっとしている。呼吸は普通で、下痢や嘔吐はなく、触ると反応する。飼い主はかかりつけが休みで、霊長類を診る夜間救急は車で1時間かかる。今夜行くか、朝まで待つか迷っている。
最も適切な判断はどれか
- 餌を食べないだけなので、月曜のかかりつけの開院まで待つ
- 夜間救急に電話して状況を伝え指示を仰ぎ、今夜は保温と観察を続け、24時間食べない・呼吸や意識の変化があれば直ちに搬送する
- 迷うくらいなら食べさせるべきなので、蜂蜜を口に押し込んで食べさせる
- ネットの情報で自己診断し、家にある人用の薬で対処する
正解B.夜間救急に電話して状況を伝え指示を仰ぎ、今夜は保温と観察を続け、24時間食べない・呼吸や意識の変化があれば直ちに搬送する
解説呼吸や意識に異常がなく、食欲低下のみの場合は「24時間食べていない」が当日受診の目安である。まず夜間救急に電話して状況を伝え、獣医師の指示を仰ぐ。今夜は保温と暗い環境で観察を続け、24時間食べない・呼吸の変化・けいれん・反応の低下が出れば直ちに搬送する。食欲不振の裏には低血糖や糖尿病、歯の病気があり、月曜まで待つのは危険である。蜂蜜を押し込むのは誤嚥と咬傷の危険があり、糖尿病なら悪化する。ネット情報での自己診断と人用薬の投与は中毒を招く。体重を量り、食べた物と量を記録しておくと受診時に役立つ。
課題受診の判断基準を事前に決めておらず、夜間救急への電話相談という選択肢を知らなかった。かかりつけの休診日の対応先を確認していなかった。
改善案「今すぐ受診」「当日受診」の基準をマニュアルから書き出し、ケージ横に貼る。夜間救急の電話番号と所要時間を控え、休診日の対応先を確認する。迷った時は電話相談を第一に行い、体重と食事の記録を持参できるようにする。
Q49けいれん後の搬送方法救命救急
1月の深夜、9歳のスローロリスがけいれんを起こし、今は止まってぐったりしている。意識は朦朧としており、体が冷たい。飼い主は霊長類を診る夜間救急に電話し、すぐ来るよう言われた。外は2℃で、車での移動は40分かかる。
搬送方法として最も適切なものはどれか
- 抱っこして毛布でくるみ、暖かい服の中に入れて運転する
- 普段のケージごと車に積み、揺れないよう後部座席に固定する
- 暗くした小箱にタオルを敷き、布で包んだカイロを入れて揺らさず運び、車内は24℃以上に保つ
- 呼吸しやすいよう蓋のない箱に入れ、窓を開けて新鮮な空気を入れながら運ぶ
正解C.暗くした小箱にタオルを敷き、布で包んだカイロを入れて揺らさず運び、車内は24℃以上に保つ
解説ロリスの搬送は、暗くした小箱にタオルを敷き、カイロは布で包んで直接触れないようにし、揺らさず静かに運ぶのが基本である。車内は24℃以上に保つ。けいれん後で体が冷たい個体は低体温が進行しており、保温が命に関わる。抱っこは咬傷と毒の危険、運転中の事故、逃走の原因になる。大きなケージは揺れが大きく、暗くできず、冬の外気に晒される。蓋のない箱と開けた窓は、2℃の外気で低体温を悪化させ、脱走と刺激の危険もある。搬送前に病院に到着予定を伝え、CITES登録票、体重推移、食事の記録を持参する。
課題搬送用の暗い小箱やカイロを日頃から準備しておらず、冬の夜間搬送の低体温リスクを考慮していなかった。搬送方法を事前に確認していなかった。
改善案搬送用の小箱・タオル・使い捨てカイロ・布をひとまとめにして玄関近くに常備する。冬は車内を事前に暖め、24℃以上にしてから出発する。CITES登録票のコピーと記録ノートを搬送セットに入れ、夜間の搬送手順を家族と共有する。
Q50反応が鈍く心拍が遅い時の確認救命救急
冬の朝、暖房の故障に気づいた飼い主が7歳のピグミースローロリスを見ると、丸まったまま呼びかけに反応が鈍い。胸に手を当てると心拍は1分60回ほどで、呼吸は浅く1分に12回。体温計で測ると33℃だった。すぐ受診する準備をしている。
受診までの間に最も適切な対応はどれか
- 心拍が遅いので直ちに胸を圧迫する心肺蘇生を始め、受診は後回しにする
- 40℃以上の湯に体を浸けて一気に体温を上げてから搬送する
- 元気を出させるため砂糖水を大量に流し込み、体を強くこすって温める
- 呼吸と心拍が続いていることを確認し、布で包んだカイロと毛布で徐々に保温しながら直ちに搬送し、途中で呼吸停止したら心肺蘇生に切り替える
正解D.呼吸と心拍が続いていることを確認し、布で包んだカイロと毛布で徐々に保温しながら直ちに搬送し、途中で呼吸停止したら心肺蘇生に切り替える
解説ロリスの正常体温は36〜38℃、安静時心拍は100〜200回、呼吸は20〜40回であり、33℃・心拍60・呼吸12回は重度の低体温である。呼吸と心拍がある間は心肺蘇生の対象ではなく、布で包んだカイロと毛布で徐々に保温しながら直ちに受診する。搬送中に呼吸が止まれば異物確認と胸の圧迫・人工呼吸に切り替える。心拍がある個体への胸部圧迫は不整脈や骨折を起こし危険で、受診を遅らせてはならない。高温の湯に浸けるのは急激な温度変化でショックを起こし、濡れることで熱を奪う。砂糖水を大量に流し込むと誤嚥し、強くこするのは体力を奪う。意識がはっきりしていれば少量の砂糖水を口の端につける程度にとどめる。
課題冬の暖房故障に朝まで気づかず、温度低下を知らせる仕組みがなかった。低体温時の心拍・呼吸数の正常値を把握しておらず、心肺蘇生の適応を誤りかけた。
改善案温度が下がると警告する温度計を設置し、暖房は2系統用意して故障に備える。正常な体温・心拍・呼吸数を記録して確認方法を練習し、心肺蘇生は呼吸・心拍がない時に限ると理解する。保温具と搬送箱を冬は常に近くに置く。

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